来年の人事が気になる季節になりました。
新しいスタッフと良い関係を作るのは、第一印象が非常に大切だと経験から感じています。
そして、その第一印象は、目つきや物腰、笑顔だけではないんですよね。
出会ってからの3か月くらいは相手をよく観察してしまうものです。
仕事への熱量をどう考えているのか
社員食堂の調理員さんへの態度とか
下請けさんへの発注の仕方とか
給湯室で上司をどういっているとか
ちょっとした言葉の端々からもすぐ相手には見えてしまうもの。
これは第一印象の中に入ると思います。
そして、給湯室におけるお局ネットワークにしっかりと刻み込まれるのです。
あなたも出会ってきた人たち・・・、高校や大学の先生たちだろうと、友達だろうとベテランだろうと、「相手は自分で隠せていると思っていること」の60%はあなたに見透かされていると思いませんか?
いや、鋭いあなたならもっと見えちゃってることもあるかもしれません。
どうせばれるわけですから、うわべだけ繕うよりも、この3月のうちに自分にかかっているバイアス、色眼鏡を外していきたいなぁと思いました。
実は、異動してきた相手にねたみを感じてしまうことが昔あったんです。
その感情があるから、相手に仕事を任せにくくなり(負けた気がするから・・・!)、そうするうちに無理して仕事を抱え込んで体を壊してしまいました。
「ねたみなんて、くだらない感情だ。捨てなければならない!」と繰り返し自分に言い聞かせてみたのですが・・・ダメでした。
どう手放したらいいかわからない、自分の思い込みや負の感情。
ちょっとしたヒントから、何とかそのあたりに折り合いが付けられるベテランになりたいのです。
そして4月の良い人間関係へ繋げていきたいと思います。
4月には新しい部署にも異動するでしょうし、スタッフも新しくなります。
ファーストインプレッションで「嫌い~」などというレベルの人は、今時若手社員だっていませんからね。(私たちが若いころは、居たんですよ。恥ずかしい~)
つまんない色眼鏡で、自分を縛っていたら、思い描く結果にたどり着けません。
あなたにも、ワタシにも叶えたい未来があります!
しっかり外して新しい空気を呼吸しましょう。
あらゆる環境を味方につける力を手に入れましょう!
来年度を輝かしいものにして、あなたの力を社会への還元していくのです。
ねたみは「王者」になって、解消する
ねたみを感じると、私たちはいろいろと不条理な行動をしてしまうものです。
さまざまな感情があるなかで、もっとも愚かしいのが「ねたみ」だと著者は言います。
怒りや悲しみや恐怖とは対照的に、妬みは比較的簡単に排除できるからだそうです。
うへえ、けっこうきつかったんだけどな。
「ねたみ」はいろいろなものに関して起こります。
「やきもち」と混同される場合も多くあります。
「ねたみ」が面白いのは、主に、年齢や職業や暮らしぶりの似ている相手がその対象になるという点です。
まさにワタシがそうです~。
作家を職業にしていれば、音楽家や経営陣の成功にねたみは感じませんが、ほかの作家にはねたみを感じます。
このことはアリストテレスも承知していて、「陶芸家は陶芸家をねたむものだ」と言っています。
ねたみは社会的地位にまつわるストレスであり、避けられないものだと著者は言います。
自分がトップに立てるような「得意分野」を作る
「ねたみ」は一度発生してしまうと、取り除くことは難しいのだそうです。
けれども「ねたみ」を避けることはできます。
まず、「人と自分を比較する」のをやめること。
そして、自分の「能力の輪」に集中することです。
自分が本当に得意とし、習熟できる分野のことで、その輪をあなたが独占できる状況をつくり出すこと、つまり「自分がトップに立てるような得意分野」を作るのです。
あなたが能力を発揮できるわの大きさはどれほど小さくても構わないそうです。
重要なのは、あなたがその分野の「王者」でいられることです。
すべての感情がそうであるように、「ねたみ」の起源も私たちの進化の過程にあります。
隣の洞窟に住む者に獲物の大部分を持っていかれたら、残りの者はわずかな取り分しか手に入りません。
「ねたみ」はその対策を講じようとする原動力です。
それは必要だったから脈々と受け継がれ、ねたみの感情を持った私たちが生き残っていったわけですから、長く必要な感情だったんです。
でも、現在はその感情はいりませんもんね。
ねたみを感じていいのは、あなたが「こうなりたい」と思う人に対してだけ。
どこかにあなたけの「王者」を作る。
それが近道のようです。
デフォルト効果
必死にワインリストに目を走らせた著者。
イレルギー?ハールシュレウ”ェリュ?
