猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

あなたが解決したい問題は、何?~『0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる』ステーヴン・レヴィット、ステーヴン・ダブナー

自分がすべての「答え」を知っているわけじゃないと認めるには、とても勇気がいります。

ですから、正しい「問い」すら認めるのがどんなに難しいかは、推して知るべしです。

でも、見当違いの問いを立てたら、見当違いな答えしか得られないのはほぼ確実です。

 

何か一つ、ぜひ解決したい問題を考えてみましょう。肥満の蔓延でも、地球温暖化でも、アメリカの公立学校制度の崩壊でもいいです。

そしたらつぎに、自分がどういういきさつでその問題を今のようにとらえるようになったのか、思い出してみましょう。

十中八九、マスコミの影響が大きいはずです。

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たいていの人は、こういう大きな問題について考える暇も意欲もありません。

誰かの言い分には耳を傾け、いいなと思ったら自分の意見にしてしまいがち。

おまけに問題の中の「心に引っかかる部分」だけに目が向いてしまうのです。

「まじめな人」なら見落としてしまうこと

たとえばあなたが州の学力基準を満たさない落ちこぼれ学校に腹が立つのは、教師だったあなたのおばあさんが、今どきの教師なんかよりずっと教育に尽くしていたと信じているからかもしれません。

学校で成果が上げられないのは、出来の悪い教師が多いからに決まっている、とあなたは考える。

 

もうちょっと踏み込んで考えてみましょう。

よい教師が悪い教師より望ましいのは明らかで、教師の質が全体としておばあさんの時代よりがた落ちしているのも確かです。

それは昔に比べると、優秀な女性の職業選択の幅がずっと広がっているからでもあります。

それにフィンランドシンガポールや韓国などでは、教師は優秀な学生から選抜されるのに対し、アメリカで教師になるのは平均以下の学生が多い。

だから教師の力量に焦点を絞るのは、確かに筋が通っているかもしれない。

 

でも、教師の力量より、生徒の成績にずっと大きな影響を及ぼす別の要因が、最近の多くの研究で明らかになっています。

それは、子供が親からどれだけのことを学んでいるか、家でどれくらい勉強しているか、学びたいという意欲を親が植え付けているかといった要因です。

家庭でのこういうインプットが足りないと、いくら学校が頑張ったところで限界があります。

子どもが学校で過ごすのは1日7時間×年間180日。

つまり起きている時間の2割ほどでしかないのです。

それにその間ずっと学習しているわけではないです。

友達付き合いや食事、教室間の往復を差し引けば、ずっと短くなります。

それに、多くの子供は生まれてから3、4年の間は学校に行かずに親とだけ過ごしているのです。

それなのに、いざまじめな人たちが教育改革について話し合うと、成功できる子供を育てるうえで家庭がどんな役割を果たすべきか、という議論がすっぽり抜け落ちます。

それは、「教育改革」という言葉がまさに「学校のどこがいけないのか?」という問いをほのめかしているからです。

 

でも現状を考えると、「なぜアメリカの子供たちは、エストニアポーランドの子供たちに学力で劣るのか」と問い直した方がいい。

見当違いな角度から問題に取り組もうとすると、見当違いな場所で答えを探す羽目になるのです。

そんなわけで、アメリカの子供たちの学力低下の原因を話し合うには、学校よりもむしろ親について考えた方がいいのかもしれない。

 

美容師や狩猟ガイドやそれに教師になりたかったら、免許を取得しなければならない。

でも、親になるにはそんな決まりはない。

誰だってひとそろいの生殖器さえもっていれば、誰にもとがめられずに子供が作れるし、目に見えるあざさえつくらなければ、好きなように育てられる。

そして、学齢期になったら学校制度に丸投げして、教師が魔法をかけてくれるのを待つというわけだ。

でも、もしかすると学校に多くを求めすぎて、親や子供自身がやるべきことを忘れているんじゃないだろうか?

ゼロベースで問題を「正しくとらえ直す」

たまたま目についた気になる部分だけとりくんでいないか、気を付けることが大切なのです。

時間と資源を使い果たす前に、問題を正しくとらえていること、いっそ「正しくとらえ直すこと」が何より肝心なのです。

異常なようで、「最もする同」アプローチ

このアプローチをやってのけた人物がいます。

アメリカのホットドック大食い選手権で優勝し、その後も記録を伸ばし続けた日本人の若者、「コビー」こと小林。

三重県で経済学を学んでいた大学生だった彼は、173センチで華奢。

そもそも大食いな方ではありませんでしたが、それでも胃は丈夫で小さいころから食欲は旺盛でした。

恋人のクミと二人で暮らしていましたが、電気代が払えなくてろうそくで明かりを問ていました。

二人とも裕福な家庭の出身ではなかったのです。

そんな折、優勝者に50万円の賞金を出す大会があると聞きつけたクミがテレビの大食い選手権に応募はがきを送りました。

しかし、華奢な彼が勝つには、頭を使ってライバルを出し抜くしか方法はありません。

大学で学んだゲーム理論が役立ちました。

過去の大会を研究したコビーは、ほとんどの選手が序盤にいに詰め込みすぎて、勝ち進んでも、せっかくの決勝ラウンドで成績を残せないことを見つけます。

そこで、序盤のうちは各ラウンドを勝ち抜くのに必要最小限だけ食べて、体力とエネルギーと胃の容量を確保。

50万円の賞金を勝ち取って、コビーとクミのアパートに明かりが戻りました。

なぜ「突然変異」的記録が出たのか?

