人生の義務は、ただひとつしかない。それは幸福になることだ。
これは、ヘルマン・ヘッセの言葉です。
まじめな国民性ということばがあります。
精神医学者の基本的な書物に『メランコリー』という本があるそうです。
そのなかで、勤勉で、まじめで、几帳面で、人に対していつもいい顔をしようとするような性格の人は、メランコリー親和性格と呼ばれ、うつ病(メランコリー)になりやすいと書かれていました。
これはドイツ人だけでなく、日本人にも多く、その両国が敗戦から高度成長を成し遂げたこともあり、多くの日本の精神科医の注目を集めました。
まじめな人の怖いところは、人にも同じようにまじめを求めるところです。
ブラック企業の上司も、悪気なく、むしろ相手にまじめさを求めすぎるパターンが多くあります。
まじめさがかえって人間を冷たくしたり、人間関係を悪くしたりすることもあるのです。
本著は医者でなく、自分が治った経験から書かれているので、実に具体的です。
まじめな人ほど、「これをやらなくては」と思いつめてしまいがちですが、「できるところから」「ひとつでもいいから」のキモチでさらっと一緒に読んでみてください。
幸福の国・スウェーデンの国民病は、実はストレス
ストレス障害は誰にでも起こり得る
これは、スウェーデン作家でジャーナリストの言葉です
「もはや『警告信号』ではなく、流行病の生きです。
保育所に預けられた子どもお、老人ホームの孤独なお年寄りも、そして目覚ましく進歩したこの国の最大の象徴でもある、子育てと仕事を両立させているこうがくれき・こうしゅうにゅうの若い女性たちも、気分がすぐれないのです。」
ストレス障害は、誰にでも起こり得る病気です。
昔の日の出とともに起き、日の入りとともに休んだ時代とは生活リズムが異なりながらも、脳はその時代から変わっていません。
休みになった途端体調を崩していませんか
「精神が弱ってしまいそうになったので、スイッチを切ることを覚えた」という感覚を感じたことがある人がいるかもしれません。
ストレスを感じているときにやりがちな方法で、一番危険なものです。
このスイッチは、身体からの警告です。
「スイッチを切る」ということは、精神への破綻への第一歩になるケースが少なくないのです。
著者たち二人も、長年スイッチを切ることが癖になっていました。
問題は山積みでしたが、とにかく押さえつけたのです。
やがて、より大きな問題でも、難なく抑えられるようになりました。
ろくに眠れず、完全な無力感に襲われ、胃潰瘍になり、不安で仕方なくなっても、助けの求め方がわからなかったのです。
スイッチを切ってしまえる人の厄介な点は、具合が悪いことを自覚しなくなることです。
選択の余地が無くなってしまうまでその状態を放っておいてはいけないのです。
手遅れになる前にいますぐ助けを求めなければならないのです。
重度のストレス障害になりやすい要因はいろいろありますが、いくつか挙げています。
・精神的に強く、屈しない人だと思われたい。
・成果を出すよう求められて育った。
・自分の問題を人に話さない。みんな自分の力でちゃんとなんとかやっているのだから、自分もそうすべきだと考えている。
・お荷物になりたくない。
・助けを求めるのは非常に難しいと感じる。
一瞬でいいから、一切なにもする「必要」はないと想像してみましょう。
あんたはひとりではありません。
助けを求めるのは、人として当然のことです。
自分の状況は自分で変えられます。
助けはいつだって存在するのです。
今日もひとつあなた自身を幸せにしてあげてくださいね。
お疲れさまでした。
ゆっくり休んでください。
では、また。