猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

人は心地よく感じるときに変化できる~『スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法 習慣超大全』BJ・フォッグ

体重を減らしたい、起業したい、英語を話したい、生産性を上げたい・・・そうした変化を求めるすべての人へ書かれた本著です。

 

私たちは自分を向上させたい気持ちがありながら、なかなか新しい習慣を手に入れることができないことが往々にしてあります。

 

その習慣づけのために、「小さく行動する」ことについて、繰り返し触れられています。

が、実際に「どれくらい小さいステップ」が本当の成功につながっているのか、ものすごく具体的に書かれているのが本著です。

モチベーションをいかにキープするのかが「習慣化」の本でよく見られます。

しかし、著者はモチベーションは波があるのが当たり前なので、それを一番の動力源にすることは難しい、と述べています。

 

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変化は簡単に起こせる(しかも楽しい)

小さなことは強力だ

著者は20年にわたり、食習慣の改善やダイエット、運動量の増加、ストレスの軽減、睡眠の質の向上などの研究をしてきました。

しかしメディアで伝えられている通り、現代社会では、肥満、不眠症、ストレスは深刻な悩みであり、行動に関する理想と現実には痛ましいほどのギャップがあります。

たいていの人は、こうした問題の原因は自分にあると思っています。

しかし、著者は言いたいのです。

「あなたは悪くない」と。

やり方がすべてを決める

もしもあなが習慣化に失敗した経験があるならば、それはあやふやな俗説や誤解、非科学的な助言に惑わされて失敗してきただけなのです。

問題はあなたではなく、アプローチにあります。

「数値目標」も「自分へのごほうび」もいらない

必要なのは、「人間の真理に逆らわない手順」「変化を容易にする工夫」「推測や誤った原理に頼らない道具立て」です。

効果的な習慣をデザインして行動を変えるには、3つのことを実行することが大切です。

1.自分自身を裁くのを止める

2.目標を決め、「小さい行動」に分解する

3.過ちを発見として受け入れ、前進するために役立てる

多くの人にとって習慣になっている「自己批判」。

「忍耐力」や「数値目標」、「自分へのごほうび」、「期限」などによるアプローチは必要ありません。

「永続的な変化」を起こす方法は3つ

著者があなたが前進して変化するためにはっきりさせておきたいことがひとつあります。

それは「行動を確実に変えるには、情報だけでは不十分」ということです。

あなた自身にも経験があるかもしれません。

肥満がいかに健康に悪いかを訴えても、食べることを止めようとしない人を目にしたことがあるかもしれません。

 

実は、「永続的な変化」を起こすためにできることは3つだけ。

「天啓を得る」か、「環境を変える」か、あるいは「小さいところから習慣を変える」こと。

 

このなかの「小さいところから習慣を変える」ことを著者はタイニー・ハビットとして本著の中心として扱っています。

 

「時間がない」人でもできる

タイニー・ハビットでは、30秒もかからずにできる「小さい行動」に的を絞ります。

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。

 

 

あなたが達成したい目標に対して、タイニー・ハビットでは「3つのとても小さい行動」から始めることを推奨しています。

あるいはたった1つでも構いません。

ストレスが多く、時間がない人ほど、この方法が適しています。

今すぐ始められる

例えば3秒でできる習慣。著者がやっていること。

著者のタイニー・ハビットの「レシピカード」には、こんなものもあります。

 

「これをしたら・・・」

目を覚まして床に足をつけたら、

「これをする」

「今日は素晴らしい日になる」と声に出して言う。

 

似たような習慣でもよいのです、「朝起きて鏡に向かったとき、決まった言葉を口にする」など、タイミングをアレンジしてもいいのです。

これくらいのごく簡単なことがちょっと習慣づけられるようになると、あなたには自信が芽生えてきます。

どんな小さな成功も「祝福」する

タイニー・ハビットでは、どんな小さな成功も「祝福」します。

これは神経科学に基づき、「意識的な行動」を「無意識の習慣」へと短期間で転換できるテクニックです。

「うまくいった」という感覚を「祝福」から得ることが、新たな習慣を取り入れることが可能になり、継続への意欲をかきたてます。

著者は毎週のように、具体的な成功事例をデータから発見します。

それだけでなく、「祝福」は、あなたの人生を心地よいと感じるテクニックでもあります。

あなた自身を責めるのをやめて、「ほめる」力を身につけること。

ほんの小さなステップであっても、「よくやった、自分!」とつぶやくこと。「すごいじゃん、自分!」と声に出してあげること。

そのことで、あなたは人生を好転させるゆるぎない基礎をはぐくむことができるのです。

タイニー・ハビットの構造 どうやって小さい行動をくらしに取り入れるのか?

①アンカー(錨)にできる瞬間を見つける

たとえば、フロスの習慣をつけたいとき。

すでに習慣となっている日課(歯磨きなど)や、何かが起きたとき(電話がかかってきたときなど)。この瞬間を「錨(アンカー)」にして、〇〇したら△△をする、と決めておきます。

この「錨(アンカー)」によって、「小さな行動」をすることを思い出すのです。

②小さい行動

身につけたいと思う新しい習慣を簡単にした行動を決めます。

たった1本の歯をフロスする、腕立て伏せを2回だけ行う、といったこと。3秒とか30秒とかでできる「小さな行動」です。

「アンカー」の直後に、この「小さい行動」を実践します

③祝福

ポジティブな感情を生み出す行動です。

たとえば「よくできた!」と自分に言う。

「小さい行動」をとった直後に自分を「祝福」する。

 

・・・スモールステップなどについて、今までたくさん本を読んでこちらに紹介させていただきましたが、この「祝福」については、初めて見たかもしれません。

「アンカー」については、見覚えがありますが、すべての習慣化の本にあったわけではないですね。

 

「タイニー・ハビット」をはじめるために小さなエクササイズ

タイニー・ハビットを習得する最良の方法は、すぐに練習を始めることです。

ここで大切なのは、パーフェクトを目指さないこと。

まずは、飛び込んで、進みながら習得する。

ストレスを感じたり、神経質になったりせずに、柔軟に楽しんでいきましょう。

 

たとえば、「フロス習慣」を定着させる

たとえば著者がタイニー・ハビットでフロス習慣を身につけるならば?

