テーブルにコップを置く。
ドアを閉める。
エレベーターのボタンを押す。
こんなありふれた動作が、美しくも醜くもなります。
たとえば、ガチャリと受話器を置くのではなく、相手が切ったのを確かめ、ゆっくり静かに置く。
電話の場合だとマナーとして身につけている人が多いかもしれません。
でも、あらゆる場面に同様の静かなしぐさをとりいれるのは、とても贅沢なこと。
静かなしぐさ
駅でよく観察してみると、自動改札をICカードで通過する仕方も、人それぞれですよね。
力いっぱいたたきつけるように、パーンとやる人もいれば、かるくタッチするだけの人もいます。
高性能なシステムですから、どちらでも事足りるのですが、しぐさとは人それぞれで、その人を表すもの。
びっくりするような音を立てて改札を通過した人が、電車に乗り込んだとたん、どさっと空いたシートに腰を下ろし、隣に座っていた人が振動でびっくりしてちらりと見る・・・こんな光景もめずらしくありません。
マナーやルールは人から与えられるものではなく、自分でつくるもの。
たとえ電車の中でガムをかむことが禁じられていなくても、「人前でくちゃくちゃやるなんて、自分にふさわしくないこと」と控えるのが、自分にプライドを持つということ。
しぐさはまた、その人の心模様を映し出します。
無意識にがさつにふるまうときは、誰でも疲れていたり、心が荒れていたりするものです。
著者がとくにしぐさを観察する対象は、自分自身。
仕事や考え事に押しつぶされそうな夜、マンションのエレベーターのボタンをたたくように押す自分がいたら、「いけない、いけない」とつぶやきます。
静かなしぐさをしているかどうかが、自己チェックのものさしになります。
荒れているようであれば、自分で自分をやさしくひきもどしてあげる。
一人のときも、人目にさらされているときと同じ、気品ある静かなしぐさを保ち続けること。
これがいちばん難しくて、いちばん美しいことだと思います。
パソコンを打つとき、ドアの開け閉め、部屋の中を歩くとき、ひそやかさを持つこと。
静けさと優雅さは、たしなみとして、あなたを成長させます。
手足をいつくしむ
手先やかかとがかさつきやすい季節ですね。
でも、手をきれいに保つことは、信用につながりやすいのも事実です。
営業職が汚れた手をしていたら、粗野な印象を持たれ、仕事が雑な人かととらえられかねません。
手は体の中で、人とのやり取りを担う部分だからです。
「この手に触られたくないな」という印象を持たれてしまうと、何かと困る職種の場合は特に。
仕事柄荒れてしまうことも多い時期です。
爪の手入れ、ささくれなどは、最近はケアするクリームも多種多様です。
この季節だからこそ、手をよく洗って、通勤途中やスキマ時間にクリームをこっそり塗ると、きちんとした印象をそれだけで作ることができます。
これだけでも、自分の身体をいつくしみ、健康に気を付けていることになります。
外でがんばって働いている人は、特に手先に出ます。
外仕事を休むわけにはいかないのなら、せめてあなたの手をケアしてあげませんか。
軍手の下にハンドクリームを塗っておくと、仕事終わりにちょっと笑顔になれたりしますからね。
風邪をひいて、夜お風呂に入れない日も、手足を洗って眠るとすっきりしたりするものです。
きちんと手入れされた手でいると、男性でも女性でも自信が持てますし。
今年はリップスティックのような大きさのものも、たくさん見られるようになりました。
ポケットにひとつ、ハンドクリームをしのばせるのも、冬の楽しみのひとつです。
冬の夜は、あたたかいものを食べたり、お風呂に長湯するのが、とてもうれしいですね。
今日も1日がんばったあなたを、たくさんいたわってあげてくださいね。
では、また。