コビーはプロになることを思い立ちます。

早食い界のスーパーボウルネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」に標準を合わせます。

これは、40年ほど前から開催される、民放テレビ局ESPNでいつも百万人以上の視聴者を集める一大イベントです。

 

12分間にできるだけたくさんのホットドッグを食べるのがこの大会のルール。

ケチャップやピクルスをかけても、どんな飲み物を一緒にオーダーしてもOK。

コービーが出ると決めた2001年当時の世界記録は、12分で25本と8分の1のホットドッグでした。

 

彼は自宅で練習を重ねます。

日本では大会に使われるような材料がなくて、魚肉ソーセージ、食パンをスライスして代わりにしました。

前年度は上位3位を日本人が独占。

新井「ラビット」和響が世界記録を塗り替えていました。

新人のコビーはノーマークで、参加資格のない高校生と間違われた挙句、ほかの出場者に「なんだその足、俺の腕より細いじゃねえか!」と小馬鹿にされたりします。

 

では、結果はどうだったのか?

初出場のコニーアイランド大会で、圧勝してコビーは世界記録を更新。

それまでの25本と8分の1本の記録を、なんと50本!

華奢な23歳のコビーこと小林猛は世界の記録を倍に伸ばしたのです。

異常なようで「最も鋭い」アプローチ

コニーアイランド大会に向けた彼の訓練は、実験とフィードバックの大きなサイクルでした。

コニーアイランドの出場者がみんな似たような戦略を問ていることに、コバヤシは気が付いていました。

というか、そもそも普通の人が裏庭のバーベキューで食べているような、早回しにしているような戦略とも呼べないものでした。

ソーセージとパンを一緒くたに口に突っ込み、端からかみ砕いていって、水と一緒に流し込む。

もうちょっと上手いやり方があるのではないか、とコバヤシは考えました。

 

食べる前にソーセージとパンを半分に割ってみる。

すると、かんだり飲んだりする方法に幅が出たし、口でやっていた作業が手に任せられてラクになりました。

 

この作戦はのちに「ソロモンメソッド」と呼ばれるようになります。

ソロモン王が赤ちゃんを2つに切り裂くと脅すことで本当の母親を見分けた、聖書の話にあやかった名前です。

 

さらにコバヤシは研究を進めます。

ソーセージとパンは一緒に食べなくて見いいのではないか。

もちろんおいしく食べるには、一緒に絡み合わせた方がおいしいに決まっています。

しかし、食道を通る際に、ソーセージだけだとすんなり滑りますが、一緒だとパンが場所をふさぎ、たくさんかむ必要が出ます。

ソーセージとパンをバラして、さらにソーセージを半分に割って数本まとめて呑み込み、それからパンを食べることにしました。

 

しかし、パンを飲み込むのに手こずっていました。

そこで、2つに追ったソーセージを片手で口に詰め込みながら、もう片方の手でパンをコップの水に浸し、余分な水をぎゅっと絞ってから口に放り込んだのです。

余計な水をとることになり、デメリットが大きそうに見えました。

しかし、ふやけたパンにより、これは水を飲む時間を節約できたのです。

研究の結果、咀嚼筋をゆるめるには、ぬるま湯が一番いいとわかりました。

見ずに植物油をたらすと、パンを飲み込みやすくなるようでした。

試しながら「却下」する戦術を決める

彼の実験はとどまるところを知りませんでした。

特訓の様子を逐一ビデオに撮り、データを全部スプレッドシートに入力して、非効率やミリ秒単位の無駄にも目を光らせました。

食べるペースについてもぬかりなく実験しました。

出だしの4分で飛ばして、なか4分はややペースを落とし、最後に「猛ダッシュ」がいいのか。(「出足」が感じんでした)

また、睡眠を十分にとるのがとくに大事だとわかりました。

ウエイトトレーニングもです。

強い筋肉は租借力を高め、吐き気を我慢するのに役立ちました。

飛び上がったり体をくねらせながら食べると、胃にスペースができることもわかりました。

この野獣のような踊りには「コバヤシ・シェイク」の異名がつけられました。

 

どの戦術を採用するかと同じくらい重要だったのは、どの戦術を「却下」するかという判断でした。

こういう積み重ねを通して、肉体的な準備を整えると精神的にハイな状態に持っていけることに気づきました。

 

 

次回は、ここから得られる教訓についてくわしく勉強していきます。

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今日もお疲れさまでした。

少しは休めましたか。

暖かくして、素敵な夢を。

では、また。

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「知らない」を言えると、合理的に考えられる~『0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる』ステーヴン・レヴィット、ステーヴン・ダブナー

世界で一番言いづらい言葉は、「アイ・ラブ・ユー」だといわれていました。

でも著者はそうじゃないと、心から叫びたいのです。

「アイ・ドント・ノー」と言うほうが、ほとんどの人にとってはずっと難しいのです。

これは、とても残念なことだと著者は言います。

自分が何を知らないかを認めない限り、必要なことを学べるはずがないのだから。

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あなたは「知っている」と思い込んでいる

では、「知っている」とはどんなことなのでしょう。

一言で知識と言ってもいろいろなレベルや種類があります。

知識のピラミッドの頂点にあるのが、「既知の事実」とよばれる、科学的な事実として検証可能な知識があります。

その下の層にあるのが「信念」、つまり一人ひとりが本当だと信じているけれど、簡単には検証できないものです。

こういった問題は論争の余地が大きいもの。

 

たとえば、悪魔は本当にいるのか?

