私たちの心の中には、いつも、プラスとマイナスのエネルギーがあるそうです。
ちょうど、腸に善玉菌と悪玉菌がいるように。
「プラスが100パーセント、マイナスはゼロ」とか、「”プラス90”が、ずっと続く」という状態を目指しても、現実的ではないと著者は言います。
最初は、プラスが51、つまりたった1パーセントがプラスに傾いているだけでもいいのです。
心のエネルギーはそこからプラスになるのだそうです。
「なかなか正社員になれない。非正規社員のままだから、将来が不安だ」
「結婚相手が見つからない。もし、このままずっと結婚できなかったらどうしよう」
「身体が弱いので、他の人みたいに無理ができない」
「上司との関係がギクシャクしている。そのため、会社に行くのが苦痛だ」
このように、多くの人たちは大なり小なり悩みや苦しみといったものを抱えています。
その比重が増えれば増えるほど、心はマイナスの状態になります。
心がマイナスの状態になれば、「悪いことを思えば悪いことが起こる」という心の法則によって、運命も悪い方に傾いてしまいます。
厄介なのは、こうしたものはなかなか消滅してくれないことです。
では、悩みや苦しみに打ちひしがれるしか手立てはないのでしょうか。
そんなことはありません。
人生に悩みや苦しみはつきものですから、それをプラスに変えていけばいいのです。
悩みや苦しみを「希望」「楽しみ」「期待」といった”幸せの要素”に転化していけばいいのです。
わかりやすくいうと、
「考え方を変えていけば、行動にも変化が生じるようになる。
すると、生き方も変わり運命までも変わるようになる」
というのです。
著者は、そのための9つのポイントをまとめました。
・「善」を見つめ、楽天的に生きる
・考え方を変える
・「人生の黄金律」(宇宙の法則)を知る
・意識を別のことに向ける
・夢を持つ
・マイナスの感情を形に表す
・心を磨き、強くする
・足るを知る
・愛と善意と喜びを与える
この9つのポイントを日常生活の中に取り入れていけば、心が日に日にプラスの状態に移行するようになります。
初めのうちは、マイナスのパーセンテージが上回っていたとしても、いつしかプラスが上回るようになります。
51対49でいい
50パーセント以上でよしとする
あらゆる現象にはプラスの側面とマイナスの側面があります。
マイナスの側面に目を向ければ心はマイナスになりますが、プラスの側面に目を向ければ心はプラスになります。
すると、人生までもが良い方向に転じるようになります。
・・・
腸内には、善玉菌でも悪玉菌でもない、日和見菌という菌が存在します。
この日和見菌は悪玉菌が増えると悪玉菌になびきますが、善玉菌が増えると善玉菌になびきます。
それと同じで、「50パーセント以上、心がプラスになれば、運気もプラスの心になびいてくれる。51パーセントでも、十分にプラスである」と考えるようにするのです。
そうなれば、心の中のプラスのパーセンテージはさらに増えるようになり、その人の人生は望ましい方向に展開していくようになるでしょう。
マイナスの現象を好都合ととらえる
マイナスの現象の中から”善”の要素を見つけ出し、楽天的に生きるためには、マイナスの現象を好都合として捉えるのがいいと思います。
「人生は考え方次第で明るくも暗くもなります。その選択権はあなたにあります」
これはアメリカの宗教家ジョセフ・マーフィーの言葉ですが、心の向きをちょっと変えるだけで、悩みや苦しみや腹立たしさは、「希望」や「楽しみ」や「期待」に転じるようになるのです。
悩まなくていいことで悩まない
「昔の自分」と今は違う
「どうせ、この仕事もうまくいかないに決まっている」
「どうせ、この料理もうまく作れないに決まっている」
このように「どうせ」という言葉を口ぐせになっている人のために、アフリカに古くからある民話を紹介しましょう。
あるところに、群れから取り起こされた1頭の子象がいました。
子象はいつもライオンたちにいじめられ、逃げ回っていました。
まもなくして、子象は仲間たちに見つけ出され、一緒に暮らすようになりました。
ところが、子象は成長して大きな増になっても、ライオンを見るたびにおびえます。
見るに見かねた仲間の象は言ったのです。
「バカだなあ。君は。今ならその巨体でライオンをいとも簡単に蹴散らすことができるのに・・・」
人間も同じです。「昔の自分」と「今の自分」は違うのです。
昔、できなかったとしても、今やれば、できる可能性が十分にあるのです。
機能、失敗しても、今日やれば、成功するかもしれないのです。
それによって、人生が良い方向に転じる可能性があるのです。
したがって、自分の能力を低く見積もることはありません。
アメリカの思想家ラルフ・トラインも次のように言います。
「毎日が新しき始まりである。
悲しみに打ちひしがれたあなたよ。
今日はあなたにとって美しき希望がある」
過去の成功体験を思い出す
しかし、時と場合によっては、過去を振り返った方がいいおともあります。
「未来のことはわからない。
しかし、われわれには過去が希望を与えてくれるはずである」
これはイギリスの首相を務めたウィンストン・チャーチルの言葉ですが、過去の成功体験が、悩みを希望に変えてくれることもあるからです。
・・・
過去の出来事には忘れた方がいいものと、忘れない方がいいものがあります。
マイナスの出来事は当然忘れるべきですが、成功体験のようなプラスの出来事は、いつまでも記憶にとどめておくといいでしょう。
いざというとき、それは悩みを「自信」や「勇気」に変えるための栄養分となってくれるに違いありません。
春は、新しい環境の中で、不安や心配が尽きない季節でもあります。
そんな中、つい過去の失敗とか思い出して、一人で余計にしんどい気分になったり。
でも、「昔の自分」は「今の自分」じゃないし、「うまくいった過去」だってありますもんね。
せっかくの桜の美しい季節。
1パーセントだけ気分をプラスにして、楽しくいきましょうね~。
今週もお疲れさまでした。
週末にあなたが素敵な夢を見られますように。
では、また。