日照時間が少なくなるせいなのか、冬は何となく気分が下向きになりがちです。
ちょっとペースが落ちているのが、最近の悩みでした。
しかし、仕事は待ったなし!
年末に向けて忙しくなるうえに、日が早く落ちるので、仕事相手も早めの退社をしてしまうのです(結構切実な悩み)。
だったら、自分も集中して仕事を片付けてしまえば、早く帰れます!うん!
本書では、自分で自分を上手に動かす方法をたくさん紹介しています。
今回取り上げるのは、
1.あっけないほど簡単!?「気持ちを上向きに変える」法
2.無意識に自分を「落として」いませんか?
3.「いつも上機嫌でいられる人」がやっていること
4.絶望から立ち直ったカーネギーのやり方
です。
ひとつでもあなたの役に立てる話を見つけていただけたらと思います。
1.あっけないほど簡単!?「気持ちを上向きに変える」法
自分の存在自体に「イエス!」を言おう
気分が落ち込んだときに、心のモヤモヤを一瞬で晴らすには。
自分自身に対して質問をしてみましょう。
しかも、必ず「イエス」になる質問です。
例えば・・・
「今、呼吸している?」
「今、生きている?」
「今、文字を読んでいる?」
・・・
3回ほどイエス発すると気持ちが上を向いてきます!
仕事でもつかえる「イエス!」の効果
実はこの方法の基本になる考え方は、偉大な催眠療法家であり精神科医のミルトン・エリクソンが考案した「イエス・セット」という話法。
「イエス・セット」とは、もともとは「相手と信頼関係を築いていく」ための心理テクニックです。
簡単に説明すると、「イエス」が答えになる質問を繰り返していると、相手の気持ちはどんどん開いていき、質問者に対しても「イエス!」というポジティブな感情が生まれてきます。
その結果、親近感もより高まっていきます。
人間は、「はい」という返事を繰り返すと、気持ちも高まるのです。
周りから好かれる人は、日常的にこの「イエス・セット」を繰り返していることが多いのです。逆に人気のない人は、そもそも会話自体をしなかったり、また質問も「ノー」になるものを繰り返していたりします。
ちなみに、同意を繰り返すと、「断る」という否定的な対応をしにくくなるという効果もあります。
落ち込んでいたら、自分に小さな当たり前の質問を3回以上繰り返してみましょう。
ワタシもやってみたのですが、簡単なのに結構効果が高いので驚きでした。
2.無意識に自分を「落として」いませんか?
自分に「ノー」の呪いをかけない
前項の「イエス」とは逆に、「ノー」は気持ちを後ろ向きにさせる効果があります。
人間は気持ちが落ちているとき、無意識に自分に対して「ノー」になる質問ばかりをしがちです。
「オレは何をやっているんだ・・・」
「私は何のために生きているんだろう・・・」
なんて思うことは、自分をズンズン落ち込ませるだけです。
これは、あなたが自分自身に「ノー・セット」をしているわけです。
とにかく落ち込んだときは、前項のように
「生きているよね?」
「歩いているよね?」
と、イエスになる「小さな当たり前の質問」をするように心掛けましょう。
3.「いつも上機嫌でいられる人」がやっていること
気分を変えたいときは、「行動」で「感情」を動かす
いつも笑顔でいられたらいいのに。
でも、なかなかそんな気分になれない。
そんなときは、口角を上げることから始めてみましょう。
わたしたちの周りの、誰に対してもニコニコと明るく笑顔の人は、いつも良いことが起きますよね。
そして逆に、むっつりした暗い表情の人に、わたしたちは「助けてあげよう」「フォローしてあげたい」という気持ちは起きませんもんね。
暗い気持ちの時には、口角を上げるのに加え、漫画の効果音のまねをして「ニッコリ」など、言葉を口に出してみるのもいいでしょう。
また、言葉で感情を面白く言い表すと、おかしみやシュールさも出てシリアスでいるのが難しくなります。
気持ちがガラリと変わることがあります。
ムリに活発にぺらぺら話をしようとしなくてよいのです(かえって「楽しめ」という圧がかかって、引かれてしまうものです)。
少しだけ顔の筋肉をコントロールし、ほんのり穏やかに微笑むだけでいいんです。
