ある日著者は椅子から立ち上がろうとして、激痛が腰に走り、悲鳴を上げました。
大きなハンマーで殴りつけられたような痛みが、腰から足のつま先まで、強力な電力が流れたようになり、しばらく立ち上がれませんでした。
痛む足を引きずって医者に行くと、「よくいる患者だ」と医者は言わんばかりの視線。
「症状から見て、坐骨神経痛のようだね」
と、同乗のかけらもない口ぶりで告げられました。
「まだ初期の段階ですね。
同じ姿勢で長時間のデスクワークなどが原因で、腰痛に至るのは珍しくない。
しかも萩原さんの場合『太りすぎ』も原因のひとつだと思います。
もう少し痩せないと、腰だけでなく、そのうち体のいたるところが痛んできますよ」
それまで1日8時間くらいパソコンに向かって原稿を書いているのは、ざらでした。
締め切りが迫れば、10時間から12時間、パソコンの前に座りっぱなし。
運動は早朝の犬との散歩だけで、仕事の合間にストレッチなどすればよいのですが、それも面倒なのでやらない。
そんな生活を68歳まで続けていたのですから、体が悲鳴をあげたのです。
おやつという名の「魔物」
原稿などを書いていると、頭が増らなくなり、行き詰ったりします。
そういうとき著者がついなんとなく、気分転換に「おやつ」を食べてしまう。
「頭の回転をスムーズにするには、甘いものが欠かせない」と言い訳をしながら。
さらに、原稿が1本仕上がると、”頑張ったご褒美”ということで、またまた甘いものを口にする。
5キロ痩せれば、寿命が1年延びる!?
このままだと大変なことになると脅かされたのち、医者にこんなことも言われました。
「萩原さんの場合、10キロくらいは体重を減らした方がいいですが、いきなり10キロというのは体にも影響が大きいので、とりあえず、5キロ痩せましょう。
5キロ痩せれば、それだけで寿命が1年延びますよ」
本当かどうか調べてみると、2016年7月にイギリスの研究者チームが45年にわたり世界32か国で実施された239の調査をもとに、1060万人以上のデータを分析した、ランセット・メディカル・ジャーナル誌に掲載された記事を見つけました。
これによると、米国では平均寿命よりも早死にする人の5人に1人は太りすぎで、欧州ではこの割合が7人に1人だそうです。
イギリスのケンブリッジ大学のエマニュエル・アンジェラントニオ氏は
「平均的に、体重肩の人の寿命は平均寿命よりも1年ほど短く、やや肥満の人は3年短い」
と言っていて、著者にも当てはまりそうです。
年金受給率を考え、国民年金の受給を70歳からにしている著者。
国民年金は、もらうのを1か月先延ばしにすることで受給額が0.7%ずつ増額され、70歳からもらうと、65歳からもらえる年金が月額6万円の場合、これを70歳まで繰り下げれば、月額8万5200円になります。
しかし年金の受給は、死んだらそこで終わり。
ですから、もし70歳で年金をもらいはじめて、寿命が1年延びたら、もらえる年金は100万円増えることになります。
つまり、著者の場合「5キロ痩せたら100万円」。
こう考えたら、痩せるモチベーションがぐんと上がりました。
さらにさまざまな文献を調べているうちに、痩せると寿命だけでなく、著者のように太りすぎの人間にはそれ以上のメリットがいっぱいあることが分かってきました。
太っている人は、やっぱり医療費がかかる
あなたに質問です。
太っている人と、太っていない人、体型によって年間にかかる医療費はどれくらい変わるのでしょうか?
