増やしたら、減らす。
ごくシンプルなこのやり方が、ていねいに生きる秘訣。
新しいものをひとつ手に入れたら、部屋のなかにあるおのを1つなくす。
そうすると、いつも余白がある暮らしとなります。
「ものを所有することや趣味を持つことに対しても、恋人に向き合うのと同じ態度が必要」
そんな考え方もあります。
暮らしの引き算
「新しく好きになった人ができたら、今付き合っている人と別れる」
こんな真摯な気持ちを、日常の随所でもちたいものです。
何人もの人と薄いつきあいをするより、1人の人に、気持をささげたいという願いは、人に対しても、モノや趣味に対しても同じ。
なぜなら、数の限られた選ばれた物だけ持っていれば、1つ1つを宝物のようにいつくしむことができるからです。
著者は、ギターの練習を始めたとき、それまでけっこう好きだった自転車を処分しました。
「趣味はたくさんあるほうがいい」というイメージは、よく言われることであても、普遍のルールではないと考えています。
実際に試してみると、いっぱいいっぱいにならず、自分のなかに新しいものを取り入れる余裕ができました。
モノや趣味や言葉を持ちませんが、気持をささげれば、こたえてくれるということかも。
今の状態からどんどん引き算することも、毎日に余白を増やすコツです。
たとえば、ドライクリーニング。
あるとき、ふと思いついて、季節ごとに服を買うのをやめて暮らしたことがあるそうです。
1年どとまったく何も買わず、これまで持っていた服だけで過ごしたのですが、なんら不自由はなく、むしろ心地よいものだったそうです。
その後、必要な服だけを買うようになってから、「ドライクリーニングをしなければいけないような服はやめよう」と決めました。
こうすれば日常から「ドライクリーニング」という要素を1つ引き算できます。
よく言われますが、テレビなどは引き算にぴったりだと思います。
ニュースは新聞で分かりますし、テレビで得ていた気分転換や楽しみは、自分の力で絶対に見つかると著者は信じています。
増やしたら、減らす。
増やさなくても、減らす。
風通しがよい自分でいれば、軽やかに歩いて行けます。
「足りない病」を治す
著者には、なにがあっても口にしたくない言葉があります。
それは「お金がない」と「時間がない」。
「趣味を持とうにも、お金もないし、忙しくてそんな時間が取れない」
と言う人は、あなたの身近にもいるかもしれません。
食材を買う、勉強する、旅に出るお金がない。
料理をする、ゆったりする、勉強をする時間がない。
無造作にこんなことを言ってはばからない人は、自分をすこやかに保つことを、はなからあきらめている気がします。
なぜなら普通に仕事をし、普通に生活しているのに「お金も時間もない」というのは、ある種の病気、いわば「足りない病」だと解釈しているからです。
もちろん不慮の事故や病気、身内に何かあったとき、「大金が出てお金がない、看病に忙しくて時間がない」というならわかります。
しかし普通に生活しているのにお金も時間もないというのは、別の話。
きちんとした食事、リラックス、学び。
これらを成しえるために、ものすごい大金やありあまる時間は必要ありません。
ちょっと豊かになり、ほんのひと手間かけるためのお金や時間は、いかようにも工面できるのが、すこやかな状態だと思うのです。
もし、ちらりとでも思ったら、「足りない病」かもしれません。
風邪を引いたとき生活態度や食習慣を見直すように、「足りない」と思ったら「自分の生活をふりかえるサイン」かもしれません。
「足りない」と言うことは、何か原因を人のせいにする怖い行為でもあります。
「足りない」を禁句にすることで、新たな打開策が見えてきます。
年末だけど、ワタシの片付けが進んでいないのは・・・「時間が足りない」から・・・ではない・・・です・・・。
「ちょっとずつ、日ごろから片づける習慣をつける!」
と1月に目標を立てた気がします。
まだ、間に合うので、とりあえずこの瞬間にちょっとカバンの中から片付けてみようか
な。
今日も1日、お疲れさまでした。
ゆっくり休んで、すてきな夢を。
では、また。