猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

目標も感染する!?~『スタンフォードの自分を変える教室』

ひとは自然と相手の心を読んでいます。

何をしているんだろう、と社会脳が推測します。

あの女の人は何で相手の男性に怒鳴っているんだろう?

あの店員、もしかして自分に気があるの?

そうやって想像をめぐらすことで、私たちは他人の行動を予測し、人付き合いでの失敗を避けようとします。

それも、自分自身や周りの人を社会的な脅威から守るためです。

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「目標感染」が起こる条件とは?

しかし、このように無意識に相手の心を読むことによって自己コントロールに副作用が生じます。

つまり、いつのまにか自分も相手と同じ目標を抱いてしまうのです。

心理学者はこれを「目標感染」と呼んでいます。

 

研究でも明らかになっている通り、誰かの目標に感染したせいで自分の行動が変わるのは、非常にありがちなことです。

 

ある実験では、春休みの間ずっとバイトに励んだ学生に関する記事を読ませただけで、学生たちはお金を稼ぎたくなりました。

この学生たちは少しでもお金を稼ごうとして、以前よりも熱心かつスピーディーに実験の手伝いをするようになりました。

 

また、バーで女の子をひっかけた男の話を読んだ男子学生たちは、自分たちも同じように行きずりの行為をしたくなり、実験室に顔を出した魅力的な若い女の子にやけに新設に対応しました。

 

別の実験では、マリファナをやる友人のことを考えた大学生が自分もハイになりたくなった、あるいは逆にタバコを吸わない友人のことを考えた学生はタバコへの興味が減った、という結果も出ています。

 

さて、こうしたことはあなたの自己コントロールにどのような影響を与えるでしょうか?

うれしいことに、目標が感染するのはあなたもある程度経験のあることだけです。

タバコを吸わない人は、友達がタバコを吸っても、ニコチンが欲しくなりません。

しかし、他人の行動を目にしたせいで、それまでは欲求を感じても行動には至らなかったことを、急にしたくなることがあります。

 

意志力に関する問題を巡って、つねに相反するふたつの欲求がせめぎあっています。

いまを楽しみたいのはやまやまだけれど、将来も大事。

上司に怒りをぶちまけたいけど、クビは困る。

買い物をパーッとしたいけれど、借金は困る。

そんな葛藤に苦しんでいるとき、誰かが目の前で自分がやりたいことを実際にやっているのを見ると、欲求のせめぎあいのバランスが崩れます。

 

目標感染には、ふたつのタイプがあります。

自己コントロールが感染する場合もあれば、自分を甘やかそうとする誘惑が感染することもあります。

 

しかし、私たちは誘惑の感染に対してはとりわけ弱いようです。

一緒にランチを食べている相手がデザートを注文すると、目先の楽しみに飛びつこうとする友人の欲求が、あなたの欲求にをつけ、体重を減らすという目標を覆してしまうかもしれません。

クリスマスプレゼントをどっさり買い込んだ人を見かけたとたん、あなたの胸にも思いがこみ上げて、節約の目標など頭から吹っ飛んでしまうかもしれないのです。

意志力の実験:意志力の「免疫システム」を強化する

他人の欲求が必ずしも自分に感染するわけではありません。

ときには誰かが誘惑に負ける姿を見ることで、逆に自己コントロールが強くなることもあります。

あなたがダイエットに必死に向かいつつも食欲を感じている場合、大事な目標を脅かす行為をしている人を見ると、あなたの脳は厳戒態勢になります。

すなわち、脳は最も重要な目標をあなたに強烈に意識させ、目標を投げ出さないための戦略を編み出します。

心理学者が「反作用的コントロール」と呼んでいるもので、あなたの自己コントロールを脅かすものに対する免疫反応だと思えばよいでしょう。

他の人たちの欲求に対する免疫反応を強化するには、1日の初めに数分間、自分自身の目標について改めて考えるとともの、どんな誘惑に駆られたら目標をおろそかにしてしまいそうかも、念のため考えておきましょう。

自分の目標を改めて思い起こすことは、他人の持っている金からあなたの身を守ってくれるワクチンのように、あなたの心構えを一層強化し、望ましくない欲求が感染するのを防ぐ助けになります。

ルール違反の形跡が自制心を低下させる!

私たちは、スナック菓子を食べたいとか買い物をしたい、誘惑をしたいなどのありがちな(?)欲求よりも、ときにはもっと何気ない欲求に感染することがあります。

 

オランダのフローニンゲン大学の研修者らは、たまたま通りがかった人々を対象に実験をおこなった結果、このことが現実にさまざまな状況において確認されました。 

実験の下準備として、マナーの悪い人たちがいたような”形跡”を仕込みました。

「駐輪禁止」と大きく書いた看板のすぐわきのフェンスに自転車をチェーンでつないだり。

「ショッピングカートは店内に返却してください」と表示のあるスーパーの駐車場にカートを置きっぱなしにしたり。

この研究でルール違反も感染することがわかりました。

他の人の真似をして、フェンスに自転車を括り付け、カートを置き去りにしたり、ごみを投げ捨てていく人も何人かいました。

このように、ほかの人がルールを無視して好き勝手にふるまった形跡を見ると、私たちも衝動に負けやすくなります。

つまり、誰かが悪いことをするのを見ると、自制心が低下してしまうのです。

 

誰かが税金をごまかしているのを耳に挟んだ人は、ダイエットをさぼりたい気分になるかもしれません。

制限速度をオーバーした車に何台も追い抜かれたドライバーは、少しぐらいお金を使いすぎたってかまわないような気分になるかもしれません。

さらに、ルール違反の痕跡を見るだけで、自分もそうしたい気分に感染してしまう恐れがあるのです。

意志力の実験:「鉄の意志を持つ人」のことを考える

自制心が強い人のことを考えると、自分自身も意志力が強くなることが研究によってあきらかになっています。

あなたのチャレンジに関して、模範となるような意志力の強い人はいますか?

同じ問題に取り組んで成功した人や、ぜひ見習いたいと思うような意志の強い人はいますか?

著者の口座で意志力の強い模範的な存在としてよく例にあがるのは、卓越したスポーツ選手や宗教指導者、政治家などですが、次に説明する通り、家族や友人のほうがさらにモチベーションがアップするかもしれません。

 

もう少し意志力を強くしたいと思うときは、お手本にしたい人のことを心に思い浮かべましょう。

そして、あのひとならこんなときどうするだろうと考えてみるのです。

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意志力のチャレンジにかかわることがピンチになったら、「あの人のようになりたい!」と思う目標になる人を思い描くこと。

それだけでも意志力を強くすることができるんですね。

一緒にやってみませんか?

 

風邪などひいていませんか?

あたたかくして、よく休んでくださいね。

では、また。

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