本日の結論は、以下の通り。
①何かの問題の理由を過去に求めるのはやめる。
②「本当は自分はどうしたいのか」をよく思い出す。
③自分の真の目的を思い出すことで、もっと現在を幸福感で満たすことができる。
アドラー心理学の本はあなたも目にしてきたかもしれません。
読んでいるうちに「勇気」が湧いてくる言葉がたくさんある心理学ですね。
現在の世の中のポジティブな考え方の基礎となる思想です。
今を生きる私たちが自分を幸せにしていくためのツールとしても、実に有効です。
本書は今までのアドラー本に比べてマイルド系であり、現実的。
ごく日常で使えるスキルになります。
目的論~人の行動は過去ではなく目的で決まる
アドラー心理学の基本となる考え方に「目的論」があります。
「何を目的として、その行動を起こすのか?」をちょっと立ち止まって考えてみること。
すると、本当にあなたを幸せにするための行動が見えてきます。
たとえばダイエットをしたい、と考えたとき。
「なぜダイエットをしようと思ったのか」をどう分析するのか?
分析・捉え方でモチベーションは変わり、当然結果も大きく変わります。
これで考えるならば、こんな「原因」が思い浮かぶのかもしれません。
・太っているとずっとバカにされてきたから
・この体型が原因で、人間関係がうまくいかなかった
・いじめられてトラウマになったから
これを理由にダイエットをしたとしたら、どうでしょう?
このネガティブなモチベーションは、高めるほどに「太っている今の自分を否定」しますし、鏡を見て太った自分の顔を見るたびに、過去の嫌な気持ちを彷彿とさせるでしょう。
そんな気持ちでダイエットに取り組んでも、楽しくない気持ちでいっぱいなので、リバウンドもしてしまうかもしれませんよね。
しかし、アドラーの提唱する「目的論」で考えるならば、こうなります。
・痩せて自分に自信を持ちたかったから
・痩せてステキな恋をしたい
・もう誰にもバカにされたくなかった
となります。
思い浮かぶのは、スリムになって自信がついて、ステキな恋をしている自分。
この方が、絶対ダイエットはうまくいきます。
人は目的に向かって生きていく
従来の心理学では、「どうしてそうなったのか」という過去の分析を始まりとしていました。
今現在の原因が「どこからきているのか?」を重要視します。
たとえば
・過去に太っていることが辛い経験をした
→・過去がトラウマになって現在、人間関係をうまく築けない
という過去をほぐすこと。
しかし、人間を分析しつくしたアドラーは、そうやって過去をほじくり返して分析することで人が「勇気」を得ることはできないと考えたのです。
分析することも、大切ではあるかもしれません。
が、こればかりに着目していては、余計に暗くなるばかり。
現在と未来に勇気をもって生きるには、推進力が必要です。
そこをアドラー心理学は「どこへいきたいのか?」に一番に注目することを大切にしました。
目的に向かって生きる勇気をつくり出していきます。
「ダイエットしたい」と思うならば、
「ダイエットすれば、自分に自信が持て、うまくいくのではないか」
ということに着目します。
ダイエットの理由は未来の目的を達成するため。
暗い過去はちょっと横に置いておきます。
「痩せて自分に自信を持ちたい」
「痩せて恋人がほしい」
自分の行動の理由を「どこへ行きたいのか?」に持つことで、私たちはいつも勇気を出すことができるようになります。
なぜ「勇気づけの心理学」なのか
人の行動の原因が過去に起因として起こるとするならば?
過去は変えようがありませんよね。
成育歴や体験がその人自身を支配しているというなら、人は過去の実に支配されているということになるからです。
窃盗や万引きを繰り返しながら生きている人を、「不幸な過去が原因でそういう人間になった」と決めつけたら、どうでしょう。
その人はずっと変わることができない、という結論が出ただけになってしまいます!
スポーツや勉強が苦手な人が、「生まれ持っての素質だから仕方ない」と考えるなら、どうでしょう?
能力はそれ以上伸びないことになります。
でも、人間の行動は過去ではなく、未来にかかがる目標によって決まると知るなら?
