保護猫たちの小さな可愛い猫カフェがあります。
ととの森という保護された猫たちと、新しい飼い主さんとのマッチングもしている猫カフェです。
都内の猫カフェのように、血統書つきな子たちの優雅なカフェとちょっぴり
違い、さも「野良さんの血」を感じる模様な子もいれば、立派な長毛種のツヤツヤした子もいます。
え
手作り感のある、温かい店内には、天井に猫の通路が張り巡らされ、ヒトよりもネコの方が自由に動けます。
奥にはふれあいのスペースがあり、そこで彼らとしばし触れ合うことを許されます。
抱っこ禁止等のお約束を確認したら、ササミやカリカリなどのオプションを付けるか決め、即行でふれあいのスペースに入場です!
ワタシはネコのアレルギーがあるので、最短の10分で。
さあ!いよいよ入るぞー!とドアを開けたとたんに飛び出してきたのは、目をくるくるさせたこの子。
早速ササミを取り出すと、美味しそうに手から食べてくれました。
ザリザリの舌がくすぐったい!
「にやー♥」
と可愛くねだられると、200円のササミはすべてこの子にあげたくなります!
グッとこらえて回りを見ると、他にもあちこちに!
あ
天井まで届くキャットタワーから、さっきのクロ猫さんと同じくらいの大きさの、かわいい子が。
クロ猫さんの食べる姿をじっと見ているので、あげてみたところ、美味しそうにたべてくれました。
実は朝いちでこちらに行ったので、ふれあいのスペースに入った ニンゲンは、ワタシが今日は一番乗り!
クロ猫さんが、前足を伸ばしてきました。
「ちょい、ちょい、ちょい、ちょい」
「こっちに、ちょーだい!」だそうです。
「わかった。ごめんね~!」
ネコ好きなツレがいたので、ササミを一寸千切って「後はよろしく!」とスペースの中を物色。
たくさんのお昼寝スペースがあるのです。
窓ぎわで優雅に寝ている子に、アプローチ!
このミケさんには、「今はほっといて!」とササミをお断りされてしまいました。
お昼寝中のこの子にも、ササミでアプローチ。
ひと口でペロッと平らげると、眠そうに目をこすり、「仕方ない、営業に行くかー!」と、大きく伸び。
前足をテーブルに載せ、もうひとつ、のびー。
天井間近のステップでは、折り目正しくスフィンクスの風貌をした方が、やかましいニンゲンを見下ろしました。
「お前たちね、僅かばかり金を払ったからと言って、オレの昼寝を邪魔して良いと思っているのか?オレたちから昼寝を奪おうなんて、思い上がりも甚だしいのだぞ」
ごめんなさーい!
あ、よく見ると天井ぎりぎりの高さにににもう1匹。
キャットタワーの最上階では、「店長」の肩書きを持つお方が昼寝を楽しんでいました。
静かに目をとじ、たまに見開いてきれいな金色のまなざしで、微かに面倒んどくさそうに下界を見守っています。
店長を見つめる長毛の子は、ササミをひと口だけ。
「うわあ」
ツレが叫んでいます。
クロ猫さんが、ササミをふくろごと持っていこうとしたのです。
袋が破れない程度のあまがみ。
よくしつけてあるもんです。
「そっかー、そんなに食べたいんだね!」
ツレからササミの袋をひとつ返してもらい、お腹ペコペコのクロ猫さんに。
すると、ワタシの背中を「ちょい、ちょい、ちょい、ちょい」とする子が。
壁のステップで神々しい面持ちの方と血縁を感じるチビさんが、何処からともなくやって来て、
「こっちも~、ササミ~」。
「はいはい、あなたも、ね」
チビさんにササミを分けていると、クロ猫さんが、優しくしかし確かな抗議を込めてワタシの手の甲に前足を添えてきました。
「いや、そっちじゃなくて、こっち」
「わぁー、かわいい!もう、どうしょっかなぁー!」
しかし、約束の時間はもうやって来ます。
ついでに、くしゃみも出始めました。
アレルギーです。
次のかわいい子連れファミリーさんが、巨大な硝子の向こうでスタンバイしてます!
3歳くらいの男の子が目をクリクリさせて、硝子におでこつけて、待ってるんです。
ツレと持っていたササミを別け合って、欲しがってるネコたちに、
「食べなー、さぁ食べなー」
と配膳のように渡して、時間切れ。
ネコたちは、実に哲学的で、かつ生きることに正直。
同じイキモノとして、もっと尊敬すべき。
店員さんたちも、愛情溢れる方々でした。
頑張って働いたら、また会いに行くのです!