新型コロナが私たちに突きつけたたくさんの現実。
あまりに中央集権化しすぎた結果、過密かつビジーすぎる働き方や生活様式が、サスティナブル(持続可能ではない)ということだと著者は言います。
世界中の多くの人が、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたオフィスビルや工場で、過密な状態で働いていれば、当然通勤途中も過密ですし、住居も過密。
密になるからこそ、電気やガスなどのエネルギーもたくさん必要になります。
アフターコロナの時代は、働き方も暮らしも変わっていきます。
お金をいくら設けることができるか、というビフォーコロナの時代とは価値観が変わりつつあります。
自分と自分の生活を大事にしながら働けるスローライフなスタイルをどのくらい築けるか、という価値の中で生きることになります。
そのためのライフハックが100個詰まった本書。
その中から自分がやりたいものをいくつかご紹介するので、気に入ったものを一緒に読んでいただけたら嬉しいです。
問題を具体的にしていく
私たちはいつも、ちょっとした問題を抱えています。
朝、すっきりと起きられないとか、趣味がなくて私生活が充実しない、など。
著者はマッキンゼーというコンサルティング会社に勤めた時、あらゆる問題を「より具体的にしていく」ということで解決できることを学びました。
毎朝起きられないのは、なぜなのか。
夜更かしした翌日だけなのか、あるいは仕事のプレッシャーが大きくて起きられないのか。
趣味が欲しいなら、1つもなくて困っているのか、もっと追加したいのか、華やかな趣味がほしいのか。
ここで問題の抽象度を下げて、問題点を洗い出し、具体的にしていくと、解決の方向性が決まります。
それでも問題が問題のままであるならば、とらえる範囲が大きすぎるのが原因。
マッキンゼーでは、問題が漠然とした状態を「海」に、具体的に小分けした状態を「ビーカーの海水」に例えていたそうです。
「海は沸かせないけど、ビーカーの海水は沸かせる」。
問題を小分けにしてみると、解決への道がさらに見えてきます。
仮説を立てる
問題を小分けにしたら、それに対して仮説を立てていきます。
毎朝頭がすっきりしないのならば、それは睡眠時間が足りないのかもしれないから、1時間早く眠るようにしてみる。
目覚まし時計の音が小さいせいかもしれないから、音量を上げてみる。などなど。
仮説を立て、もっともらしいものから、順に検証していくのです。
”やる気幻想”を捨てる
やる気というのは、幻想です。
著者はそんな幻想に頼らず”報酬システム”を作ることを推奨しています。
「火事場の馬鹿力」という言葉に頼って、やる気を待っていても、いつまでもやる気は出ません。
それは人類に備わったシステムが関係しています。
人類の歴史の中で、食料の調達が難しい時代が長く続いていたため、ヒトの体は消費カロリーを極力抑えるようにできています。
そのため人類の体には、余計な時に余計な力を使おうとはしないのが、命を守るために必要なシステムでした。
なかなかダイエットできない人も、医者からやせないと病気になる、と宣告されたらすぐに取り組めるはずです。
報酬システムを小さなステップで作る
そんな私たちですから、「報酬システム」を「こまめに」作ることが、実は継続の秘訣なのです。
目標を達成する「頂上」までの道のりに、「階段」を作る、というイメージで、報酬を作ります。
さらに、頂上までに自分が今何段目まで進んだのかがわかることも、無理なく目標を簡単にクリアするために大事なポイントです。
たとえばダイエットの場合、水分でも筋肉でもなく脂肪を減らすには、1か月にマイナス1キロが理想とされるそうです。
月に1キロということは、1日にマイナス30グラム。
「今日30グラム落とすことができた」と分かれば、それが報酬になります。
しかし、30グラム減っても全然うれしくない人や、体重計によっては10グラムの計測ができない人もいるでしょう。
その場合は別の報酬も あります。
1万歩歩いたら、スマホのアプリやスマートウォッチに褒めてもらうシステムにする。
または、ダイエット仲間を募って互いにほめあうのも、モチベーションを維持しやすくします。
