猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『幸運を引き寄せる行動心理学入門』植木理恵

行動心理学は、人の心を分析する心理学の中でも、エビデンス(証拠)を重視する分野です。

以前は精神疾患を抱えた人を癒すために取り上げられていたイメージが大きい心理学。

ですが、人生を充実させる「ポジティブ心理学」「行動心理学」がめざましく発展しました。

「幸福度が低い人と高い人には、行動にどのような違いがあるのか?」

「どのような行動が、人の幸福度を高めるのか?」

このような研究を深めることで、本当にとるべき行動が抽出されている心理学です。

 

本書ではたくさんの行動心理学に基づく「日常でできるちょっとした行動」を紹介しています。

その中から、私が特に面白いと思ったものをピックアップいたしました。

この中でひとつでも、あなたが「やってみようかな」と思うものが見つかったら嬉しいです。

 

本日の内容は次の通り。

・プライベートを充実させた方が、年をとったあと後悔しない

・自分のためでなく、チームのために働くと幸せになる

・運が強いと思い込む人ほど、10年後成功している

・伝えたいことを1つにすると、どんなときでも落ち着いて話せるようになる

・先々のことを考えると、やる気をなくす

・ゆっくり呼吸するだけで、ストレスは軽減する

・ダメな部分は早めに打ち明けた方が良い

・自分の失敗を他人はそんなに気にしない

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プライベートを充実させた方が、年をとったあと後悔しない

もしあなたが、人生最期の瞬間を迎えるとしたら、どんなことに後悔するでしょうか?

ある調査によると、人生の最期を迎えようとしている人たちに、後悔していることを聞いてみると、「自分のやりたいことをやらなかったこと」「夢をかなえられなかったこと」「趣味に時間を割かなかったこと」が上位に入っています。

別の調査では、大学生が前回の冬休みについて感じている後悔と、40年前の卒業生が当時の冬休みを振り返って感じている公開について調査したところ、興味深い結果が出ました。

学生たちは前回の冬休みについて、ちゃんと勉強しなかったことを後悔しました。

しかし、卒業生たちは40年前の冬休みに思い切り遊ばなかったことを後悔していたというのです。

 

歳をとって遊べなくなると、遊ばなかったことを後悔するものです。

将来後悔しないために、今の時間を充実させていきましょう。

 

自分のためでなく、チームのために働くと幸せになる

ワタシ自身も40代後半から組織全体について考えるようになって、かえって幸せになったことから、このことを実感できました。

とっても幸せになりますね!

 

ハーバード大学ビジネススクールのマイケル・ノートン博士とカナダ・ブリティッシュコロンビア大学の心理学者エリザベス・W・ダン博士の研究で、人間は自分のためではなく人のためにお金を使ったときの方が、幸福感を得やすいことがわかっています。

サルから進化した人間は、グループのために他者を優先することができるタイプが多いグループが進化上有利でした。

誰かに対して何かをすることは、人間にとって非常に大切で、幸福を感じるようにできています。

 

運が強いと思い込む人ほど、10年後成功している

心理学者のライサン・ダミッシュは、被験者に次の実験を行いました。

パターゴルフを被験者にしてもらう際に、

①「これはパターが良く入るラッキーボールです」

②「このボールは、みんなが使いまわしたただのボールです」

と、直前に2種類の情報を伝え、パットが決まる回数を調べました。

すると、①の「ラッキーボール」と伝えられたグループは平均6.42回パットが決まりました。

②の「ただのボール」と伝えた場合のパット数は4.75回。

現実はあなたの心がつくる

このような根拠のない思い込みを持つと、本来実現するはずのない予言が現実のものになる現象を「自己充足的予言(自己成就的予言)」といいます。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、人間は無意識にその予言に沿った行動をとるため、結果として予言を現実化させてしまうためだと考えられています。

ビジネスでも、自己充足的予言は重要で、「自分は運がいい」と思い込むと、現実もそうなっていきます。

 

もちろん、本当にいいことばかりが起きるわけではありません。

「いい日になる」と思い込むことで、悪いことには目がいかなくなり、いいことばかりが目に付くようになる、ということでもあります。

ポジティブでもネガティブでも、現実はあなたの「心」がつくるので、どうせなら前向きに過ごしたいですね。

 

伝えたい情報を1つにすると、どんなときも落ち着いて話せるようになる

マルチタスクとシングルタスクについては、今様々なビジネス書や自己啓発本に載っているとおり。

2012年にオランダで218人の学生に対して行われた実験でも明らかになっています。

学生に数独パズルと格子上に配置された文字の中から指定の単語を探すワードサーチパズルという2つの作業を24分間やってもらいました。

その際、第1グループには2つの作業を同時に行わせ、

第2グループには、自分の考えで自由に2つの作業を切り替えさせ、

第3グループには、作業を1つずつ順番にやってもらいました。

結果、合計スコアが最も低かったのは第1グループ。

最も高かったのは、第3グループでした。

マルチタスクは自己満足

作業効率を上げるには、綿密なスケジュールを立てることが重要なのです。

いかにも仕事をこなしているように思えるマルチタスクは、実際の効率を下げてしまっています。

 

