ああ、4月は慣れない仕事でほんと~に疲れる!
やる気なんか出ない!!
そんなことをつぶやきながら仕事をしています・・・。
でも、心理学の世界では、やる気というのは「ある」とか「ない」とか、はたまた「使い果たす」とか「失くしてしまう」などというものではないことがわかっているそうです。
人間というのは、なんと!「常に、強い意欲・やる気を持っている」というのです。
やる気がないのは、「具体的な方法が見つけられない」だけ
著者が言うには、
「仕事のやる気が起きない」と、不満を言うときは、たいていの場合、自分が持っている強い意欲・やる気を満足させる具体的な方法が見つけられないだけなのです。
そうした欲求が満たされないために、仕事をしようとするエネルギーが無くなってしまうように感じます。
すべての人が持っている「最も基本的な、前向きなモチベーション」は、次の3つです。
①関係性:他者やコミュニティー、大切にしている大きな目的・目標とのつながりを感じること
②自主性:人生の質を左右するような行動や選択を自由に取れること。自分の意志でとった行動や選択が、大切にしていることと一致していれば、目標を達成する助けになる。
③熟練:取り組んでいることに対する能力があり、貢献できるものがあることが自分でもわかっていて、個人的に満足できるような上達や学びがあること。
こうしたモチベーションが満たされた時、人はますます幸福感を味わい、さらに健康になり、人生に満足するようになります。
そして仕事がこうした欲求を満たすのに役立つとき、「やる気がある」と言うのです。
こうした「根本的で、前向きなモチベーション」に加えて、人間はとても強い、相反するモチベーションに突き動かされることがあります。
「不快なことを避けたい」
「すぐに満足したい」
という、相反する欲望です。
これは基本的な生存本能に基づくモチベーションで、根本的な人間の欲求を満たすことと関係のある「大きな意義や幸福」よりも、「その瞬間の痛みや喜び」に焦点が当たっています。
仕事で「やる気が出ない」と感じるとき、たいていの場合は、自分の根本的な欲求の1つ、あるいは複数の欲求が職場で妨げられている(阻害されている)とかんじているものです。
根本的なモチベーションが満たされないために、「ラクになりたい」「すぐに満足したい」という”相反する衝動”が、一層顕著になります。
「関係性」「自主性」「熟練」を経験する具体的な方法が見つけられないと、不必要な努力やストレスを避けたいと、さらに強く思うようになるのです。
不快なことを避けて、喜びを最大限引き出そうとする「基本的な衝動」が優位になってしまう。
「やる気をなくした」というのは、多くの場合、この状態になっていることを指します。
月曜日の朝、出勤するのが怖くなり、うんざりしてしまって、ほかのもっと楽しそうな「気晴らし」にふけって、仕事を先延ばししたりします。
対照的に、仕事への努力やストレスが、少なくても「根本的で前向きなモチベーション」の1つとなってつながっていると感じた時、その仕事が耐えられるものになるだけでなく、やりがいのあるものにもなります。
実際、根本的な欲求が満たされると、ある種の特別なエネルギーが解き放たれるようなのです。
身体が活性化する感覚、楽観的になる感覚、意欲など、「やる気をなくした」と言うときに、多くの人に欠けているエネルギーです。
「自分の能力」「人との関係性」「自主性」といった欲求を満たす仕事や職場、同僚を持つのは、言うまでもなく理想的なことです。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
やる気がない人のほとんどが、「職場は自分の欲求を満たしていない」と言うでしょう。
孤立していて、不当な扱いを受けていると感じ、社内政治に意気消沈しています。
自分たちは支配され、細かく管理されていて、自分で選んだわけでもない方針や手続きにがんじがらめにされていると感じている。
あるいは、自分自身の挫折や成長のなさにイライラしているのです。
仕事をするうえで、根本的なモチベーションが1つも満たされていないなら、もんだいです。
しかしそれは「やる気がない」こととは全く違うのです。
そして、そうした欲求を満たすために出来ることがあります!
