心配事や恨み、イライラや憂鬱という感情は、どんどん酷くなって、なかなか解消できなくなる「手ごわい感情」です。
この中には「お腹がすいた」「息苦しい」といった肉体的な感情と、「心配だ」「腹が立つ」「うらやましい」といった精神的な感情があります。
どちらも何か対応を要求しています。
「息苦しい」は、「もっと酸素を取り入れてほしい」というサインなので、肉体の欲求を満たすと、肉体から「満足できました」という情報が頭に届きます。
ところが精神的な欲求は、満たした瞬間は一時的に解消されますが、肉体のどこからも「満足できました」という情報は届きません。
そのため、「もっと新しい服が欲しい」「もっと愛してほしい」という欲求が止まらず、満足せず、欲が満たされないという手ごわい感情が続く原因になるのです。
では、「欲を我慢する」とどうなるでしょう。
手に入れたいとか、起こりたいのを我慢しても、「欲」はすでに存在し、実際は欲を実現する「行動」を我慢しているにすぎません。
これではいい気分になれるはずもありません。
なかなか手放せない「手ごわい感情」を根本的に解決するため、まずはそもそもなぜ手ごわい感情が起きるのか、理解することです。
思考は「ジェット機」、感情は「飛行機雲」
どのような精神的な感情も、その発生の瞬間をよく観察すると、その感情を起こす思考が走っています。
私たちはよく「わけもなく腹が立つ」「何だか気が滅入る」なんて言いますが、それはそう感じるだけで、突然感情が起こることはあり得ません。
何かを見たり、聞いたり、思い出したりして、自分が何かを考え始めたから、腹が立ったり、落ち込んだりしたのです。
まるで、ジェット機のすぐそのあとを飛行機雲がついていくように、感情は思考の後について現れているわけです。
飛行機雲は時間がたてば薄くなりますが、ジェット機がいつまでも飛行機雲を作りながら飛んでいると、飛行機雲は消えることがありません。
ジェット機の飛ばし方を変えなければならないのです。
しかし考え方を変えれば、どんな手ごわい感情にも、それに先行する思考さえ
上手にコントロールできれば、解消することができるのです。
「思考」の目的は、自分を守り、幸せにすること
ジェット機はだれが運転しているのか、考えてみましょう。
ジェット機の操縦室は、頭脳に当たります。
頭脳には体をコントロールしたり、見たり聞いたり、創造や判断、記憶するなどの働きがあります。
本著では頭の中のとくに考える機能について「マインド」と呼んでいます。
つまり、マインドがジェット機を運転して思考を進めています。
そのマインドの目的は、自分自身をより安全に、健康に、快適にし、向上させる、つまり自分をより幸福にすることです。
そのためにマインドは常に「何か問題はないかな?」と目を配り、その気配があれば先回りして対策を考えます。
一度痛い目に合うと、「もう二度とそうならないようにしよう!」と学習します。
その一部はさらに素早く反応できるようにプログラム化されます。
「熱いものに触れると危ない」といった肉体的な体験からの学習だけでなく、「自分勝手だと他人に嫌われる」といった精神的な学習も積み重ねます。
それは人間として自然な成長で、そのマインドのおかげで私たちはより安全に健康に生きることができます。
しかし、幼いころに作るプログラムは稚拙なものや矛盾するものもたくさんあります。
大人になるとそれが原因でマインドの動きが悪くなり、手ごわい感情が発生することが多くなってきます。
「自分」と「感情」は別物
「感情は変えられない」と思いがちですが、実は変えられます。
なぜなら、感情に先行する思考は、自分の今までの学習や経験、考え方、解釈が基になっているだけだからです。
マインドは自分を守るために、さまざまなプログラムを作ります。
たとえば、小さい時に母親がクモを嫌がっている印象が強く残れば、「クモは怖いものだ」というプログラムを作り、大人になってもクモは嫌いと感じるようになります。
「お腹がすいて気持ち悪い」という感情は肉体が起こしているため変えられませんが、好き嫌いなどの精神的な感情は、自分の思考によって起こっているので、プログラムや思考の見直しで変えられます。
感情は、自分自身と別物なのです。
手ごわい感情に巻き込まれないよう、人はその感情から目を背けたり、隠したり、我慢したりします。
しかし、根本的に解消するためには、
「今、私は腹が立っているんだ」
「今、私は嫉妬しているのだ」
と客観的に手ごわい感情が起こっていることに、気づくことが必要です。
気づくことができれば、整理することもできます。
後日読んでいきますが、手ごわい感情にはそれを起こすメカニカルな仕組みがあるので、それを解消するにもまた、知恵の輪を外すようにメカニカルに行えばよいのです。
まずは、気づくこと
手ごわい感情と戦うには、具体的にはまず「気づく」ことです。
自分の内面に注意を向けることです。
「腹が立つ。許せない!」
と相手に向かうのではなく、
「私のマインドは今、腹が立つような思考の仕方をしている」
と自分の内側に向けます。
内側に手ごわい感情を攻略する手掛かりがあると思うのです。
そしてその仕組みに応じて適切に感情を整理しましょう。
もし、すでに火が出て煙がもうもうとしていても、火種に水が当たらなければ、ただしく消火できません。
手ごわい感情はあとで述べるように4つの大きなパターンに分かれるので、それに対応した消火活動をしましょう。
思考の種が成長する前に「棚上げ」
どんな手ごわい感情も、もともとは、マインドが欲を実現するために無駄に働いたり、道に迷って不調になって、不幸な気分や嫌な気分になっているわけです。
その間違いを止めなければなりません。
火種は小さいうちに消すのが合理的です。
しかし、マインドは働いている限り、常に火種があちこちに発生します。
マインドは思考の種を見つけると、いっきに思考を膨らませるため、手ごわい感受になる前に気づいて取り上げた方がいいのです。
これを「棚上げ」といいます。
しかし、思考は重要な問題を見つけたと思っているので、これを取り上げるのは簡単ではありません。
棚上げにはいくつか方法があります。
ひとつは「後で考えよう」と先送りすることです。
コツは、「重要だと思っているのはわかった。確かに重要だよね」とマインドを認めてから、「でも、それは後で考えよう」と、その考えから手を引かせます。
すると、その考えが膨れる前に手放せます。
また、自分で何とかしようとするのを止める、もう一つの「棚上げ」方法があります。
ごめんなさい。後日勉強します。
思考が止まらず感情が高ぶったり、苦しい感情がしつこく起こるとき効果的。
「棚上げ」は技術ですから、練習すれば上達します。
次回、続きを勉強していきます。
すみません。いろいろ引き寄せで上手くいったのもあり、つかれました。
明日は月曜日!
ワタシも仕事です。
素敵な夢が見られますように。
では、また。