猫のメメとモエ

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「ストレス太り」は実在する~『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』ジェイソン・ファン

現在の最新の医学では、肥満の原因がインスリンだという事実を突き止めています。

肥満を理解する要は”ホルモン”。

これは、最近よく言われていることですね。

太っている人が食べ過ぎになるのは、太っていることによって余計にインスリンというホルモンの分泌量が多くなることが分かっています。

人間の代謝機能はすべてホルモンによって調節されています。

代謝などの重要な生理学的変数。

これは、日によって変わる摂取カロリーや運動で左右されてはいないのです。

実は、ホルモンが精密に、厳格に、体脂肪を調節しています。

 

私たちがなかなか体重を意識的にコントロールできないのは、脈拍、基礎代謝率、体温、呼吸などを、自分で意識的にコントロールできないのと同じことです。

これらはすべて自動的に調節されていて、体重もそれと同じです。

満腹ホルモンを打ち消す「作用」

インスリン値が高くなると、満腹信号を出すレプチンの働きが阻害されてしまう。」

これは小児肥満の専門家ロバート・ラスティング教授が示している説です。

レプチンの分泌量は体脂肪に比例して増えます。

食べる量を減らして、体を理想体型に戻すよう、視床下部に働きかけるのです。

ところが脳は常にレプチンにさらされていると、レプチンに対して抵抗性を持ってしまうという恐ろしい性質があります。

抵抗性を持つために、レプチンがきかなくなってしまうのです。

 

加えて多くの点で、インスリンとレプチンは対照的なホルモンです。

インスリンは体脂肪の蓄積を促します。

レプチンは体脂肪の蓄積を減らします。

だから、インスリン値が高いという個とは当然、レプチンの働きを阻害します。

 

食事をしたときのレプチン反応も、肥満の人とやせている人では異なるのです。

やせている人の場合は、食事するとレプチンの量が増えます。それは当然です。

ところが、肥満の人の場合、食事してもレプチンの効果が表れない。

脳は「食事を止めなさい」という信号を受け取らないのです。

 

つまり課題は、どうやってカロリーのバランスをとるかではないのです。

どうやってホルモンのバランスをとるかです。

 

イライラするたび体重増加 「ストレス太り」は存在する

インスリンを投与しなくても、著者はあなたを太らせることができます。

実のところ、誰でも相手を太らせることができます。

 

コルチゾールというホルモンがあります。

別名”ストレスホルモン”と呼ばれています。

一連の「闘争・逃走反応」を引き起こします。

これは、恐怖を感じた時の生体反応のことです。

旧石器時代コルチゾールの分泌を促すストレスと言えば、たとえば捕食者に追い回されると言った、身体的なものが多かったのです。

コルチゾールは、次の行動である「戦うか逃げるか」をカラダに準備させるために必要なホルモンなのです。

 

コルチゾールが分泌されるとグルコースの利用が促進され、筋肉にエネルギーが供給されます。

走って逃げて食べられないようにするためには、これがとても大切です。

 

ストレスを生き抜くために、消化活動そのほかの代謝活動は、いったん制限されます。

たんぱく質が分解され、グルコースに変えられます。

するとすぐに活発な身体活動が行われます。

しばらくして危機が去ると、コルチゾールの分泌は元の低い値になります。

 

「ストレスホルモン」が肥満物質を増やす

一見コルチゾールインスリンと逆の働きをしているように見えます。

短期的ストレスであれば、その通りで、インスリンとは逆の働きをします。

しかし現代社会の私たちにふりかかる、長期間の心理的ストレスにさらされたとき、それとはまったく逆のことが起こるのです。

 

血中のグルコースの値が何か月も高いままだと、インスリンの多量分泌が促進されます。

つまり、コルチゾールの値が慢性的に高い状態にあると、インスリンの分泌量が高くなります。

 

コルチゾールを減らしストレスを緩和させるためには何がいいのか?

実証されている方法は、たくさんあります。

古来からある方法である、マインドフルネス瞑想、ヨガ、マッサージ療法、運動などです。

マインドフルネスについての研究では、参加者はヨガや瞑想、グループディスカッションをすることで、コルチゾールの分泌と腹部の脂肪を減らすことができることが判明しています。

 

現時点で疫学上「最も信頼できる」5ステップ~完璧な減量

「肥満は、肥満の調節を担うホルモンの異常が原因」これが本書で繰り返されている大前提です。

体重を増やす原因となるホルモンはインスリンなので、合理的な治療法は「インスリン値を下げること」となります。

そのための方法はいくつもありますが、それぞれの利点を活用しましょう。

ステップ1「添加糖の摂取」を減らす

ステップ2「生成された穀物の摂取」を減らす

ステップ3「たんぱく質の摂取」を減らす

ステップ4「いい脂肪」をもっと食べる

ステップ5「食物繊維」をもっと食べる

 