この質問は、ある国際的な調査で聞かれ、調査対象国のうち信じる人の割合で見た悪魔信仰の強い5か国は、次のようになりました。

1位 マルタ(84.5%)

2位 北アイルランド(75.6%)

3位 アメリカ(69.1%)

4位 アイルランド(55.3%)

5位 カナダ(42.9%)

 

そして悪魔を信じる人の割合が一番低い5か国は、次の通り。

1位 ラトビア(9.1%)

2位 ブルガリア(9.6%)

3位 デンマーク(10.4%)

4位 スウェーデン(12.0%)

5位 チェコ(12.8%)

 

こんな簡単な質問の答えが、どうしてここまで大きく分かれるのでしょうか?

ラトビア人かマルタ人のどちらかが、自分が知っていると思っていることを、本当は知らないということになります。

 

他にも、信念とも事実とも言い切れない質問を考えてみましょう。

9・11のアメリカへのテロ攻撃は、アラブ人のグループが実行したというニュースが報道されていますが、これは本当だと思いますか?

 

この本を読んでいる人は、ばかげた当たり前のことと思うでしょうが、ところが、これをイスラム諸国で質問すると、アラブ人が実行したと信じていたのは、全体のわずか20%。

クウェートでは11%、パキスタンでは4%に過ぎませんでした。

(じゃあ、いったい誰が実行したのかという質問には、「イスラエル人」「アメリカ政府」「イスラム教徒以外のテロリスト」という答えが多かった)

問題解決は「事実」だけを集めるだけではできない

そんなわけで、「知っている」ことが、政治的見解や宗教観に色濃く影響されることがわかりました。

それに、経済学者エドワード・クレイザーは「自分の金銭的、政治的利益を増やすために自説を発信する」政治や宗教指導者がうじゃうじゃいると指摘しています。

これだけでも十分大きな問題です。

しかし、みんなが自分の知っている以上のことを知ったかぶりしていると、問題はますます大きくなります。

「銃乱射事件を防止するにはどうしたらよいのか」

「アメリカを忌み嫌う、あの中東の独裁者がこのまま権力の座に居続けたらどうなる?」

こういう問題にこたえようと思ったら、事実を山ほど集めただけじゃ何もなりません。

判断力や直感、それにものごとが最終的にこうなるという推測が必要です。

おまけにいろいろな因果関係が働くので、何か対策をとると、遠く離れたところにわかりにくい影響が出たりします。

 

それなのに世の中の専門家は、それも政治家や企業系医者だけでなく、スポーツ評論家や株の”神様”、気象予報士も、未来がどうなるか、大体わかっています、と言います。

こういう人たちは本当に確信をもってそう言っているのでしょうか?

「得」をするから、知ったかぶりをする

知ったかぶりが悪影響を及ぼすことを知りながらも、人は「知りません」と白状したときのダメージを考え、知ったかぶりを続けてしまいます。

例の一世一代のPKを決めようとしているサッカー選手の話を思い出してください。

真ん中を狙えば成功率は高いけれど、隅を狙った方が自分の評判が傷つくリスクが小さい。

だから、隅をめがけてシュートする。

 

知らない、と白状してまぬけだとか負け犬だと思われたい。

知ったかぶりをしたいというインセンティブは、とても強いのです。

「評価」を決めているものの正体を見抜く

そうしたことを実証するため、実験が行われました。

料理とワインンお評論家で、神経科学、法律、フランス料理を学んだロビン・ゴールドスタインが、全米17の会場で数か月かけて目隠しでワインの試飲会を催しました。500人のワイン初心者からソムリエやワイン醸造業者にワインを飲んでもらいました。

1本1ドル65セントのワインから150ドルのワインまで、523種類のワイン。

このときの試飲には、試飲者にもワインを注ぐ人にも、銘柄や値段を伏せて行いました。

それぞれの評価をつけさせたところ、高級なワインほどたくさん点数を稼いだか?と言ったら答えは「ノー」でした。

ゴールドスタインによれば、試飲者は平均すると、「高いワインを安いワインに比べて、ほんの少し『おいしくない』と感じた」といいます。

ワインを買うとき、ラベルの見た目で決めてしまうことってないでしょうか?

 

ゴールドスタインはこの実験をしたことで、ワイン業界で異端の烙印を押されかけていましたが、ダメ押しで別の実験を行いました。

ワイン評論家が与える評価や賞の信頼性を考えたのです。

業界で一番有力な専門誌「ワイン・スペクター」は、何千種類ものワインを品評し、「有料生産者による選り抜きのワインのなかから、メニューのテーマに値段の上でもスタイルの上でも見合ったワインを取りそろえた」レストランに優秀賞を授けています。

このお墨付きレストランは、世界でも3、4千軒。

この賞の価値を探ろうとゴールドスタインは思いました。

 

そこでミラノに架空のレストランをでっちあげ、偽のウェブサイトを用意。

曰く「なんともさえない新感覚イタリアン・レシピを面白おかしく組み合わせた」偽のメニューを載せました。

確かめようとしたことは、2つ。

1つは、ワイン・スペクター優秀賞をとるには、いいワインをそろえなくちゃいけないのか?

もう一つは、受賞するにはレストランは実在する必要があるのか?

