現在著者はハワイに住んでいます。
街で歩いて食事しても買い物をしても、あるいは仕事をしていてもストレスを全く感じないそうです。
ところが、東京に戻ると、そのマインドは長続きしません。
多くの人はこの違いを「人間性」「気候」「土地柄」のせいだと思っていますが、本当はまったく別のところにありました。
「人の習慣」です。
ハワイに住む人の、いい意味での「ゆるい習慣」。
これは日本にいる私たちも実践できます。
著者もこれを意識したところ、東京にいてもストレスに悩まされることはなくなりました。
ストレスとは無縁の「思考方法」「環境」「行動」は、作ることができます。
著者がそうした生き方をするようになると、その空気は周りの人にも感染していき、楽しく優しくなっていきました。
楽しいか楽しくないかで判断する
私たちは生活するために、たくさんの判断を日常で繰り返します。
朝食の内容から、仕事の決断まで多岐にわたります。
そこで、「何を基準に判断するか」ということになります。
そこで、こんな判断。
①仕事の問題は、「正しいか/正しくないか」。
そして、
②プライベートの問題は、「楽しいか/楽しくないか」で判断する。
ともすると私たちは仕事の延長として、プライベートにロジカルな正しさを持ち込んでしまいがち。
でも、プライベートはロジカルな楽しさよりもエモーショナルな楽しさの方を大切にすべきなのです。
もっと気を楽に、やっていて楽しくない趣味ならやめてしまいましょう。
最終的には、仕事も「楽しいか/楽しくないか」で選べる長期プランを立てていきましょう。
物事に白黒つけない
日本人の国民性に「イエスとノーをはっきりさせない」と批判する人がよくいます。
ビジネスや交渉事で曖昧なのはよくないし、多少言いにくくてもしっかり主張すべきでしょう。
ただ、プライベートでなんでもイエスとノーをはっきりさせるのは、反対です。
理由は簡単で、「イエスかノーか」の二元論は実情にそぐわないからです。
夫婦喧嘩や言い争いもそうです。
どちらも自分が正しいと主張しあっていたら、結婚生活が成立しません。
人間関係はグレーゾーンがあるからこそ成り立っているのです。
むしろそのグラデーションを楽しむくらいの気持ちでいる方が、ストレスフリーです。
ドロップオフのリスト
わたしたちが日ごろ作りがちな「やることリスト」。
しかし、「やらないことリスト」の方が重要です。
まずは自分の価値観にそぐわない「やらないこと」だけを決めて行動した方がいいからです。
そして、ゆるい生き方を送るうえでは「ドロップオフ・リスト」をつくりましょう。
これは言い換えるなら「切り捨てリスト」や「いらないものリスト」ということになります。
たとえば腕時計ひとつとっても、高級ブランド品が必要なのか。
それとも頑丈で実用性があればいいのか。
そもそも必要なのか。
他のもので代用できるのか。
こう考えていけば、高級ブランド品をドロップオフ、という考え方もできます。
他にも、スーツや自動車、生命保険、マイホーム、世間体なども対象として考えるべきでしょう。
ドロップオフは、しておかないと欲望が際限なく広がっていきます。
捨てられないものが皆無ならば、ゆるい生き方は難しいかもしれません。
ゆるい生き方は、それなりの覚悟が必要です。
著者はいつもTシャツに短パン、ビーサンで仕事をします。
「そんなやつとは仕事ができない」と言われたら、仕方ないとあきらめるようにしているそうです。
ゆるい生き方と引き換えに生まれるビジネスチャンスをドロップオフしているからです。
ハワイでも昼間からサーフィンをしている人がたくさんいます。
傍目には「昼間からのんきなもんだな」と映るかもしれませんが、彼らにしてもたくさんの欲望をドロップオフすることで、あれだけの自由を得ているのです。
60点主義
なんでも100点主義でがんばるのは、立派なことです。
しかし、プライベートまで完璧主義にすると、自分を追い込みすぎて、結果としてうまくいきません。
掃除や洗濯、パートナーとの時間に「完璧」を持ち込むべきではないですね。
そこで大切なのが、「満点ではなく、合格点を狙う」という考え方。
具体的には60点あたりです。
こうすると、仮に7割の出来でもプラス10点ですから、いつも気分よく過ごせます。
ストイックに自分を追い込むと、そのピリピリした雰囲気は周囲にも感染しますし、誰も喜びません。
自分に60点主義でいると、他者にも60点主義で接することができます。
些細なミスに腹を立てず、寛容でいられます。
アクシデントを笑い話にする
ゆるく楽しい毎日を過ごしたければ、日常の中でとにかくたくさん笑うことを意識しましょう。
心理学の古典的な理論に「ジェームズ=ランゲ説」があります。
「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という有名な言葉の通りです。
お店でたぬきそばを注文したら、きつねそばが出てきたことがありました。
ここで怒鳴り声をあげてしまったら、感情はそちらに流され、怒りモードになります。
しかし「これはいい笑い話になる」と思って笑っていると、本当に楽しくなります。
そして、その笑い話を友達に話していけば、もっと楽しくなるのです。
私たちの脳は「笑える話」を意識しながら過ごしていると、普段なら見落としてしまうくらい小さな笑い話まで、どんどんキャッチしてくれます。
これは「カラーバス効果」として知られています。
たとえあなたに失敗やアクシデントがあっても、あなたにはそれを笑いに転化する余裕が生まれます。
人間は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる。
そして笑える話を意識していると、自然と楽しいエピソードが集まってくる。
この2つの原則で、もっとゆるくて楽しい日々になります。
お盆休みって、ちゃんと休みでしたか?
かえって疲れるのは、ワタシだけでしょうか。
ゆるくいきるマインドが足りないんですね、きっと。
今日も1日お疲れ様でした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。