猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『私のすべてを私が許可する”眠りのセラピー”』七海文重

私たちは潜在意識にある人生の脚本通りに生きています。

もっと軽やかに生きていいのに、なぜか自分の生き方に強いブレーキをかけてしまったり。

どんなに努力しても満たされない思いをいつも抱えていたり。

パートナーをなぜか疑わずにはいられずにいたり。

 

意識には「自覚できるもの」=顕在意識と、「自覚できないもの」=潜在意識がありますね。

自覚できない潜在意識は、意識全体のフィールドを100としたら、97%を占めています。

そうした97%の潜在意識に強く影響される私たちは、人生のほとんどを実はこの無意識下にある潜在意識によって動かされています。

その潜在意識により、ときに私たちはおかしなブレーキになやまされることがしばしばあるのです。

マイナスの潜在意識は、子供時代に作られることが多い

自分を否定することにつながったり、生きづらくさせている潜在意識を「マイナスの潜在意識」と呼ぶことにしましょう。

マイナスの潜在意識の原因は、ほとんどの場合、なかなか自分では探し出すことができないそうです。

セラピストである著者のもとに相談に来る人々は、自身が問題と思っていること(「主訴」)と、本当の「問題」は違っていることがほとんどだそうです。

問題は多くの場合、記憶の底に埋もれている子ども時代に端を発します。

 

クライアントさんの悩みの多くは、

「理由はわからないけれど、うまくいかない」

「自分を愛せない」

「自信がない」

「自分を否定する気持ちが湧き上がってくる」

「自分の可能性をあきらめたくない」

というものだそうです。

その原因が子供時代の親との関係にあったことがわかったとき、ほとんど例外なく

「まさか!あんな昔の親との出来事が原因になっているとは思わなかった」

と言うそうです。

ではなぜ、親との関係があなたの人生の脚本に影響するのでしょうか。

 

その理由は、子供にとって親は絶対的で、かつ最も愛すべき大切な存在だからです。

子どもは先入観がないので、親が発するものにストレートに素直に受け止めてしまいます。

私たちの価値観の9割は親の影響によって作られるといわれているほどで、子供が成長するにしたがって、さらに影響は大きくなります。

 

赤ちゃんは、自分が愛され、守られ、慈しまれ、世話されることが当たり前です。

そしてまた、「自分には〇〇ができない」というネガティブな先入観も持っていません。

だから、何度転んでも、必ず立ち上がって歩き出しますし、「歩けない」なんて心配はみじんもなく、「必ず歩ける」と信じています。

 

しかし、成長するにつれて、親の顔色をうかがうようになります。

「うちの子は聞き分けがいい」

「おとなしくて手がかからない」

と親が思っていれば、子供は無意識のうちにそれを感じ取り、親が喜ぶようなふるまいをするようになります。

両親の仲が悪いと、それを「自分のせいかもしれない」と思って自分を責めてしまったり、わざと自分が問題を起こし、両親が協力し合い距離を縮めるように仕組んだり。

そうやって親の役に立てる自分の役割を人生脚本の中で演じるようになっていくのです。

 

著者は平凡ながらも穏やかな環境で育ち、あまり問題がないと思い込んでいました。

しかし、心理学の勉強を始めてから、

「そういえば私は、いつも明るく元気なしっかり者でいなければならなかった」

ことを思い出しました。

3人姉妹の真ん中で、姉と妹は体が弱く、著者だけが近所のガキ大将。

そんな著者を姉妹はうらやんでいましたが、親にかまってもらえなかったとずっと思っていました。

進学も就職も留学も一人で決め、ホームシックになっても親に心配をかけまいと、電話をかけることもありませんでした。

実はひきこもっていたときでさえ、遠く離れた親に愚痴ひとつこぼせませんでした。

朝、突然起きられなくなり、救急車で搬送されたとき、母親がかけつけ、

「どうして今までなにも言ってくれなかったの?」

と泣き崩れたそうです。

そこには、

「自分はしっかり者でなければならない」

という思い込みがありました。

無意識に受け取っているネガティブルール「禁止令」

たとえばあなたが子供のころに、

「お行儀よくしないと連れていきません」

「男のくせに泣いちゃダメ」

「ひとりで公園に行っちゃだめ」

「ごはんの前にお菓子を食べないの!」

など、禁止の言葉を親から冷たく言い放たれたり、怪訝な顔で言われたり、知らんぷりをされたりしたことはないでしょうか?

