レオナルド・ディカプリオが主演した映画『インセプション』は、人の夢に侵入して「記憶を植え付ける」というストーリー。
この映画はSF的なフィクションですが、記憶の植え付けは、まんざら不可能ではないそうです。
今回のキモは「どちらに注目するのか」。
こんばんは、ラブです。
記憶は操作できる
私たちは日常的に自分にとって都合のいい記憶を自分で選択し、自分で記憶を塗り替えているともいえます。
たとえば学生時代。
いじめられた側はいじめられたことを一生忘れませんが、いじめた側はすぐに忘れてしまいます。
その反対に、小さいころに受けた家庭内暴力の体験を大人になってまったく覚えていない、ということもあります。
このように私たちの「記憶」は、都合よく加工されているのです。
つまり、私たちは自分「記憶」を選択することができます。
記憶を上書きすることも、削除したりすることも自由自在なのです。
自分の思い出が「楽しい」思い出でいっぱいになれば、それは楽しく幸せな人生です。
「苦しい」「辛い」思い出でいっぱいになれば、それは不幸な人生になってしまいます。
たとえ全く同じ人生であったも、どの体験を記憶に残すかによって、幸せになる人もいれば、不幸になる人もいるのです。
大切なのは、私たちは自分の記憶を自分で選べるということ。
つまり私たちは、自分の人生を選べるということです。
あたたは、「幸福な人生」と「不幸の人生」のどちらにしますか?
自分の記憶を書き換える~植え付け記憶術
「幸福な人生」と「不幸な人生」で「不幸な人生」を選ぶ人はいないはずなのに、無意識のうちに「不幸な人生」を選んでしまう人がいます。
誤解を恐れずに言うと、それは精神科の患者さん達だと著者は言います。
精神科の患者さんたちは、気づかないうちに「苦しい」「辛い」体験の植え付けを自分自身でしてしまうのです。
過去を思い出せば、「嫌な思い出」だらけ。
楽しいことは一切思い出せない。
それならば、病気にもなってしまうでしょう。
患者さんが2週間ぶりに外来にくると、ここ2週間の「調子が悪かったこと」「苦しかったこと」「辛い症状」を、とにかく必死に話すそうです。
その言葉に真摯に耳を傾けるのが名医と思われがちですが、それは間違いだそうです。
それで診察を終えてしまうと、「苦しい体験」をますます自分に植え付けているのと同じことになってしまいます。
一生懸命聞くことで、かえって病状を悪化させることも可能性としてはあるのです。
著者も、まずは患者さんの苦しいところを聞きます。
しかし、その話はほどほどにして、ここ2週間で「調子のよかったこと」「できるようになったこと」「以前と比べて改善したこと」を聞きます。
そして、「楽しかったこと」についても自由に話してもらいます。
そして締めくくりは、「少しずつ症状は改善しているようですね」。
患者さんの苦しい体験を聞き出して言語化することで、記憶の強化になまってしまいます。
だから、傾聴するだけだと、苦しい体験をあらに植え付けることになりかねません。
そこで、それ以上に「楽しい体験」について聞き出すことで、
「私は具合がよくなっている」
「今週は、辛い症状が意外と出ていなかった」
「少しずつ直っている」
という印象を強くした状態にもっていくのです。
「悩み相談」は、実はストレス解消にならない
著者はカフェで仕事をしています。
いろんな話が耳に入りますが、よくあるのは女性の失恋話。
2時間もずっと同じ話が続き、結論も出ません。
女性はスッキリした顔で店を後にしましたが、おそらく彼女は翌日、別の友達に同じ話をするでしょう。
「苦しい体験」を話すと精神的にラクになる、ストレス解消になる。
そう思っている人は多いのですが、残念ながらそれは間違いだと著者は指摘します。
「1、3、7記憶術」であったように、1週間に3回復習すると記憶に残ります。
友達に失恋の話をする、というのは「復習」そのもの。
彼女はまさに「1、3、7」のタイミングで友達に話します。
ですから、ありありと、生々しく、長期にわたって失恋の思い出が記憶され、そう簡単に忘れることができなくなってしまうのです!
恐ろしい!
