ハーバード大学で哲学と心理学を学び、組織行動論で博士号を取得した著者による、1学期当たり1400名の学生が殺到する人気の講義です。
著者の授業は学んだことを実践に活かす「リフラクション(反映して行動する)」を大切にします。
そんな授業の中で1発目に語られるのは、「感謝する」。
社会が変わろうとする今、ちょっと基本に立ち返りたいと思って読みました。
著者はいままで著書の中で「ポジティブ心理学」の理論を説いてきましたが、その理論のガイドブックとして本著を書いています。
本著で紹介されるワークは、それぞれが1週間分、または毎日行っていきます。
本著のワークをより効果を上げるためには、別にノートを用意するか、スマホやPCに専用ファイルを作ると、大きな収穫が得られ、それと同時に自由に連想し、心に浮かぶあらゆることを書き留めることもできて、とても重要だそうです。
本著のめざすところは、「生産的知識」。
それは、単なる知識ではなく、自分たちをとりまく世界をよく理解して、状況にうまく対処するための知識です。
week1 感謝する
心理学者のロバート・エモンズとマイケル・マッカローは、一連の研究の中で、被験者を2つのグループに分け、1つのグループには
「ちょっとしたことでもいいので、毎日、感謝できることを5つ書いてもらう」
という実験をしました。
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毎日1~2分、感謝する時間をとったことは、思いもかけない効果をもたらしました。
感謝できることを考えたグループは、何もしなかったグループに比べて、人生をもっと肯定的に評価できるようになっただけでなく、幸福感が高くなり、ポジティブな気分を味わえるようになりました。
つまり、もっと幸せになって、意志が強くなり、エネルギッシュで楽観的になったわけです。
また、人に対してもっと優しくできるようになり、手伝いを積極的に申し出るようになりました。
最終的に、感謝をしていた人々はよく眠れるようになり、より多く運動するようになり、身体的な不調も減ったのです。
タイトルの「特別なことがなくても幸福になれる」ためには、「感謝」だそうです。
今回のコロナのあれこれで、あなたも「感謝」の大切さを感じたかもしれません。
ちょっとした「ありがとうございます」や、感謝の気持ちが、非常事態には心に深く沁みたりします。
スーパーマーケットで、ちょっとした瞬間に場所をよけ合う際に言葉をかけあって、気を遣いあうのも、人との顔を合わせたコミュニケーションが極端に減っている今、何だかとても嬉しかったり。
ワタシの家でも、家族に対しても、一言お礼が言えたりすると、それだけで関係性がものすごくよくなったりしました。
ここでワークとして、
Think あなたが感謝できることは何ですか。
自分の人生でありがたいと思うことは何ですか。
あなたがありがたいと思うものは、何ですか?
ワタシは、「働かせてくれる職場があること」と「比較的温かい家庭があること」です。
Action 感謝ノートをつくる
この1週間、感謝することを毎日5つ書き留めるようにしてください。
このワークで大事なことは、おざなりに行うのではなく、しっかりと意識をもって行うことです。
そのためには、書いていることを目の前に思い浮かべたり、書きながらもう一度経験しているように感じたりしてください。
とりあえず、スーパーの長蛇になっているレジ待ちの間に、手帳のダイアリーに書いてみました。
ちょっと目をつぶって思い出したりしつつ、「昨日の感謝したい出来事ベスト5」を書いてみました。
ちょっと、いやかなり心臓のあたりがほかほかします。
多少ニヤつきましたが、マスクをしているので全く問題ありません。ラッキー。
スマホのダイアリーなどでもよいと思います。
楽しいので、ぜひお勧めです。
week2 運動をする
「コロナ鬱」が身近に感じられるようになったのではないでしょうか?