習慣を無意識化することに照準を当てるために、こんな風にステップを踏んでいきます。

ステップ1 好みのタイプのフロスを何種類も試す

ステップ2 フロスをバスルームのカウンターの歯ブラシの横に置く

ステップ3 歯磨きをして歯ブラシを置いたら、フロスのケースを手に取り、適当な長さに切る

ステップ4 1本の歯にフロスをかける

ステップ5 鏡の中の自分にほほえみかけ、新しい習慣を身につけつつあることを心地よく思う

※注意:何日か経ってあなたが望むなら、2本以上の歯をフロスして構わないが、まずは1本で十分だということを忘れないように。増やす必要はない

 

「人は心地よく感じるときに変化できる」

実は本著を通じてたったひとつだけ選ぶとしたら、著者はこの「人は心地よく感じるときに変化できる」という考え方であると述べています。

小さな紙に書いて目につきやすいところに貼ってほしい、とまで著者は書いています。

あなたやわたしの周囲の人を見て、本当かどうか観察したり、こうした意識がどう作用するかを観察してみるとよいそうです。

早速このページを待ち受け画面に設定してみました。

日々観察するまでもないかもしれませんね。

でも、自分自身に対して「心地よさ」をしっかり提供していなかったことにも気づきました。

習慣づけを行うために自分が結局やってきたことは、根性論ばっかりです。

だからうまくいかなかったんだな。

「成功者のストーリーに騙されるな」

なぜ、わたしたちが山のような努力をしても習慣化できなかったのか。わたしたちにはある先入観があるからであると著者は指摘しています。

何かを達成するなら徹底的に取り組まなくてはいけない、という思い込みです。

一気に断ち切る。

家を売って海辺に引っ越す。

毎日12時間トレーニングを続けてきたオリンピック選手や成功者たち。

ですが、成功者の物語がメディアで印象深く伝えられるのは、それが「例外的」だからであることを、私たちは思い出すべきです。

大胆な行動はドラマになります。

例えば著者がトイレのあとに腕立て伏せを2回する場面があっても取材されません。

つまり、大きく大胆な行動は、一般に思われているほど効果的ではない。

小さことは、注目されていなくても実際には効果的で持続性があります。

大きな行動は痛みを伴うこともあります。そこには無理が生じますから、そんな努力は、しばらくのあいだ続くことはあっても、そう長く持つことはありません。

 

あなたは「小さく考える」方法を知らない

たとえ行動をいくつかのステップに分解しても、まだ大きすぎたり、複雑すぎたりすることが実際は多くあります。

そのせいで圧倒され、モチベーションの波が引いて自分が置き去りにされます。

 

インドのベンガルールに本拠地を置くフォーチュン500企業で、プロジェクト・マネージャーを務めるサリカは、何年もわたってモチベーションの浮き沈みを経験していました。

彼女は健康維持のために自炊と運動の習慣を身につけようと努めていました。

でもサリカには双極性障害があり、気分や気力に極端な波がありました。薬を使えば症状を管理できますが、その副作用は重かったのです。

タイニー・ハビットに出会う前まで、サリカの人生には仕事に行く以外、日課が無く、出勤の時間さえ不規則でした。

自炊はできません。瞑想も大好きでも何週間もしないこともありました。

瞑想や毎日の安定した習慣を守らなければ、自制心を失いやすくなり、病院に行かなければならなくなります。

しかし努力を重ねてもサリカはうまく習慣の組み立てができず、家では気が短くなり、職場では落ち込みました。

でも、医師たちから習慣を守るよう指示されると、火星に打ち上げる宇宙船をつくれと言われるように感じるのでした。

ときどき膝の痛みが無くなると「高揚」した気持ちになり、医師に勧められた運動をしてみるものの、少しも良くならないので長続きせず、いつまでもサポーターは外せません。

このような「高揚」と「消沈」は誰にでもある珍しくないものです。

サリカは落ち込む日々で自信はゼロになり、自分には永続的な変化を起こす能力がないのではないかと感じてしまいました

 

しかし、サリカはタイニー・ハビットに出会いました。

毎日20分の瞑想を目指す代わりに、「リビングの真ん中に置いたクッションに座り、3回だけ深呼吸する」ことにしました。

朝食をすべて手作りすることを目指す代わりに、「キッチンに入ったらまずはコンロの火をつける」ことにしました。

理学療法に沿った30分の運動はやめ、「お気に入りの青いヨガマットで30秒、ストレッチをする」ことにしました。

サリカはそこから出発して能力と自信を伸ばし、これらの小さい習慣が日課として根付くまで繰り返しました。

やがて習慣は成長しました。何年も日課を習慣化することで前より健康になり、自炊やキッチンの片づけ、運動、瞑想、花の水やりなども毎日できるようになりました。

 

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ほんとうに小さいタイニー・ハビット。

ごく小さいことから始めて、それを「祝福」すること。

楽しいことでないと自分を変えられないこと。

本著からわたしが学んだことはその3つです。

 

一緒に新しい自分へ変わっていく1歩を踏み出していきましょう。

読んでくれたあなたのお役に立ちますように。

明日のあなたの小さな幸せにつながりますように。

では、また。

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