枕が変わったら、ネズミだって眠れないそうです。
慢性の不眠症は人間だけしかかかりませんが、一過性のものは動物にも起こるそうです。
ラットやマウスは住み慣れたゲージから新しいゲージにうつすと、眠りにくくなる、という実験データがあります。
「掃除が行き届いていない、汗臭い安宿に泊まって、すぐには寝つけない」のと一緒。
環境の変化で、人は不眠症になる可能性もあります。
つまり、眠りにつく前後の脳は、チャレンジを好みません。
「眠りの天才」は、頭を使わない
睡眠は外敵状況に非常に影響を受けやすいのです。
脳は睡眠の大事なスイッチです。
そのための研究は、また未解決なことがたくさんあります。
たとえば「光」。
スマホやパソコンのブルーライトが睡眠に悪いとされていますが、ブルーライトの影響を睡眠に及ぼそうと思えば、かなり画面に近づけてじっと見続けるくらいのことをしなければならないのです。
どちらかというと、その操作で頭を使ってしまうことで脳に刺激があると思われます。
大事なのは、脳を使わないことです。
いつもの環境で頭を使わない、そんな脳のスイッチの入れ方を紹介しています。
脳のスイッチ① 「モノトナス」の法則
ハイウェーで運転中眠くなる原因のひとつは、風景が変わらないこと。
脳は単純な状況だと、考えるのをやめ、眠くなります。
モノトナス(単調な状態)にすることは、眠るための脳スイッチです。
「脳の関所」の突破方法
「いつものパターン」を好むこの性質を利用するなら、「睡眠のルーティン」も役に立ちます。
アスリートがいつも試合前に同じ下着を掃き、いつも同じものを食べ、同じポーズをとるのと似ています。
いつも通りのベッド
いつも通りの時間
いつも通りのパジャマ
いつもどおりの照明
入眠前にいつも同じ単調な曲
不眠症の認知行動療法でよくいわれるのは、「眠れなかったらベッドから離れる」というもの。
ベッドは眠る場所で、本を読んだりテレビを見たりするものではないという正しい条件付けを脳にしてやるのです。
すでいベッドでの読書やテレビが習慣の人は、「いつものパターン」ということで、必ずやめなくてもいい、と著者は言います。
ただし、テレビも本も刺激の少ない退屈なものに。
その意味でスマホは危険です。
脳のスイッチ② 正しいヒツジの数え方
睡眠ルーティンとして古くからあるのが「ヒツジを数える」というもの。
しかし、日本語で「ヒツジを100匹数えると眠くなる」というのは間違っています。
このルーティンはもともと英語です。
そしてアメリカ人やイギリス人のヒツジの数え方は、
「sheep、sheep、sheep・・・」
英語のsheepは、sleepと発音が似ているからとか、「シープ」と息をひそめる響きが眠りを誘うと、諸説あります。
「ヒツジガイッピキ」より「シープ」が言いやすいのではないでしょうか。
「寝る直前」は、眠くない?
人はみな、ずっと起きていると、「睡眠圧」が上がり、起きているほど眠くなる。
つまり、「眠る直前」が一番眠いはず。
しかし、実験では、通常就寝する時間の直前から2時間前あたりまでがもっとも眠りにくいことがわかりました。
入眠ty九禅は脳が眠りを拒否する「フォビドンゾーン(進入禁止域)」というものがあるのです。
これはイスラエルの睡眠研究家ペレッツ・レビー氏が提唱した理論です。いまだ解明されていませんが、現象はほかの研究者も確認しています。
「明日早い!」の秘策
この実験から、脳のスイッチを早く切ろうとすると眠りづらくなることがわかっています。
「明日は早くでかける」
「積み残した仕事を早起きしてやりたい」
とき。
でも、そでは睡眠禁止ゾーンへの侵入だから、かなり難しいのです。
いっそのこと「いつも通りに寝て、睡眠時間を1時間削る」ほうが、すんなり眠れて質が確保される可能性が高いのです。
それでも、という場合はいつもより1時間早くお風呂に入って、ストレッチなど軽い運動を組み合わせて体温を作為的に上げることを著書は勧めています。
今日も1日お疲れ様でした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。