若者向けのビジネス書って、怖いぐらいによく書いてあります。
ベテランの手のうちとか、こっそりとどこで若者を実は評価しているとか、こういうベテランは信用できて、こういうのは信じない方がいいとか・・・・。
本著『仕事のルール』副題は「初心を忘れない不変のルール101 これさえできれば仕事は絶対うまくいく」です。
正月だし、初心を大切にしてみようかな、と思います。
まわりの人のいいところだけ盗もう
「あーあ、課長は優柔不断だし、グループリーダーは短気。
挙句の果てに東大出の先輩はずぼらで・・・」。
コンサルタントである著者が友人宅で仕事の打ち合わせをしていました。
すると、帰宅したばかりの新入社員のお嬢さんがため息をつきながら独り言を言いました。
すかさず、聞くに堪えがたくなった友人は、父親として一喝しました。
「お前、何を偉そうなことを言っているんだ。
お父さんだって上場企業の社長を10年以上やっているが、欠点はいっぱいある。
完璧なのは人間じゃない!
人の欠点をけなす暇が合ったら、かれらの長所を学べ!」
少しお酒の力もあったようですが、優しいはずの友人がこれほどの剣幕でしかりつけるのを見たのは、初めて。
ただ、指摘はまったく同感だったそうです。
さすが上場企業の社長だと著者は感じました。
ひとそれぞれ長所・短所があるもの。
完璧な人ばかりが周りにいる、なんて環境はあるわけがありません。
大事なことは、どんな人にも長所があるため、周りの人々から優れたところはどんどん謙虚に学び盗んでいくことです。
経営コンサルタントとして世界中で様々な会社と人を見てきた著者ですが、これは1つのユニバーサルなルールでもあるとその時気づきました。
周りの人からいいところだけ盗もうという謙虚な気持ちをずっと維持できるかどうか。
これは勝ち組に残る鍵です。
絶えず会社への貢献度を考えて行動する
「国から何かしてもらうのではなく、国に対して何ができるかを考えましょう」。
ケネディ大統領が演説の中で当時のアメリカ国民に言った言葉です。
「~さんが、〇〇してくれない!」と被害者意識ばかりの人って会社にもいます。
でも、そういう人って今後も伸びが期待できませんよね。
若いころは、お金・経験・ノウハウ・信用力・人脈が何もないので、ついつい会社や他人の助けを期待するもの。
頼めば何かしてくれるのでは、と人間は考えてしまうものです。
しかし、力がない時期からこそ、体当たりをしてみるのも大事です。
そういう人は必ず黙っていても誰かが助けの手を差し伸べてくれますから。
また、成功者の共通点の一つに、「人がほしいものや困っていることを見つけ、それを解決するのが得意なこと」が挙げられるのだそうです。
できる事業家は、ニーズがあってもそれに応える商品やサービスを、いちはやく見つけて世に送り出しますよね。
そのセンスを磨く時期だと思ってがんばるのも、いいでしょう。
さらに、会社においても、成果が出る出ないにかかわらず、会社に貢献しようと一生懸命やっている社員は、上司から見れば本当にかわいいものです。
しかしながら、あたりまえのことですが、一定の年齢になれば評価の高い社員とそうでない社員は「会社への貢献度」で測られます。
どうしたら貢献できるのかがわからない時は、上司や先輩に聞いてみるのも手です。
あなたには何をしてほしいのか。
何を期待しているのか。
そうすれば、目指すべきこと、するべきことがわかり、力もわいてきて、集中できますし、成果も出やすくなります。
人間である以上、ついつい独りよがりに傾くことがあります。
絶えず冷静かつ客観的に自分が会社に貢献している言動をしているかを、自問自答すること。
そして、他人の評価もチェックしていくことが大切です。
まず、やってみよう
新しく行うことの費用対効果や時間帯効果を話し合うことは大事です。
ただ、ネガティブな意見や批判・評論をするのは、前向きに行う会議や打ち合わせの雰囲気を壊し、邪魔になります。
(・・・ああ、ベテランにありがち!この間やってしまった!反省反省)
大事なことは、行う前にメリットとデメリットや問題点を明確にすること。
失敗したら致命的なダメージを被らない限り、とりあえずまずやってみることです。
エリート志向の人は、先々を考えすぎ、理論的な観点から問題点やうまくいかないことの理由をうんざりするほど指摘します。
しかし、何事もやってみなければわかりません。
ある程度議論し、成功する可能性もあるものであれば、まずはやってみる勇気が必要です。
アメリカ生まれのコンビニエンスストア「セブン・イレブン」も、当初は日本では成功しないと理論的に言われていました。
しかし、まずやってみました。
確かに問題点も出ましたが、それらを乗り越えて日本でも大市場を作り上げたのです。
マクドナルドも主食が米である日本人には、ハンバーグ入りのパンなど売れるわけがないとみられていました。
理屈なしでまずバカになって死に物狂いでやってみることです。
行き詰ったら、その時考える!