ここからは、この目的を達成する方法を読んでいきます。

ステップ1「添加糖の摂取」を減らす

砂糖や人工甘味料インスリン抵抗性の直接的な原因になるので、他のものよりも太りやすくなります。

天然の加工されていない食品にも、糖分は入っています。

しかし、天然の糖と添加糖はまったく異なるものです。

加工食品に加えられている砂糖は、天然の食品に入っているものよりも濃度が高いのです。

加工食品の中には100%砂糖でできているものもあります。

こんなことは、はちみつを除く天然食品ではありえません。

キャンディは風味をつけられた砂糖のかたまり以外の何物でもありません。

さらに糖分だけでできた食品には”満腹感”をもたらすものが含まれていないので、つい食べ過ぎてしまうのも問題です。

 

しかし、私たちの周りのソースにもケチャップにも、砂糖は入っています。

完全に断ち切ることは難しいこと。

そこで現実的で合理的な提案を著者はしています。

添加糖回避術①「デザート」を変える

ケーキ―、プリン、クッキー、パイ、ムース、シャーベット、キャンディ、チョコレートバーなどは、ほとんど砂糖で作られ風味付けされています。

そこで、伝統的な社会を見本にしてみましょう。

いちばんいいのは「新鮮な季節の果物」

「ナッツ類」「チーズ」を少し食べるのは、食事の最後を締めくくるのに最高。

カカオが70%以上含まれている「ダークチョコレート」を適度に食べるのも、意外と健康的なデザートです。

(ミルクチョコレートには多量の砂糖がふくまれています)

添加糖回避術②「間食」をやめる

「これはヘルシーなおやつだ」と言われると幻想を抱きやすいですが、間食はどんな食の伝統にも実質的に反するものでした。

解決法は、”常に”食べるのをやめることです。

 

おやつは見えないところにしまっておきましょう。

それでも間食をする習慣があるのならば、ほかの習慣に置き換えましょう。

一番いいのは、間食をしないことです。

添加糖回避術③「朝食」は食べても食べなくてもいい

朝食については最も議論が分かれるものと言っていいでしょう。

よく”一番大切な食事”と紹介されることもあります。

しかし本書では朝食を「単なる食事」と考えています

国によって朝食に食べる物は異なります。

しっかりとした”アメリカン”の朝食は、フランスの”ささやかなランチ”とはまるで違います。

ここで大切なのは”ささやかな”という点です。

最も問題なのは、デザート並みに高度に加工された炭水化物と砂糖をふんだんに使っていることです。

これは間食と共通しています。

特に子供向けの朝食用シリアルは、最もいけないもののひとつです。

ベーカリーで作られた朝食用の食べ物も、おおいに問題があります。

たとえば、マフィン、デニッシュ、バナナブレッドなど。

 

では、「いい朝食」とは?

昔ながらの「ヨーグルト」や「ギリシャヨーグルト」は、栄養に優れた食べ物です。

でも、市販のヨーグルトは多量の砂糖と果物の風味付けがあるので、気を付けて。

「卵」は、たんぱく質も豊かで、ミネラルも豊富。

以前はコレステロールへの懸念から敬遠されていましたが、様々な調理法で楽しめますし、事実卵の摂取量の増加が心疾患の増加につながるという結果は出ていないのです。

添加糖回避術④「炭酸水」を飲む

一番いいのは「水」や「炭酸水」です。

レモン、オレンジ、キュウリを薄く切ったものを加えるのも、清涼感が増していいでしょう。

コーヒーや紅茶を3杯以上飲むと、糖尿病のリスクが42%減少するという結果も出ています。

ステップ2 「生成された穀物の摂取」を減らす

白い小麦粉などの生成された穀物は、ほかのどんな食べ物よりもインスリンの多量分泌を促します。

だから、小麦粉や生成された穀物の摂取量を減らせば、体重を減らせる可能性が十分高まります。

「枝豆」を食べる

「キヌア」はすべての穀物の母と呼ばれています。

食物繊維、たんぱく質、ビタミンが豊富です。

中南米原産の「チアシード」の機嫌はアステカ帝国マヤ文明までさかのぼります。

食物繊維、ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸たんぱく質、抗酸化物質を豊富に含んでいます。

ゼリー状にすると10倍に膨らみますが、腹持ちが良くなります。

「豆類」は食物繊維を豊富に含んだ炭水化物の代表です。

タンパク質の摂取源としてもすぐれています。

日本でよく食べられている枝豆は、1食当たり9グラムの食物繊維と11グラムのたんぱく質を含んでいる優秀な食べ物です。

ステップ3 「たんぱく質の摂取」を減らす

たんぱく質を完全に抜いてはいけません。

食事に含まれるたんぱく質量を20~30%に抑えるのはいいことです。

実際問題、度を超えた高たんぱく質ダイエットはお勧めできないと著者は言います。

食事代わりに飲むシェイク飲料やバー、プロテインパウダーに頼ることになりやすいのですが、これらはただ高度に加工された”にせの食べ物”です。

ステップ4 「いい脂肪」をもっと食べる

3つの主要栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)のうち、脂質はインスリンの分泌を促す効果が最も低いのです。

