鍼灸師である著者。
東洋医学によって患者さんたちの様々な悩みを改善するのがお仕事ですが、肩こりや腰痛などよりも、実はココロの不調の相談も多いそうです。
今まで著者はカラダの不調の著書をたくさん手掛けてきましたが、本著はココロの不調に特化した1冊です。
東洋医学では、ココロとカラダを開けて考えることはしません。
身体の体質がココロの凹みの傾向に関係していると考えます。
ちょっとした「凹み」にたいして、東洋医学では専門家による治療でなく、一般の方が実践できる「養生」にて予防したり、改善するよう指導します。
養生とは、「運動」「栄養」「休養」に関する習慣で、割と単純なことで成り立っています。
簡単ですが、だからこそ疎かになりがちなことでもあります。
元気が出ない時のチェック項目
凹んでるなぁ・・・と思ったときは、まずカラダの状態をチェックしてみましょう。
ヒトは思っている以上にカラダの状態にココロの状態が影響を受けています。
①空腹を感じていないか
笑ってしまいそうな話ですが、笑い事ではないのです。
何となく気分が下がり気味でつらい、と思ったらどうも食事量が足りていないこともあるのです。
おなかが減って気分が凹むときは、温かいものを口にするように心掛けてください。
②手足や首が冷えていないか
これは、風邪の超初期症状でもあったりします。
いつもより首元や手足がスースーするとき、「何となく不安で心もとない」のと「精神的な不安」を取り違える場合があるのです。
温かいものを口にすることで対応したり、適切な衣服に変更したりしてください。
場合によっては風邪の手当てを。
③寝不足ではないか
例えば、休日の土日、2日間を寝不足で過ごして、月曜日の朝です。
この時妙にブルーな気持ちに襲われることもあると思うのです。
「仕事なんて嫌いだ」と思うかもしれませんが、たった2日の夜更かしと寝不足は、睡眠周期を乱れさせて気分を乱れさせるのです。
また、1日徹夜したら数日は影響が残ります。
④どこかにコリはないか
意識にのぼらない程度の「違和感」がカラダのどこかにないかを調べてみてください。
できれば、軽く体操などをするとよいのです。
すると、少しこわばっていて、ストレッチすると軽く痛みを感じたりする場所が見つかったりします。
こうしたコリ=物理的な血液の滞りによってココロの動きが滞ることもあります。
⑤どこかに痛みやかゆみはないか
皮膚が乾燥でピリピリしたり、かゆみが出ていたり、ほんの少しうっすら頭痛があったり、なんとなくおなかが重く鈍痛がある気がするなど、それほど気にはならない程度の痛みが、ココロの凹みをつくり出すことがあります。
カラダの内側に意識を巡らせて、おかしなところがあったら手当てしてあげましょう。
気圧の気候はココロに影響する
毎日変わる空模様、季節によって変化する気候。
ココロとカラダの状態も変化させています。
近年テレビでも取り上げられる「気象病」という言葉。
もしくは「気圧の変化で片頭痛が出る」「台風で体調悪化」なんて雑誌記事でもあったり。
気象の変化によってリスクリスクが上昇するのを「気象病」といいます。
その中で、短期間で変わりやすく、人体が大きな影響を受けているのが、気圧変動です。
「今日は広く高気圧に覆われ・・・」「明日は前線を伴った低気圧が北上し・・・」などと耳にするでしょう。
原因不明の気分の落ち込みがる人が、気圧の変動をグラフにしてくれるアプリを使ったところ、毎回毎回、気圧の急降下と急上昇で落ち込みがることがわかったそうです。
判明して以来、その人は落ち込みがあったときも「どうせまた気圧だ」と思うようになり、ずいぶん楽になったとのことでした。
「頭痛~る」というスマホアプリなどがあるそうです。
気圧の変動で調子が悪いならば、一番手軽なのが手首から指3本分肘側のところをを押すことです。
手首のしわから指3本分上がったこところの筋の中間です。
ここにサージカルテープなどでビーズを貼り付けて、たまに押してやるそうです。
もともとは乗り物酔いや眩暈、吐き気を緩和するために使われることがある経穴ですが、気圧による不調にも応用できます。
ペットボトル温灸
もうひとつできるのが、ペットボトル温灸。
ペットボトルの中に60~70度のお湯を入れて行う温灸療法です。
「せんねん灸」などの火をつけるお灸を行ったことがある人もいるかもしれません。
①ホット専用のペットボトルを用意。キャップがオレンジ色のものを用意してください。
②70度のお湯をつくります。
沸騰したお湯200mlに対して水道水(20度前後)100mlでできます。
先に水を入れると、ペットボトルが破損しません。
他の容器で混ぜてからでもOK。
③ツボ付近を狙ってペットボトルを押し当てます。
1回に押し当てる長さは、ほんの数秒。
「アチッ」と思ったら話す・・・・また押し付ける・・・「アチッ」と思ったら話す・・・を数回繰り返します。
回数は1か所につき3から5回。
めざすツボは、
耳の後ろにあるつき出た骨の下側のくぼみである「完骨」
足の人差し指と中指側の爪の付け根である「れいだ」というツボに当てます。
秋は気圧の変動が大きいですね。
上手に養生しましょう!
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。