4.絶望から立ち直るカーネギーのやり方
ご存知の方も多いと思いますが、アンドリュー・カーネギーというアメリカの有名な実業家がいます。
カーネギーは鉄鋼会社を設立して、大成功をおさめ「鉄鋼王」と呼ばれました。
しかし、彼の人生はそんなに幸せではなかったようです。
人生に絶望したカーネギーは、ある夜拳銃を
ある夜のこと、彼はあまりに多くの悩みを抱え、「もう、どうしようもない・・・!」と苦しみ、自殺を思い立ちました。
手段は拳銃自殺を思い付き、拳銃の入った引き出しを開けました。
するとそこには、拳銃の他に、便箋セットがありました。
そこで彼は思いつきます。
「そうだ。自殺するのなら、遺書をかいておかないと」。
そして、遺書を書きながら、
「自殺するからには、誰もが納得する理由があるべきだ。
その理由をすべてここに書いてみよう」
と思いつきます。
彼は、すべての悩みを列挙してみました。
「この私がこんなに苦しくて、自殺するほど絶望に追い込まれているのだから、全部書いたら数百・・・いや千はいくのではないだろうか・・・!」
そう思いながら、彼は書いていきます。
・政治家から圧力がかかり、会社が危機的状況にある
・不倫相手が「子どもを認知して」と言ってきた
・親戚の全員が何らかの問題を起こしており、それをもみ消さなければならない
・甥が警察沙汰を起こして、身柄を引き取りに行かなければならない
・妻から「今夜食事に付き合ってくれないなら離婚」と言われている
・・・
いろいろ悩みが出てきます。
しかし、「自殺しなきゃならないレベルか?」と問われると必ずしもそうとは言えないはずです。
カーネギーも薄っすらそれに気づきました。
「漠然とした不安」は整理する
彼が全部を書きつくしたところ、悩みは70ほどしかありませんでした。
(まぁ、ふつうの人に比べれば70は多いですよね。)
でも、カーネギーは数百、もしくは千くらいと思っていたのです。
それはただの幻想だったのです。
次々70ほどの悩みが浮かんでは消えていくので、無限にあるように思えたのです。
カーネギーはそこまで書いた悩みを見て、ふと思いました。
「これくらいなら、なんとかなるのでは?」
そして悩みを書いた便箋を問題ごとに小さくちぎり、
◎明日解決できること
◎来週以降に解決できること
◎来月以降でも大丈夫なこと
◎解決できないこと
というように分けました。
「解決できること」は次々着手すれば次々消えますし、また「解決できないこと」は、何もできないと諦めるしかありません。
しかし、何もできないと明確に分かれば、逆に安心にもつながります。
そして、その結果、彼は自殺することもなく83歳まで生きたのです。
結論1 誰でも悩んでいる
1つは、「カーネギーほど成功した人間でも、悩み、自殺まで考えるほど追い詰められることがある」ということ。
このエピソードは決してカーネギーが「若い時」のことではありません。
すでに巨億の富を手に入れたあとのことです。
どんなにお金を稼いでも、社会的に成功しても、それだけで完全な幸せは無いのです。
誰もどんな状況でも、悩み苦しむことはあります。
だから、あなたが悩んでいるときに、
「これは自分が成功していないからだ」
「自分がふがいないからだ」
「自分はあの人に比べてダメだ」
なんて無意味な劣等感に心を惑わせる必要は一切ありません。
それより、あなたの全精力は、悩みの解決につぎ込むべきなのです。
結論2 どんなことにも対処法はある
さらにもうひとつ。
それこそが、どんな悩みがあったとしても、それを明確に把握するだけで、十分に気持ちはラクになり、次にとる行動が分かるということ。
とにかく問題点を列挙してみて、向き合ってみてください。
それだけでも、あなたの進むべき方向が分かります。
そしてほんの少しでも進みさえすれば、さらに気持ちも晴れやかになり、解決なんてできそうもないと思っていた悩みは小さくなっていたことに気づくはずです。
とても分かりやすく、しかも漫画なので疲れた日にも読める1冊です。
面白いと思ってくださったら、是非とも手にとってみてください。
今週もお疲れさまでした。
少しでもあなたの気持ちが上向きますように!
では、また。