「ごきげん」になるか「不きげん」になるかを、「感情のリストアップ」や自分の「表情・態度・言葉」で少しずつコントロールすることができるようです。
こんばんは、ラブです。
結果を出す人は、「心」を大事にしている
脳が勝手に行っている「意味づけ」によって、人間は知らないうちに「不きげん」に心の針が触れてしまいがちだということを、昨日勉強しました。
本著では、アスリートを対象にメンタルトレーニングをしているスポーツドクターが「心のつくり方」をアドバイスしています。
人間の社会では、いつも「結果」を求められます。
それは、人間の脳の働きには「認知」があり、外側の世界をつねに判断し、評価し、結果を予測して行動を選択するからです。
私たちは、この社会の仕組みと脳のこの昨日から逃れることはできません。
しかし、結果をもとめることは、私たちをとても疲れさせます。
仕事で結果がなかなか出なくて、つらいと感じている人も世の中に多いでしょう。
しかし、私たちは「結果」を考えて行動することに慣れてしまいました。
たとえ趣味や楽しみで何かやっていても、「今月中に〇スコアで回る」とか、いつもの癖で目標を設定してしまうのです。
確かに結果を得る喜びは大きいし、魅力的です。
でも、結果というのは、本来自分ではコントロールできるものではありません。
アスリートの世界ではベストタイムで泳いでも、もっと速く泳ぐ選手がいれば優勝できません。
だから、結果だけを行動の軸、自分のモチベーションにしていると、不安になって心にストレスがかかります。
心にストレスがかかると、心の針が「不きげん」のほうに傾いてしまいます。
そして心が不きげんになると、パフォーマンスが落ちるという法則が働きます。
パフォーマンスが落ちると当然結果は出にくくなって、さらに心が「不きげん」になって、ますますパフォーマンスがおちる・・・という悪循環に陥ってしまうのです。
これを著者は「結果エントリー」の生き方と呼んでいます。
一方、心が「不きげん」に傾くと、パフォーマンスが下がると気づいている人は、まず心の状態を整えることから始めます。
心を大事にすると結果が出るということを知っているのです。
この生き方を著者は「心エントリー」と呼んでいます。
まずは心をフロー化させる生き方ということです。ストレスはグッと減ります。
「嫌なことはしなくていい」とか「結果」はどうでもいいというわけではありません。
感情をリストアップして、「心の状態そのもの」に気づく
「心エントリー」は、心を大事にする生き方です。
そのためには、自分自身の「心の状態そのもの」に気づく必要があります。
著者は産業医やメンタルトレーナーとして企業に出向くこともあるそうですが、ビジネスマンたちに自分の感情に気づいてもらうのは一苦労だそうです。
彼らはふだんから認知の脳をフル活用して仕事しているので、習慣になっているそうです。
「今、どんな気持ちですか?」とたずねても、「ボーナスをもらった」などと結果を答えたりするとか。
「休みが欲しい」「プレゼンに勝ちたい」など、考えを述べたり。
「眠い」など、身体の状態を言う人も。
感情を書き出すことは、意外に難しいことなのです。
やってみると、いかに私たちが自分の心に注意を向けていないかがわかります。
だから、著者のワークショップでは、「感情に気づく力」をつける練習をしているそうです。
やることは、自分の気分や感情、気持ちを言葉にして片っ端からノートに書き出していくこと。
「眠い」「おなかが空いた」などの身体の状態ではありません。
「お金が欲しい」「仕事をやめたい」などは願望や考えなので、違います。
ここで大事なのは、感情そのものにはプラスやマイナスなどの意味をつけないこと。
感情に意味はありません。
どんな感情も”ただそこにある心の状態”です。
機械的にどんどん書き出していくのがコツです。
「イライラ」は、イライラであって、そこに「イライラは不快」「イライラはやめなければならない」とマイナスの意味づけをするのが認知です。
この練習で、感情に意味をつけたがる認知の脳の働きにも気づくことが大事です。
そして、感情をよく観察して、いろいろな種類や幅があることにも知ってほしいと著者は言います。
「こうならなければならない」という枠がなくなると、感情はよりごきげんのほうに傾けやすくなります。
さらに、感情に気づいただけでごきげんになっている自分にも気づくそうです。
