ブックオフでこの本を前に悩んでいました。
原価700円。なのに未だブックオフで380円。
新書はここでは108円が普通。人気作家でも古ければ108円。
新書がブックオフで300円以上になるのは、「旬」なものが多く、それらは時間がたつとその値段のラベルの上に「108円」と貼られていきます。
しかし、旬でもないこの本が、大規模な2店舗ブックオフでも小さなブックオフでも108円にならない。
きっとまだ人気があるんだな・・・・、どうしよう。
店員がそんな私を知っているのか?島田紳助プロデュースの「羞恥心」が店内に流れます。
「よし、買おう!」
108円の本3冊を返却して本をレジへと運んでいました。
こんばんは。ラブです。
サイドビジネスで大きなトラブルを起こし、芸能界を引退した島田紳助。
その司会者としての高い力量とサイドビジネスの成功が有名でした。
引退してはや数年。彼の番組だった法律相談所とか鑑定団とか、しっかり後輩が引き継いで、もう過去の人になっているんだから、安くしなさいよね!ブックオフ!
でも、ちゃんとブックオフはわかってる。この人は過去のものではないんですよ。
人を見る目がものすごく優れた、センスを持った芸人であり、
お客を愛し、従業員を大事にする温かい経営者。
だったら、なんであんなトラブルを・・・。
この本では、
「お客さんが喜んでくれる店を出したい」その一心で店を作り上げていく経過を、
まるで飲み屋でじっくり酒を酌み交わしながら教えてもらっているような雰囲気で、
ごくカジュアルな言葉で教えてくれました。
ただのよくある芸能人の失敗しがちなサイドビジネスと、島田紳助は徹底的に違います。
ビジネスであるから利益は追及しながらも、常識を破りつつ合理性もって、他との違いを出し、お客を楽しませることを大事にしていた紳助。
顧客満足度を上げるために、従業員満足度を大事にすることも大切にしていました。
あるとき紳助が自分の店で「炭酸水が欲しい」と注文しました。
「少々時間がかかりますが、よろしいですか」と店員は言います。
「炭酸水の栓を抜くのに、なんで何十分もかかるんや」という紳助に
「店にないので買ってきます」との返事が。
「経営者だからと言って気を遣うな」という紳助に
「どのお客さんにもさせていただいていることですから」と店員が返事したそうです。
人を動かすこういう気持ちを持った店員と店を作るのが島田紳助なんです。
他にも仲間こそが宝物だという考え方でパートナーを作っています。
「冒険の入り口まで連れていくのが自分の仕事」と考え、人を信用。本当に良い人を見つけては、店を任せていきます。
石垣島に喫茶店を開くときも、資金4000万円の回収は見込めないことをわかっていながらも弟子に任せます。
紳助の深い信頼して弟子は寝る間も惜しんで働きますが、自分に渡された給料が高すぎる、と泣いて返してきます。深い信頼関係を作る天才です。
他にも、競争社会を生き、働きづめで、家庭でも冷遇されているおじさんたちのために会員制のフォークソングバーを作った話もありました。
会員制と言いながらも会費は破格の2000円。
みんなが楽しめる場所にするために「賑やかだけど、品がいい」ところにするためだそうです。
利益ばかりを追求したらできないやり方だと思います。
TVでの島田紳助が好きだったのですが、とりあえずもう復帰は無いかもしれません。
こんな優しい一面もあった人なのに、本当に悔やまれます。
ただ、これだけの経営手腕があったら、事業の拡張に忙しいでしょうし、この人についていきたがる人はごまんといることでしょう。
買って即日一気読み、その面白さに即日アップさせていただきました。
面白かった~~~!!
最後まで読んでくださって、感謝してます!
明日もすてきな1日でありますように。
では、また。