傷つけるつもりがないのに、相手を傷つけてしまうことがありあす。
それは相手と自分の間に罠”を張り巡らせているからです。
著者はこの”罠”を「傷つけられたい罠」とよんでいます。
私たちはほとんどの場合、この”罠”にはめられたことに気づきません。
一方”罠を仕掛ける側に自分がなってしまうことも。
それは、まったく意識してやっているわけではありません。
ですから、互いにその”罠”を見抜くことで、傷つけ合うことを避けられます。
第1の”罠”「あなたがすることはいつも間違っている」
あれこれと相手に要求しながら、それらの要求を決してみたせないことで相手を威圧する人っていませんか。
これを心理学では「ダブルバインド(二重拘束)」と言うそうです。
例としては、こんな感じ。
母親が息子に青いシャツと白いシャツを1枚ずつプレゼントしました。
息子はまず白いシャツを着ると、母親はすかさず
「青いシャツは気に入らないのね」
と嫌味を言いました。
息子が初めに青いシャツを着ても、母親は同じように嫌味を言ったでしょう。
つまり、何もかもが気に食わないのです。
「息子がすることはいつも間違っている」と思い込んでいます。
だから、息子が青いシャツを無視したから傷ついた、というわけです。
こうした母親の態度は息子を混乱させます。
息子はなすすべもなく罪悪感を抱え込むしかありません。
結果として、両者ともに傷つき、自分は大事にされていないのだ、と感じます。
第2の”罠”「昨日と今日は違う」
ある女性がパーティの用意で大忙し。
リビングのソファに腰かけていた男友達が手伝いを申し入れました。
しかし、「3人も手伝いがいて、いっぱいだから大丈夫」と断りました。
翌日、昨晩手伝ってくれた友達の1人が狭いからといって台所から離れました。
なぜなら、すでに台所には3人いたからです。
ところが女性は「なんで手伝ってくれないの」といいたげに、その友達に視線を投げかけました。
こんなふうにころころと態度を変える彼女を理解することは容易ではありません。
これが「昨日と今日は違う」の罠です。
第3の”罠”「私が好きなら、私が欲しいものが分かるはず!」
この罠は、対パートナーによく発動するものです。
「愛しているなら、私のことをすべて理解して当たり前」。
これは、思い込みです。
女性はついやっちゃいますけど、よ~く考えると、自分だって相手のことを”なんでも理解”なんて絶対してませんもんね。
この罠にはめられた人は、常にパートナーに気を遣わなければならなくなります。
そうでなければ、パートナーから「傷つけられた」と責められ、罪悪感を抱え込まざるを得なくなるからです。
第4の”罠”「わざわざ言わなくてもわかるでしょ」
相手にそれが良いのか、悪いの。
ちゃんと言ってもらえなければ、私たちは自分の判断に従い、行動するしかありません。
ですが、私たちの判断がいつも相手の気に入るとは限りませんよね。
それなのに、「最近の自分を見ていればわかるはず」と言って聞く耳を持たない人もいます。
やられたら、うざいですね。
実際は超能力者でもない限り、相手の思いを透視することはできないでしょう。
それを相手に求めるのはまちがっています。
しかし、これらを無意識にやってくるタイプの人がいます。
自分でもやっていることだってある。
そうやって、自分の意図する方向にもっていこうとしているのかもしれませんが、信用なりませんね。
「傷つきたい罠」にはまらない方法
これらの罠をかけてくる人の言葉に気づいたり、うっかり自分がその罠にはまったりしていた場合。
こんな風に罠から逃げしてましょう。
①”罠”は、しかける側とはめられる側のいずれかが”罠”の存在を自覚し、相手と話し合えば解くことができます。
②”罠”にはまったときに大事なことは、「相手が傷ついたのは自分の責任ではない」ということを自覚することです。
③相手の非難を真に受けないようにします。
④相手が要求を明らかにしてくれない限り、こちらは何もしてあげられないことをはっきり言います。
罠・・・。
すごくはめられることが多いし、自分でもやらかした記憶があります。
自分の意図しない方向に話を進められるのは嫌いだし、変な罪悪感を植え付けられるのも悔しいですよね。
でも、「そんなの、言ってくれなきゃわかりませんよ」って言える
今日も1日お疲れさまでした。
では、また。