 

ゴールドスタインは偽レストランの架空のワインリストを異常なほど念入りにこしらえました。

レストランのとっておきの高級ワインンが並ぶ「リザーブリスト」には、とくにひどいワインを選んだのです。

この中には「ワイン・スペクター」が100点で評価した15種類のワインが入っていました。

 

彼がリザーブリストに選んだ15本は、「ワイン・スペクター」では評価の低い75点。

ある銘柄は「野卑なにおいと腐った味」、別の銘柄は「まるで塗料用シンナーかマニキュア液を飲んでいるよう」とこき下ろされていました。

1995年のカベルネ・ソーヴィニヨンは「何かがおかしい・・・・金くさい味がする」という評価。

これをゴールドスタインのリザーブリストでは、このワインに120ユーロ(1万7000円)。

15本の平均は180ユーロ(2万6000円)でした。

 

でも、なぜそんな店がワイン・スペクター優秀賞を狙えるとゴールドスタインは確信していたのでしょう?

「ぼくが立てた仮説は、250ドルの手数料を払うことが、応募の肝心な部分だってことだ」と彼は言います。

そんなわけでゴールドスタインは小切手と応募用紙とワインリストを送りました。

ほどなくしてミラノの偽レストランの留守番電話に、ニューヨークの「ワイン・スペクター」から、電話が入りました。

優秀賞の受賞でした!

おまけにおまけに、「受賞店を発表する次号に広告を載せませんか」というお誘いのメッセージまで吹き込まれていました。

「わからない」という難しいけれど効果的な戦略

そもそも、この手の「賞」にマーケティングの戦略の側面があることぐらいわかりきっているさ、とあなたは思っているかもしれません。

それに高いワインが必ずしもおいしくないということも、お見通しかもしれません。

 

しかし、ものごとが「当たり前」と思われるようになすのは、「あと」になってから。

つまり、誰かが時間と労力をかけてそれを調べ、その正しさや誤りを証明してからです。

 

知らないはずの答えを知っているかのようにふるまうのをやめなければ、調べたいという強い思いがわいてきませんよね。

知ったかぶりをしたいというインセンティブはとても強いから、それに打ち勝つには勇気を振り絞る必要があります。

 

今度答えられるふりしかできないような質問をされたら、まず「わかりません」と言ってみましょう。

そして忘れず、「でも、調べてみたらわかるかもしれません」とフォローしましょう。

それからベストを尽くして調べてみる。

すると、正直な告白を前向きに受け取ってくれる人がこんなにも多いのかと、びっくりすることでしょう。

次の日か次の週に、きちんとした答えを返せればなおよいのです。

 

たとえ、知らないことをボスに笑われたり、どう頑張っても答えが出せなくても、もう一つ戦略的メリットがあります。

たとえばあなたはすでに何度か「わかりません」と言っていたとします。

今度どうしても手も足も出ない状況になったら、とりあえず出まかせでも何かを答えてみましょう。

きっとみんな信じてくれます。

だって、あなたは正直に認めるという、イカれたことをやった前歴があるのですから。

職場だって、戦略を使わない手はないのです。

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寒さに体力を奪われやすい季節です。

風邪などひいてはいませんか?

暖かくして、楽しいことを思い出して、素敵な眠りが訪れますように。

 

では、また。

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目の付け所を変えて、問題を解決する~『0ベース思考』

人間はほんらいとても利己的な生き物。

しかしそれを越えて、みんなで同じ方向性を持つためにはどうしたらいいのか。

 

そうしたことを考えるとき、正しい方法とか、間違ったやり方だとか、言い争っていては問題は解決しないと著者は言います。

現代社会ではもう少し建設的で合理的に考える必要がある、と。

 

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素直な心で考える

著者の前の2作(『ヤバい経済学』『超ヤバい経済学』)で根底にあったのは、次の2つの考え方でした。

まず、〈現代生活はインセンティブのうえに成り立っている〉。

インセンティブんを正しく理解することが、問題を読み解くカギとなる。

〈何を測定すべきか、どうやって測定すべきかがわかれば、世界はそんなに複雑ではなくなる〉。

混乱と矛盾に満ちた問題を解きほぐすのに、データほどパワフルなものはない。

特に感情や激論を伴うものには。

 

また、〈一般通念は大抵間違っている〉。

〈相関関係と因果関係は別物だ〉。

2つのことが同時に起きたからといっても、どちらかのせいとは限らない。

既婚者があ独身者より幸せそうに見えても、結婚が幸せとは限らない。

幸せな人はもともと結婚する可能性が高いことがデータからわかります。

 

基本的には前著の考えを踏まえつつ、本著では暮らしや生き方を効率的にするヒントを提供できれば、と書かれています。

「直感」「主義主張」の排除

この考え方は、魔法でもなんでもなく、ものごとの本質に迫っているだけです。

でも、みんなが実践しないのは、

1  政治的、思想的バイアスで、偏った考え方をしているから

2 みんなと同じことをするのはらくだから

そしてもうひとつ、忙しさにかまけて、じっくり考えることをしていないから。

 

脳を鍛え直して、大小問わず色々な問題を普通と違うやり方で考えられれば、得るものは大きい。。

まずは第一歩。。

「知らない」ことを恥ずかしく思わないことです。

 

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今日もお疲れさまでした。

すてきな夢を。

ではまた。

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バイアスをゼロにしてアプローチする思考法~『0ベース思考』

日常のちょっとしたこと。それらをシンプルにゼロベースで考えてみること。

そこから糸口が見えてくるのかもしれません。

 

例えばあなたが一流のサッカー選手だったとします。

ペナルティーキックを決めさえすれば優勝です。

敵のキーパーが睨みつけてくる中、あなたはどのコースを狙ってシュートを打ちますか?

