「おこもり」をする毎日を、より楽しく。
冬の長い北欧では、長く家にこもる時間があります。
わたしたちの「おこもり」時間を素敵に愉しむ方法がいっぱいです!
本著を貫く「HUGGE(ヒュッゲ)」。
デンマークの言葉で、「満ち足りること」というノルウェー語を語源とした言葉だそうです。
1800年から書物に表れた言葉で、「満ち足りること」「しあわせであること」を指しています。
ヨーロッパ社会調査機関によると、デンマーク人は「ヨーロッパでいちばん幸せな国民」であると同時に、「友達や家族といちばんよく会っている国民」「もっともこころが落ちついていて、穏やかに生きている国民」でもあるそうです。
では、実際にHUGGE(ヒュッゲ)をつくり出すにはどうすればよいのでしょう?
心が豊かになる「あかり」の魔法
キャンドルをともせば、ヒュッゲはすぐにやってくる
ヒュッゲをつくり出すのに、キャンドルは欠かせません。
デンマーク人に「ヒュッゲと聞いて思い浮かべるものは何か?」と尋ねると、なんと85%以上の人が「キャンドル」と答えます。
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ヨーロッパ・キャンドル協会によると、デンマーク人は1人当たりのキャンドル消費量がヨーロッパいちばん多いそうで、年間消費量は6キログラムのもなります!
在デンマークのアメリカ大使、ルーファス・ギフォードしが、デンマーク人のキャンドル好きについて、こう述べています。
「キャンドルは、リビングルームに飾られているだけではありません。
いたるところにある。
教室にも、会議室にも。
アメリカ人ならきっとこういうでしょう
ー『大変だ!火事になるぞ!教室を火で燃やすなんて!』
でも、デンマーク人にとってキャンドルのあかりは、心を幸せで満たしてくれるものなんですね。
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ただし、アルマキャンドルはあまり人気がありません。
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アロマキャンドルは人工的なものとされ、自然のもの、オーガニック製品を好むデンマーク人は、使いたがらないのです。
ちなみに、オーガニック製品を買うことが多いのもデンマーク人で、ヨーロッパでトップクラスです。
デンマークでは、秋と冬にほぼ毎日キャンドルをともす人が過半数で、キャンドルをまったく使わないひとはわずか4%です。
12月はキャンドルの消費量がいつもの3倍に跳ね上がり、この時期ならではの「アドベントキャンドル」が出回ります。
このキャンドルには24日分の目盛りが刻まれていて、12月に入ったらクリスマスまで毎日、1日1目盛りずつキャンドルをともしていくのです。
お風呂で明かりを消して、小皿にのせたキャンドルに火をつけたりできますね。
照明をほのかな間接的なものにするのも。
「シンプルな幸せ」をつくる「ヒュッゲのルール10カ条」
著者は、ヒュッゲを実現するためのルールとして、次のものをあげています。
1 雰囲気
部屋のあかるさは、ほのかに。
2 「今」「ここに」
携帯の電源を切って、「今ここ」に集中しましょう
3 お楽しみ
コーヒー、チョコレート、クッキー
ケーキ、キャンディー、大好き!
4 公平・公正
「私(ME)」より「私たち(WE)」。
時間と家事はシェアして。
5 感謝
「ありがとう」と言って受け取りましょう。
6 調和
勝負や成功をひけらかすのは、かっこ悪い。
7 気楽さ
ひと休みして、リラックス。
8 平和
波風立てるのはやめましょう。
政治の話はまた今度
9 一体感
相手との間に
どんな物語がありますか
10 安らぎ
穏やかで不安のない
場所を大切に
何を食べ、何を飲むか
デンマーク人は菓子類やコーヒーも大好き。
もちろんこれらはヒュッゲに直結するからです。
ヒュッゲとは自分にやさしくすること。
自分にごほうびを与えること。
そして、忙しい毎日の中でしばし手を休めて、自分にも、まわりの人たちにも、ひと行きつく時間を与えることです。
だからケーキはもちろん、コーヒーやココアは当然ヒュッゲ。
ヒュッゲな習慣には、「太るかも・・・。」「こんなに食べ過ぎると良くないかも・・・。」なんている、ちょっと気がとがめる要素も必要。
その罪悪感がいっそう食べ物のおいしさを引き立たせます。
といっても、豪華なものや高価なものはいりません。
たとえば、フォアグラなどは、ヒュッゲとは呼べません。
愛情のこもったシチューなどはヒュッゲ。
ポップコーンもヒュッゲです。
ひとつの器にみんなが手を伸ばして食べるなら、なおいっそうヒュッゲでしょう。
気楽だけど、こなれた着こなし
デンマーク流おしゃれのポイントは、カジュアルであること。
カジュアルなスタイル、カジュアルな雰囲気、カジュアルな装いを楽しむのが、デンマーク人の流儀なのです。
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カジュアルかつスタイリッシュに見せるために、多くの男性はトップスにTシャツやセーターを、アウターにブレザーを用います。
かくいう私(著者)もそのひとりです。
カジュアルなヘアスタイル
デンマーク流のヘアスタイルは不精と紙一重のカジュアルさです。
起き抜けのヘアスタイルで出かけてもオッケー。
女性は髪をアップにしましょう。
結ぶ位置が高ければ高いほどすてきです。
居心地のよさを求めて
「コペンハーゲン」「キリング」「ファッジ」といったデンマークのテレビドラマは、すてきな「デンマークデザイン」にあふれています。
映し出されるシーンのほとんどが、どれも第一級の家具で美しく飾られた家やアパートなのですから。
デンマーク人は「ホームヒュッゲ」が大好き。
デンマーク人にいちばんヒュッゲを感じる場所はどこかと聞くと、10人中7人が「家」だと答えます。
おじさんとおばさんが会議している会議室に、すごい装飾が!