次に、時系列の書き出しを著者は推奨しています。
朝起きた時から、寝るときまで。
たとえば、「10時:ワクワク」「13時:イライラ」・・・というように。
実践してみると、なかなか難しい作業だそうです。
「美味しいものを食べた」とか「ひとに嫌なことを言われた」など、いろいろあるでしょうが、すべて外側の出来事が原因で心が変化していることが分かるそうです。
残念ながら、外側の状況に接着している限り、心を持っていかれてしまう状況が延々と続きます。それによって行動の質が上下してしまうのです。
これをやっていると、いかに自分が外側の出来事に振り回されているかに気づいてびっくりするとか。
筆者が推奨する「ごきげん道」を歩くには、この状況から解放されるということ。
外側の出来事に関係なく、自分の心を作ることができるからです。
3つの道具であなたを「ごきげん」にする
あなたが持っている「ごきげん」になるための道具は、「表情」「態度」「言葉」です。
たとえば、雨がっていても、表情は明るく、前向きな言葉を使うと、目的地へ向かう足取りも軽快になるはずです。
こんなときはきっと、電車でおじいさんが前に立つと、「どうぞ」と優しい言葉で席を譲ったりできるのではないでしょうか。
つまり、表情や態度や言葉を変えると、行動も変わるのです。
私たちの表情や態度や言葉には、行動の質を高める力があるのです。
トップアスリートたちも、この方法を大いに活用しているそうです。
「ごきげん」を習得する仕組み
脳が新しいものを「習得」のプロセスには、5つの段階があります。
①知る(理解する)
②実践する(意識する・考える)
③感じる
④シェアする(話す)
⑤繰り返す
です。この文章を読んでいる時点で「①知る」です。
「②実践する」は、頭の中で「ただ考える」だけです。
私たちの脳は2~3%しか使われていないと言われています。
暇している98%くらいがあるので、ぜひ「考える」に使ってみようと著者は勧めています。
この「考える」は、「何を」「どのくらい」「どうやって」は問題ではありません。
自分で自分のきげんをとるために、ただ考えるのです。
理由は、「その方がごきげんになれるから」のひとつのみです!
例えばライフスキルに、「ありがたいと考える」というものがあります。
私たちは「お母さん、ご飯を作ってくれてありがとう」のように、感謝する相手と、感謝する理由があっての感謝をいつもしています。
でも、何も理由が無くても、様々なものに対して「ありがたい」と考える習慣を持つこと「ごきげん道」として有効な手段です。
「ありがたい」と考えることで、自分をご機嫌にする。
その体感のためだけに感謝してもよいのです。
③の「感じる」は、心の針がごきげんの方に傾くのを体感するということです。
「気分がよくなった感じ」「楽しくなった感じ」を得ることです。
そして「脳」にとっては、「ごきげんな感情」が唯一の「ごほうび」になります。
自分でごきげんを作り出せたということです。
脳も私たちと同様、ごほうびを貰えることが大好きです。
喜ぶと脳は自分で「ごきげんな感情」を増やすために、さらにごきげん道をきわめ、またごほうびをもらおうとします。
こんな風に「ごきげん」の連鎖する歯車がうまく回りだすのです。
④の「シェアする」は、自分が体感したことを人に話すということです。
「ありがたいと考えると、気分がよくなった」と自分の体感を言葉にすることで、よりはっきりと脳にその体感がごほうびとして定着します。
「へぇー、おもしろいね」とか「すごいね」とか反応が返ってくることもあるかもしれません。
自分の体感と合わせて、ごほうびが2倍になるのです。
世の中には不きげんな人が多いので、あなたが「シェア」すると、「不きげん」な反応をしてくる人がいます。
でも、あなたの心まで不きげんに持っていかれそうになった時こそ、「実践する」に戻って自分のごきげんを取り戻してください。
習得のプロセスの最後、⑤段階目は、①から④を繰り返すことです。
毎日の当たり前の生きる営みの中に、ライフスキルが浸透していくということです。
たくさんごきげんになって、たくさんシェアしましょう。
意識して「ごきげん」になるためのスキル。
ちょっと春に向けて必要だったのでトライです。
桜の蕾も膨らんできましたね。
陽射しも強くなってきました。
ゆっくり休んで、良い夢を。
では、また。