「いっぺんにいろんなことを伝えようとして、頭が混乱してしまう」ということは、こうした人間の特性からすれば当然のこと。

そんなときは、伝えることを1つに絞るとよいでしょう。

 

先々のことを考えるとやる気をなくす

成功は小さな目標の積み重ねで

心理学には「目標勾配仮説」という言葉があります。

簡単にいうと「人間は目標に近づけば近づくほど、やる気が出る」ということ。

ラソンでゴールが近くなると、選手は疲れ切っているはずなのに、力を振り絞ってより速いペースで走ろうとする。

山登りで疲れていても、山頂が見えていると力が湧く、などがあげられます。

 

目標を効率的に達成するには、頑張れば達成可能な小さな木曜を、いくつも積み重ねていくのが有効ですね。

 

ゆっくり呼吸するだけで、ストレスが軽減する

心身をリラックスさせ、よい状態を維持するのが深呼吸です。

私たちは普段意識せず呼吸していますが、深呼吸は、呼吸を意識することで、心身の状態を整える方法のひとつ。

 

①まず、椅子にこしかけるなどして背筋を伸ばします。

②鼻からゆっくり息を吸い込みます。

 このとき、下腹部に空気を入れていくようにおなかを膨らませます。

 腹式呼吸(お腹をへこませたり、ふくらませたりする呼吸)をしましょう。

③ゆっくりと息を吐きます。

 下腹部をへこませ、口をすぼめます。

 ストローから息を吐き出すようなイメージで。

 

呼吸ペースは1分間に4~6回。

1呼吸で10~15秒です。

 

これで脳と体が落ちつき、緊張状態からセルフコントロールできる状態に切り替えることができます。

 

ある研究ではPTSDの元患者が、ゆっくり呼吸する練習を毎日20分間行ったところ、症状が緩和されたことが分かっています。

 

ダメな部分は早めに打ち明けた方がよい

悪い部分で誠実さをアピールできる

私たちは、悪い報告をあえて後出しにしたくなる傾向があるものです。

そこで、心理学者で「対応バイアス」の研究で知られるエドワード・ジョーンズとエリック・ゴートンは、実験を行いました。

実験の参加者は、男性が自分のエピソードを語るところを聞いてもらいます。

男性の話には、学生時代にカンニングをしたこと、それが発覚して退校処分を受けた話が入ります。

グループは2つに分かれ、そのエピソードが前半に語られるグループと後半に語られるグループに分かれます。

男性に対する印象は大きく異なりました。

カンニングの話が最初に語られたグループの方が、最後に語られたグループよりもあきらかに好印象を持ったのです。

 

弱点を先に披露することは、公明正大な態度と受け取られ、好印象を与えるのです。

 

プラス面は最後に話すのが好印象

一方プラス面の事柄はどうでしょう。

この場合は、マイナス面と逆に、全体の後半や最後に話した方が、好印象を与えました。

プラスのエピソードは、後半になってからや、相手の話に促されて話すことで、謙虚な人間であると印象付けることができるのです。

 

自分の失敗を他人はそれほど気にしない

ミスを重大に考えるのは本人だけ

人は失敗を恐れる生き物です。

そして、人は必ずミスをします。

コーヒーをこぼしたり、玄関のカギをかけ忘れたり、顧客や上司、面接官にうっかり失礼なことを言ってしまったり。

しかし、その失敗やミスについて、人は必要以上に意識しすぎる傾向があります。

自分の犯したミスがみんなに注目され、責められたり軽蔑されたりするのではないこと、と実際以上に強く思ってしまうのです。

 

コーネル大学のトマス・ギロウィッチの研究グループは、2000年にこんな実験を行いました。

5人の学生を参加者として研究室に集まってもらいます。

そこにもう1人5分遅れて参加者が到着します。

5分遅れて参加することになった学生には、そのとき学生の間で最も恥ずかしいとされていた歌手の顔が印刷されたTシャツを着用して入室することを命じます。

そして、部屋に通された遅刻した学生は、すでに参加していた5人の学生の前に立たされ、その視線にさらされたあと、外で待つように言われて退室します。

 

この実験のあと、参加者それぞれに質問が行われました。

部屋にいた5人の学生には遅刻者の着ていたTシャツに気づいたかどうか聞き、いっぱう遅刻して立たされた学生には部屋にいた学生のうち何人ぐらいにTシャツを見られたと思うか、尋ねました。

人は自分のことを過大評価する

この実験を何度か繰り返した結果、部屋にいた学生の中でTシャツに気づいたのは5人に1人、つまり20%でした。

いっぽう、遅刻者の側は平均して2.5人、つまり50%の人間に気づかれたと感じていました。

 

遅刻者の側は、自分の恥ずかしい外見が人の印象に残ることを、実際の2倍以上も過剰に意識していたことになります。

 

このように人は、自分の外見や行動、ミスが実際以上に他人の注目を浴びていると思い込んでしまうのです。

その原因は、我々は自分自身を過大評価する「自己中心性バイアス」がかかっていることが指摘されています。

 

失敗やミスは、それほど意識しなくていいのです。

人はあなたのミスに気付かないのです。

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今週もお疲れさまでした。

のんびり休んで、楽しい毎日を。

では、また。