年齢を重ねていくことに、不安を感じることがワタシ自信たくさんあります。
こうしてパソコンを打っていても、手のしわやお腹のラインが気になったり。
アラフィフとなった今、あと10年を切った退職のあと、どう生きるのか漠然とした思いがあります。
そうした中で出会えた1冊です。
著者の父親は広告代理店の営業マンとして成功したのち、退職し、犬を飼い、毎日長時間散歩をし、野鳥観察を心底楽しみました。
やがてヨットで半年すごしたのちに、シカゴ郊外で鳥たちの愛らしいしぐさに魅せられて生きていきました。
著者にもその熱意は伝染し、鳥たちを描いた印画を買い求めるようになりました。
「趣味には時間と集中が必要なんだ」とよく言っていた著者の父は、退職でその両方を手にしたことに気づきました。
ピカソが述べたように、「すべての子どもはアーティストとして生まれる。問題は大人になってからもアーティストのままでいられるかどうかだ」。
情熱、コミットメント、なかでも初心者になる勇気が、必要とされる資質なのです。
それは私たちがこれからでも身につけられる性質ですよね。
67歳になる著者の友人は、今でもライター、ラジオのパーソナリティー、教師として日々働いていますが、「アーティストは退職しません」と宣言します。
それは事実です。
83歳のトーマス・ミーハンは、1シーズンにブロードウェイで2つのミュージカルを書きました。今日86歳になった彼は新たなショーに取り組んでいます。
B・B・キングは、89歳で亡くなる6か月前までツアーをしていました。
オスカー・ハマースタイン2世は、65歳の若さで亡くなりましたが、ブロードウェイで開演された「サウンド・オブ・ミュージック」の作詞を手掛けるだけの余裕がありました。彼の最期の曲「エーデルワイス」はリハーサルの最中にショーに追加されています。
このような例から、私たちは何を学ぶべきでしょうか?
自己表現の意欲と言うものが、決して衰えない、あなたの中にとどめるべきものではないものである、ということです。
職業や属性を問わず、わたしたちは一人ひとりがみんな創造的であり、世界に独自な何かをもたらす力を持っています。
あなたは時間も経験もあります。
人生の後半は、自分のプロジェクトに取り組み、夢の扉を開けるときです。
過去を再訪し、未知のものを探求するときなのです。
さらに言えば、あなたの未来を設計するときでもあります。
〈創造性の原理〉
①創造性は自然な生命の秩序であり、生命は純粋な創造的エネルギーだ。
②人間を含め、あらゆる声明には創造的な力が宿っている。
③相応性に心を開くとき、わたしたちは内なる創造主の創造性に心を開く。
④わたしたち自身が創造物である。そしてわたしたちは、創造することによって、創造の流れを断ち切らぬよう定められている。
⑤創造性とは神からの贈り物である。創造性を用いるとは神に贈り物をお返しすることだ。
⑥創造的であることを拒むのは、自分勝手であり、わたしたちの本性にそむく行為だ。
⑦創造性を探求するとき、わたしたちは人生に秩序をもたらす流れとしての神に心を開く。
⑧創造主への回路を開くと、穏やかだが強力な変化がたくさん起こる。
⑨独創性にいくら心を開いても安全である。
⑩私たちの想像したいという夢や願望は、神聖な源からやってくる。わたしたちが夢に向かって進んでいくことは、自分の崇高な側面に向かっていくことを意味する。
本著では、アーティストとして宣言している人のみならず、人生の第2幕に踏み出そうとしている人に向けて書かれています。
そこには4つの基本的なツールが示されています。
1.モーニングページ
毎日、自分のためだけに朝1番に数ページにわたる意識の流れをライティングします。
手書きが良いです。
誰にも見せないので、正しい方法も間違った方法もありません。
わたしたちは日々雑務に頭をつかっています。
モーニングページは、そんな日々の中である種の瞑想のようなもの。人生の隅々からほこりを払ってくれる小さな箒になってくれます。
「モーニングページを続けて、冷静になった」と言う人は多いとか。
食習慣や運動習慣に気づいて、体重が減った人もいます。
気づいたら、成人に読み書きを教えるボランティアを始めていたキャロル。
それは彼女の空白の時間を大きな喜びで満たしました。
アンソニーはチェスのリーグに参加しました。
モンティはブリッジのクラブに加わりました。
モーニングページは気づきの行為です。
やり方は、起きてから何についてでもいいから数ページ書くこと。
2.アーティスト・デート
