猫のメメとモエ

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フロー状態をつくる方法~『成功脳と失敗脳 脳が震えるほど成功する方法』茂木健一郎

著者は普段から各界で活躍している成功者たちに話を聞く機会に恵まれていました。

そんな中で、そうしたビジネス界で成功を収めている人やプロのトップアスリートたちに、ある意外な共通点があることに気づきました。

それは「成功脳」を持っているということ。

言い換えるならそれは「成功体験を積み重ねるのがうまい脳」ということです。

 

今回は、本著のこんなことを紹介しています

・失敗に言い訳していると悪魔のように失敗のクセがつく

・成功脳と失敗脳のチェックリスト

・タイムプレッシャー法

・目標や行動を常に見直す

ゲーミフィケーション(ゲーム化する)

・能動的に取り組む

・1秒で始める

・緊張する場面に挑戦する

 

 

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失敗を恐れて何もチャレンジできない、うまくいかない時の言い訳にしてしまう、そんなことは誰にでもあることです。

果ては「自分の人生は負けの連続だけど、それなりに生きていける」と逆に開き直ってしまったり。

しかしそればかりしてしまうと、まさに典型的な「失敗脳」の持ち主になってしまいます。

負け癖がついたり、周囲の慰めに甘えたり、自分で自分を慰めて言い訳してしまうなど、一時的な「敗北回避」を始めます。

失敗に対する言い訳というのは、自分が負けている状態を安定化させるための、まるで悪魔の薬なのです。

この悪魔の薬が自分の中に存在することで、「人生負けていても実は生きていけてしまう」と、どうなるでしょう?

恐ろしいことに、「失敗」を習慣として捉えるようになってしまいます。

ワタシも、自分の記憶力や集中力の悪さを常々言い訳にしちゃっています。

 

ただし、そんな習慣を持っていたとしても、大丈夫!

なぜなら、日々のちょっとした意識や習慣を変えるだけで、誰でも新しい脳回路を強化することができ、「成功脳」の持ち主になれるからです。

そのために、本著では読み進める中で次のことを大事にします。

それは、「どんな些細な成功でも、自分を褒めてあげる」というものです。

成功体験を生み重ねて神経伝達物質であるドーパミンをいかに出せるか?

それが「成功脳」を持つきっかけになるからです。

 

「そんなことを言っても、自分には無理でしょ?」

と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

脳というのは、実はすべてパターンで回路が働いています。

成功パターンがその人の習慣として身についているかを知ることが、成功脳を強化する際に大事なポイントとなります。

 

成功脳と失敗脳のチェックリスト

以下の設問に〇×で答えてください

□人の意見をよく参考にしている

□作業中は楽しく、終了後にその出来に対して不満が生じる

□「いつまでに仕上げる」と時間を決めて作業している

□作業に没頭することがよくある

□同じ失敗は繰り返さない

□「自分はまだまだ」だと思っている

□自分を追い込むタイプだ

□やるべきこと(To Doリスト)は、頭の中で管理している

□日常の中で運動を習慣にしている

□何事も、すぐとりかかる方だ

□自分自身のことをよく褒めている

 

どうでしたか?

ここで著者からの種明かし。

以上11個のすべての設問は、成功のの持ち主の特徴を表しています。

ですので、もし〇が6個以上ついた人は成功脳パターンが強く、反対に、〇が5個以下の日とは失敗脳パターンが強いということになります。

これをもとに、自分の特徴を踏まえて本著を一緒に読み進め、成功脳パターンを作っていきましょう。

 

「タイムプレッシャー法」で成功のターゲットとを明確にする 

著者は勉強が得意で成績が良かったのですが、それは勉強する際に「成功のターゲット」を自分で勝手につくり出していたからだと振り返っています。

「タイムプレッシャー法」

これは、たとえば小学生が制限時間30分と書いてあるドリルをやるとき、「じゃあ自分は〇〇分でやってみよう」と自らの脳に負荷をかけるといったもの。

 

これは仕事にも応用できることです。

とにかく短い時間で仕事をやる癖付けをするのです。

自分自身に適度なプレッシャーをかけ続けていれば、人間の脳と言うのは自然にアクティビティをあげるようにできているのです。

 

