小さいころからぶっちぎりにネガティブで、暗くてオタクで、そんな自分が嫌でした。
その反動で就職してからは仕事に突っ走ってきましたが、どうにも評価されない日々でした。
とにかく安く簡単に何とか自分を変えようと自己啓発系やビジネス書を読んで、自分を「洗脳」し始めたころのことです。
仕事も軌道に乗り、仕事で新しいプロジェクトを組んだりすることが、たまにありました。
いくつか成功していくと、人生の中で評価され慣れていないもんだからかえって有頂天になり、慢心も出てきました。
「一刻も早くやってしまいたい!」とう思いから報連相を後回しにしたままに爆走。
経過を聞いた上司に顔から火を噴くかと思うすごい形相で叱られ、大きなプロジェクトを中止させられました。
「相手の取引先に何と言ったらいいんだ・・・ひどい。」給湯室で泣いていると、実力派のお局様から笑顔でひと言。
「そんなんじゃ、『りっぱなおばさん』にはなれないわよ」。
相当な力のあるベテラン女性でしたから、それを聞いて正直「ちくしょう、かっこいいな!」と思いました。
ビジネス書にも、「切り替えが大事」とか書いてあったので、とりあえずクヨクヨをやめました。
翌日からは報連相をしつこいくらいするよう習慣づけました。
(のちに、次の上司になった人から「報告がしつこすぎる」とお叱りを受けました)
その年末の忘年会のこと。
プロジェクトを中止にした上司から、「あの時は言いすぎたね」と言ってもらいました。
でも、悪いのは自分なのをお局様からキビシクご指導されていたのと、確か本に「こう言うと良い」と書いてあったので、「いえ、勉強になりました。ありがとうございます」と返すことができました。
その言葉が大きく上司の感動を誘ったと後日知りました。(おじさんは、騙されやすいんだな!とワタシがびっくりしました)
翌年の人事で、数人の同年代と先輩の同僚たちを抜いて、リーダーを指名されました。
正直、青天の霹靂でした。
上司が頭に血管を浮き出させるほど怒らせた後でしたから。
しかも、自分の子どもはまだ保育園に通っていて、家庭状況としては抜擢される環境にはありません。
しかし、「幸運の女神は前髪だけ」と言われる言葉を(何かの本で読んだことを)思い出して、そのポジションを受けることにしました。
その年は「職場で同僚や先輩に足を引っ張られる」ということを初めて経験しました。ははは。でも、その時足を引っ張ってきた人とか、いまだに交流があったりするんだから、人生わけがわからないです。
こんな本たちを書き散らしたブログを読んでくださるあなたも、そうした瞬間に今まであったことがあったり、今後巡り合ったりすると思います。
今回は、早い話が「上司をてごめにする方法」です。
今、部下のある立場になってこの本を読むと、「コレをやられたらイチコロだ!」「わぁ、先日これをうちのデキる若手にやられて、してやられてしまったな」などなどが・・・。
しかし、中間にいるベテランも上司をうまく「利用」してこそ、大きな仕事をこなせるというもの。
若手用のビジネス書ってのは、本当に侮れない。
あなたの周りの同僚にも、やることが器用で成績が優秀であっても、あなたより評価が低い人がいるかもしれません。
あるいは、「オレは上司との相性が悪いんだよな」などと言っている同僚の愚痴を聞きながら、「何かがこの人は違うんだよね」と感じることかもしれません。
その”何か”は、数値化できない「こいつにしよう」と思わせる力があるもの。
特にどちらか一方を選ばなくてはならない、というシーンになるほど、有効です。
そのための本著です。
見た目力をつける方法
美人よりおばさんがよいのはなぜか?
あなたは道をたずねるとき、次のどちらを選びますか?
①美人でスタイル抜群で、さっそうと歩いている女性
②どこにでもいそうな人の好さそうなおばさん
道を聞くなら、話は違います。
みんなおばさんを選ぶでしょう。
それは「安心できる」からです。
人間の欲求は5段階に分けられると、心理学者のマズローは言っています。
生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求です。
「安心したい」という欲求は、安全の欲求に含まれ、人間に備わる基本的な欲求になるのです。
「安心」とは、期待を裏切らないこと
見知らぬ人からも選ばれる「安心感」こそ、上司が手放したくない部下になるには、大事なこと。
安心とは、言い換えれば「期待を裏切らないこと」。
より自分が身近に感じられる人の方が、「きっと〇〇だと思うに違いない」「きっと〇〇するに違いない」と、相手の気持ちや行動を容易に想像できるからです。
親近感のベースは「自分との共通点」
人は、自分とクロスしている要因があるだけで、親近感を覚えて、ついついえこひいきをしてしまうものです。
人柄や実力とは関係なく、ちっとも理性的なモノとは無縁の感情で、心の距離は縮まります。
「いいなぁ」と交換を持たれる最強の武器
「安心」が相手のニーズにこたえるものだとすれば、「好感」は相手の気持ちを自分に向けさせるもの。
笑顔は相手を引き寄せる、最強の武器です。
たとえば、あなたは次のようなお店だったらどちらを選びますか?
