あなたの人生をもっと幸福にする簡単な方法があります。
それは、共同体感覚を持つこと。
そう、アドラー心理学でよく言われる、「周りの人全体のことを考える」ってやつです。
忙しいわ世知辛いわの日本では、かなり消えつつある「共同体感覚」。
しかし、これはもともと人に備わっているものだそうです。
たとえば、
・誰かの役に立ちたい
・家族は大切にしよう
・みんなが幸せになることを考えよう
・よりよい未来にしよう
・いい世の中にしていこう
などの感情。
一方で「共同体感覚があまり育っていない人」という人も少なからずいます。
あなたの周りにも、こんなタイプいるかもしれません。
・自分のことで手一杯だから、人にまで気が回らない
・誰かを自分の思うようにコントロールしたい
・自分さえよければ、他人はどうでもいい
・自分が損することはできるだけ避けたい
・未来より、今の快適性の方がよほど大事だ
共同体感覚は幸福感ともつながる
正直言って恥ずかしながら、ワタシは疲れているとき、「共同体感覚」がめちゃくちゃ薄れてしまいます。
「自分のことで手一杯だから、人にまで気が回らない」となり、相談とかしにくいオーラが出まくります〔ホント迷惑なお局!〕。
しかし、そうなっている時間が数日になると、確実に同じチームに迷惑がかかるのです。
チーム内の後輩ちゃんたち同士の人間関係が悪くなったりするのです!
だから、部署内の治安と平和のためにも、できるだけその日の疲れはその日にリセットするようにしています。
お局はご機嫌でなければ。
アドラーの他の本で、この「共同体感覚」を読んで、ちょこーっとだけですが実践するようになりました。
ほんのちょっとした行動の違いですが、仕事もプライベートもすごく向上たんです、
10年前の自分は「自分のチームの成果」だけを注目していました。
しかし、失敗。
体調も崩して休職しました。
そこから、立ち直る際にいろいろ本を読み漁りました。
仕事に復帰する際には、いろいろな部署の人たちに助けられました。
涙が出るほどうれしかったのを今でも忘れません。
読み漁った本のうちのひとつ『嫌われる勇気』。
そこにあった「共同体感覚」。
それが頭の隅にあり、考えをシフトチェンジしました。
「自分のチームの成果」も大事ですが、その前提に「会社全体の成果・利益」を念頭に置くことにしたのです。
おかげで復帰前よりも復帰後の方が、評価が上がるようになりました。
復帰前の方が、夜遅くまで無茶苦茶に働きまくっていたにも関わらず、です。
あいかわらず世の中は、すぐ目の前の成果を追い求めたり、自分の利益ばかり追求したりする人が多い。
上司からすると「全体を俯瞰して考える」ことが多少できるお局は、重宝するようです。
「みんなのことを考えて行動しましょう」なんて、子供のころに教えられました。
が、それは「人のため」だけでなく誰よりも「自分のため」であったんだなぁと実践して感じました。
共同体感覚があると、欲望に上手に歯止めがかかる
共同体感覚が希薄なとき、人は「自分が良ければそれでいい」という感覚が強くなります。
しかし、人間の欲望には際限がありません。
たとえば「衣食住が満たされれば幸福だ」と思っていても、それが満たされれば、「美味しいものを食べたい」「快適な住まいに住みたい」という欲求は上がってきますよね。
そしてさらにそれが叶えば、「健康にいいものを食べたい」「センスの良い高級品に包まれたい」とエスカレートしてしまうものです。
こうした欲求の暴走に対抗するのが、「共同体感覚」でもあるのです。
とめどなく湧き出る欲望に「共同体感覚」が働くと、
「でも自分より不便な生活をしている人がいる」
「食料に困っている人が世界にたくさんいる」
など、視点が他者へ移行し、意識が社会貢献の方向に向かいます。
自分の欲望を少し我慢して寄付しようとしたり。
ビル・ゲイツは倹約家で有名。
しかしながら、資産の大部分を慈善活動に充てることを表明しています。
これはわかりやすい一例です。
共同体感覚が豊かな人にとって、金銭的利益は人生のプロセスにすぎません。
人の自然に従い、共同体感覚によく気づいている人にとって、生きる本来の目的は、「世の中をよくしたい」。