親のそんなささいな言葉や表情は、生存本能によって子供は必死になり、禁止令を守ることで親の愛を得ようとします。

 

主な禁止令は次のとおり。

1 存在するな

2 成長するな

3 自分の性であるな

4 子供であるな

5 重要であるな

6 成功するな

7 所属するな

8 健康であるな

9 親しくするな

10 感じるな

11 考えるな

12 実行するな

13 欲しがるな

 

こんなひどい言葉をそのまま浴びせられることはないにしても、親の表情や声のトーン、しぐさ。雰囲気から子供は勝手に感じ取るものです。

 

たとえば3の「自分の性であるな」は、

「男の子(女の子)が欲しかったのに」

「女の子は小さい時からませている」

など、親がふともらした言葉がきっかけになり、

「自分が女の子(男の子)であることは、親を悲しませている」

という思いや罪悪感で現れることが多いそうです。

甘えたいときに親が忙しく、そっけない態度をとられた子供は、勝手に「拒絶された」と勘違いし、9の「親しくするな」という禁止令を自分に課して、甘えることが苦手になってしまうこともあります。

 

もうひとつのネガティブルール「拮抗禁止令」

子どものときに無意識の中に入ってくるもうひとつのルールがあります。

ネガティブルールの「禁止令」に拮抗(重なって)かかってくる禁止令。

いわゆる「しつけ」と称され、良かれと思って親が言っているストレートなメッセージです。

そのなかには「ドライバー」と言われる、言葉通り、その人を「操る」もの。

「そうでなければならない」と無意識に焦りを生み、人生を駆り立てます。

いつも追われているような焦燥感が強く、心から安らぐことがありません。

 

1 完全であれ

2 強くあれ

3 一生懸命にやれ

4 急げ

5 他人を喜ばせよ

などが代表的。

これにより私たちは幼児のうちに「こんな風に生きていこう!」と決定します。

これを「幼児決断」と言います。

幼児のうちに生き方を決めるなんて驚きですが、子供が禁止令を自分に課すのは、親の愛情を得たいからです。

子どもは一人で生きられず、親の愛情を得られなければ「死」を意味します。

幼児決断は、生き抜く欲求と親への深い愛情です。

それゆえに、人生全般において強い拘束力を持ち、影響し続けるのです。

 

この「幼児決断」をもとに、私たちの潜在意識は「人生の脚本」を作ります。

本来の自分と違う別の自分を演じることに違和感を覚えて、生きづらさを感じることが多くなるのです。

人生がうまくいかない人の多くは、育ってきた環境の中で身に着けた否定的な価値観(禁止令)を無意識に繰り返しています。

 

この禁止令から解放されるには、これからの人生に向かって再び新しく決断し直す「許可」が必要なのです。

幸せを許可するために、ネガティブな感情を認めよう

スピチュアルや自己啓発の世界では、「ネガティブなことをポジティブにとらえ直そう」という風潮があります。

著者自身、脳科学量子力学の考え方から大賛成です。

でも、一方で、ネガティブを悪のようにとらえ、

「ネガティブな感情を持ってはいけない」

「私はネガティブな考え方はしない」

と強く思いすぎる必要はありません。

 

自分が自分を認められないと、ほかのだれかに認められようと必死になります。

該当する人がいたら、

「この人ならわかってくれる」

と過剰な期待で心がいっぱいになります。

 

まず感情を満たすことで、自分のベースが作られる

このブログを読まれるあなたは、向上心があるはず。

なので、「自己実現を果たしたい」と思われていると思います。

よく言われるマズローの「欲求5段階説」を思い出してみましょう。

「下の欲求が満たされると、次の欲求が現れる」というものですが、現代社会では、下の欲求が満たされていないのに、「自己実現」を求められてしまう傾向があります。

 

①生理的欲求:食欲、睡眠欲など

②安全欲求:身の安全、誰かに守ってもらいたい、安心したい

③社会的欲求:家族友人、職場での共同体の一員になること

④承認欲求:尊厳欲求。自分を自分で評価したい、他社からも評価されたい

自己実現欲求:自分の潜在意識に持っている欲求を開花させ、自分らしく生きたい

 

まずは、土台となる欲求を満たしていくことも大切です。

まずは自分を愛し、信頼できるようになることが大事です。

本当の感情を満たしてこそ、本当の意味で自己実現の欲求を追い求めることができます。

自分に安心を与えられるのは自分だけ

ネガティブな感情も含めて、

「こんな自分もありなんだ」

「これも私」

と安心を与えられるのは、自分をおいてほかにはありません。

 

過去の傷を癒せるのも自分だけ。

自分の感情に共感して、その気持ちをわかってあげられるのも自分だけです。

 

人が孤独にさいなまされ、

「自分は思い通りに生きていけない」

「何をやってもうまくいかない」

と感じるのはなぜでしょうか。

それは、

「自分は思い通りに生きてはいけない」

「うまくやってはいけない」

と、自分に対して思い通りに生きていいという許可を出していないからです。

根底にある悲しみや不安やおそれという感情があるからです。

 

自分を許すと本当の自分の望みが見えてきます。

 

パーミッションセラピー

そうしたクライアントさんたちに著者が行っているのが「パーミッションセラピー」。

「幸せになる許可」に特化したセラピーです。

その手法は、次の通りです。

①カウンセリング

クライアントさんと2人だけの部屋でゆっくり話を聞きます。

このセラピーの目的は過去を癒すことでなく、「最高の自分を発揮できる本当に望む人生」への行動変容。

すべての過去を語る必要はなく、リラックス状態に導いていきます。

②潜在意識へのアクセスを準備

クライアントさんに、ゆったりした椅子に体を預けてもらい、目を閉じてもらいます。

心も体もリラックス状態に導きます。

 