だから、脂質は本来、太るもとではないし、肥満予防効果が期待されるものです。

脂質を摂るときには「天然の脂質」が多く含まれているものを選ぶことです。

天然の、加工されていない脂質には、オリーブ油、バター、ヤシ油、牛脂、リーフラート(腹脂)などがあります。

高度に加工された植物油、炎症作用の高いオメガ6脂肪酸は、健康に悪い影響があると考えられています。

 

「ウ”ァージンオイル」は、熟したオリーブの果実を圧縮して抽出する手段で作られているので、もっとも体にいいものです。

”ウ”ァージン”でないそのほかのオリーブ油は、化学的方法を使っているので、さけたほうがいいものです。

「ピュアオイル」は思いのほかよくない

”生成された”油は、味の悪さをカバーするために化学物質を使って高温で抽出されており、2級品のオリーブを使ってつくることもできます。

「ピュアオリーブ油」という表示は、生成された油を指す場合が多いので、特に気を付けましょう。

「エキストラウ”ァージンオリーブ油」は精製されておらず、フルーティな味わいで、一定の品質を満たしています。

オリーブ油には抗炎症作用のあるポリフェノールやオレオカンタールなどの抗酸化物質も多く含まれています。

炎症を押さえ、コレステロールを減少させ、決戦を少なくし、血圧を下げる効果があると言われています。

これらの性質から、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患の全体的なリスクが減少すると考えられています。

「ナッツ」「乳製品」「アボカド」にはいい脂肪が豊富

ヘルシーであることで有名な地中海式の食事では「ナッツ類」がよく食べられています。

脂質が多くて長い間敬遠されてきましたが、体にとてもいいことが認知されるようになりました。

食物繊維も豊富で、一方で炭水化物は少ないのです。

特にくるみはオメガ3脂肪酸をとても多く含んでいます。

脂肪分の高い「乳製品」は、美味しいし、太ることを気にせず食べることができます。

調査により太りもやせもしないことがわかっています。

そして脂肪分の高い乳製品を摂ると、2型糖尿病のリスクが62%も減少することがわかっています。

近年「アボカド」も注目されています。

ビタミン豊富で、カリウムを多く含み、炭水化物はとても少ない一方、抗酸化物質のオレイン酸を多く含みます。

さらに水溶性食物繊維と不要性食物繊維が両方とも豊富です。

ステップ5 「食物繊維」をもっと食べる

食物繊維は炭水化物によるインスリン刺激を減少させるため、肥満に対する主要な予防因子。

多くの研究や観察により、食事から摂る食物繊維には体重を減らす効果があることが確認されています。

ただし気を付けたいのは、天然の食品そのものには多くの食物繊維が含まれていますが、加工の過程で取り除かれてしまうことが多いという点です。

 

太るかやせるかは「タイミング次第」

実は、何を食べるかも大切ですが、「食べるタイミング」もかなり重要です。

「間隔」が長ければ長いほどいい

インスリン抵抗性が発言すると、インスリン値が高くなります。

インスリン値が高くなると、体重の設定値も高くなります。

体重を減らそうと、どんなに努力しても、この設定値のせいで、無情にもその努力は無駄になります。

私たちはもっと空腹を感じるようになります。

代謝量は、摂取エネルギーよりも低くなるようにどんどん下がっていきます。

すると、体重は減らなくなり、ダイエットを続けているにも関わらず、元の設定値までは体重が容赦なく増えていきます。

食べるべき内容を変えるだけではやせないのはこんなシステムです。

 

つまり、ダイエットを成功させるには、インスリン抵抗性を招く「サイクル」を断ち切らなくてはなりません。

では、どうやってそれが可能になるのでしょうか?

それには、インスリン値がとても低くなる時間を繰り返し作ることです。

 

すべての食物はインスリン分泌を促すことを忘れてはいけません。

どんな食物もインスリン値を上げるのだとするならば、インスリン値を下げるには、「まったく何も食べない」という方法しかありません。

つまり、「ファスティング(断食)」という方法です。

 

数時間でもいいし、数か月でもいいのです。

(本書では比較的短いファスティングを取り上げています)

古来の治療法として存在してきたファスティングは、実に長い歴史があります。

医学の父・ピポクラテス(紀元前460~375年頃)が信用を置き、指示していた治療法には、「ファスティング」や「アップルサイダービネガー(リンゴ酢)」を飲むという方法がありました。

最近あなたが熱を出した時のことを思い出してほしいのです。

食欲がまったくなくなった瞬間があったのではないでしょうか。

ファスティングは、ある意味、人間の本能なのです。

 

食べ物を食べると、血液が胃腸の消化機能の方に集まり、脳には頭が廻らなくなります。

ファスティングはkレとは逆で、脳により多くの血液が流れます。

毒物学の父のひとりとされるパラケルススも「ファスティングは最もすぐれた治療法だ~体を内側から治すものだ」としています。

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり胃腸も休めてあげてくださいね。

では、また。