猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

優しさとは「背負わせない」「押し付けない」「気づかせない」~『誰かが私をきらいでも』及川眠子

先週ご紹介した『誰かが私をきらいでも』。

さらに素敵な言葉が合ったので、もう少し紹介させてください。

 

前回紹介した話は、こんなこと。

 

自分が好きな「自分」があればいい。

「こんなにしてあげたのに」はエゴの押し付け。

誰からも好かれようとしてしまうことで、自分の本当を見失ってしまう。

そんな話を先週読みました。

優しさとは「背負わせない」「押し付けない」「気づかせない」

「誰も自分に優しくしてくれない」と愚痴る人がいます。

そんな人は、「人に優しくしていない」人かもしれませんね。

 

優しさは難しい。

優しくされたい人も、思いや方法が相手と合致しないことがあるからです。

優しさは、相手に「何をしてあげたいか」と思うよりも、その人が「何をしてほしいか」を考えることです。

 

たとえば、友達が恋人にフラれたとき。

「寂しいからそばにいてあげたい」は、「自分がしたいこと」。

相手は、それを求めていないかもしれない。

押し付けてしまえば自己満足になりますよね。

 

著者ならば失恋のように本当にさびしいそんなときほど、一人でいたいそうです。

そばにいて心配されるよりも、ひとりで自分を見つめなおすことも大事だと思っているからです。

 

そばにいてほしいのか、放っておいてほしいのか、ただ見守っていてほしいのか・・・それを見きわめることが他人に対する優しさです。

そのためには想像力が必要になります。

 

テレビやネットでいろんな価値観を目にするたび、他人の痛みを理解しようとしない人が多くいるのがわかります。

でも、そもそも他人の痛みはわからないもの。

同じように、あなたの痛みも他人にはわからない。

でも、反射神経だけでものを言っている人に限って、「自分の痛みを理解してもらいたい」と願っています。

 

「大丈夫?」と訊く場面があるけれど、「大丈夫じゃないだろうな」と思ってかける言葉。

でも、「大丈夫」のと相手が答えても、その声色や表情から察知して、踏み込むかやめておくかを加減する。

見守って、いざというときに手を差し伸べればいい。

 

「背負わせない」「押し付けない」「気づかせない」というのはが優しさの基本だと著者は言います。

 

「みんな仲良く」の呪いは断ち切っていい

何かあったときに、人を助けてくれるのは人です。

人脈は金脈。そして財産です。

著者は若い人たちに友達は増やした方がいいと言っています。

とにかくいろんなところに顔を出して、どんどん仲良くなればいい。

友達になれる人にきっと出会えるはずです。

逆にきらいになる人も必ず出てきます。

そこで「きらい」という感情を持つことに、うしろめたさや罪悪感を持つ必要は無いのです。

 

日本の教育は「友達100人できるかな」「みんな仲良く」というもの。

その場にいる人みんなと仲良くできることが良しとされています。

でも、幼稚園児にだって、好きな人ときらいな人がいるもの。

だから、「きらいなものはきらい!」でOK。

きらいになってはいけないと思うのは、「仲良く」の呪い。

その呪いは断ち切っていい者なのです。

 

「こういう人が好き」よりも、「こういうタイプはきらい」ってわかりやすい。

いろんな人に出会うことで、だんだん自分に合ったタイプのひとが分かってくるのです。

きらいな人にも好きな部分を見つけようとするから、だんだんしんどくなるのです。

さっさと切り捨てて、残った人と付き合った方が、精神衛生上、絶対にいいですよね。

無理に好きにならなくていいのです。

 

今の環境が生きづらいという人は、往々にしてコミュニティが小さいことが原因。

狭い関係性の中だけでやろうとすると、息苦しくなるのです。

だから著者は「友達は増やした方がいい」と言うのです。

関係性を増やして、内ではなく外へ目を向けることが大事なのです。

 

もちろん、人は必ず助けてくれるとは限りません。

それには、まず自力で何とかしようとする姿が必要。

互いに自立してこそ、いい友達でいられます。

 

友達が苦しんであがいて、どうしようもなくなったとき、手を差し出せるか、その手を相手が握り返してくれるか・・・それは考え方や物事へのスタンスといった「人間の芯の部分を互いに理解できるか」にかかっています。

若いうちはそうやって友達を増やして人脈を広げる。

人と会うことは、財産になります。

そして、ある程度の年齢になったら、人間関係も自然と「断捨離」していくようになる。

まんべんなくつきあえるほどの体力は無くなってしまうからです。

 

地図のない未来へ向かって

50歳をすぎるくらいまでに何でもいいから「名刺を持てるくらいの趣味」を持てたらいいのです。

普通の会社に勤めていた人の定年後のキャリアなんてあてにならない時代。

会社員だから通用していただけ、なんてことも。

 

趣味だから、資格とか試験を受けなくても構わないのです。

パッチワーク作家とか俳人なんて、資格や免許もいりません。作詞家もそう。

その趣味は、自分が苦しい時に「プライド」を保てるものになります。

「私にはこれがあるから」と生きていこうとします。

 

もちろん、自分が好きなこと、続けられることでないと。

あとはマルチタスクにしておくことも大切です。

ひとつだけにせず、あれこれやってみること。

好きなことを増やしていくのです。

そうすると、自分の本当に好きなものが見つかります。

そうやってコツコツ続けていたら、仕事になることもあります。

ネット上に作品をのせてデビューした人もたくさんいますし。

過去の肩書を威張ってもしょうがない。

若くても、過去の話ばかりをする人もいますよね。

1回聞いたらもう聞きたくない話。

でも、そういう人に限って、何度も同じ話をしてきます。

 

著者は年上の女性と会食したときのこと。

女はもう本当にいくつになっても未来を夢見ています。

今度はどこに旅行に行こうか、俳優の誰がカッコイイ・・・昔話でしんみりなんて、一切なし。

しかも、イタリアンのフルコース、デザートまで全員しっかり完食!

300歳くらいまで生きるつもりなんだろうか、という逞しさ。

そんな強さを持ってほしいと著者は言います。

 

「やりたいことが見つからない」という人は多くいます。

でも、初めからやりたいことがあるほうが少数です。

大学まで行ったって、何をやりたいかがわからない人がたくさんいるのだから。

いつでも、どんなことでも、何歳からでも新しいことは始められるのです。

やりたいことを決めたら、とにかくそこへむかっていけばいいだけ。

その先に未来があります。

死ぬ瞬間まで、未来はあるのです。

今週もおつかれさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

 

では、また。