本著では紹介するワークがあり、実践することで著者の言う「生産的知識」を育むことが出来るといいます。
単なる知識ではなく、自分を取り巻く世界をよく理解して、状況にうまく対応するための知識です。
ハーバード大学で著者が受け持った授業は、1学期あたり1400人の学生が殺到し、『ニューヨークタイムズ』紙、『ボストン・グローブ』紙などで大きく取り上げられたというタル・ペン・シャハー教授による授業です。
感謝する
心理学者のロバート・エモンズらは、一連の研究の中で、被験者を2つのグループに分け、1つのグループには、
「ちょっとしたことでもいいので、毎日、感謝できることを5つ書いてもらう」
という実験をしました。
被験者は感謝の対象として、両親やローリングストーンズ、朝の目覚めから神様まで、ありとあらゆることをリストに書き込みました。
毎日1~2分、感謝する時間をとったことは思いがけない効果がありました。
感謝できることを考え他グループは、何もしなかったグループに比べて、人生をもっと肯定的に評価できるようになっただけでなく、幸福感が高くなり、ポジティブな気分を味わえるようになりました。
もっと幸せになり、意志が強くなり、エネルギッシュで楽観的になったのです。
また、人に対してもっと優しくできるようになり、手伝いを積極的に申し出るようになりました。
最終的には、感謝をしていた人々は、よく眠れるようになり、より多く運動するようになり、身体的な不満も減りました。
エモンズたちの研究が発表される3年前から、著者はこのワークを毎日行っています。
3歳の息子にもワークの形を変えて、「今日、おもしろいこと、何があった?」と聞きます。
息子も同じ質問をしてきます。
夫婦の間でも、お互いのことや一緒にいられることでありがたいと思えることを定期的に確かめ合っています。
このワークを習慣にすれば、幸せになるために特別な出来事を必要としなくなるのです。
今日はノートに何を書こうかと思って日々を送ると、普段起こるいいことにもっと気が付きやすくなるからです。
感謝のリストには、大事に思う人の名前や、あなたがしたことや誰かがしてくれたこと、また書いているうちに気づいたことなどもぜひ入れてください。
アクション:感謝ノートを作る
この1週間、感謝することを毎日5つ書き留めるようにしてください。
おざなりに行うのではなく、しっかりと意識をもって行うことです。
そのためには、書いていることを目の前に思い浮かべたり、書きながらももう一度経験しているように感じたりしてください。
習慣化する
「変化する」ことは、非常に難しいとする研究結果が多くあります。
新しいやり方を学んだり、取り入れたり、古い習慣を変えたりすることはどれも大変なこと。
個人でも、組織でも、変化しようとするもののほとんどが失敗します。
ジム・レイヤーたちは『成功と幸せのための4つのエネルギー管理術』の中で、変化について興味深い考え方を提唱しています。
変化するために必要なのは、自制心を養うことではなく、習慣を取り入れることなのです。
最初に何かを習慣化することは難しいのですが、習慣を続けることは比較的簡単です。
一流のスポーツ選手たちは、毎日決まった時間に競技場に行き、ジムに通い、ストレッチすることを習慣にしています。
私たちの大半は1日2回は歯を磨くことを習慣にしています。
特別な自制心は必要ありません。
変化を起こすには、同じことをしてみましょう。
レイヤーたちは「習慣を作るには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を特定の時間に行うことが必要である」としています。
これまでに変えようとしてできなかったこと、取り入れようとして上手くいかなかった行動はなんでしたか?
アクション:2つの習慣を実行する
これをすればもっと幸せになれると思う2つの習慣を考えてください。
毎晩15分間の瞑想をする
朝起きて最初に4回深呼吸する
2日に1度は本当に好きな本を読む
毎週日曜日の午後の2時間は趣味に費やす
など。
習慣にすることを決めたら、スケジュール帳に書いて実行してください。
新しい習慣を始めるのは難しいかもしれません。
しかし、1か月ほど続ければ、新しい習慣は歯磨きのように簡単なことになるでしょう。
著者はこの本に書かれていることすべてを「習慣化」することを勧めています。
1度に1つか2つの習慣を取り入れ、無意識にできるようになるまでは、新たな習慣を取り入れないことが大事です。
トニー・シュワルツが述べているように
「野心的になりすぎて失敗するよりも、緩やかに変化し続ける方が好ましい。
成功は、それ自体がさらなる成功の源となる」
のですから。
本著は、習慣化するものがハードル低めでやりやすいです。
とりあえず2つ習慣化してみるなら、何にしますか?
ワタシは昼食を(ほんのちょっと)減らすことと、寝る前のほんの1分のヨガ。
かなり低めのハードルですが、とりあえず成功させて、次に繋げてみたいと思いました。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで、素敵な夢を。
では、また。