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実はゴールの真ん中を狙えば成功率は実は一番上がります。

キーパーは左右どちらかに動く確率の方が高いからです。

 

しかし、真ん中を狙うなんて、大観衆を前にすると、なかなかできない選択です。

特にワールドカップみたいな大一番で、それは難しい。

なぜなら、恥をかきたくないからという心理が働くからです。

ど真ん中を狙って、キーパーにとめられたら?

恥ずかしくて目も当てられない!

サイドにけりこんだら、キーパーが読みを当てて止めるかもしれない?

でも、果敢なトライに阻まれても、ど真ん中を狙った挙句に止められ、恥ずかしさのあまり国外逃亡の必要はなくなるわけです。

 

時として人生には、ど真ん中を狙うのがいちばん勇敢、ということもあるのです。

人は「みんなの利益」より「自分の利益」を優先する

「自分の利益とみんなの利益が相反するとき、どうする?」

この問いに対して

「自分の利益だよ!」

と白状する人はまずいません。

しかし、たいていの人がみんなの利益より自分の利益を優先することは、歴史がはっきり証明しています。

それが人間というものです。

 

でも貧困撲滅とか行政改善とか公害を減らすとかこどものけんかをやめさせるとかみたいに、いざ自分だけの小さな成功を超えた、大きな望みをかなえようとすると、とたんに人間の利己的なインセンティブに悩まされることになります。

みんな好き勝手ばらばらに動いているとき、同じ方向に向かわせるには、どうしたらいいのでしょうか?

 

そのための答えとして、著者はこの本を書いています。

これから、少しずつ一緒に読んでいただけたら嬉しいです。

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今日もお疲れ様でした。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

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キスチョコを食べたいけど、我慢する方法?~『スタンフォードの自分を変える教室』

1年で、最もおいしいチョコレートを「自分に」買いたくなるのが2月14日。

「自分のために買ってどうする!?」と思いつつ、毎年絶対やめられませ~ん!

 

昨日は、「これを考えないようにしよう」と思うと、かえって頭の中にこびりついてしまうこと、頭から離れないからと言って真実とは限らないことを勉強しました。

どうしたらこのジレンマから抜け出せるでしょうか。

この「皮肉なリバウンド効果」に対し、ウェグナーは”皮肉な”解毒剤を提案しています。

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コントロールをやめると、コントロールできる

脳の活性化に関する実験において、参加者が頭の中で考えないようにしていることについて、話してもよいと許可されたとたん、それまで頭にしつこくこびりついていた考えが、あまり意識にのぼらなくなるのが確認されました。

矛盾しているようですが、考えてもよいと思ったことは、あまり考えなくなるわけです。

 

この方法は、様々な望ましくない内的経験に向き合う名愛にも役立つことがわかりました。

頭に浮かんでくる考えを無理に押さえつけたりせず、感じるがままに感じようと腹をくくること。

ただし、頭に浮かぶことが真実とは限らず、感じたとおりに行動する必要はない、とりかいすること。

そうしたことで、不安や憂うつ、異常な食欲、依存症などに対処するにも効果的です。

内的体験をコントロールするのをあきらめることで、自分の行動は以前よりもコントロールできるようになります。

 

悲しいことを考えないようにすると、かえって憂鬱になるのは、ありえない話ではないのです。

ネガティブな感情を押さえつけようとするほど憂鬱になることが、数々の研究で分かっています。

 

ウェグナーが最初のころ行った思考を抑圧する実験では、健康な被験者たちにもこのような現象が認められました。

被験者への指示は、それまでに自分に起きた最も悲しい出来事を思い出すか、あるいは逆にそのことについて考えないようにしてください、というものでした。

 

すると、被験者がストレスで疲れていたり、ぼんやりしていた場合、あえて悲しいことを考えようとしたときよりも、悲しいことを考えないようにしたときのほうが、よけいに悲しくなることがわかりました。

 

別の実験では、自己批判的な考えを頭から追い払おうとしたところ、あえてそのような考えに冷静に向き合ったときよりも、自尊心が傷つき、気分が落ち込んでしまうことがわかりました。

たとえネガティブな感情を追い払えたように思えても、そうはいきません。

必ず「皮肉なリバウンド効果」は襲ってきました。

 

また、不安な気持ちを抑えようとするのも逆効果です。

たとえば、痛みを伴う治療のことを考えないようにしていると、かえって不安が募り、ひどく痛むのではないかと恐れるようになります。

また、人前でのスピーチをする際、無理に平気なふりをすると、かえって不安が増すだけでなく、心拍数も上昇します。

 

私たちがいくら考え事を頭から追い払おうとしても、体はメッセージを受け取っています。

そして、悲しみや自己批判を押さえつけようとすればかえって、憂鬱になるのと同じように、思考を抑圧すると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や強迫性障害(OCD)などの深刻な不安障害の症状を悪化させてしまうことが、研究によって明らかになっています。

 

精神的な苦しみから自分を救いたければ、そうした苦しみを頭から追い払おうとするのではなく、どうにか折り合いをつけていく必要があります。

「思考」は抑えつけず、「行動」だけ自制する

考えや欲求を無理に払いのけてはいけないならば、受け入れるしかないのでしょうか?

