一流の人から技術を盗むのは、ビジネスパーソンにとって最も重要な能力です。
この能力に長けていれば、自分の悩みを解決する術をすべて提供してもらえます。
しかし、そのまま真似すればいいというものではないと著者は言います。
先輩の技術や有名人の生活習慣をそのまままねてもうまくいきませんよね?
実はそれは、伝えられている技術の「しくみ」を理解できていないからだそうです。
今の社会のスピードでは、先輩から技術を盗むことが、とても難しくなっています。
社会が変化しているからです。
あなたに求められる能力は、様々な分野の一流の人の工夫を、自分に置き換えてアレンジすることです。
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本著は、ビジネスパーソンから寄せられた61個の悩みに対して、ビジネスの現場で見つかった科学的な解決方法をご紹介しています。
気分に左右されないで集中力・記憶力を上げる仕組み
名刺やUSBメモリーなど必需品の忘れ物が多い
私たちの脳は、容量制限があるので、普段の行動をできるだけ自動化して、考えるべきことに容量を使えるようにしています。
この自動化された行動を変えた時が要注意です。
気分転換にカバンを変える、気合を入れて新しいスーツを着る、テンションを上げようと打ち合わせ前にカフェに行くなど、どれも自分を高めようとしている行為ですが、その行為によって、脳は普段の行動パターンが崩されます。
脳は、行動パターンが崩されると、新しい行動に容量を奪われます。
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脳は普段と違う行動をしたときに容量を奪われることを知っておき、「気分転換をしよう」と思ったら、必需品のチェックもセットにしてみましょう。
毎年GW明けと夏休み明けに、やる気が出なくて仕事に集中できない
季節の変わり目に体調を崩したり、何に対してもやる気が起こらなくなってしまうことはよく経験するのですが、予防策を講じないことはもったいないことです。
季節の変わり目が体調やメンタルの不調に影響するのは、自律神経のしくみが関係しています。
自律神経は、活動モードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経から構成していて、この2つがバランスをとりながら私たちの生活を支えています。
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この自律神経が大きく切り替わるタイミングが1年に2回あります。
北半球では春から夏にかけては、体は副交感神経が働きやすくなり、秋から冬にかけては交感神経が働きやすくなります。
この自律神経の切り替わりをサポートしてあげれば、季節の変わり目の不調を防ぐことができます。
体は、何を基準に自律神経を切り替えているかというと、日照時間です。
たとえば、日の出が急激に早くなる2月末から3月に、朝の光をしっかり浴びていると、体は甲状腺刺激ホルモンを分泌させ、約2か月後の急激な気温上昇にそなえて体を作っていきます。
2月はまだ寒いので、この季節に朝日を浴びに窓際に行くのは億劫。
そんな気持ちから布団でぬくぬくと過ごしていると、体の準備が遅れてしまいます。
4月に入って本格的に気温が上昇してくると、後れを取った体は対応に追われます。
急激に副交感神経の働きを高めようとするので、これによって起こるのがいわゆる五月病です。
副交感神経が高まると、だらだらしたり、運動不足になったり、甘いものを食べすぎてしまいます。
同じように、8月末から9月には急激に日の出が遅くなっていきます。
これも、脳に光を届けることを怠っていると、体は乗り遅れてしまい、10月あたりになって、イライラしたり、やる気が起こらなくなったり、炭水化物をドカ食いしてしまうことがあります。
これは冬季うつ病と呼ばれ、交感神経が急激に高まった状態です。
つまり、季節の変わり目をうまく乗り切るには、朝の光が重要であるということです。
特に2月末と8月末あたりには、意識して窓際に行ったり、ベランダに出たりすることで、体調やメンタルを崩すことを防げます。
また、2月と8月をすぎてからできる対策としては、反対の神経の活動を高めてバランスをとることです。
春先には、反対の交感神経の活動をサポートしておくと調子が良くなります。
特に背中の筋肉を鍛えることが大切なので、背筋のトレーニングをすることがおすすめです。
加えて、ランニングや水泳など全身のトレーニングがこのタイミングでできると、体はスムーズに春夏に順応します。
悩み事がぐるぐる頭の中をめぐり、不安になって仕事が手につかない
悩み事があるときには、仕事が手につきません。
私たちに不安や焦りの感情を抱かせているのは、ノルアドレナリンという物質です。
脳を覚醒させる物質の一部です。
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悩み事でぐるぐる頭が回っていて、集中できないときは、ノルアドレナリンが増えすぎています。
ノルアドレナリンが増えすぎたのは、自分が理解できる範囲を超える事態が起こったからです。
そんなときは、「憶測」をやめてみましょう。
悩み事のほとんどは憶測です。
事実ではないので、考えても答えが出ることはありません。
それに、憶測で考えていたことが現実に役立つことも、ほとんどありません。
脳は憶測をしだすと、ノルアドレナリンが出て、不安を生み出し、集中力が奪われます。
「〇〇はどうなるんだろう?」
「〇〇さんはどうするつもりだろう?」
このような考えが頭に浮かんだら、「答えが出ないことは考えない!」とつぶやいて、ピシャッと憶測をストップさせましょう。
脳に集中力を無駄遣いさせてはいけません。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。