勝海舟が「青柳」という料理屋に入ったときのこと。
店内を見渡すと、おかみが掃除をしたりもちを運んだりと忙しくしていました。
「この店は景気が良いように見える」と勝は言いました。
すると女将は「とんでもありません」。
顔に出てない?
女将さんは答えました。
「お店にはお金は一文もなく、亭主は金策に出ています」
そしてこう続けました。
「人気の呼吸というものは難しいもので、苦しさをお客様や雇人に見せてしまいますとだめになります」。
勝はこのとき、外交でもなんでも、すべてはこの「呼吸」にあると悟りました。
「大変良い学問をさせてもらった」と手持ちの30両を用立てたそうです。
苦しい時も、弱音を吐かずに元気にふるまうこと。
それが幸運を呼び込むための秘訣かもしれませんね。
「黙っていても 顔が声と言葉を持っていることがある」
オヴィディウス(古代ローマの詩人)
「人の心は顔に表れる。だからABCの読めない人でも、顔を見れば性格を読み取れるのだ」
トーマス・ブラウン(イギリスの作家・医師)
「顔色や容貌を、いきいきと明るく見せることは、人間としての基本的なモラルである」
現実から目をそらさない
半導体メーカーのインテルは、1970年代にメモリチップ事業を独占しようとしましたが、すぐに次々と競合他社が参入してきました。
そして1980年代前半には、日本企業がインテルよりも高品質のメモリチップを開発し、その商品がすぐさま市場を席巻したのです。
そのときアンドルー・グルーヴは、インテル創業者であるゴードン・ムーアにこう尋ねました。
「もしわれわれがクビになって、新しいCEOがこの会社にやってきたら、彼は何をするだろう?」
ゴードンはすぐさまこう答えました。
「メモリチップから撤退するに決まっている」。
するとグルーヴは言いました。
「会社を辞めたつもりで一緒にドアから出て、また戻ってこないか。
そして、新しいCEOがやるだろうことを僕たちがやろう」。
こうして、インテルは本当にメモリチップ事業から撤退し、マイクロプロセッサ事業にフォーカスし、息を吹き返すこととなったのです。
現実を直視することは、痛みを伴うこと。
しかし、そうすることでやるべきことは必ず見えてきます。
「私は現実をしっかりと見据えた理想主義者になりたい」
ロバート・ケネディ(米国の政治家)
「自分の姿をありのまま直視する、それは強さだ」
岡本太郎(芸術家)
「起こったことをあるがままに受け入れよ。
それが不幸な結果を克服する第一歩である」
ウィリアム・ジェームズ(米国の心理学者)
職場でも、明るい笑顔を絶やさない人にいつも救われています。
その人はけっこう大変なポジションにいるのですが。
現実の自分の状況を見つめなおすのって、ほんとうに勇気が必要ですが、すてきな人ってそれが見えている人だったりします。
今日も1日、お疲れさまでした。
週末は少しはゆっくりできますか?
素敵な夢が見られますように。
では、また。