ある実験でそのような結論が出ています。

その実験では、ハーシーズのキスチョコが入った透明な箱を100名の学生に配布し、48時間持ち歩くように指示しました。

そのうえ、箱の中のキスチョコはもちろん、ほかのチョコレートを食べてはならないという決まりです。

そして、誘惑に負けないためのアドバイスを2種類与えました。

一部の学生たちには、キスチョコを食べたくなったら、気を紛らわしなさい、そして食べたいと思ったことをみずから戒めなさい、と指示しました。

「チョコレートは食べてはいけない決まりだし、食べる必要なんかない」と考えろというのです。

いわば、多くの人が食べたいものを我慢するときにやっていることと同じことを指示したのです。

一方ほかの学生にはシロクマ実験の話を聞かせ、「皮肉なリバウンド効果」について説明。

チョコレートを食べたいという気持ちを無理やり打ち消そうとしないように、と言いました。

むしろ、チョコが食べたくなったことを素直に認め、チョコについて思ったことや感じたことをすべて受け入れること。

ただし、「思った通り、感じたとおりにふるまう必要はない」のだと思いだすよう指示しました。

思考はコントロールしなくても、行動はコントロールしなければならなりわけです。

 

48時間の意志力テストが終わってみると、頭に浮かぶ考えを無理にコントロールしなかった学生たちは、チョコレートを食べたいという欲求が起きた回数が最も低かったことがわかりました。

おもしろいことに、この受け入れ戦略が最も効果があったのは、ふだんは食べ物に関して特に自制心が働かない人たちでした。

もう一方のグループで、普段から食べ物に関する欲求で悩んでいる学生たちが、気を紛らわそうとしたり、食べたい気持ちを否定したりした場合は、それこそ悲劇でした。

しかし、そんな彼らが無理に思考を押さえつけるのをやめてみると、キスチョコもそれほど欲しくなくなり、食べてはいけないチョコレートを持ち歩かなければならないことも、それほどストレスに感じなくなりました。

 

そして驚いたことに、思考や感情を受け入れる戦略に従った学生たちは、2日間もおいしそうなチョコレートのおあずけを食らいながらも、だれ一人つまみ食いしなかったのです。

意志力の実験:欲求を受け入れる。ただし、従わないで

あなたが最も手を焼いている欲求にうまく対処するため、次の方法を試してください。

①誘惑や欲求を感じていることに気づきましょう。

②すぐに気を紛らわそうとしたり、否定したりせず、自分の欲求や気持ちを素直に受け入れましょう。

シロクマのリバウンド効果を思い出してください。

③落ち着いて考えましょう。

思考や感情は必ずしも自分でコントロールできなくても、それに対してどう行動するかは自分で選択できる、と認識しましょう。

④大事な目標を思い起こしましょう。

実験に参加した学生がキスチョコを食べないという決心を思い出したように、あなたが大事な目標を達成するために、自分で決めて守っていることを思い出しましょう。

 

f:id:understandLove:20170211183551p:plainスタンフォードの自分を変える教室』は、最近『ヨガ』バージョンもコンビニ等で絶賛販売中ですね。

 

割愛させていただいた実験内容には、きわどいものもあったりしました。

もし気に入っていただけたら、ぜひ書店でご覧ください。

同性愛者を毛嫌いする男性に、そっち系のそういう写真を見せた場合の反応率が実はほかの人より高い、などの「どうやって調べたんだろう!?!」と思う実験もありました。

実験に協力したおじさんたちの心情を思うといたたまれません。

アメリカの学者って、下世話な実験がすごいですよね。

学生さんたちがたびたびモルモット扱いになってましたね!

 

今日もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでよい夢を。

では、また。

 

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「シロクマ」のことを考えてはいけない~『スタンフォードの自分を変える教室』

トリニティ大学の心理学実験室で行われた「シロクマ」の実験。

17名の学生が、いきなりシロクマのことで頭がいっぱいになりました。

圧倒的な魔力でその考えは襲い掛かってきました。

シロクマなんて、ふだんは学生たちの脳の片隅にもありません。

いつも、えっちなことと試験のことで頭はいっぱい。

話題はコーラの新商品は期待外れでがっかり、なんてことばかり。

 

それは、こんな指示を受けたからです。

「シロクマのことは考えるな」。

 

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好印象を狙うほど、不愉快なことを口走ってしまうのは

これらの学生はダニエル・ウェグナーの一連の研究に参加した最初の被験者でした。

ウェグナーは現在、ハーバード大学の心理学の教授になっています。

これをやってはいけない、と思うとかえってそこから頭が離れなくなることがありますよね。

このことは、不安や憂鬱、ダイエット、依存症に関する最新の研究でも明らかになっています。

 

ウェグナーなほかの学生にも参加してもらい、ほかのものでも実験を繰り返しましたが、いずれも、何かについて考えないようにすればするほど、逆効果でそれについて考えてしまうということがわかりました。

しかも、そのことについて「考えよう」と意識するときよりも、禁止される方がよけいに考えてしまうのです。

ウェグナーはこれを「皮肉なリバウンド効果」と呼んでいます。

 

また、ウェグナーの発見によると、起きているときにあこがれの人のことを考えないようにしていると、あえてその人のことを考えて夢想にふけった場合よりも、その人の夢を見る確率が高くなることがわかりました。

まさにロミオとジュリエット

禁じられた恋ほど燃えるという心理現象です。

 

