猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

『本当に必要なものはすべて「小さなバッグ」が教えてくれる』横田真由子

グッチの販売スタッフだった著者。

その後キャリアカウンセラーとして12年で延べ3000人と会ってきました。

そのなかで著者が見つけた、大事にすべきことは、「小さなバッグ」。

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最近ワタシも、本書を読んで通勤バックを軽くすることを心掛けるようになってから、気持ちがとても軽くなりました。

家の中のミニマリズムは、家族もいるからなかなか進みませんでした。

だから、自分のバッグの中身だけミニマリストにしてみたのです。

 

本書には

「小さいバッグを持つと、身軽になって出かけたくなります」

「小さいバッグを持っているときの方が、自由度が断然増すからです」

とありました。

やってみると全くその通りでした!

 

 

ワタシがまずバッグから減らしたのは、500ml2本分の水筒です。

いつも1本も飲みきれないくせに、「もしも通勤途中でのどが渇いでも大丈夫なように」と重い水筒を2本持っていました。

でも、1本も飲み切らない日がほとんど。

だから、1番お気に入りの水筒にその日の気分のハーブティのティーバックだけを入れて、オフィスでお湯を注ぐことにしたのです。

それから、次に減らしたのは、持って帰っても見返したりしないのに、どうしても心配で持ち帰りたくなっていた書類、暑さ1センチのファイル1冊分です。

さらに無駄に大きい手帳も、ワンサイズ小さくしました。

それだけでも、1キログラムくらいのかなり肩の負担がなくなりました。

 

帰り道にはバッグが軽い分、電車の中で自分の好きな本のページをめくる余裕ができ、帰り道もリラックスタイムになりました。

 

「おお、これがミニマリストの気分なのかも?」

オフィスを出た瞬間から、マスクの中は笑顔になります。

少ない荷物なので、すぐイヤホンを取り出せるようになりました。

1歩会社から出ると、しっかりオフモードに突入できるようになりました。

 

著者の友人には、こんな人もいたそうです。

その人は通勤時、乗り換えに便利だからと、いつもきまって3両目の電車に乗っていました。

でも、小さいバッグに替えたある日、ふと、「今日は1番前の車両に乗っていつもは見ない景色を見てみようかな」と思い立ち、乗ってみたそうです。

するとそこで以前から素敵だなと思っていた人にばったり会い、雑談するうちに一緒に食事をすることになったというのです。

もしいつもと同じバッグを持っていたら、彼女はいつもと同じ3両目の車両に乗っていたでしょう。

会いたい人にばったり会えた、ということもなかったのです。

 

チャンスをつかむには、直観に従って行動することも大切だと著者は言います。

「チャンスの女神は前髪しかない」とよく言われるからです。

通り過ぎてから気付いて振り返っても、もう掴むことはできません。

直観を磨くには、決断を早くすること。

決断を早くするには、身軽であることが必要なのです。

 

豊かな人生は小さなバッグから始まる

大きなバッグには心配と義務感が詰まっている

グッチの販売スタッフを経てキャリアカウンセラーをしていた著者が、悩めるビジネスパーソンと会っていて気づいたことは、「頑張りすぎる女性は、バッグが大きい人が多い」ということだったそうです。

パソコン、書類など仕事に必要なものから、のど飴や折り畳み傘、カーディガンやエコバッグなど万一の時に備えたものまで、すべてチキンと準備して持っていないと、なんとなく心配なんです。

 

かつての著者もそうだったのです。

誰かの手を煩わせてはいけない、1人でなんでも解決しなければと、必要以上に方に力が入っていた、と著者は振り返っています。

 

「あの人はがんばり屋さんだね」

「あなたがいてくれると助かるよ」

という言葉にはげまされ、1人でなんでもできるのがすごいことなんだと思っていたそうです。

でも、がんばればがんばるほど、バッグはどんどん大きくなり、肩にかかる重みはぐいぐい増していきました。

 

それでも弱音を吐かずにがんばって、アルバイトから史上最短の3年でチーフになりました。

人からも褒められ、自分でも努力が認められ、自信がつきました。

そして過去の著者はさらに走り続けました。

1人で結果を出すことにこだわり、部下にも自分と同じように励むよう求めました。

部下がたいして努力もせずに「できません」「わかりません」と言うことが許せませんでした。

バッグが大きくなるにつれて、著者は孤独感を抱えることになりました。

 

そんなある日、上司とお客様択へ訪問することになりました。

せっかちで歩くスピードが速い上司に、著者は緊張しながら小走りでついていきました。

電車に乗るため、いざ改札を通ろうとしたとき、大きなバッグに詰め込んだ荷物の中にパスケースが見当たりません。

無造作に投げ入れたのは覚えていました。

バッグの中を手でかきまわしながら、イライラした上司を見ながら冷や汗が出る著者。

焦るほど見つからず、結局1時間に2本しかない電車に乗り遅れてしまったのです。

ホームではお互い口数が少なく、上司も著者もずっと量販店の看板を眺めていました。

 

これが小さなバッグだったら、人を待たせることもなかったし、自分が焦ることもなかったのです。

この時、

「こんなにたくさん持って歩く必要があるのかな?」

とふと思ったのです。

 

