猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『感情に振り回されない技術 穏やかで前向きなこころを手に入れる44の習慣』西多昌規

感情を完全にコントロールするのは、とても難しいことだと著者は言います。

だからこそ心がけたいのが「感情に振り回されない」こと。

怒りやイライラ、不安や落ち込み事態は自然な感情として受け止めつつ、それに大きく反応しすぎず、無条件に行動に移さないことこそが肝心なのだそうです。

感情を100%思いのままにコントロールはできませんが、感情をどう処理し、行動するかは、やりかた次第で変えることができます。

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「不安」「怒り」「嫉妬」「落ち込み」に振り回されないルール

「なんとなく」の不安

不安やモヤモヤは、心のアラート機能でもあります。

自分を守る、危機管理能力でもあるのです。

不安は漠然とした将来のことを対象としていますが、恐怖はその対象が目の前やイメージの中に、はっきりと存在いている点が違っています。

やっかいなのは、「職場」や「人の集まり」という社会生活に欠かせないものに対して「恐怖」が強くなってしまうケースです。

不安の「もと」がわかれば、対応できる

現代社会では「不安」と「恐怖」の境界は、はっきりしなくなっているのかもしれません。

逆に言えば、具体的に何が不安なのかをはっきりさせて、不安と恐怖を区別することで、こころの安定を脅かす宿敵を分析することができます。

「心配ストーミング」で気持ちをスッキリ整理する

「書類を作ったけれど、こんな出来では部長に怒られないか心配」

「A君のお母さんの態度がいつもと違う、嫌われていないか、気になる」

「なんとなくの不安」よりも原因のはっきりした「心配事」でも、さらに掘り下げていくと、不安の内容は様々です。

これに対して、ビジネスでも用いる「ブレインストーミング」という、チーム内でアイデアを出し合う方法を使っていきましょう。

心配事は書き出してみる

そこに、自分が不安に感じている項目を箇条書きで書き出します。

ポイントはブレーンストーミングと同じで、「躊躇なく」という点です。

・プレゼンの資料を作らなければならない

・時間的にギリギリで間に合うか心配

・課長の厳しい視線が気になる

・夜や休日に仕事のメールがくると、胸が苦しくなる

この作業を何十分もつづけて、何枚もの紙に書ける人は、不安要素を見つけることにかけての天才か、全般性不安障害のいずれかでしょう。

普通の人ならば、3~5分以上は続かないはずです。

「安定せず」とも読める「不安」の文字の通り、不安の本質には「不確実」「未決定」という要素が必ずあります。

不安なことを少しでもはっきりさせ、不安の輪郭をとらえることが、不安を軽減させる第一歩であることは間違いありません。

「何が不安なのか、どうもはっきりしない」

「不安の種はわかるけど、はっきりこれと表現できない」

など、恐怖と違って不安は、対象がはっきりしないことによって、知らないうちに強くなっているものです。

頭の中でモヤモヤさせておくよりは、書き出して、文章を視覚的に捉えるだけでも、大きな違いがあると思います。

 気持ちが落ちつかない時は、小さな作業をひとつずつ

小さな作業が持つ大きな抗不安効果

なんとなくモヤモヤしてスッキリしない、仕事に腰が据わらないなどというときは、誰にでもあるものです。

こんなときは、自分でも原因がよくわからない「なんとなくの不安」で、気持ちが落ちつかなくなっているのです。

そんあ状態の時には、まとまった大きな仕事や複雑な作業にはあえて立ち向かわず、小さな単純作業をひとつだけ、やってみることをおすすめします。

・パソコンでワードやエクセルのファイルをひとつ、「新規作成」する

・書類棚を1段だけ整理する

・いらなくなった書類を2~3枚捨ててみる

家庭ならば、

・植木鉢に水をやってみる

・キッチンを拭いてみる

・冷蔵庫の中の古くなった食材を2~3個捨てる

などといった、なるべく頭を使わない、簡単な軽作業を行ってみましょう。

小さな「作業」をすることは写経に通じる

とりあえず始めた作業も、気持ちが載ってくれば、そのまま作業を続けてしまって構いません。

冷蔵庫のものを2~3個だけ捨てるつもりが、いらないものが続々と見つかってみれば、どんどん捨てていけばいいのです。

続けていけば、不安や恐怖より、作業による快感が優ってきます。

いわゆる作業興奮と呼ばれる現象です。

作業興奮ドーパミンという脳内物質を介する現象ですが、簡単な作業をリズミカルに行っていくことは、不安を軽減する物質であるセロトニンの作用も高めます。

 

怒りを抑えられない時、怒りをぶつけられたときには?