脳の周波数を意図的に下げるため、草原や海など自然の中の心地よいイメージをしてもらい、潜在意識にアクセスしやすくします。

イメージングが大事なのがパーミッションセラピーです。

イメージングといっても、視覚、聴覚、触覚など、人によって優位な感覚が違います。

「好きな場所にいるイメージを持つ」は、初心者でも視覚的なイメージをしやすいので、リラクゼーションとイメージングの練習の意味合いも兼ねています。

③クリティカルファクターがゆるみ、潜在意識に入っていく

自分が好きな場所にいるイメージがうまくできると、心も体もリラックスして呼吸が自然と楽になってきます。

心も体もリラックスると、クリティカルファクターがゆるみ、潜在意識への入り口が開かれた状態です。

 

呼吸のペースが整ったら、暗示とともにセッション開始。

聞かれたくない内容を答えさせられるということは、ないそうです。

顕在意識もちゃんと働いているからです。

 

数ある記憶の中から、たったひとつの場面を選び思い出すのは、その場にクライアントさんの感情に訴えかける何かがあるから。

その場面の状況、そこに登場している人たちの様子や表情、そのときの本人の気持ちなど、さまざまな角度から質問し、セッションを進めます。

その過去の自分をもう一人の自分が見ているというように「メタ認知」によって、当時の自分とは違った視点で状況を客観視してもらいます。

さらにその背後にある「その当時の自分の感情」にアプローチします。

 

④ふたをして抑圧していた感情が出てくる

思い出された場面の背後にある当時の自分の感情を思い出すと、連想ゲームのように自然と当時のさまざまな出来事が思い出されます。

この段階でクライアントさんの心の、奥深くに押し込めていた感情が臨場感いっぱいに浮かび上がってきます。

 

悲しかった、深く傷ついた、わかってもらえなかったといった負の感情であることが多く、それらの思い出が禁止令や拮抗禁止令として、心の中におもりであるように残っていることが多いのです。

「当時は仕方なかった」

「今なら理解できる」

と折り合いをつけて、頭では終わらせているつもりの出来事がほとんどです。

しかし、本当は「置き去りにされたまま、今も満たされない過去の感情」が存在します。

 

それを今、言葉にすることが大切です。

脳は過去も現在も未来も区別なく、「今」しかありません。

過去のその傷も「今」のことだと錯覚し、対峙しているととらえています。

 

「あのとき、私は傷ついた」

「とてもつらかった」

「悲しみで心が張り裂けそうだった」

「もっと私を見てほしかった」

など、なんでもいいので、その感情を感じ切ります。

置き去りにしていた未完了の感情を満たし完了させ、自分の中で過去を終わらせてあげます。

⑤未完了の感情を手放し、幸せを受け取る許可を出す

長きにわたって縛られてきた禁止令や拮抗禁止令は、つらく苦しくともクライアントさんの一部のようになってしまっているので、手放す覚悟をするためにに時間がかかることもあります。

その場合は、根気よく「未完了の感情」にアプローチして、その人にふさわしい幸せや豊かさを受け取る「許可」を出していけるようにします。

 

著者がこのときクライアントさんに繰り返し言うのは、「自分に許可を出せるのは、自分だけ」ということです。

周りの人がどんなに優しくあなたに、

「あなたは頑張ったから、もう十分だよ」

と言ってくれても、子供のころからの禁止令を「許可」できるのは、あなただけ。

⑥大人の自分が傷ついたままの子供の自分に寄り添い、自由にしてあげる

過去の思いを言葉にできると、

「今、言いたいことをちゃんと伝えられた」

と脳は錯覚します。

 

さらに傷ついた自分を癒すために、大人になったクライアントさんが、子供時代の自分と対面するイメージをしてもらうこともあります。

そのとき、目の前の小さな自分にかけてあげたい言葉をかけてもらいます。

感情が昇華されずに残っているのは、子供時代に

「こうしてほしかった」

という思いが満たされていないからです。

そのときわかってほしかったのに、悲しみと心の傷は残っているのです。

 

脳が過去と今を錯覚している状態を利用して、自分で過去の自分に「わかったよ。悲しくてつらかったね」と寄り添い、癒してあげる。

そこで、過去の自分も今の自分も統合されて癒されていくのです。

⑦潜在意識にアファーメーションを入れていく

心の傷をいやし、くすぶっていた「未完了の感情」が昇華されます。

すると、潜在意識がクリアになり、「新しいもの」「良いもの」を受け入れるスペースの余裕ができます。

潜在意識にたくさん、本当の望みやいい情報をインプットして、あなた自身の無限の可能性を信じられるようにしましょう。

 

効果的なのは「私は〇〇します」というふうに、自分の意志を宣言するアファーメーションを使うことです。

 

「私は私にふさわしい豊かさを受け取ることを自分に許可します」

というアファーメーションを潜在意識に入れていきます。

 

潜在意識は、最初のうちは元の状態に戻ろうとしますので、3~4週間の短いうちにまたセッションをうけることを勧めているそうです。

 

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。