タイムプレッシャー法を自分自身の中にうまく取り入れることができるようになってくれば、集中力が増し、脳の成長に欠かせない成長体験や報酬を調整することができるようになってきます。

 

自分で目標設定することで、成功脳をつくりだす

勉強や仕事で伸び悩んでいる人には、共通点があります。

それは、自分で成功のターゲットをつくって、それに向かって努力するという基本的なサイクルが回せていない、ということです。

そこに失敗脳の根源があります。

自分でクリエイティブに目標を作ることは、成功脳を作っていくために非常に大切。

 

ビジネスにおける基本サイクルのPDCA

しかしPDCA以前に、まずはあなたの成功のターゲットを定めることが必要です。

成功脳を活性化する秘訣は、成功のターゲットを「設定→努力→判定」するサイクルを回していくことだと著者は言います。

ときには成功して、ときには失敗するという形で動ける人は、その時点で、もうすでに成功脳のサイクルに入っています。

 

失敗することで、より成功が甘美なものになる!

「良薬は口に苦し」ということわざもありますが、一度失敗と言う苦い薬を飲んだ後に、成功と言う甘い蜜を吸えばより甘みを感じることができます。

これは脳科学的な知見からも立証できます。

なぜなら脳は一度失敗したことを覚えているので、「この成功は価値があるものだ」と理解できるからです。

では、1度の失敗よりも2度や3度の方が脳にとって良いのでしょうか?

失敗を重ねていくほど、成功したとき脳はドーパミンをより多く放出させます。

脳は成功確率が低いものほど成功したときに、最も喜びを感じる性質があるということです。

 

難しい問題を解いたとき、勝てないと思った相手に勝つことができた時、そのようなときに成功脳の回路は強化されていきます。

つまり、成功や勝利の確率の高いもので成功しても、脳はそれほどの喜びを感じないということ。

 失敗の蓄積があればあるほど、次のチャレンジで成功すれば良質のドーパミンが出せるのです。

 

見直しのサイクルを回す 

ただし、ここで気をつけるのは「同じ失敗を何度も繰り返してはいけない」ということ。

同じ失敗を繰り返しても成功への道はありません。

そこには必ず失敗の原因があるはず。

そこで、成功のターゲットを定める「設定→努力→判定」と言うサイクルをひとつの指針として活用してみてください。

もし、失敗を繰り返してしまうならば、次のような手順で自問自答してみましょう。

1 目標の設定があいまいではないか?
2 努力の仕方が間違っていないか?

3 正しく自己判定できているか?

 

著者はフルマラソンを3度失敗した経験があります。

救護の車に乗ることは、非常に悔しかったと言います。

そこで小出義男監督の本を読み、前半には抑え気味に走ることを知りました。

4回目の挑戦の東京マラソンでは、30キロ地点まで苛立つほど抑えてみることで、体力が温存。ゴールをトップスピードで走ることができたそうです。

 努力の仕方は、正しくなければ目標を達成することってできないですよね。

やり方が正しいのか繰り返し見直すことが大事なのです。

 

「人を夢中にさせる仕組み」ゲーミフィケーション

 アメリカでは何事も「ゲーム化」することで行動の変化が引き起こせるという研究結果が出ています。

著者も小学生の時に、読んだ本をグラフ化して視覚化することで、ゲームにしていました。

 

このゲーミフィケーションで欠かせない要素は、「目標設定をして計測する」こと。

著者ならば、原稿を執筆するときに「何時までに終わらせたら成功!」としたり、「今日は英文を1000字書けなかったら失敗」としたりしながら、ゲームを取り入れているそうです。

 

他人からの指示命令は、あなたの目標に翻訳する 

著者がよく受ける相談のひとつに、

「上司にいろいろと仕事を命令されるので、やる気が出ません」

というようなものがあります。

ここであなたを成功脳に導くには、その上司の命令を英文を日本語訳するかのように、翻訳します。

 

