『断捨離』を書いたやましたひでこさんによる『俯瞰力』。
やましたひでこさんは本著の中で断捨離について、端的に言うなら「必要なものだけを買う×お気に入りに絞る=自分が分かり好きになる」と示しています(短くしすぎかもしれません・・・)。
断捨離することで心が軽くなり、自分が好きになるとご機嫌な状態になり、「俯瞰力」がつくそうです。
「俯瞰力」!一番ほしいものです。
やましたひでこさんは断捨離について、「住まいの中の『不要・不適・不快』なものを取り除き、『要・適・快』に入れ替えていくトレーニング」と述べています。
その片づいていく過程でおのずと、ありのままの自分を好きになることができてくるのです。
すると結果、本来の”自分自身”を”発掘”することができる、それが断捨離です。
それは、一言で言うならば「自己肯定感」という「感覚」の取り戻しでもあるのです。
前著『新・片付け術 断捨離』のテーマは、「片づけ」を通じてモノとの関係性を問い直すことでした。
そうすることで自分を好きになり、ご機嫌に生きていくことの大切さに気付いていくことがえきるのです。
そして、本著のテーマは、断捨離で得られる「力」=「俯瞰力」。
”見える”世界と同時に”見えない”世界が整っていくのが断捨離の醍醐味であり、そこに迫っていきます。
いわば「見えない世界」の断捨離が、この本を貫くテーマです。
「いま・ここ・自分」に注目する
私たちは、余計なものをため込むと同時に、余計な考え方にとらわれることもあります。
著者がセミナーでこんなたとえ話をするそうです。
「みなさん、なんのトレーニングもしていないのに、300キロのバーベルを持ち上げられますか?
あるいは、ガイドの助けなしで、8000メートル級の山を単独無酸素登頂でいますか?」
意外に思うことですが、実は著者に言わせると、片づけも同じことだそうです。
なぜなら、どこの家庭でも、トン単位の不要なモノがひしめいているのですから。
たったひとりで、なんのトレーニングも妻卯にそれをコントロールしようとするのは無理があるのです。
自分だけに原因があるのではありません。
視野を広くして状況を見てみると、モノが勝手に流れ込んでくる社会、そしてモノを買わせることに長けたビジネスという環境に囲まれて私たちは生きています。
断捨離ではだからこういいます。
「とっかかりはまず、免罪。そして居直り」。
つまり、片付かなくてあたりまえである、と著者は断言します。
コツは、頂上を見ないこと。
片づけ下手な人ほど、「写真の山をどうにかしたいのですが・・・」とか「手紙の処分に困っています」などの、いきなりハードルが高いものを思い浮かべては、自分のできなさ加減を責めているそうです。
そういうものはかなりハードルが高いのです。
試験問題ではまず「できる問題から解く」というのが鉄則ですよね。
それと同じです。
厳しいものから取り組もうとせず、勉強や仕事のときと同様、まずはもっと簡単なごみのようなもの、すぐ捨てられるものから。
必要なのは能力ではないのです。
トレーニングです。
少しずつ鍛えていき、気力体力を充実させ、大きなヤマを越えていくのが、最善の方法なのだそうです。
目標思考のワナ
常に「目標」を持つことがよいこととされ、勉強や仕事で目標を立てることがあります。
でも、断捨離はトン単位のモノと対決するという、大きな山です。
「まだ終わっていない」「こんなにがんばったのに、片づけきれなかった・・・」とあなたを責めてはいけません。
「さっきよりも良くなった」「以前よりひとつでも不要なモノが減った」という、加点方式をもって取り組んでいきましょう。
なぜなら、家の中の片づけに完結はありません。
その代わり、常に発展があるのだ、と著者は言います。
「まだ目標に達しない・・・」と自分を責めたり、ベストな選択に固執するあまり、「選択・決断ができない」と言う人は、減点法で物事をとらえたり不安に焦点を合わせがちです。
何事も、すべてを満たす正解はないし、右に行ったら左に行けないのが世の中。
「失敗した!」という事態があっても、その「後悔に焦点を合わせる」か、「前に進むことに焦点を合わせる」か。
あなたは、どちらを選びたいですか?
不安や後悔ばかりに焦点を当てることは、「思考の生活習慣病」だと著者は言います。
そうした思いは実は大きなストレスを生んでいるのではないでしょうか?
(ワタシはまさに、そうです!)
「今日はお財布のレシートを取り除くことができた!」
「ぎちぎちのペン立ての量を減らすことができた!」
そんなできたことに焦点を当てる加点法にシフトすることで、私たちはもっとラクになることができます。
今週もお疲れさまでした!
今週もがんばったあなたが、今夜素敵な夢が見られますように。
では、また。