よほどの人格者でもない限りは、キレてしまった経験があるものです。

思い切り笑ったり泣いたりすると、人はどういうわけかスッキリするものです。

ところが、思い切り怒ったあとは、バツの悪さ、自己嫌悪に陥る人がほとんどではないでしょうか。

怒られる方はもちろん、怒る方もいい気持ちはしないのです。

人に怒りをぶつけてけろっとしている人も、少数ながらいるかもしれませんが、こういった人は、自分より立場が弱い人に怒りをぶつけるという行為でストレスを発散させている、あるいは自分が優位であることを誇示したい、幼稚な人間です。

もし不運にも身近にいたとしたら、反面教師として、あまり影響されないように気を付けながら、付き合っていくしかないでしょう。

怒りをぶつけてくる人への対処法

「なんでこんなに怒るんだろう」

「何かまずいことをしたんだろうか」

こういう人の相手をしていると、自分もイライラして、怒りがめらめらと湧いてくるでしょう。

理不尽さが、腹立たしく思えてくるのも、もっともなことです。

では、このような人には、どうチおうすればよいのでしょう。

 

怒りは、「自分の思うようにならない」状況への反応。

怒っている人の「思うようにならないこと」を分析することは、対処法を考えるうえではとても大切です。

・自分の考えが理解されていない

・助けてほしかったのに、適当にあしらわれた

・気にかけてほしかったのに、冷たくスルーされた

例えば、こんな怒りの原因が思い当たります。

関心を持ってもらえない寂しさ、受け入れてもらえない拒絶感は、怒りとなって表現されます。

怒りは「わかってほしい」という意思表明ともとらえることができるのです。

平謝りがかえって相手の機嫌を損ねるのは、相手を理解しようという態度ではないからです。

平謝りは、「謝っておけばいいんでしょ」という、自己保身の態度に他ならないのです。

相手の怒りの理由をなるべく言葉で話してもらって、共感と理解を丹念に示すのが、クレーム対応などで使われる手段です。

「おっしゃるそういう欠点が、いけないんですよね。

もっともなことです」

といった流れです。

しかし、理不尽な怒りをぶつ得られることもあります。

相手が言語化できないくらいに激怒していれば、手の施しようがないでしょう。

無理に相手との距離を縮めようとはせず、ポットが冷めるのを待つように、時間をおいて冷却を待つしかないときもあります。

消極的な怒り対策は、時間をかけることです。

人間は、恨みの感情はしぶとく持ち続ける場合もありますが、突発的な怒りを持ち続けることは、なかなかできないものです。

1週間連続してまるまる怒っている人は、そういないのではないでしょうか。

相手を理解するという積極策と同時に、時間をかけて対処するという消極策の両面作戦が、怒っている人への対処法の基本原則だと思います。

 

 落ち込みやすい人は、たまには人のせいにしてもいい

落ち込みやすい人には、どのような特徴があるでしょうか。

心配性、デリケートで敏感、まじめで責任感が強い、などがあげられます。

その中でも

「他人の評価を気にしすぎる」

「ちょっとしたミスでも、許せない」

こういった「評価の基準が自分では他者」あるいは「自他ともに厳しい完全主義」といった要素を持ち合わせている人は「落ち込みやすい」と言えるかもしれません。

 

アメリカの精神医学者ロバート・クロニンジャーは、完全主義(=落ち込みやすい)の人は、融通が利かず、どうでもいいことに「固執」してしまう傾向が強いと考えました。

さらに融通が利かない頑固な性格に、怒りの矛先が自分い向いてしまう「自己志向性」が加わると、「落ち込みやすい」性格が作られるというのです。

落ち込むとすぐに「自分はダメだ」と、自分に攻撃の矛先が向いてしまうまじめな人と言われれば、「わたしもそうかも」と思い当たる人もかなりいるでしょう。

他人のせいにするのは卑怯なようですが、少しぐらいは「運が悪かった」「あれは部長が良くない」など、他人に悪役を引き受けていただくのも、攻撃の矛先を自分からそらすひとつの方法です。

あくまで自責的な人に限ります・・・・。

 

落ち込みやすいという性格は、悪いことばかりではありません。

まじめで責任感が強く、ものごとをきちんとやり遂げたい、という人だからです。

かましく迷惑な「落ち込まない人」よりも、「落ち込みやすいけれど、落ち込みから立ち直るのが上手な人」のほうが、多くの人から愛され、人生はずっとうまくいくのではないでしょうか。

 

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ほかにも、感情にふりまわされない技術として、

・ショックな出来事の後は、体験を(小出しに)話して共有してもらう

・愚痴よりも「弱音」を上手に話して味方を増やすとラクになる

・嫉妬心を感じたら、他人を笑わせる

・感情コントロールの基本は、良い睡眠

・ドキドキが止まらない時は、深呼吸

・焦ったときは、ウロウロしたり貧乏ゆすりをするのは医学的に無駄ではない

・「急がば回れ」は脳の視野を広げるため医学的にも有効

・「思い通りになるはず」を考えないことで、焦らなくなる

・「きっと、なんとかなる」とつぶやくと、自己効力感を取り戻せる

・鈍感力と共感力をコントロールする

・ひとり時間で自分らしいペースを取り戻す

・何をしてもうまくいかないときには、何もしない

レジリエンス(ネガティブ感情はその日のうちに解消する・周りに感謝する・ときおり休息して振り返る)の力をつける

・つらいときは「〇〇まで」と期限を決める

などがありました。

 

4月からの新しい日々。

感情をうまく味方につけていきたいもんです。

 

今日もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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