ウェグナーはそのあと、あらゆる本能について、それを抑制しようとした場合に皮肉な結果が現れる証拠を見つけました。

就職活動中の学生が面接官によい印象を与えようと力みすぎて鼻につくような発言をしてしまったり。

演説をしている人が政治的に正しい表現を使おうと意識するあまり、かえって思い切り差別的な表現が浮かんできたり。

秘密を漏らすまいと思っている人が思わず口を滑らせたり。

思考のモニター機能が破滅を導く

考えや感情を頭から消し去ろうとすると、脳は「何かを考えてはいけない」と処理します。

そのプロセスは2つに分かれています。

片方はウェグナーは「オペレーター」と呼ぶ機能です。

禁止されたこと以外のことを考えようとします。

「とにかく、シロクマ以外のことを考えよう。この茶色の壁でも見ていようかな」。

このオペレーターは脳の自己コントロールシステムに依存し、多大な心的資源とエネルギーを要します。

 

一方で、頭のほかの部分でhあ、自分が考えたくないことを考えている、という事実を淡々と認識します。

「気が付けば、シロクマのことばっかり浮かんでしまって・・・」。

このプロセスをウェグナーは「モニター」と呼んでいます。

自動的に作動し、精神的努力はそれほど要しません。

この機能は脳が自動的に脅威を探知するシステムに深く関係します。

けれども、何らかの理由でオペレーターが作動しなくなると、モニターは自己コントロールにとんでもない障害をもたらします。

 

通常はオペレーターとモニターは並行して作動します。

あなたが買い物でスーパーに行き、スナック菓子売り場に近寄るまいと決心しています。

オペレーターはあなたの意識を集中させて予定の行動をとらせようとする位峰、モニターはあなたの頭の中や環境をスキャンし、警報を発令します。

「大変!危険!3番通路にクッキー!」

気力がみなぎっている状態ならば、オペレーターはモニターの情報を役立てることができ、困ったことがないようにします。

けれども、ストレスやお酒、病気、そのほか精神的な疲労のせいで気力が衰えていると、オペレーターはまともに作動しません。

でも、モニターは元気いっぱいでとにかく動きます。

 

すると、頭の中のバランスが崩れ、モニターが禁止事項を探知するたびに、頭の中は禁止事項が入ってきます。

脳は無意識に情報を処理します。

その結果、まさに避けようとしていることをやってしまうかもしれないのです。

それで、スナック菓子売り場のそばを通りかかると、モニターはクッキーを買ってはいけないことを思い出し、「クッキー!クッキー!」という声をあなたの頭に響き渡らせます。

でも、モニターとのバランスをとる十分な力がオペレーターにないと、身の破滅を防ぐはずのモニターが破滅を呼びます。

頭に浮かぶことは真実だと思い込む

私たちは、自分の考えることは重要な意味があると信じています。

ですから、ある考えがしょっちゅう頭から離れなくなると、それは注意を払うべき緊急のメッセージに違いないと思うようになるのです。

つまり、ある考えがどれだけすんなり頭に浮かぶかにより、私たちは物事が起こる可能性や信ぴょう性を判断しているのです。

そのため、心配事や欲求を振り払おうとするとき困ったことが起きます。

例えば、飛行機事故のニュースを一度聞くと忘れないものなので、飛行機事故にあう確率が高そうに思えます。

しかし実際は飛行機事故の確率は1400万分の1にすぎませんが、ほとんどの人は「腎炎」や「敗血症」で死ぬ確率よりも高いように感じます。

この2つの病気は死亡原因のトップ10に入っているのに、すぐに思い浮かぶ病名ではないからでしょう。

ある女子学生は自殺することばかり頭をよぎってしまい、頭から離れなくなってウェグナーに真剣に相談してきました。

それはきっと、自分の心の奥底で自殺を望んでいるからに違いない、と彼女は思い始めていました。

心理療法士ではないウェグナーは、シロクマの実験の話をして、頭から振り払おうとすると、かえってそれが頭にこびりつくことを説明しました。

でも、だからといって、その考えが真実であるとか、重要であるとは限らないのだ、と。

それを聞いた女子学生は、安心しました。

自殺のことが頭から離れないからと言って、ほんとうに自殺したいわけではなかったのです。

マイクロスコープ:「皮肉なリバウンド効果」を検証する

あなたにも、何か考えないようにしていることはありませんか?

もしあるなら、「皮肉なリバウンド効果」を検証してみましょう。

何かを考えないようにすると、そのとおり考えずに済みますか?

それとも、かえって強く意識してしまうでしょうか?

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疲れとかストレスなどを極力溜めないとか、疲れているときは危険なゾーンに近寄らないとか、そうしたことは脳のシステム上必要なことなんですね。

それから、「いつも頭に浮かぶから、これは自分の深層心理が・・・!?」と恐れおののく必要はないわけです。

ただの「シロクマ」かもしれないんですね。

それから、「夢に見たいこと」があれば、日中そのことを考えるのを禁止にするのも面白い方法かもしれません。

 

今日もお疲れさまでした。

ゆっくり休んで、楽しい夢を。

では、また。

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プライドと恥の感情は、理性よりも強い~『スタンフォードの自分を変える教室』

「みごと20キロ痩せて同窓会に顔を出したら・・・」

みんなの驚いた顔を想像すれば、エクササイズに気合が入るでしょうか?

「タバコをまた吸ったら、9歳の息子がかっかりするだろうな」

と思うと仕事中でもタバコを我慢できますか?

どうすべきか迷うとき、私たちはついつい、人にどう思われるだろうかと考えるものです。

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「恥」の効果を利用しよう!

