著者は心療内科医です。
ストレスが現代人のこころをむしばむとして、生活改善の指導やものの見方や考え方のアドバイスをすることで、ストレスに負けない体質作りに大きな実績をのこしてきました。
現代は”眠りにくい社会”です。
コンビニは24時間営業が当たり前で、繁華街のネオンは朝まで煌々としています。
飛行機やネットの発達で、世界のあらゆる国とつながり、経済規模の拡大で、24時間昼夜の別なく経済活動は動いています。
この状況では生活リズムを整えることは、とても難しいこと。
今は時間をフレックスに使えるので、多少朝に弱くても平気だという人もいます。
しかし反面、加速し続けるスピード社会で、強いストレスを感じて「朝に弱くて午前中は体がだるい」「低血圧で寝覚めが悪い」と苦しむ人が増えてきました。
朝起きられないということは、夜快適に眠っていないということです。
実はそこに、さまざまなストレスや問題が隠れています。
朝に弱い度チェックリスト
朝はつらいのが当たり前だけれど、社会で生きるためにしかたなく目覚ましを止めている人も少なくないかもしれません。
習慣になっていても、ちょっと崩れると不規則な生活にはまってしまう素質を持っている人もいます。
このリストで、あなたの「朝に弱い度」を点検してみてください。
いくつチェックがつくでしょうか?
①自由にスケジュールが組めたら、朝は9時まで寝ている。
②自由にスケジュールが組めたら、夜は12時過ぎまで起きている。
③毎晩寝る時間が不規則。
④夜9時にふとんに入っても、なかなか寝付けない。
⑤いつも夜12時過ぎるまでは眠くならない。
⑥寝る前にジョギングをして汗を流し、熱いシャワーを浴びている。
⑦朝起きてから、1時間近くたたないと調子が出ない。
⑧午前中は頭がぼーっとしている。
⑨夜になると元気が出て、何軒も飲み歩く。
⑩目覚まし時計を止めてから、もう一度寝てしまうことがよくある。
⑪家でうたた寝をすることが多い。
⑫夜遅くなってから、ついお菓子などを食べてしまう。
⑬毎晩酒を飲まないと眠れない。
⑭寝つきが悪く、ときどき睡眠薬を飲んでいる。
⑮休日は昼過ぎまで寝ている。
⑯目覚まし時計が無ければ起きられない。
⑰朝食は食べないで家を出る。
⑱8時間は寝ないと調子が悪い。
⑲夜、トイレに起きることがよくある。
※〇が5個以上の人は、要注意。
8個以上の人は、完全に「朝に弱い」夜型です。
ちなみにワタシは〇が①、②、③、⑫、⑭、⑱でした。
あなたが毎朝気持ちよく目覚めるには?
体の準備は1時間かかる
「朝に弱い」人は、ぎりぎりの時間まで寝ていて、起きたらびっくりするほどの猛スピードで身支度し、家を出るという「特技」を持っています。
それはそれで立派なこと。
でも、残念ながら身支度はできても、体の中はそんなにすぐは動けないのです。
まず胃腸です。
起きてすぐに牛乳などを飲み、朝食を食べ終わったころ、やっとトイレで大きい方が出やすくなります。
しかし、起きてすぐ家を飛び出したのでは、胃腸が活発に動き出すのは会社についたころです。
脳や体の各器官にしても、起きてすぐに活発に動き出すわけではありません。
シャワーを浴びたり、朝食を食べたりという刺激によって、少しずつ動き始めます。
できれば出かける1時間前には起きたいものです。
この1時間で、体は万全の準備を整えることができるのです。
朝のお楽しみ。シャワーと朝食
朝に熱いシャワーを浴びると、血行が良くなります。
浴室から出ると体から湯気が出ているのが分かりますが、これは熱いシャワーで上がった体温を調整しようとしているのです。
同時に体のバランスを保つために、交感神経も活発に動き出します。
そうやって神経も活動の体勢に入るわけです。
体をしっかり目覚めさせるには、朝食も欠かせません。
眠っていた胃腸と脳が目覚めを促進され、頭がすっきり。
朝から便意も催します。
眠っていた胃腸が動き出すからです。
