逆境を乗り越えてきた芸術家や、歴史的偉人、それから著者がコーチングしているクライアントなどの言葉や電気、実例から書かれた著書です。
著者は習慣づけの著者でよく知られる古川武士さん。
『「続ける」習慣』などの著書でも有名な習慣化コンサルタントです。
マイナス思考から抜け出す大きな9つの思考習慣
細かい思考習慣はまたあとで読んでいくとして、まずは本著の根幹になる大きな9つの思考習慣です。
逆境や苦難に直面したとき、歴史上の偉人たちがどのように受け止めてきたのかについては、共通点があります。
起きている事実は1つでも、受け止め方や考え方は何通りもあり、選択できます。
偉人たちがすごいのは逆境や苦難を乗り越える考え方の習慣にあるのです。
習慣1 等身大の自分を受け入れる
習慣2 相手を変えず見方を変える
習慣3 徹底的に具体化する
習慣4 さまざまな視点から眺める
習慣5 できることに集中する
習慣6 運命を引き受ける
習慣7 完璧主義をやめる
習慣8 プラスの側面を見る
習慣9 「今」に集中して生きる
書くことが習慣を作る
考え方の習慣を変えるためには、思考を客観的にチェックすること、「書く」ことが重要です。
頭の中でモヤモヤ考えていると思考をコントロールすることは困難です。
特に、新しい思考習慣を適用するには、ノートに書くことが大前提になります。
習慣化のために、ノートを用意することを著者は勧めています。
また、本著では思考習慣には時間がかかることも書いてあります。
一時的にマイナス思考から抜け出すためだけでなく、長期的な思考習慣を変えていくことを目標としているからです。
そして、読むだけでなく実践し体験することで知恵にしてほしいと著者は書いています。
せっかくなら、読んでみておもしろそうなところから、ワタシと一緒に実践してみませんか。
等身大の自分を受け入れる
「差」ではなく「違い」ととらえる
等身大のあなたを受け入れると、劣等感を抱かず自分自身に期待できるようになります。
マイナス思考から抜け出しやすい人は、等身大を受け入れている人です。
長所も短所もあることを前提としているので、他人と比較しても「差」の観点だけでなく「違い」の観点からとらえることができます。
自分で自分をどう「自己評価」するのか。
これが低いと劣等感や自己権をにさいなまれ、ストレスがたまり、ネガティブに事象をとらえがちになります。
自己評価を高める方法
飲み会などでは場を盛り上げる人ばかりが注目されがちですが、全員が盛り上げ役になる必要はありません。
まわりに気を遣って飲み物を注文して上げられたりする、配慮のできる人も十分素敵な存在です。
短所を拡大評価せず、長所を過小評価せず、客観的にその場をとらえてみましょう。
失敗はあくまでも行動の失敗ととらえる
たとえば仕事やデートでの失敗があったとします。
それならば、「資料やお店選び、話題の振り方がいけなかったのだ」と考えること。
そこで、「なんで自分はダメなのか」という考えに陥らないようにしましょう。
何かに失敗しても、過剰に自分を責めるのではなく、あくまで行動や方法が失敗しただけ。
そこを切り離して考えましょう。
多様なあなたを許す
一見「自分の短所だ」と思っていたことの中にも、あなたらしい持ち味となっていることはたくさんあるのです。
欠点はかくしすぎないほうが人間らしくていいし、他人から共感を得ることもたくさんあります。
あなたも、完璧な人を相手にしていると、気が許せなかったりして疲れることがありませんか?
心理学者リンビル氏が構築した「自己複雑性の理論」というものがあります。
簡単に言うと、「自分を多面的にとらえず単純にとらえている人は挫折に弱いが、自分を多面的にとらえている人は挫折に強い」ということです。
たとえば、「自分は強い人間だ、泣いちゃいけない」「自分はいつも努力を怠ってはならない」など、単純化している人は、自己否定しがちにあるのです。
なぜなら、泣きたいときだって、怠けたいときだってあるからです。
しかし、自分はいい加減な時もあるし、几帳面なところもある。
内面的な面もあるし、外交的な面もある、と多面的にとらえることができる人は、「ああ、またやっちゃったな」と自分を許すことができます。
今の自分を受け入れると、欠点も直視できます。
自己評価が低いと直視できません。
高すぎる人は欠点を指摘されると相手を攻撃しがちです。
つまり、等身大の自分を受け入れて初めて、よい変化のスタートラインに立てるのです。
また、あるがままの自分を愛するということは、豊かに生きるために必要なことなのです。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。