①笑顔で「いらっしゃいませ」と出むかえてくれる店
②しかめっ面で「いらしゃいませ」と言う店
おそらく①ではないですか。
たとえ②が美味しくて有名なお店でも、リピートするかは微妙ですよね。
笑顔は、どんなセールストークにも勝るテクニックです。
ごひいきさんを増やし、相手との心の距離を縮めます。
見た目を調える
メラビアンの法則にもあるように、人は表情や風貌などの見た目で55%の情報を得ています。
中身を磨く前に、まず見た目を磨いて、ごひいきのサポーターを見つける。
そして経験を積みながら、中身を磨いていけばいいのです。
人前に出る前には、必ず鏡を見るクセをつける。
それだけでも、あなたに回ってくるチャンスは増えます。
見た目の良さは、イケメンや美人であることではない
上司や顧客との心の距離を近づけるには、イケメンより親しみやすさ、美人よりかわいさです。
一緒に仕事をしていて、楽しそうな人に気持ちは傾きますよね。
職場では、イケメンや美人になることより安心できる人になることが目標です。
著者の知人が入社試験の面接官を務めた時のこと。
最近はグループディスカッションが多く見られます。
そんなとき「美人は受かりにくい」と言うのです。
最初は美人の学生に「おっ!」と惹きつけられるのですが、ディスカッションをすすめるうちに、「う~ん。毎日、この美人が職場にいるのは非日常だなぁ」と思うようになり、最終的には「×」をつけてしまうそうです。
「◎」をつけるのは、一緒に働く仲間として安心できそうな人。
なんとなく愛嬌があったり、身近に感じられたり、「一緒に仕事をしたいな」と思う人です。
実はワタシも仕事場でイケメンがいるのはあまり好きではありません。
顧客がちょっと緊張しますし、安心感をもって相談してもらうことがかえってむずかしくなるからです。
それから、その100点のルックスに対して仕事できる率が60点だったりすることが多く、何となく腹が立つんですよね。
本当の美人は自分のルックスの賞味期限を知っているので、キャリアを積むために必死で働くんだけど。
キラッキラのイケメンって、母親とか周囲から甘やかされて育つ割合が一定量存在する気がします・・・。
すみません、本の内容から逸れました。
髪は短く清潔に!
見かけで1番影響するのはヘアスタイル。
肩にフケとか、髪がボサボサの人が近くにいると、それだけで不快になりますよね。
男性なら短髪が一番。
『ビジ髪』(エイチエス)の著者で、ヘアサロンを経営する柳本哲也氏は、男性で成功した経営者には、ごくナチュラルな7・3分けが非常に多いといいます。
女性もビジネスでは清潔感第一という意味では、同じ。
お店でも美しいロングヘアをなびかせている人より、清潔なヘアスタイルの店員さんの方の方が、話しかけたいです!