持ちすぎる不幸

当時の著者は、衝動買いで仕事のストレスを発散し、毎シーズン大量のお金をファッションにつぎ込んでいました。

ものがほしいのではなくて、「買った」という達成感を味わいたくて、次から次へと買っていたのです。

クローゼットも洋服でぱんぱん。

特に靴が好きで、下駄箱に入りきらない靴は、狭い玄関を埋め尽くしていました。

 

当然、いざというときに着たい服はなかなか見つかりません。

奥の方から引っ張り出して着ようとしても、ハンガーからずり落ちていて、シワシワ。

靴は手入れができていないので、雨ジミが残ったままです。

高い値段の物を手に入れても、きちんと手入れをして大事にするという姿勢がなく、決して豊かには見えませんでした。

パスケースが見つからずに電車を逃してしまったのは、こんな生活の積み重ねの結果だったのです。

 

お気に入りの椅子と数冊の本だけで暮らしたい

そんなとき、あるお客様の言葉が、著者に新しい「ものとの付き合い方」を教えてくれました。

「もし20平米で月々10万円の家賃なら、1平米あたりの床は5000円でしょう。

毎月5000円も払っている床に、これを置く価値があるかを考えてごらんなさい」

 

あわてて家に帰った著者は、必要になるかもしれないからと買ったけれど使わなかったものや、安いから買っておこうと衝動買いをしたもので部屋がいっぱいになっていることに気づきました。

日常生活ではほとんど手も触れないもので、著者の部屋はあふれかえっていたのでした。

 

客様からもらった言葉のおかげで、著者は引っ越しを機にたくさんのものを手放しました。

思い出が詰まった大切な品だけを残して、持っているのを忘れていたとか、1年以内に使わなかったもの、気に入ったけれどサイズが合わなかった服などは、思い切ってリサイクルに回しました。

最初は後から後悔しないかな?と心配していましたが、杞憂でした。

 

クローゼットには余裕があり、自分が何を持っているのか一目で把握できるようになりました。

服が少ないと、このコートにはこのカバンが合う、このスカーフがいい、などひとつひとつの品物の特性をきちんと覚えておけるので、朝に着る服が決まらなくて何度も着替えるなんてこともなくなります。

自分の気に入ったもの、大切なものだけをしまっておけるので、ていねいに手入れをしようという気持ちも起きてきます。

 

新しい家具を買う時にも、1万円も払っている床に、気に入らないランプを置くくらいなら、何も置かず空間を楽しむ方が心地よい、と感じるようになりました。

 

こうして自分の選び抜いたものだけに囲まれるようになると、さて、ゆとりある空間で、何をしようかとワクワクし始めました。

自分にとって何をしているときが一番幸せかと考えてみると、座り心地のよい椅子に長時間座り、好きな本を読むひとときでした。

 

そこで、空いていた窓辺の一角に、椅子と数冊の本だけのコーナーを作ってみました。

人によって心地よいスペースは様々。

著者にとってはこのシンプルな場所が何よりも心地よく、この一角だけの持ち物で、いつでも移動できたら自由だな、快適だな、と思えたのです。

 

本当に必要なものは、ごくわずか

今の時代、出先で「これがない」と思っても、たいていのものはコンビニエンスストアなどで手に入ります。

もちろん仕事の時は小さなバッグでは資料など入りきらないので、著者も大きなバッグと小さなバッグを併用しています。

でも、バッグの中でパスケースが見つからずあたふたすることはもうありません。

いつも必要なものしか持ち歩かないので、なにが入っているかきちんと把握できるからです。

 

身軽になること。

シンプルに暮らすこと。

これらは、これからの時代に必須要素だと著者は言います。

「これだけでいい」と選択して最小限、必要なものだけで暮らすことはあなた自身の気持ちも自由にしてくれます。

それは他者を助ける余裕になるかもしれません。

小さなバッグは身軽さの証

「甘えることができなくて損ばかりしている」

「こんなにがんばっているのに見返りがない」

キャリアカウンセラーを続ける中でこんな悩みを何回も聞いてきました。

そんなとき、著者はいつも

「ためしに週1回だけ、小さなバッグを持ってみてください」

とアドバイスしています。

 

たくさんのものを持ち歩いている人は、人の気持ちに敏感で、空気を読み、先回りします。したがって、自然と準備する者も多くなり、荷物も重くなります。

あれこれ持っておかなければと考えるからです。

「できるまで1人でやらないと」

「相談をしないで一人で決めないと」

「自分がしっかりしなくては」

責任感があり、信頼される人ほど、たくさんの物を持とうとします。

けれども、その結果、あまり重要でないことに忙殺され、自分の大切にしたいものに手間をかけるための時間すら奪われていることが多いのです。

 

「小さなバッグ」=「有限なあなたの人生」に入るものはごくわずか。

1人ですべてのものを持つことはできません。

だからこそ、何を入れるのか慎重に精査する必要があるのです。

小さなバッグを持つためには、持ち歩くものを見直す必要があります。

それは、1日のなかでなにをやるのか考え直すことにつながっていきます。

そしてそれは、限られた人生の時間の中でなにをやりたいのかを見つめ直すこと。

優劣順位をつけて、有限であるバッグの中身を選んでみると、おのずと自分の価値観が見えてくるはずです。

今週もお疲れさまでした。

ゆっくり休んでくださいね。

では、また。