週に1回、一人で探索の旅に出かけ、あなたの興味をひくものや魅了するものを探してみましょう。
あなたが何か面白いことをしようとすると、抵抗にあうには承知しておいてほしいこと。
アーティスト・デートはお金をかけなくてもいいし、負変わりである必要もありません。
ペットショップに立ち寄る、といったごく単純なことでいいのです。
著者の場合は、子供向けの本屋に立ち寄ること。
突き詰めれば、私たちの中のアーティストは、インナーチャイルドかもしれません。
子供向けの本や葉、興味深いテーマを探すのにぴったり。
肝心なのは、新鮮でワクワクできること。
チャールズはアーティスト・デートで園芸品店に立ち寄りました。そこで、とびきり美しい山の花をたくさん見ましたが、最終的に目に留めたのは、店員が何か月ももつだろうと保証してくれたピンクと青のプルメリアでした。
ムリエルは音楽によるアーティスト・デートをしました。いつも行く協会の合唱隊がヘンデルの「メサイア」を歌うというので聴きに行ったのです。「素晴らしかったわ。あの合唱隊があんなに才能豊かだったとは思っていなかった」。
グロリアは、大きなガラスケースで100キロ以上ある大蛇を飼っている画材店を訪れました。「蛇は怖かったんですが」とグロリアは報告しました。「ショッピングを冒険にしてくれました。
アーティスト・デートの最初の成果の1つは、スタミナが増すこと。
自分がそう簡単に疲れないことに気づきます。
世界は冒険であり、私たちは冒険を楽しむ魂なのです。
ただ、大切なのは、本物の子どもを連れて行かないこと。
アーティスト・デートの目的は、あなた自身が子どものころにもっていたワクワク感を思い出すことだからです。
アーティスト・デートをするために、自分のできそうな10の冒険リストをつくることを著者は勧めています。
1週間に1つずつそれをこなしていくのです。
あなただけを喜ばせるものをリストにしましょう。
安易にキャンセルせず、他人と一緒に行かないことが大事です。
3.ソロ・ウォーキング
著者の前著である『ずっとやりたかったことを、やりなさい』でも紹介されているものです。
1週間に2回、スマホを置いて、20分のウォーキングをします。
モナは時間の無駄だと思っていましたが、著者に勧められてスタート。
始めの1回目、通りを7ブロック歩き、片道10分ずつかけて戻りました。歩いていると、目の前を1匹のリスが横切り、赤い翼をしたクロウタドリがリンゴの木にとまり、軽快に鳴いていました。
その週の2回目、腕を組んで散歩する年老いたカップルにでくわしました。モナは楽観的なおおらかさと信頼し合うことの美しさを感じました。「老いるのもそんなに悪くないかも」と考えました。彼女は著者が思う寄りずっと早くソロ・ウォーキングにワクワクする冒険の感覚を見出しました。
4.メモワール
「私の人生はそれほど面白くなかった」とリタイアした多くの人が繰り返し言っています。
しかし実はすべての人生が魅力的だった、というのが真実なのです。
あなたがたどってきた人生を、敬意をもって子細にながめると、必然的にパワーが湧き、あなた自身に感謝したくなります。
それこそ、魔法のように。
「メモワール」は週1回行うエクササイズです。
あなたの人生を年齢÷12で計算し、12に区分します。
60歳ならば、0歳~5歳が1つ目の区切りになります。
その時代に何が合ったのかを詳細に思い出していくと、実はあなたの人生がいかに豊かだったのかに気づくことができます。
次の項目で、あなたの1つ目の区切りの時期の人生をふりかえってみましょう。
①どこに住んでいましたか?
②誰があなたの面倒を見ていましたか?
③ペットを飼っていましたか?
④あなたの最初の記憶は何ですか?
⑤好きな本は何でしたか?
⑥好きなおもちゃは何でしたか?
⑦この時期にかいだ、印象的な匂いはどんな匂いでしたか?
⑧大好きな食べ物は何でしたか?
⑨この時期に聞いた、印象的な音(声、歌、汽笛、犬の吠え声など)はどんな音でしたか?
⑩この時期、よく居た場所はどんな場所ですか?このほか、どんな印象深い思い出がありますか?
⑪①~⑩の中で、アーティスト・デートで探求したいものはありますか?(焼きたてのパンの匂いを思い出したなら、パン屋でアーティスト・デートするなど)
初心になるのに、遅すぎるこてゃない、と著者は言います。
「私たちは、内的にはいつも同じ年齢である」とガートルード・スタインが言葉を残しています。
退職することは、自由になること。
そして、独立することであり、あなたという個を起業することです。
一緒に楽しく自分と言う事業を起業しましょう。