「あ~、また上司に仕事を押し付けられた。残業だ」

と思うところを

「上司は自分を頼りにしているんだ。何とか今日中に終わらせてやろう」

と、あなたが主体となって目標を組み立てるのです。

すると、脳がそれを終わらせた喜びを感じたいと思うようになるので、モチベーション高く取り組めますし、結果としてパフォーマンスも上がります。

 

さらにもしあなたがステップアップしたならば、上司が無理難題な仕事を押し付けてきたら、

「その課題をやることは自分の人生にとってどんな意味があるだろうか?」

というようなことを考えてもいいかもしれません。

他人から頼まれた仕事を、とにかく翻訳することで、脳の成功報酬にするのです。

 

茂木健一郎さんは仕事の9割をフロー状態でやっている

著者の茂木健一郎さんはテレビで見ていても、いつも楽しそうに仕事をしているような表情をしていますね。

この方は1日の仕事の9割がフロー状態であると実感しているそうです。

そりゃあ、子供のころから勉強がすごくできて、成功体験積みまくりな人と一般人とでは、脳の作りも違うとは思います。

しかし、茂木健一郎流のフローの作り方は、あなたにもきっと参考になると思います。

なにしろ、毎日がフローの人ですから!

 

とりあえず、真似できるものをひとつでも見つけてもらえたらと思います。

パフォーマンスをあげる状態と幸せを感じる状態を一致させる

フロー理論の研究を始めたのはアメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイです。

チクセントミハイは、第2次大戦下の東ヨーロッパという過酷な環境で生きる人々を見て、フローを見つけました。

当時の東ヨーロッパの情勢はとてもひどいものでした。

しかし、どんな状況でもそこで暮らす人の何人かは楽しそうに生きていたのです!

 

チクセントミハイの友人に画家がいました。

その画家は、自分の描いた絵が売れるかどうか、評価されるかどうかもわからないのに、集中して絵を描いているときがすごく幸せそうに見えました。

その姿こそがフロー理論を提唱する原型となり、そののちポジティブ心理学を突き詰めていくことになるのです。

 

どんなに苦しい状況でも、集中できる人の多くは、幸せ感にあふれています。

 

最初はつまらないな、自分らしくないな、と思ったことでも、集中していくことが大切です。

すると、あなたの脳内にドーパミンやβエンドルフィンといった脳内物質が分泌され、ある種陶酔した状態になります。

ここで、重要なのは、質の高いパフォーマンスをあげる状態と幸せを感じる状態を一致させるということ。

「よし、できたぞ!」と仕上がっていく仕事を楽しむことです。

そのためには、どんなことでも、受け身ではなく能動的に取り組むという意識を持つことが重要です。

先ほど書いてあった「自分の目標に翻訳する」ということに繋がりますね。

 

この「幸せと感じる状態を一致させる」。

ここに引っかかりがある瞬間もあると思います。

得意じゃない仕事を任されたりすることもありますし、すごく緊張する発表を任されたりすれば憂鬱になります、、、。

 

そんなときには、著者推薦の「ポジティブバイアス」を意識していきましょう。

自分と仕事を一体化させる ポジティブ・バイアスを持つ

集中力が続かない人の特徴として、自分と仕事の間に垣根を設けてしまっている、ということが挙げられます。

つまりは「仕事っていやだな」と思っているということです。

 

脳には不安になったり、失敗を恐れたりするネガティブな考え方を持つことで、「ネガティブ・バイアス」という脳の働きが生まれ、ネガティブなことの方が印象に残りやすくなります。

すると、フローに入る前に必要な「パフォーマンスを上げている状態」を「苦しい状態だ」と誤認してしまうのです。

 

フローを習慣化できている人は、「パフォーマンスを上げている状態」を苦しいと感じていません。

 

しかし、フローを習慣化できていない人は、フローによって高いパフォーマンスを上げている人を見ると、「成功している人は、きっと自分よりも苦しいことをやっているんだ」と思っている人が多いのです。

ワタシもそう思っていました!