ノースイースタン大学の心理学者デイヴイット・デステノは、「プライド」や「恥」などの社会的な感情は、長い目で見た損得を踏まえた理性的な議論よりも、私たちの選択に対して速やかで直接的な影響を及ぼす、と主張しています。

デステノはこれを「非理性的な自己コントロール」とも呼んでいます。

私たちは、自己コントロールは一般的に非理性的な衝動に対する、冷静な理性の勝利だと考えます。

けれども、プライドや恥というのは、理論的な前頭前皮質ではなく、感情をつかさどる脳の領域の働きによるものです。

 

社会的な感情は、仲間と良い関係を保つために発達したのかもしれません。

周りの集団に認めてもらえるかということを想像することで、正しい気持ちが強くなるといえるでしょう。

 

いくつかの企業や地域では、不法行為や社会的な破壊行動に対し、通常の処罰ではなく、社会的な恥をかかせるという取り組みを始めました。

もしあなたがマンハッタンのチャイナタウンのスーパーで万引きの現場を見つかったら、その商品を持った姿を写真に撮られます。

そして、その写真は店のレジ近くの壁に貼りだされ「大泥棒」と書かれた上に、名前や住所まで公表されてしまうのです。

買春経験のあるシカゴの男性を対象にした調査でも、この手の政策が最も有効でした。

地元の新聞に写真や名前が載るというのは、買春の抑止力として最大の効果があるようです。

1000ドル以上の罰金を払うよりも、写真と名前の公表が一番堪えるという結果が出たのです。

落ち込んでいるときには誘惑に負けやすい

とはいえ、この恥の効果は過大評価してはいけません。

「どうにでもなれ効果」というのもありました。

恥をかくなどの社会的な苦い思いを予想することが自己コントロールにもたらす効果と、実際に恥をかくことで意志力がなえてしまうことは一線を画するものです。

気分が落ち込んでいるときは誘惑に負けやすいという例も見てきました。

罪悪感や恥のせいで落ち込んでいるときは、なおさらそうです。

恥の意識は、予防策としては役に立ちます。

しかし、何かをやらかしてしまった場合は、恥の意識がもたらすのは自己コントロールではなく、どうにでもなれ効果になります。

 

たとえば、ギャンブルで大損して赤っ恥をかくと、お金が惜しいあまり、むきになって取り返そうとしたり。

健康意識の高い人たちに、目の前にチョコレートケーキがおいてあるつもりになってもらいます。

そして、万が一それを食べたらどんなに恥ずかしく感じるか想像してもらいます。

すると、想像上ではありますがケーキを食べようとする人はほとんどいませんでした。

ところが、今度はテーブルにチーズケーキ・ファクトリーの(!!!)大きなチョコレートケーキ、フォークとナプキン、おまけに水のボトルまでそえたものが置かれました。

すると、恥の意識がかえって裏目に出ました。

誘惑に打ち勝った人はたったの10%。

 

きまりが悪い思いをしないように注意していれば、自分からチーズケーキ・ファクトリーのお店に入ることはないかもしれません。

でも、誘惑が不意に目の前に現れると、報酬を期待する気持ちに、あっけなく負けます。

ドーパミン神経細胞がいったん活性化すると、後ろめたい気持ちはかえって欲望に火をつけ、誘惑に負けやすくなるのです。

プライドは、意志力の「保有量」を増やす

いっぽう、プライドは誘惑にさらされても、持ちこたえることができます。

チーズケーキ・ファクトリーのケーキを目の前に置かれても、この誘惑に打ち勝ったらどんなに自分を誇らしく思うだろうと想像した結果、40%の参加者は一口も手を付けませんでした。

 

プライドが役立った理由としては、ケーキ以外のことに意識を向けられたせいもあるでしょう。

それとは対照的に、ただ恥をかかないように用心していた場合は、なぜかケーキを見たとたんにわくわくしてしまいました。

 

つまるところ、生物学的な理由もあります。

臨床実験で、罪悪感を負い抱いていると心拍数の変動が減少することがわかっています。

つまり、生理学的な意志力の保有量が減ってしまうのです。

これに対してプライドは、意志力の保有量を維持することばかりを増やしてくれます。

 

このようなプライドの効果を得るには、ほかの人たちが見ているつもりになるか、見事に誘惑に打ち勝ったら、後でみんなに自慢しよう、と考えることです。

 

マーケティングの研究では、人はネットでの買い物より、人目のある店で買うときのほうがエコ商品を買う確率が高いことがわかっています。

エコ商品を買うことで、高い意識や思いやりを示して社会的信用を得たいと思うからです。

 

この研究から、自分の決心を守り抜くためのヒントが見えてきます。

すなわち自分の意志力のチャレンジを宣言することは、実に理にかなったやり方なのです。

意志力の実験:「認められた一から」を作動させる

人に認められたい、という人間の基本的な欲求を利用しましょう。

意志力のチャレンジに成功したらどんな自分を誇りに思うだろう、と想像します。

仲間の顔を思い浮かべてみましょう。

家族や友人、同僚など、いつも大事なことを言ってくれる人や、あなたの成功を喜んでくれる人を。

自分でも誇りに思えるような選択を行ったときには、フェイスブックツイッターで仲間に知らせましょう。

テクノロジーが嫌いな人は、直接会って話すほうがいいですね。

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プライドって、すごい効果があるんですね。

そして、恥の効果を使うときは、落ち込みやすい人は気を付けたほうが良いみたいです。

予防策、として使うことって大事ですね。

 

今日は、休めましたか?

今日も、がんばっちゃいましたか?

せめて、夜はゆっくり暖かくして休んでくださいね。

明日からの1週間が、あなたにとって素敵な日々になりますように!

では、また。

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