著者は長年ブログを書いていて、YouTubeチャンネルも始めたそうです。
続けられているのは、リアルタイムで閲覧数や視聴数が分かって、コメントをもらえるから。
それらが報酬になり、継続を可能にしているそうです。
イライラしないコツをマスターする
イライラするのは、そこに問題が潜んでいることが多いもの。
イライラを解決するにはいろいろな方法がありますが、著者が実践しているのは2種類です。
1つ目は「余裕を持つ」こと。
時間やお金に余裕がないと、沸点が下がりますね。
一方でよく睡眠が撮れた休日は、キーッとなることも少ないもの。
ラッシュアワーでは、みんなイライラしますが、昼間はそうではないですよね。
大事なのは、ラッシュアワーのような余裕がない状態をなるべく少なくして、イライラしない環境を整えておくこと。
2つ目はできる限りイライラする物事それ自体の問題解決に努める、ということです。
継続力を養う3つのコツ
英会話やダイエット、料理、運動など、継続したい習慣はたくさんあれど、なかなか続かず三日坊主・・・。
しかし実際、残念ながら継続しない習慣の方が普通で、継続するものの方が例外なのだと著者は言います。
著者自身、今までにいくつのスポーツクラブに入会したか、わかっていないそうです。
理由は簡単で、私たちは基本的に忙しいから。
緊急性が高くて、今どうしてもやらなければならないもの以外は、習慣の輪から外れてしまうものです。
だから、100回試すうち、1つか2つ続けば御の字だと思うようにすること。
さらに、その1つ2つを続けるポイントは、次の3つです。
①持続できる目標設定をする
明確な目的意識を持つことです。
結婚式までに5キロやせてウェディングドレスをきれいに着こなす、外資系企業に入りたいからTOEICで高得点を取る、など。
デッドラインがあって、そこに向かって絶対やらなければならない、という状況を用意すれば、モチベーションはわくので続きます。
②誰かと一緒にやる
英会話でもダイエットでも、教えてくれる先生やトレーナーがいると、継続しやすくなります。
勉強仲間やダイエット仲間を作り、オンライン上であってもつながっていれば、継続する力になります。
③毎日必ずできるようにする
毎日5分でもいいから、する「枠」を組み込むことも大切です。
1日おき、2日おきの方が、回数が少なくて続きそうに見えますが、逆だそうです。
スケジュールの中に枠があったりなかったりすると、習慣として定着しにくく、続かないのです。
まずは1日2~3分からでかまわないのです。
以上のように、物事を続ける秘訣は3つありますが、それでも100回試して、せいぜいモノになるのは、1つか2つ。
それぐらい気軽な感じでいろいろ試していくと、長年の間に継続できるものが蓄積されていきます。
このほかにも、
・目標を達成するには、努力の9倍の環境整備をする
・自分がなりたい人と長く過ごせる環境を整える
・予定と人間関係に断捨離をして、余裕をつくる
・優先順位付けを毎日の習慣にする
・3分以内でできることは積み残さずやる
・手軽に買い直せるものは躊躇なく捨てる
・自分が死んでしまったときのことを考える
・太る食べ物は身近に置かない
などありました。
行動力のすばらしさでは群を抜く著者による本書。
1日の仕事量はさぞかし、と思いきや1日3時間くらいなのだそうです。
しかし、そのバイタリティーがどんなにすごいかは、ぜひ本書や別の著書でご覧ください。
勝間和代さんといえば、ほかの人が勝間さんについて書いたエピソードなんかも、かなり面白いですよね。
骨折したのに友達との温泉旅行をキャンセルしないで「どうやったらいけるか?」と行動したとか。
今回も「新幹線の中の検札がイライラするからクレームを入れ続けた」ら、改善した、なんてエピソードも。
ライフハックとしても面白いんですけど、エピソードもいちいち面白いです。
あんまりご紹介しちゃうと、超人が書いた超人のための本だと勘違いされても申し訳ないので、省略しました。
が、エピソード部分がコミカルでありながら、同じ女性としてあこがれます。
ぜひ書店でお手に取って読んでみてください。
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。