共同体感覚を満足させることこそ、自分の幸せだと知っているのです。
ところが、共同体感覚が薄い人は、こうしたストッパーがかかりません。
自分の欲求をどこまでも追求してしまいます。
そして、それを満足させるために周囲をないがしろにします。
こうした人は、誰からも好意的に受け入れられず、つねに孤独を抱えることになりますよね。
たとえ金銭的に豊かでも幸福を手に入れることは難しくなるのです。
この共同体感覚には、3つのタスクがあることが、わかっています。
1.愛のタスク
これは夫婦、親子、きょうだい、1つの家族、生活の基盤の関係、など人間関係の最小単位共同体のタスクです。
互いに自然体の自分をさらけ出すことができ、それを受け入れ合うことができることが理想となる関係とも言えるでしょう。
家族や夫婦が互いに思いやり合えるようになるには、ライフスタイルの中にしっかりと共同体感覚を持っている必要になります。
つまり、
相手の意思を尊重すること。
心を合わせていこうと思うこと。
それが一方的だったり、己の欲求や主張を満たそうとすることだけを優先したのなら関係は破綻しますよね。
互いに共同体感覚が未成熟でも、アウト。
関係の維持が困難になり、その共同体の運営が難航します。
親子でもきょうだいでもそれは同じです。
2.交友のタスク
別名社会のタスク、関係のタスク、と呼ばれています。
早い話が、職場や趣味のサークル、地域のつながりなど。
通常の人間関係はおおよそこれに当てはまるのではないでしょうか?
愛のタスクのようん濃密性はありませんね。
しかし、生きていく上で欠かせません。
人間は他者に受け入れられ、他者に役立ってこそ、生きていることに意義を見出すようにできています。
ここにはコミュニケーション能力が不可欠となります。
相手の気持ちを汲み、こちらの意図をスムーズに伝えることができる技術が多くの課題を解決します。
ここで大切なのは、多くの人との交流が有れば良い、というわけでは無いことです。
知り合いが多いこと=交流のタスク達成にはならないということです。
心から信頼できる関係が無い人では、本当の意味の共同体感覚が育っていません。
また、一方的に命令するだけの主従関係も同様です。
本来の対人関係とは、立場を超えて対等に尊重し合うものです。
好意的な協力の元でのみ成り立ちます。
そうした関係を周囲と築ける人は、正しいタスク達成を行っています。
3.仕事のタスク
3つめは仕事のタスクです。
これは、職業も含めた生産活動そのものとどう向き合っていくか、ということです。
働く姿勢や職業についての捉え方、さらにボランティア活動などの取り組みも含まれます。
ライフワークとしての作業、家事、育児もこのタスクです。
仕事のタスクとは、「対価」の金銭が発生するかどうかではありません。
社会の中で自分がすべきことは何か、そしてそれをどう行っていくか、ということを指しています。
自分に向いている仕事を探して職に就くのも、共同体の生産性を上げています。
より生産性を高める仕事を選ぶことは、生がいややりがいにつながるだけでなく、共同体の利益を向上させるという大きな意味を持つのです。
仕事のタスクにおいて共同体感覚が豊かになるということは、具体的には
こんな意識を持つことです。
・世の中に貢献できる仕事をしよう
・自分の特技を、社会のために役立てよう
・人類の子孫を残し、育てよう
・みんなが便利なものを作ろう
共同体感覚が乏しい人は
・自分に向いている仕事がみつからない
・働かずにラクをしたい
・自分が得すること以外はやりたくない
そんな思いを持っています。
疲れたりすると、共同体感覚が乏しくなりがちです。
でも、一緒に働いている仲間が、どちらの人だと助かるかは、一目瞭然。
うっかりすると忙しさにかまけて共同体感覚を見失ってしまいがちなワタシです。
でも、共同体との一体感を持った仕事ができると、達成感が大きいんですよね。
この絶対的な幸福感は、代えがたいモノ。
自分でも共同体感覚を意識して育てたいと思っています。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。