仕事を時間内に集中して片づけるには、「集中力を高めること」であり、究極には自力で「ゾーンに入る」ことではないでしょうか。
子どものころ、8月31日になってやってきたあの集中力。
あの力を自在に出せれば!
本著で紹介するのは、一流アスリートなどが実践している、自分で意識して「ゾーン」に入る方法です。
そのためのスキルとして、ルーティン、リラックス方法、姿勢、深呼吸の仕方、そのほかの呼吸法、文章への入り方、香りの使い方などを紹介しています。
集中を引き出すためには、まずリラックス
子どもがゲームに集中しているシーンをイメージしてください。
適度にリラックスして、目の前のゲームを楽しむことができています。
これが「集中の理想型」です。
自分の力を発揮できる人、もしくは、自分が持っている力以上のものを発揮できる人というのは、たいていリラックスして物事に臨んでいます。
つまり、何かに集中するためには、リラックスすることが大切であり、まずは「リラックスするための具体的な方法」を知ることが大切です。
実力を発揮できないジムファイターにならないための予防策
一流スポーツ選手が集中する際、「ルーティン」と呼ばれる儀式を行うことがあります。
彼らがルーティンを重視する大きな理由は、「リラックス状態」を自ら作り出すためだと私は考えています。
あなたの周りにも、「本番に弱い人」がひとりや2人いるのではないでしょうか。
「鼻呼吸をしなければ、能力は下がる」は本当か?
一時期「口呼吸になると集中力がなくなる」という説が流れました。
それは本当で、脳というデリケートな部分を冷却する働きが、鼻にあります。
脳のオーバーヒートをふせぐのです。
さらに、鼻呼吸をする際に姿勢も大切です。
リラックスした集中状態を作るには、まず姿勢の改善が必要です。
集中力が高まる”姿勢”のつくり方
「姿勢をよくしなさい」と言われても、ひとはなかなか背筋が伸びません。
そこで、こんなやりかたを紹介しています。
まず、イスに浅く座ってください。
次に、自分の効き手を頭に乗せ、手のひらで軽く頭を押さえつけます。
これができたら、上から頭を押さえつける力に反発するように、あごを引いて、背筋をグッと上へ伸ばしてください。
この作業が終わったら、聞き手を頭の上から下ろしましょう。
次に、両肩をグッと上げて、2~3秒、緊張した状態を保ちます。
そのあと、脱力して、両腕をストンと下ろしてください。
やってみると、背筋が自然なかんじでスッと伸びました。
深呼吸はただやるだけでは意味がない
まず、イスに腰かけます。
座った状態で、まずは肩をギュッと上げて、ストンと脱力させてください。
その後、膝の上に両手を置き、手のひらを上に向けます。
軽く目を閉じ、鼻で5秒間、大きく息を吸い込んでください。
このとき、キレイな空気を全身の細胞の隅々まで届けるイメージで、息を吸い込みましょう。
鼻で5秒間、息を吸い込んだら、次は3秒間、息を止めます。
息を止めるのは、息を吸い込む作業、息を吐きだす作業をそれぞれ明確に意識させるためです。
さて、息を3秒止めた後は”イヤな気持ちや体の中の汚れた空気も吐き出すイメージで、ゆっくり吐き出しましょう。
口から息を吐く時間は8秒間です。
「5・3・8呼吸」と覚えておきましょう。
ツーンとしてくる香りを嗅ぐ驚きの効果
アロマテラピーに代表される香りのリラックス効果について。
人が香りを嗅ぐと、その成分は電気信号に置き換えられ、脳の「大脳辺縁系」に伝わります。
そこは喜怒哀楽の感情をつかさどる部分です。
ここで、「いい香りだな」と判断されると、「視床下部」に伝えられます。
視床下部は、自律神経をコントロールしたり、体温やホルモンの調節をしたりする大事な部位です。
私がオススメしているのは、心地よく感じる香よりも、多少、鼻にツーンとくるような香りを利用することです。
たとえば、レモンやオレンジなどの柑橘系、ローズマリーやペパーミントなどのハーブ系の香りを利用するとよいでしょう。
これは実際に、オリンピック級のウエイトリフティングの選手や体操の選手が活用している方法ですし、私自身も実践しています。
「さあ、これから仕事だ」「さあ、これから勉強だ」というときに、これらの香りを嗅ぎ集中力を高めてみてください。
この方法は携帯用のアロマオイルなどを持っていれば、外出先やオフィスでも簡単に実践できます。
花粉症の薬を飲み始め、鼻呼吸が戻ってきてから、当たり前ですが「ゾーン」が来ました。
たかが鼻炎と侮らず、さっさと受診しようと思いました。
年度末、お忙しい時期だと思います。
休める時間は、できるだけリラックスしてくださいね。
お疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。