日本なら、ただの真っ白だけど。
花瓶にも小物にも、デザインへのこだわりがあるそうです。
ケーラー社が限定モデルで出した花びん。
「オマジオ・アニバーサリー・ベース」。
1万6000人を超えるデンマーク人が殺到したそうです。
限定品は即完売。
ウェブサイトはクラッシュして、お目当ての店には長蛇の列ができたそうです。
ケーラー社には、「販売数が少なすぎだ」とクレームがたくさん来たとか。
花びんに、長蛇の列!?すてき。
なるほど、英語を学んだ時に「花瓶(ベース)」がけっこう前から単語の中に入っていたのを思い出します。
「花瓶、なんて言葉をしょっちゅう使うのだろうか?」
と殺風景な実家の中を思い浮かべて実に不思議に思っていました。
実家には当時あまり花瓶なんかなかったので。
しかし!そういった人々の家に「花瓶」が必ずあるから、その単語が中学校1年生の教科書に載っていたのですね。
上の写真は「オマジオ・ベース」です。
楽天でもAmazonでも「オマジオ・アニバーサリー・ベース」の画像がありません。
直輸入のサイトにも見当たらないんですが。
これにゴールドプラスのボーダー柄だそうで・・・、うわ~スタイリッシュ!
ほかにも、家のなかにはヒュッゲを集めることができます。
木でできたもの。
ぎっしり並んだ本棚。
お気に入りのマグカップ。
ブランケットとクッション。
おうちに引きこもるための 「ヒュッゲお助けセット」
1 キャンドル
2 良質のチョコレート
ぜいたくなチョコレートを1箱。
超高級品である必要はありません。
ときどき楽しむ、ちょっとしたごちそうくらいであればよいのです。
著者は1日1粒とか1週間に1粒ほどと、決めて食べているそうです。
3 お気に入りのお茶
4お気に入りの本
空想世界に没頭するために、本を1冊お助けセットにいれておきましょう。
私もそうですが、仕事柄多くの本を読んで、ポイントを素早く理解するのが癖になっている人は、ついつい急いでページをめくってしまうかもしれません。
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でも、覚えておいてください。
速読はヒュッゲな読書ではありません。
じっくりと呼んで、ストーリーを隅々まで味わいましょう。
5 お気に入りの映画、テレビドラマシリーズ
6 ジャム
7 はき心地のよいウールのソックス
8 お気に入りの手紙
9 温かい上着
10 ノート
ノートは必須です。
このノートを「ヒュッゲ日記」と名付けましょう。
まずはじめに、ここ数か月、数年で経験したもっともヒュッゲな思い出をいくつか書き出しましょう。
こうしておけば、その体験をもう1度楽しむことができますし、自分が心地いいと思えることを心に留めておくことができます。
つぎに、将来どんなヒュッゲな経験をしたいか考えてみましょう。
11 すてきなブランケット
12 紙とペン
今までに人からもらった厚意に、お返しをしてみませんか。
感謝の気持ちを伝えたい人を思い浮かべて、その人たちに感謝の手紙を書いてみましょう。
13音楽
14 フォトアルバム
家の中にごく一部「お気に入りのヒュッゲゾーン」を作り、おこもりするのも方法だと著者は書いています。
好きな椅子に、好きなブランケット、そこに好きな音楽と本があれば、最高のヒュッゲ。
DIYもヒュッゲだそうです。
ダイソーやセリアなどのかわいい小物に、さらに、ちょっとしたオリジナルをつけても、ヒュッゲな愉しみになりますね。
せっかくの「おこもり」期間ですから、ヒュッゲに過ごしてみるのもいいかもしれませんよね。
人生の中で、こんなに長く「こもる」ことは二度とないような(?)気がしますし。
家の中を楽しく過ごすということを、見直すチャンスにできるのかも?
今日も、お疲れさまでした。
同じ場所にいることで、うんざりしていないでしょうか。
周りに気を遣うあまり、疲れてはいないでしょうか。
ご自分にごほうび、してくださいね。
あなたにとって、素敵な休日になりますように。
夜には、あなたにすてきな夢がやってきますように。
では、また。