キャリアの中では、タフな仕事や役職で疲弊したり、あるいは人や組織の利害や感情が激しく衝突する「修羅場」に直面せざるを得ない時期があるものです。
ニュースで見るのは、改革を断行しているリーダーや企業再生時の経営者、などでしょうか。
こうしたタフな仕事をこなしていくパフォーマンスの力をつけていくには、「修羅場レベルと同じだけの息抜きを用意する」という自己管理テクニックが重要です。
果てしない修羅場をどう乗り切るか
タフな仕事は、仕事だけでなく人間としての器を大きくしてくれることは間違いありません。
しかし、眠れない、体重が減ってしまった、仕事のことを考えると胸が苦しくなるなどの「修羅場」経験からからだに影響が出ることも珍しくありません。
修羅場のつらさにメンタルが耐えられず、精神科や心療内科のドアをたたく人がいるのも、厳然とした事実です。
不眠や体重減少など、からだの生理的異常が続けば、個人差はあるでしょうが、人間は健康を維持できなくなってくるのです。
責任が非常に思いCEOや社長などは、任期が2、3年であることが多いのもうなずけます。
それだけ、心身にかかるストレスが大きいのです。
タフすぎる経験が延々と長期続くのは、心身にとって危険なことです。
タフな仕事に疲れ切ったら、自分なりの「サバティカル」を
タフな経験がある程度続くならば、出口戦略を練らなければなりません。
出口戦略があってこそ、タフな場面を何度も潜り抜けることができるようになります。
修羅場の後には、休息と自分を振り返る時間が必要です。
アメリカのエグゼクティブやCEOは、タフなプロジェクトを終えた後は、ゆったりとした休養を取り、次のミッションに向かう英気を養います。
大学教授の場合は、数年大学の業務をこなした後で、「サバティカル」と呼ばれる研究休暇をとることがあります。
サバティカル期間中は、大学の講義はもとより、特に近年増えている雑務を免除されます。
わたしたち一般的な仕事をしている人は、このような時間は取ることが難しいです。
しかし、タフな仕事が続いた後には、責任や負荷を落とす期間をある程度持ちたいものです。
「自分で負荷を下げるなんて、難しい」
「会社がそんなこと、許してくれない」
と思います。
そこで、
「このプロジェクトは頑張りますので、そのあとは少しゆっくりさせてください」
ということを、上司に時折つぶやいておくことで、理解は得やすくなるかもしれません。
さらには、
「今回の仕事、結構きつくて眠れないこともあるんです」
などと、「弱音」を武器にして漏らしておくと、上司も気にせざるを得なくなります。
著者自身も、大学病院で「病棟医長」というポストを務めて、眠れなくなるほどかなり疲弊する経験をしました。
ベット管理からインフルエンザなどの感染症管理、患者からのクレーム対応、上級医師や研修医への担当患者のお願いなど、気を遣うことばかりだったそうです。
過去にうつ状態になった医師もいるくらいです。
その「修羅場」をくぐり抜けて、著者自身も「サバティカル」を考えてもいい時期になったと思っているそうです。
どうやって「サバティカル」を取っていこうかは、思案中ですが、こういった「修羅場・振り返り」という「オン・オフ」も、タフな仕事の中でも、メンタルを健康に保ちながらパフォーマンスを維持するコツだと実感しているそうです。
頑張る時期とゆるめる時期を作って、メンタルをタフに
・修羅場経験も、重ねすりぎるとこころが疲弊する
・自身を振り返る静かな時間もキャリアには必要
・仕事を抑えめにする期間を取れるように計画する
日本で「休む時間を取る」ということが、どんなに難しいか・・・(涙)。
しかし、やらないと本当に追い詰められていくスパイラルにすぐに吸い込まれていきます。
一度、強く体力や精神力を落としてしまうと、復活にとても時間がたくさんかかってしまい、次にタフな仕事をするときに、かえってエンジンのかけなおしが大変になってしまいます。
「自分はタフな仕事をしているな」
と思ったら、勇気を出して休息の時間を取ること。
この社会で「弱音を吐く」ことって難しいのですが、細かいことにもたくさんの気遣いを必要とする日本の社会では、「息抜きの時間」は重要です。
ドーパミンに任せてガンガン働いた後、自分をいたわることはとても大事です。
やり終えた達成感を感じているときになるので、脳が
「いける!いける!まだいけるぞ!」
「今だ、さらにもうワンステップ!」
「止まるな!走り続けろ!!」
という強く誘惑してくるのを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
でも、冷静になって早めに帰り、家でベッドに横になってみると、体がべったりと布団に吸い込まれるような感覚だったり。
ちゃんと休みましょう。
次の高いパフォーマンスのためです。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。