2010年8月に、厚生労働省がメタボと判定された人と、そうでない人を比べて、どれくらい医療費がかかるかという比較を発表しました。
この調査では、内臓脂肪型肥満の腹囲基準(男性85センチ以上、女性90センチ以上)に加え、脂質異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上が重なった人を「メタボリックシンドローム」としています。
結果は予想通りで、メタボの該当者はもちろん、「メタボ予備軍」である人も、年間に支払う医療費がメタボでない人より高くなっています。
男女問わず年齢が上がるにつれ増していきますが、男性は、どの年代でも8万~10万弱、支払う医療費に差が出ています。
メタボの人とそうでない人の医療費の差が最も大きいのは男性だと40歳~44歳で、なんと9万8090円。
女性の場合は、40歳~55歳の医療費の差がかなり大きくなってきます。
40歳~44歳で年間17万5060円、45歳~49歳で年間18万130円、50歳~55歳で年間16万7830円と、この年代は男性の約2倍です。
ちなみに、これは医療報酬明細書(レセプト)の計算。
人によって負担額は1~3割なので、男性ならメタボと非メタボで、支払額は年間支払額2~3万、女性なら3~5万円の違いということです。
メタボより怖い「糖尿病」
メタボを放置して発症しがちなのは、「糖尿病」です。
糖尿病は、本人負担が3割ケースだと、年間医療費は7万4100円が平均です。
そして糖尿病が本当に怖いのは、この病気が様々な合併症を併発し、そのたびに医療費が増えていくことです。
糖尿病の3大合併症は、神経障害、網膜症、腎症です。
神経障害は、主に末梢神経と呼ばれている足の指など、体の末端に張り巡らされた神経で起きる障害。
足の裏がピリピリしたり、本来なら感じるはずの足の傷の痛みを感じなかったり、立ち上がったときにふらついたり、自律神経の乱れから便秘になったりする症状が起きます。
神経障害から血流障害がひどくなると、足が壊疽して切断しなければならないケースも出てくるようです。
網膜症は、視力が低下したり、白内障、緑内障、角膜の炎症を引き起こす可能性があります。
ひどいケースでは、眼底出血や網膜剥離が起こり、失明することも。
こうした状況が5~10年続くと、腎症を発症します。
これは「肝臓の障害」です。
むくみや倦怠感、尿量の低下などが起こり、症状がさらに悪化すると人工透析が必要になる可能性があります。
さらに動脈硬化による脳梗塞や虚血性心疾患などを併発する可能性があります。
もちろん、メタボから発症しやすい病気は、糖尿病だけではありません。
纐纈津祥、脂質異常なども発症し、脳卒中や心筋梗塞などといった病気も併発し、さらに多額の医療費がかかる可能性があります。
このような病気で、さまざまな薬をもらい続けていくことになると、40歳でメタボの人は、その後の約50年で、薬の自己負担額だけでも100万円~200万円かかると言われています(2017年9月時点の試算)。
家計にも大きなダメージを与えるのです。
節約の第一歩はご飯をたくことから
収入がそれほど高くない人が、健康的な食事を摂るためには、意識改革が必要です。
まず、食費にいくらかかっているか計算してみましょう。
たとえば、コンビニ弁当を買ったら飲み物も欲しくなりますから、1食500円。
仮に3食コンビニ弁当だと、1日1500円で、1か月で4万5000円、4人家族だと1か月18万円もかかることになります。
毎日スナック菓子を買うと1年で5万4000円
著者自身もそうでしたが、つい手軽にできるストレス解消方法として、スナック菓子に手が伸びてしまう、と言う人も少なくないのではないでしょうか?
スナック菓子も値上がりしましたね。
コンビニだと1袋150円くらいの出費。
ほかの家族もスナック菓子を食べるとしたら、さらに出費は多くなります。
もしこれを手作りのおにぎりに換えたらどうでしょう?
年間5万4000円の貯金ができるのです。
著者は、ストレス解消にスナック菓子をバンバン食べていて、その積み重ねでメタボ体質になりました。
深く反省し、今はスナック菓子との縁を切りました。
メタボ改善特効薬
とにかく「歩く」
お金持ちは、早く歩く
2016年11月にドコモ・ヘルスケアが発表した興味深いデータがあります。
年収1000万円以上の人は、平均年収の人よりも1・16倍速く歩くというのです。
同社ではさらに、早歩きの人は、ゆっくり歩いている人よりも体が引き締まっているというデータを出しています。
早歩きや走ることを苦にしない人の方が、アクティブに行動できているという結果を得ています。
続々登場「歩くアプリ」を活用する
わざわざウォーキングをするのが面倒だという人は、「歩けばポイントが貯まる」アプリがあります。
イオンで使える「リノボディ」
「スマート WAON」と連携すると、歩いただけでワオンポイントがもらえるのがリノボディ。
1日8000歩をクリアすると、ワオンポイントが1ポイント。
ワオンポイントは1ポイント=1円の電子マネーワオンとして、イオングループの買い物で使えますし、ほかのポイントへの交換もできます。
健康データを見やすいグラフにしてくれもします。
ドコモユーザーでなくてもポイントが貯まる「dヘルスケア」
毎日の歩数を記録し、目標を達成したら、抽選でdポイントがもらえる健康アプリです。
無料版と有料版(月額330円、App storeで480円)があり、有料版は目標歩数を達成すると、ハズレなしのルーレットを回せて、それに応じたポイントが貯まるので、遊び感覚で楽しめます。
『どうせ死ぬんだから』で、多少のぽっちゃりは大丈夫だと思ってはいますが、本物のメタボは本気で怖いです。
私も少ない年金をもらうので、すぐ死んだらもったいない。
歩くアプリは、ピクミンなどのゲームでもあるのだとか。
とりあえず、今dヘルスケアの有料版に入り、雑穀米を炊きました。
dヘルスケアが「今週のミッションは30000万歩」だとか。
やってみますね~♪
それから、スナック菓子がここのところ悪習慣になっていました。
悪い習慣がつくのって、あっという間です!
5万あれば、新しい服が相当購入できますもん。
コンビニの近くを歩くときは、反対側の道路を歩きます!
(吸い寄せられる日もあるかもしれませんが、それは仕方ない)
今週もお疲れさまでした。
ゆっくり休んでください。
では、また。