シャツの襟・袖口の汚れはもちろん、人はあなたの靴をよく見ています。
また、机はあなたのパーソナルスペースであり、公共の場でもあるので、デスクの整頓で印象を上げるのも大事です。
また、「目を見開いて相手を見る」というのも、人間に安心感を与えます。
大事なのは瞳を開いて相手を見つめることです。
視線を合わせるだけでも、相手に人懐っこく感じさせることができます。
仕事の打ち返し力
情報は自分から取りに行く
うなずき上手な若者が多いと思います。
さらにその列から1歩前に出る若者は、返事が「そうですね」ではありません。
「こないだ頼んだ案件、てこずってないか?」
に対して、「そうですね」ではお話がエンドです。
「〇〇のところが分からなくて」と具体的に困っている話ができるのが、デキる若手です。
「もっとこいつに教えてやりたい」と上司は勝手に思うからで卯。
また、「即レスポンスができる」「『いつまでにやります』と期限を宣言する」と、それだけでも、ちゃんと仕事をやってくれると上司は安心できます。
それから、助けてもらったときに「ありがとうございます」がすぐ言えるのも、大事なことです。
プラスαの仕事をするのも、大事なこと。
織田信長の言葉に
「仕事は探してやるものだ。自分が創り出すものだ。与えられた仕事だけをやるのは雑兵だ」というものがあります。
やる気力
お局様たちは女性集団なので、うわべだけの返事とか、上っ面の企画書とかを超敏感に感じ取ります。
実はそのあたりに、心底腹を立てていたりします。
理論よりも感情に聡いので、「本当にやる気があるかどうか?」をものの一瞬で見抜いてしまう。
あなたは、ただの「従順でかわいい部下」で終わる気はないと思います。
ある一定の時期になれば、そうしたお局様さえ部下にしていかなければなりません。
そうなる日は全くの突然にやってきます。
「あの人、若いうちに昇進したけど、やる気なんかないわね」と評価される人は、若いころに自分の中で「やる気」を育ててこなかった人です。
けっこう30代・40代にいっぱいいます。
男性に実は多いです。器用なだけの高学歴な人たちにいます。
「働き方改革」とか「ライフワークバランス」をやたらとよく口にするのが彼らの特徴です。
そんな人たちを、あなたはさっさと追い抜いていかなければなりません。
それは、日本のためでもあるんです。
仕事への「やる気力」をあなたの中にがんがん育てていきましょう。
目標を設定する
私たちの仕事には「やるべきこと」と「やったほうがいいこと」があります。
それぞれに、目標を設定します。
「やるべきこと」は、時間を軸にしてスケジュールを取り、時間内達成を目標にやり遂げていきます。
もうひとつの「やったほうがいいこと」は、たとえば「語学力が上がると、交渉がもっとうまくいく」といいう理想から、「週1回は英会話スクールに通おう」などの目標。
この2本柱で立てましょう。
「やらせてください」と言う
この言葉には「自分の可能性に賭けてみたい」「どうにかがんばってステップアップしたい」という成長欲がこめられます。
上司にそう言っているうちに、あなた自身を「そういうタイプの人」に育ててくれる言葉です。
周りの人との距離もぐっと縮みます。
(そんなに働いて、どうするんだよ・・・などと言っている窓際族候補たちとの距離は開いても、気にしてはいけません)
これが言える若手は、上司も放っておけなくなります。
それから、これを言うと強烈に「自分を好き」になれます。
常に自分のスキルを上げる努力をする
少しでも成長しようとする人たちは、仕事終わりに経済やスキルアップの自己投資をしています。
それは、ベテランでも若手でもいます。
仕事に直接関係なくても、興味のあることを学ぶことで、他の道が開けている人も多いです。
霞が関の官僚のおじさまたちは、平日の夜に大学で経済学の講義を聞いたりしています。
あなたは、そうしたポテンシャルで生きる人間の中の1人でもあるのです。
1日5分のスキマ時間で構わないので、スキルアップをしてみませんか。
チャンスを作る・失敗を恐れない
すべての人にチャンスはやってきます。
でも、「今は〇〇だから・・・」と言い訳していると、次は絶対に来ない!
しかし実はこのチャンスをつかむには、準備と日ごろからのアンテナ感度がモノを言います。
ニュースに耳を澄ませておくと、いざという時の判断基準が盤石になります。
チャンスには失敗はつきものですが、それはそのための組織です。
怖がらなくても、日ごろからの上司への報連相をマメにすることで、大概はまかなえるものです。
本田宗一郎氏も、「失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を嫌うもんだから、成功のチャンスも少ない」と言っています。
失敗をしましょう。
人よりも、たくさん。
相談力
「わからないので教えてください」は、最強!!
この言葉を言える勇気があれば、最高です。
若手で言える人は、「将来それなりのクラスになるんだろうな」と正直思っています。
オトナになると、その「わからないので教えてください」を言いにくくなります。
でも、その妙なプライドを捨てられるかどうかで、あなたの価値はぐんと変わります。
ソクラテスは「自分自身が無知であるということを知っている人間は、自分自身が無知だあることを知らない人間より賢い」といっています。
素直に認める態度は、無知を知識に変える力がある証です。
会社組織は、楽しく仕事をするためにあるんだと思います。
その楽しさの向こうに、お客様の笑顔を求めていくことで、楽しさはループする、とさまざまなビジネス書でも読んできました。
そう信じてあれこれ失敗したり成功したりしてきました。
大きい失敗がたくさんあったのですが、10年経つと本当にみんな笑い話です。
組織も上司も、あなたが使っていくツールです。
いっしょに組織を使って、楽しく働いていきましょうね。
仕事の先に、最高の充実感が待っています。
仕事が充実したとき、ワタシは自信を得て人生も充実してきました。
今日も1日お疲れ様でした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。