朝食を抜き続けると、食事の時間が先送りされます。
すると、夕方や夜にたくさん食べることになってしまうのです。
そうなると、睡眠時の快適な眠りが、胃腸が消化のために活動することで邪魔されます。
つまり、朝食を抜くことで、目覚めもトイレも先送りになり、その日の夜の眠りにも影響を与え、1回転して翌日の目覚めにも影響を与えるのです。
15分早い出社で1日をスムーズに
ワタシも数年前までぎりぎりに出社していたのでわかるのですが、そこから15分何とかして早く出社できるようになると、人生が変わります。
昼間中心の社会の仕組みがあるからです。
朝15分早く出社して、人より少し早くスタートが切れると、何をするにもあらゆる場面で余裕が生まれます。
はっきり言って1日ご機嫌度がまったく違います。
その15分で、コーヒー片手にその日のスケジュールを反芻するのもいいでしょう。
午後の会議資料に目を通してもいいでしょう。
上司や同僚と世間話をするのもいいでしょう。
追い詰められた気分で出社時間ぎりぎりに滑り込む状態に比べれば、精神的にも余裕があり、体全体にエネルギーがみなぎります。
人は心に余裕があると、それが自信につながり、歩き方からしゃべり方まで必ず変わっていきます。
”起きたい理由”があれば、自然に起きられる
「朝に弱い」原因が睡眠障害でない限り、実は”朝早く起きるほどの理由がない”という人が、ほとんどではないでしょうか。
「会社があるから仕方ない」
「朝起きるのが自然だから」
など、起きなければならない理由はあるでしょう。
しかし、著者がここでいいたいのは”あなた自身が本当に起きたい理由”があるかどうかということなのです。
誰でも朝は眠くて辛いものです。
しかし、デートの約束をしているとか、今日はある場所に行きたいとか、理由があれば起きられますよね。
実は、朝気持ちよく起きられないのは、あなたの人生に対してのメッセージでもあります。
「あなたは、本当は何をしたいの?もっと人生をコントロールしていっていいんだよ」。
「早く起きないと満員電車になる・・・」などのネガティブな感情で起きれば、気持ちよい目覚めは難しいですもんね。
あなたの本当にやりたいことにも、注目していくチャンスかもしれません。
朝の時間の有効利用法
よく、忙しい人ほど朝早くに起きているという話を聞きます。
散歩、ジョギング、仕事以外の読書など、やり方次第で有効活用は無限大です。
勉強や読書など、何かをしようと思っても、仕事の後では疲れてぼんやりして頭に入らないものです。
朝ならば、疲れが取れていますから、脳も元気で集中力もあります。
夜は、飲みに行こうとか、テレビやDVDが観たくなるとか、多くの誘惑が生まれます。
朝はそういったものがないので、あなたの時間を有効に使うことができます。
著者は、とりあえず1日でもいいので、1時間早起きしてみることを勧めています。
そして、散歩でも読書でも、ゆっくり朝食でも、なんでもしてみてください。
そうすると気づくそうです。
同じ時間なのに、朝の1時間は夜の何時間分にも感じることを。
1時間の早起き!
やってみようと思います。
1日でよければ、できるかも?
それから、本著では入眠のためのアドバイスもありました。
①寝室の環境づくり
・夜11時には部屋の電気を消すなど
・夜起きていたい気持ちも、ちょっとガマンしてみるのも大事
②入眠の儀式づくり
・自分なりの「これをやったら、眠れる」という儀式を固定させる
・お風呂は最高のコンディションなので、ぬるめのお湯にゆっくりつかる
③心身をともにリラックスさせる
・瞑想してみる
・「熟睡している自分」をイメージトレーニングする
・腹式呼吸を意識する
・柔軟体操で血の巡りをよくして、緊張感をとる
などがあります。
人生そのものを楽しんでいくことで、きっともっと朝が楽しくなる気がしてきました。
あなたに今夜も素敵な夢がやってきますように。
では、また。