言葉の省略はやめよう
インターネットや携帯電話の普及によってか、特に固有名詞をできるだけ省略する傾向があります。
聞いた方は、新しい経営手法なのか、何かの英語名なのか、聞きなれないその言葉を不思議に思います。
その省略言葉の意味をわかっている人同士で使うのはいいのですが、知る余地のない人にも平気で頻繁に使ってはいけません。
うっかりすると、顧客の前で相手の会社の名前を省略形で申し上げてしまうなどの大惨事に・・・。
そんなことにならないよう、日ごろから気を付けたいものです。
常にまわりの人に感謝の意を表そう
ほとんどの人が職場の人間関係で苦しんでいます。
理由はさまざまですが、多くの場合、上司や先輩、同僚、部下など誰かと馬が合わないから。
なぜ合わないのでしょう?
価値観や考え方、生き方、性格、育ちが違うからでしょうか?
かえって違うバックグラウンドの方がうまくいくものなのです。
実は人間関係でうまくいかない本当の理由は、あなたが相手を認めないし、相手もあなたを認めないからです。
つまり嫌い同士になってしまっているからです。
では、どうやったら尊重し合えるのでしょう?
それは意外に簡単です。
常時感謝の意を表すことです。
考えてみましょう。
常にあなたに感謝してくれる人をそもそも嫌いになりますか?
そんな人を無視する気になるでしょうか?
かえってその人に感謝の念を持つし、好きにもなるでしょう。
ですから、職場でいい人間関係を作りたかったら、周りの人に絶えず言葉で感謝の気持ちをしっかり伝え続けることです。
たとえ些細なことでも、何かしてもらったら、心から感謝の意を表しましょう。
その感謝の気持ちを表現するタイミングは、早ければ早いほど誠意が伝わります。
すぐやりましょう!
嘘だと思ったら、すぐ試してみてください。
昨日まで敵だったはずの人が、急に味方になります。
感謝の意を表すということは、相手に対してそれだけ協力かつポジティブなインパクトを与える「特効薬」です。
言葉ではなく行動と結果のみ信用
よく「必ずやります」「大丈夫です」と堂々と言う人がいます。
しかし、結果が出るまで、そんな言葉を信用してはいけません。
(おお、若者向けのビジネス書って、怖いな!)
それが本当かどうかその人の行動を見ていればわかります。
言っていることが本当にできるのであれば、細かい裏付けや根拠となる情報が出せます。
聞いても出ないようなら、「根拠のないただの自信」。
万が一そんなものを当てにしていると、あとで大失敗になります。
提案するなら、言ったことが現実化するかどうかで、その人の真価が問われています。
肝に銘じて「有言実行」をしましょう。
誰に対しても平等に
日本では、人種による差別は他の国に比べれば少ないのですが、その分立場や性別、職業などの違いでの差別が指摘されています。
上司に対する態度が丁寧で、部下に対する態度は雑になり、そして毎日事務所を掃除してくれる清掃業者さんにはどうでしょうか?
誰に対しても平等に接することができる人は、どんな人でも尊敬できる人です。
どんな違いがあっても、相手を認めて尊重できる「寛容の精神」は、これからのボーダレスで多様性の時代において、なくてはならないものです。
今日も1日お疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。