「どうも、様子が違うぞ」という人が、あちこちで見られます。
ワタシの周りはとくにご年配の方々です。
「老人は外に出るな!」と強い口調で言う人もいますが、「外に出ない」って年配の方にとても危険ですよね。
脳の活性化の面で危ない。
コロナ鬱らしき、知り合いの女性がいます。
同じ敷地に親族が住んでいるのですが、折り合いが悪いので、すっかり引きこもりの2か月間を送っていました。
久しぶりに連絡をとったら、(本人は大丈夫と繰り返すのですが)口調がとても暗い。
気づいた優しい姪がお出かけに連れ出していました。
「人の少ない道を使って歩く」ぐらいは、しておいた方がよいと思いますが、密集地域はそんな道は無いのでしょうか。
コロナが収束したら、実は街中に痴呆になったお年寄りがいっぱい!なんてことになったら、どうするんだ。
心と体の相互関係を取り扱う心身医療の分野では、心の健康は大いに運動と関係するという研究が次々となされています。
たとえば、デューク大学医学部のマイケル・ハビャクらは、うつ病と診断された患者の大半にとって、週3回、1回30分間の運動を行うことは抗うつ剤を服用するのと同じような効果があるという研究結果を示しました。
しかもいったん治療が終了すると、薬物治療を行ったほうの患者は、運動療法を行った患者に比べ、4倍もの割合でうつ症状を再発しやすいというのです。
・・・
「運動しない」ことは「憂うつになる薬を服用しているのと同じようなもの」なのです。
人間は体を動かすようにできています。
私たちは1日中コンピューターの前に座りつづけたり、何日も会議を続けたりするようにはできていないのです。
Think 運動した後、あなたはどのように感じますか。
どんな運動がいちばん好きですか。
Action 今日からはじめる
運動を習慣にするために、さっそく今日からはじめてみましょう。
今月はまず週に3回、10分間のウォーキングからはじめてもいいでしょう。
YouTubeのエクササイズは、今ほんとうに楽しいものがいっぱいですね。
先日やってみましたが、おもしろくて10分コースをついおかわりしてしまいました。
ところが、翌日と翌々日に筋肉痛ですよw
マンションも大丈夫なエクササイズもありました。
早朝や夕方は、人がかなり少ないですよね。
でも、6時半の公園は大変なことになっていますので要注意です。
健康なお年を召した方々が、ラジオ体操に大集合しています!
みなさん、コロナへの意識が最も高い世代なので、やたらと静かに取り組んでいます。
うっかりジョギングで公園に入り込んでしまうと、その時間だけすごい光景!
新手の新興宗教か、宇宙と交信している集団なのか、という感じ。
びっくりするくらいたくさんのお年寄りたちが、その時間公園めがけてぞろぞろ出てくるんです。
この街にこんなにお年寄り、いたんだな!と驚くくらい居ます。
そして無言で決まった公園に集まり、ラジオ体操に無言で取り組む。
・・・SFチックですよ。Xファイルの雰囲気で、好きなんです。
異世界のムードを楽しむために、あえてその時間をチョイスして、遠巻きにラジオ体操を眺めながら走ることもあります。
コロナになってから、いつもよりも人数が増えているので、迫力のある人数になっている公園もあると思います。
「うわあー、やってる!やってる!すごい、今日は多いなぁ・・・!」と離れて眺めつつ走る朝のジョギングは、けっこう楽しいです。
すみません、ひやかしです。
でも、ほんとうに大好きなんですよ、Xファイルな雰囲気が。
他にも、
・思いやりの心を持つ
・困難から学ぶ
・すべてをシンプルにする
・失敗から学ぶ
・価値ある行動をする
・最高の瞬間をつかむ
・いいところを探す
・解釈を変える
・自分に優しくする
などがあります。
また、ご紹介する機会があるかと思います。
前にも書きましたので、下に貼っておきます。
街の活気は少しずつ戻ってきていますが、これからが正念場。
一緒にこれからがんばっていきましょう。
そのためにも、休みの日はしっかりリフレッシュですね。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでください。
では、また。