やる気不足が問題なのではなく、
「自分の欲求を満たす方法を見つけることが大事なことなのだ」
とひとたび気づけば、本当の問題に取り組むことができるようになります。
なぜなら、たとえ仕事に満足できなくても、仕事に対する考え方や、仕事への取り組み方を変えることで、そうした欲求を満たすことができるからです。
「ジョブ・クラフティング」の手法を使う
そのための1つの方法が、「ジョブ・クラフティング」です。
これは、「やらされている感がある仕事」を「やりがいのある仕事」に自ら変えていく手法です。
従業員が自分の関心ごとや強みを生かしながら仕事を作り変えていくことで、モチベーションが高まり、質の大会仕事ができる効果があるとされているものです。
ジョブ・クラフティングの裏にある意図は、「満足感を高め、貢献度を最大にするために、小さなことから自分の仕事に変えていく」ことです。
その”変化”は、あなたのすること、そのやり方の中にあります。
TODOリストに書かれた仕事に始まり、IT技術の使い方、誰と時間を過ごすかと言ったことに至るまで、「時間の使い方」を少しだけ変えるのです。
作業スペースを整理したり、特定の作業をするために新しい場所を探したりと言うような、就業場の「ほんの些細な変化」も含まれます。
ジョブ・クラフティングについての調査によると、仕事への考え方を変えると、最も意味ある変化を生みやすいことがわかっています。
具体的には、仕事や仕事上の人間関係について考える方法を見つけることを、意識的に、先に挙げた3つの「根本的なモチベーション」を満たす方法と考えることです。
次の3つの質問は、仕事について自分自身に問いかける内容です。
1つでも満足のいく答えを見つけることができれば、もっとやる気になり、エネルギッシュになったと感じられるはずです。
3つすべてに対して対策を講じることができれば、仕事へのかかわり方を変えることができるでしょう。
やる気が起きるカギになる「3つの質問」
①職場で一番大切な人間関係は何ですか。
その関係を深めるために何ができますか。
職場での人間関係をじっくり考える他の方法は、同僚を知る機会を進んで探し、後輩を指導し、仕事で出会う人の役に立つようにすることも含まれます。
②仕事で、あなたの個人的な貢献によって支えられている「目的」「ビジョン」「大きな計画」は何ですか。
言い換えるなら、メールに返信したり、報告書を提出したり、数字を計上したり、会議に参加したりするとき、その作業の裏にある「なぜ」に対する一番いい説明は何ですか。
特に、恐ろしくストレスが多く、平凡な日常的作業では、この種のことを考えることが、職場での自主性を高めます。
③自分のキャリアをどう育て、どう伸ばしたいですか。
そうするための一番手っ取り早い方法は何ですか。
この問いに答えるカギは、具体的に考えることです。
何かを選択したらすぐに、上達したいと欲しましょう。
コミュニケーションであろうと、時間管理であろうと、チームマネジメントであろうと、日々の仕事を、学びや成長の機会ととらえるのです。
自分をよくするために目標や課題を設定するのですから、上司の許可は特に必要ありません。
とはいえ、仕事でどう自分を磨き、前進したいかについて「はっきりした目標」があるなら、サポートを受けることができるでしょう。
「関係性」について、マインドセット(考え方)をリセットする著者お気に入りの方法は、監査人の仕事をしているある学生から教えてもらったものでした。
彼女の仕事の大部分は、様々な職場へ出向き、規則や法令を遵守しているか、確認することでした。
行く先々でその職場の従業員が彼女を敵対視したので、彼女は仕事へのやる気をなくしていました。
そこで彼女は「それぞれの職場の従業員が各人の職務を全うできるよう、規則や法令を守る手助けをしよう」というふうに、自分の役割を見直すことにしました。
すると驚いたことに、自分は敵対する存在ではなく、手助けする存在だと考えるようになったことで、他人への「彼女への接し方」が変わったのです。
さらに驚いたこといたことには、彼らは今まで以上に彼女を信用するようになり、修正されるべき班事項についても、進んで開示するようになりました。
彼女は、職場での関係性・絆をこれまで以上に感じるようになったばかりでなく、監査先の職場の従業員との関係について考え方を変えることで、仕事がやりやすくなったのです。
そして、彼女自身が”熟練”したこと・・・自分は有能であることを知り、他者に貢献し、個人的に満足できるような上達や学びを経験したこと・・・で、「他の人が目標に向けて成功し、成長できるよう」手助けできるようになったのです。
やる気に「ある」「ない」は無くて、すべての人は、前向きなモチベーションを必ず持っている、という事実。
そしてやる気が出ないのは、「具体的な方法が見つけられない」だけということ。
そして、「やらされている感のある仕事」は、自分の関心ごとや強みを生かしながら仕事を作り変えていくことで、「やりがいのある仕事」に変えることができること。
それには、やっていることを少しだけ変えてみることでした。
そして、自分の仕事のとらえ方を変えていけば、きっとやる気はもっと・・出る!
(あ、「出る」とか「出ない」とかじゃないんだっけ)
よし、ちょっと職場の机にお気に入りグッズでも増やしてみようかな。
明日もがんばりましょう・・・・・・・。
今夜はゆっくり休んでくださいね。
では、また。