しかし、著者に言わせるとそれは間違った認識。

フローが楽しいから、やっているのだそうです。

羨ましい。

1秒目からすぐにやり始めよう 「トップスピード法」

人はどうしても「何かをしない理由」をつくってしまいがちです。

人間の脳はエネルギー節約のためなら、いくらでも理屈をいうことができるのです。

つまり、あなたがなかなか行動に移せないという理由は、脳が自然と理屈・感情を作ってしまうことに原因があるのです。

 

太古の時代、むやみに行動すると、命を脅かす危険が伴っていました。

その脳の機能によって「後回し癖」がついてしまいやすいのです。

 

その壁を取り払うには、あれこれ考えずに1秒目からなんでもすぐ始めてしまう、というのが良い方法です。

著者はこれを「トップスピード法」と呼んでいます。

著者は常日頃から「英語がうまく話せるようになりたい」と言っている学生たちの声を聴いています。

そこで著者が学生にしているアドバイスは、「そんなことを考えている暇があったら、今すぐ英語を勉強すればいい!」というもの。

理屈をこねている時間があるなら、英語の参考書を1秒目から読み始めてみることです。

 

フローの入口は、たった1度の成功体験でもOK

楽しみながら集中してフロー体験をする、その入口はたったひとつの成功体験から見つかるものです。

 

あなたも経験があるのではないでしょうか?

「たった1回のテストの点数が良かっただけで、その勉強が好きになれた」

「仕事で、たった1回褒められただけで成果が出続けるようになった」

 

まさにこれが、フロー体験をするために必要不可欠な「楽しみ方」を知る入口です。

緊張の先にフローが待っている

やるべき課題とあなたのスキルが高めのところにあるときに、あなたの集中力は増して、フローを体験することができます。

新しい挑戦には緊張が伴いますが、そこがフローの入口になる可能性が高いのです。

始めは緊張が強くて、なかなかフローまで持っていけませんが、緊張の場数を踏むことがポイントです。

何度か発表などの場数を踏んだ後で、ふわっと野原が開けたような瞬間がやってきます。そこにフローがあります!

 

脳はこの負荷をかけるほど、プレッシャーが大きいほど、フローの回路が強化されていきます。

緊張をフローに変えるのは「ストーリーづくり」

勉強がものすごく得意であった著者であっても、脳科学者以外の仕事をしようとすると、自分が今まで経験していなかったことなので、とても緊張するそうです。

例えば、受験や就職面接では、失敗が許されないと思うからこそ緊張します。

しかし、その緊張は脳が成長するための栄養です。

なぜなら、その後の人生に大きな影響を与える勝負に挑むことで、成功脳が活性化するからです。

 

誰でも緊張する瞬間はあります。

しかし、それらをひとつひとつ乗り越えることで、脳は次第に成長してフローに入る時間がどんどん長くなっていきます。

 

緊張を解き放ち能力を磨いていくためには、「ストーリーをつくり、自分にプレッシャーをかけて日々の進歩を楽しむ」という方法が著者のお勧めです。

 

これは著者自身が実践しているやり方です。

まだまだ自分が到達できていない青天井のさらに奥、つまり遠いビジョンをしっかりと追い続ける自分を、物語にして想像してみるのです。

すなわち、成功ストーリーを自分の中に描くのです。

自分を主人公にしてストーリーをつくるという行為は、あなたも子どものころにやったことがあると思います。

 

そして、その上で、地道に足元のことをコツコツとやっていくのです。

緊張が解き放たれ、脳がフロー状態に入っていくためには、とにかく毎日少しずつでも進歩することが大事になってきます。

その一方で、自分にプレッシャーをかけながら、少しずつ進歩・成功していく、自分が目指している高みに近づいているということも、意識すること。

その両輪でストーリーづくりをすることで、緊張をフローに変えることができるようになっていくのです。

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復習です。

成功脳をつくり出すには、

「1秒で始める」

「ゲームにして楽しむ」

「失敗に言い訳をしない」

「能動的に取り組む」

「脳内サクセスストーリーをつくる」

 

失敗ややらないことへの言い訳をしやすい脳の仕組みに惑わされず、新しい挑戦をしていくことで、フローを楽しめる脳へ成長させていきたいですね。

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今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。