この品ぞろえはソムリエの知識を証明していました。
さんざん悩んだ著者は最後のページに会った「ハウスワイン」に決定。
私たちは標準設定(デフォルト)に抗いがたく染められてしまいます。
どんな商品にも「選択肢」をたくさん掲げると同時に、決めかねた場合の「標準案」を設定するものです。
多くの保険商品でも、高めの保険契約を標準案にすることで、高額の保険契約へもっていくことが可能になっています。
「失う悲しみ」は「得る喜び」の2倍強く感じる
人間は脳の仕組みから、なじみのあるものが好きなようにできています。
これまでの状態を維持した方が、生命の保存が可能であるパーセンテージが上がるからです。
ですから、無意識に選択をすると、きわめて保守的になります。
これは、さまざまな自己啓発本で繰り返し読んできたことと思います。
この「現状維持バイアス」は、脳が「損失に対する感情」が「利益に対する感情」の2倍強いためです。
ついやってしまう「現状維持バイアス」。
意識的に外していかなければ、いつまでたっても楽しい時間を作っていくことはできません。
「このワイン、もう少しグラスに入れておいたら飲み頃になるかな」
著者と友人はそう言いました。
どう見ても美味しいワインを楽しんでいる表情ではなかったそうです。
自分より優秀な人を採用したほうがいいわけ
あなたは「ライバル」を応援できますか?
これは、ごく最近に上司から「あの人をあなたと同じ部署にしたいんだけど、どうする?」とこっそり聞かれました。
年上の、すごく仕事ができる、しかも厳しい人です。
「ひ~!仕事の方向性が真逆な人なんで勘弁してください!」
と人事を変えてもらってしまいました。
反省です。
能力が高い人なんです。
一緒に働けば、もっと仕事の別角度を知ることができたのに。
悔やまれます。
いやしかし、本当に真逆すぎて本当に具合悪くなりそうなんで、この決断はまあ良いのですが・・・。
同じように、後輩くんたちが仕事がデキるようになってくると、「うお~、ヤバイヤバイ!」と焦る気持ちが大きくなるものです。
その力をネガティブ方向にしてしまうのが「足の引っ張り」。
恥ずかしい!トンでもないこと。絶対やらないぞ、と決めています。
しかし、それをしでかすのが人間だと言います。
著者も同じでした。
著書がベストセラー入りを果たした頃、その本の出版社からある作家の本があと少しでリストのトップテン入りができそうだから「推薦文」を書いてくれと頼まれました。
そうした推薦文が威力を発揮することにはいつも驚かされていた著者でした。
躊躇しました。
どうして自分の孫になることをしなければならないのだろうか?と。
ベストセラー1位の座をめぐって争わなければならない誰かに、どうして手を出さなければならないのだろうか?と。
このとき働いたのは「社会的比較バイアス」です。
これは、自分より優位に立つかもしれない人を推すのを嫌がる傾向のことです。
これは学術界でも有害だと指摘されていることだそうです。
研究者たちにも自分の専門分野の有名ジャーナルにできるだけ多くの論文が発表されることを目標としています。
名前が知られるようになった研究者は、ほかの研究者からの寄稿を評価してくれるよう頼まれるようになります。
多くの場合、論文を掲載するかどうかを決めるのは、ほんの2、3人の研究者です。
その分野の常識を覆し、それまで王座であった研究者たちの地位を失墜させるような世界を揺るがす論文を送ってきたとしたら、どんなことが起こるでしょうか?
その論文をことのほか激しく非難するでしょう。
「社会的比較バイアス」の影響です。
心理学者のステーブン・ガルシアと共同研究者は、「あるノーベル賞受賞者が、自分が勤める大学のポストに将来性のある若い研究者が応募するのを阻害したケース」について記しています。
この行動は一見理解できそうですが、その若い研究者が他の人間と別の場所で成果を上げる後押ししていることになります。
ここに「社会的比較バイアス」が原因だろうと推測しています。
実はこれはスタートアップ企業が犯しがちなミスです。
アップルで4年間チーフ・エバンジェリストをしていたガイ・カワサキはこう言っています。
「Aクラスの人は、Aプラスの人を採用するものだ。つまり、自分よりもっと優秀な人を雇おうとする。だがBクラスの人は、自分の部下としてクラスの人を採用する。
そのCクラスの人は自分の部下にDクラスの人を採用する。
そうすると結局、その会社は数年後にはZクラスの社員ばかりになってしまう」。
あなたは、自分より適任者がいたという理由で、教授が進んで辞職したという話を聞いたことがありますか?
2万人いる社員のなかで自分より経営の素質がある者を見つけたからと言って、トップの座を明け渡したCEOの話を聞いたことがありますか?
結論:私たちは自分より優れた才能をもった人を支援しよう
その時点では、あなたの地位がおびやかされるように感じるかもしれません。
が、長い目で見ればプラスになります。
どちらにせよ、優秀な人は追い越すときは追い越します。
だからそれまでの間、あなたは相手と良い関係を築き、そこから学びを得る方がいいのです。
意識して、優れた人を支援しましょう。
著者も結局、その本の推薦文を書くことに決めました。
自分がどうしても小さく思えてしまっているうちは、逆に手放したい感情に縛られてしまうことがほとんどでした。
本著の著者は思いのほか素直に自分もその感情を持ち合わせていることを吐露してくれているので、安心して読むことができます。
他にも同じシリーズの本があるので、そちらも読みたいと思いました。
特に「能力の輪」については、『Thik Clearly』に詳しくあるそうです。
このネガティブで前時代的な感情と完全に決別することは、ノーベル賞をとった先生たちでもできない!というのですから、よほど強いのでしょう。
それでも、常に意識していきましょう!
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。