猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

落ち込みを跳ね返す力は高められる~『感情に振り回されない技術』

レジリエンス」という言葉が、一般的にかなり広がってきました。

これは「跳ね返す」という意味で、病気など困難な状況に耐え回復する力、あるいは自己回復力、復元力とも訳されます。

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レジリエンス」とは、どんな力?

このレジリエンスという概念の広まりは、これまでの精神医学に主流だった「ストレスに弱い」といったマイナスの考え方への反省からきています。

精神障害の治療や研究では、弱点や欠点、欠陥といったマイナスの側面、いわゆる「脆弱性」ばかりが重視されていました。

例えばうつ病セロトニン機能低下はストレス耐性の低さに関連性があるのではいか、などといった考えです。

 

アメリカの発達心理学者エミ―・E・ワーナーは、ハワイ諸島のひとつの島において、周産期からなんらかの問題を抱えた子どもの発育を研究。

成人になるまで追跡調査を行いました。

周産期でのトラブルが、ここでいう「脆弱性」にあたります。

調査対象の698人中201人は、明らかな危険因子を持ち、強い脆弱性がありました。

しかし、この201人のうち約3分の1の子供は、心身共に健康な成人に成長したのです。

周産期の問題が、必ずしも病的な成長につながるわけではないという結果です。

レジリエンスは、逆境を克服できる人間の可能性を示しています。

その可能性をうまく引き出していくことが、こころをくじけさせず、穏やかに強く保つ大切なコツということになります。

レジリエンスを身につけるための心得

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レジリエンスを開設した精神医学・心理学の教科書はいくつかありますが、解説にとどまり、具体的な日常生活へのアドバイスは乏しいのが現状です。

レジリエンスに関する一般書を多数出版しているコンサルタントの久世浩司氏が、わたしたち普通の人がレジリエンスを高めるにはどうすればいいかを、わかりやすく説明しています。

久世氏の主張では、レジリエンスを高める習慣とは、以下のようなことです。

1 ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切るー運動や旅行など、気晴らしのススメ

2 ストレス体験のたびにレジリエンス・マッスルを鍛えるー家族に感謝する

3 ときおり立ち止まり、振り返りの時間を持つー思索のための休憩時間

これからのことは、外来診察でわたしが患者さんにしばしば指導している内容と、かなり似ています。

仕事や家庭のことだけを考えてしまい、こころの視野狭窄に陥っていないかチャックします。

イヤなことがあったら、家族や友人に対する感謝の気持ちを持つことは、攻撃性を弱めるには効果的です。

疲れた自分を癒し、自身のことをゆっくり考える休息の時間も、非常に大切です。

これに食事や睡眠など生活習慣への指導を加えれば、立派な精神療法になりえます。

ただ、レジリエンスを高める意味では、最も大切なことは、「自分でなんとかしたい」「自分でなんとかすれば」という感覚です。

「ちゃんと気晴らしをしなければならない」

「医者に言われたから、運動をしないとダメ」

という、「~ねばならない」という強制的な義務感では、レジリエンスはなかなか身につきません。

「自分がやれば、変わってくる」という自己効力感が、レジリエンスを高めるには一番必要なものと言えます。

 

治療者である著者が注意しているのは、患者さんのできたところを褒めて、次の行動につなげることです。

不摂生や薬の飲み忘れなどをして、医者からこっぴどく怒られた人もいると思いますが、それよりは少しでもできたところを評価して伸ばしていくことが、レジリエンス強化につながると著者は考えています。

レジリエンスは便利な概念なので、安易に使用されすぎるという批判も、当然あります。

ただ、「ストレスに弱いから仕方ない」という脆弱性重視の考え方よりは、よほど建設的ではないでしょうか。

 

困難を跳ね返す力

・人間には、逆境を跳ね返す「レジリエンス」が備わっている

・気晴らしや休憩の時間をちゃんと取る

・他人からの押し付けではなく、「自分でなんとかしたい」と思うことが大切

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つい自分で「自分って、ストレスに弱いからな~」と思ってしまいました。

でも、毎日の小さなストレスをその日のうちに解消するようにしたり、周りに感謝することを習慣にすることで自分の「困難を跳ね返す力」を鍛えられるんですね。

「自分で何とかできるんだ~!」と思えると、ちょっとほっとします。

 

今日も1日お疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。

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