ストレス発散は1回だけ~1回法
それでも、人に話してスッキリしたいことは、失恋や仕事上の失敗などたくさんあります。
その場合は、「1回だけ話して、後は忘れる」ようにすることです。
今日仕事で、こっぴどい失敗をしたとしたら、同僚と飲みに行って、その話を徹底的に吐き出して発散する。
それで、その体験はさっぱりと忘れてしまうことです。
翌日、その話を蒸し返すのは絶対やめる。
1回で終了するのです。
そして、次!と頭を切り替えてしまう。
仕事のミスも失恋も、長期記憶にするなんて、とんでもないですよ。
「忘れる」ために「お酒」の力を借りるのも理に適っていると言います。
「お酒」というのは記憶力を低下させるので、付き合い方には注意がとても必要です。
しかし、「嫌な体験」を話すときには、「記憶の減弱効果」が得られます。
徹底的に話しても、お酒に酔って強烈に記憶されるリスクを減らせるのです。
「嫌な体験」を1回だけ話して、きれいさっぱり忘れる。
これは効果絶大です。
しかし、普段から「1回で忘れる」を習慣にしていないと、本当の効果は得られません。
訓練ですね。
でも、手に入れられたら最強のスキルではないでしょうか?
SNSを使って「幸せ」になる方法
「楽しい記憶」を植え付けるためには、今日あった楽しい出来事をSNSに投稿するのがとても有効です。
Facebookをやっている方はすでに実践しているかもしれません。
友達との楽しい飲み会、おいしい食べ物の写真、旅行先での美しい風景。
ものすごい感動体験でなくても「プチ楽しい」体験で十分なのです。
Facebookで他人の「楽しい投稿」「幸せ投稿」を見ると、腹が立ったり、いやな気分になる、という人も多いようです。
成功している人、ハッピーな人の投稿をみて、「おめでとう。よかったね」と思う人と、「うらやましい」「悔しい」「腹が立つ」と「ひがみ」「羨望」「嫉妬」モードのリアクションをする人に分けられます。
気持ちに余裕がない日は、ちょっぴりしんどかったり。
「おめでとう。良かったね」と言えるときは、そうした人たちに対してたちょっとしたリスペクトの念を持っているもの。
うまくいっている人をまねたり、そこから学んだりしようとする発想が自然とわいてきます。
結果として、無意識にモデリングして自分も「うまくいっている人」にドンドン近づくのです。
「ひがみ」「羨望」「嫉妬」モードに入ると、相手に対して精神的ブロックがかかるので、そこから学ぼうという気持も湧きあがらず、引きずり降ろそうという不毛なエネルギーを費やします。
その発想は「成長」につながらないので、現状から抜け出すチャンスを自ら逃してしまっているのです。
誹謗・中傷・不満・悪口投稿が大好きな人は、そういう投稿を毎日のようにすることで、「ネガティブ」コレクターとしての才能を伸ばしています。
結果として、「自分の不幸」探しの名人にもなってしまうのです。
そんなの、もったいないですね。
「楽しい」ことと「辛い」ことのどちらに注目していくかによって、自分自身にポジティブな記憶を植え付けるのか、ネガティブな記憶を植え付けるのか、180度変わってくるのです。
自分の人生は選択できる、とアドラー心理学でも言っていました。
自分の人生や今の生活を「幸せ」と解釈するか、「不幸」と解釈するか決定するのは、どこまでも自分自身なんです。
誰かに決められたり、環境や収入、地位や名誉が決めるのではない。
今、私たちが幸せかどうかは、「私たち」が心の中で「今」決定することですね。
人は誰しも「ぼんやり」していると悪い方向へものごとを考えてしまいがちな生き物だと仏教などではいいます。
だからといって、それに引っ張られていては、気がつかないうちに「ネガティブコレクター」になってしまいます。
自分の心がネガティブに傾いたら、それを観察して
「そっか、今日は疲れているのかな?」
なんて受け入れて、客観視したりして、ポジティブな気持ちをとりもどしたいな、なんて思います。
自分で自分の人生を「不幸」まみれにするなんて、もったいない。
学生時代を「ネガティブコレクター」で過ごしたワタシなので、もうあの泥沼には戻りたくないですね。
意識して毎日のちょっとした幸せを集めていこうと思います♪
今日も一日お疲れさまでした。
楽しい夢が見られますように!
では、また。