誰かの役に立てた!と思えた時の、胸の真ん中が暖かくなりますね。
でも、はたと思い返して「こんなの自己満足だ・・・」など思ってしまったり。
しかし、この「思いやりの気持ち」というのは、心と身体の健康にも必要なものです。
18世紀ドイツの哲学者イマヌエル・カントは、「道徳的価値のある行為は義務感から行われるものである」としています。
とすると「自分の利益のために何かすれば、道徳的行為にはなりえない」ことになります。
カントと同様に多くの哲学者や宗教は、「自己犠牲が道徳の源である」と唱えました。
そう考えるならば、自分の利益のための行動は、必然的に他者の利益を侵害することになります。
利己的傾向を押しとどめなければ、他の人を傷つけ、その人たちが望んでいることを無視することになります。
しかし、自分の利益と他者の利益のどちらかを選ばなければならないという考え方は間違っています。
人を助けることと自分のために行動すること。
この2つは相反するのではなく、密接なかかわりがあるのです。
つまり、他者の役に立つほど、私たちの幸福感は大きくなっていきます。
そして自分が幸せになればなるほど、さらに他の人のためにも何かしたいと思うようになるのです。
与えることと受け取ることは1枚のコインの裏表のようなもの。
あなたは、気軽に人のために何かをしてあげられますか。
そして、人の行為を抵抗なく受け取ることはできますか。
アクション:「思いやりの瞑想」をしてみましょう
静かな場所で、イスまたは、床の上に足を組んで座ります。
首と背中をまっすぐにし、心地よい状態を意識。
目を閉じても開いてもOK。
鼻や口から深く息を吸い込んで、心を落ち着かせます。
お腹の底まで空気を吸い込んで、ゆっくり息を鼻や口から吐き出します。
誰かのために思いやりのある行動をし、感謝された時のことを思い出し、心の目でその人の反応を思い返しましょう。
それから、自分の感情をじっくり味わい、幸福感が広がっているのを感じます。
他の人のうれしそうな反応と自分自身の感情をじっくり味わいながら、自分のためにすることと人の役に立つことの間にあるニセモノの壁を打ち破ります。
次に、今後、人とのかかわりの中でできることを考えましょう。
友人にアイデアを教えてあげることや、愛する人に花を贈ること、子供に本を読んであげること、支援している団体に寄付すること。
そうした思いやりの行動がもたらす深い幸福感を体感しましょう。
思いやりについて定期的に瞑想することは、心と身体の健康を増進させ、私たちをさらに思いやりの深い人間にしてくれます。
哲学者であり思想家のラルフ・ウォルドー・エマソンは言っています。
「心から人の役に立とうとすれば結果として自分自身のためにもなるということは、人生におけるもっとも美しい報酬の形である」
「自分が過去に感謝された時のことやその相手を思い出す」なんて、少し気恥ずかしさを感じます。
が、やってみると確かに「もっと親切な人間になりたいな~」という気持ちがわいてきました。
定期的にやったら、気持ちが強くなりそうな気がします!
楽しい気分になれますので、一瞬試してみては。
今日は少しは休めましたか?
夏に向かっていくこの時期、休憩はしっかりとってくださいね。
では、また。