いくらでもその人を変えることができます。
つまり、人が正しい、よりよい方向に向かおうとするならば、有用な目的を設定することに注目することがもっとも重要で、過去にとらわれる必要が無い、という考え方なのです。
たとえばダイエットに関して考えてみましょう。
以前の原因論で考えるならば、
「過去に太っていたから不幸になった」
→「だから、痩せないと幸せになれない」
「痩せなくちゃ恋愛できない」
という考え方になり、そのネガティブさでかえって失敗するのは目に見えています。
しかし、目的論で考えるならば、
「自分に自信を持って幸せな恋愛がしたい」という未来への「有用な目的」を持つ
→「どうすれば自分に自信がもてるだろう」
「幸せな恋愛って何だろう」
ということを考えることができます。
すると導き出される行動が変わります。
ダイエットはあくまでも「幸せになること」が最終目標だと書き換えることができます。
そこから導き出される行動は、おのずと変化します。
「栄養価を無視して無茶なダイエットをしてとにかく体重を落とす」ことは、目的ではなくなります。
「自分が幸せになるには、どうしたらいいんだろう」という真の目的にフォーカスして行動を変えていくことができます。
→「私にもいいところはあるよね。それをわかってもらおう」
「外見だけ愛されても幸せにはならないよ」
そうした結論を自分の中から見出すことができれば、やるべきことは変わります。
自分のいいところを探したり、外見だけを整えるよりも自分の良さを伸ばしたり、外見ではないところで自分の良さに気づいてくれる人を探したり。
その方が、間違いなく幸せです。
本当の目的は、意識されていないことも
人はみんな目的に向かって行動しています。
が、その目的を認識していないことがよくあります。
というより、自分の行動に目的があるなどと思わないで生きている人が大半なのです。
それは、目的のほとんどが無意識に起こるものだからです。
たとえば、喧嘩のたえない夫婦がいたとします。
妻は、「夫が少しも家庭をかえりみないから言い争いになるんだ」と考えたとします。
しかし、夫がなぜ仕事ばかりしているかと言うと、「家で妻が小言ばかり言うから」
と返ってきます。
この場合、実は妻は無意識のうちに「夫を自分の思い通りにしたい」と思っています。
夫を縛る言葉を繰り返している、ということがしばしばあるのです。
しかし妻に言わせれば「夫が冷たいから腹が立っているんだ」と言うかもしれません。
こうしたとき、自分の行動の目的に気づき、それを正しく設定しなおせば、現状を変えることができます。
・夫を自分のいいように支配したい
・束縛したい
・自分に関心を向けさせたい
という目的を、たとえば
・夫と円満な関係になりたい
・夫が早く帰ってきたくなる家庭にしたい
と設定しなおせば、達成するための行動も変わります。
そして帰宅した夫に「今日も遅かったじゃない」「毎日残業残業って本当なの?」と言う叱責が、変化させることができます。
「おかえりなさい」「今日もお疲れ様」と、優しいねぎらいの言葉にかえることができるでしょう。
間違いなくそのほうが夫の行動にも変化が表れてくることは明白ですね。
ワタシもダイエットしています。
目的は
・膝への負担を減らして、ずっと走り続けたい
・いつでもご機嫌な自分でいたい
・何歳になっても自分の好きなことを続けたい
です。
アドラー心理学の本を読んでも実践の仕方を忘れていたころ、
「よし、〇キロになったらバッグを買おう」
「〇キロになったら財布を買う」
なんて、数値目標を立てたこともありました。
しかし「健康」ではなく「ダイエット」が目的になると、無茶をしてしまいました。
一気に体重を減らすために食事量を制限したため、機嫌が悪くなったり、やる気が起きなくなったり。
一時期体重は目標の数値までいってバッグも財布も買えました。
が、あっという間にリバウンドです。
今回この本を読んで、目的を見直しました。
何より大事だと思えたことは、「毎日笑顔で思いやりを持って働ける」ことでした。
そのためには、体調管理が一番ですし、好きなことを続けるならばその下準備を少しずつ行う体力も大切。
そうなったとき大事なのはダイエットではないと気づきました。
本当の目的を達成するための行動は次のようになりました。
・睡眠時間の確保
・ストレス源になる人とできるだけ話をしない
・計画的に仕事をして休日はリフレッシュする
・バランスよく食べる
。
ストレスから離れることや、リフレッシュすること、睡眠時間をとることで、実は今週効率がぐんと上がりました。
ゆっくり取り組んでいこうと思います♪
あなたにとっての「本当の目的」は何ですか?
そこに近づくための「行動」で、本当に必要なものは何ですか?
一緒に考えていただけたら、とても嬉しいです。
では、また。