数多くのセミナー参加者のサポートをしてきた著者は、気づいたことがあります。
それは、悩み多き人はイヤなことを鮮明に覚えている。
そして、成功者はソレを覚えていないということです。
寝る前に、反省はいらない!
著者のセミナーの人たちと話していてわかったことは、悩み多き人は、
「親にこんな風に育てられた」
「学生時代、友人にこんな陰口をたたかれた」
「上司がこんな仕打ちをした」
と、いつまでも過去のイヤなことを引きずっていました。
一方、いわゆる成功者と称される人たちは、
「ご苦労もあったんですよね?」
と尋ねられても、
「え?いや、好きなことをしているうちに、ココまで来ましたよ」
などと、過去のイヤなことを感じさせない答えが返ってきました。
なぜこんな違いが出るのでしょう。
その答えは「脳の仕組み」。
人間が、もしもすべての出来事を記憶してしまうと、脳はパンクしてしまいます。
だから、「海馬」が眠っている間に、「残しておく記憶」と「消す記憶」に整理しています。
だとしたら、寝る前に毎晩、1日のイヤな経験を振り返ったり、悪かったところを反省してはいけません。
海馬がその情報を鮮明に自覚してしまうからです。
笑い飛ばして寝てしまえば、イヤなことが長期にわたって記憶される心配がありません。
本著には、たくさんの「イヤなことを笑い飛ばす技術」が書かれています。
ちょっと参考にして、上手な脳の使い方をしてみませんか。
決勝戦の法則
大勢の人の前に出て話すのは、誰にとっても緊張することです。
ここぞ!というときに緊張して実力が発揮できず、トラウマになってしまうのもわかります。
「緊張→悪(ワルモノ!)」と思うからです。
でも、「緊張すること」って、本当に悪いことなんでしょうか?
「緊張しなくなること」って、本当に良いことなんでしょうか?
ここで著者は4つの質問を出しています。
Q1あなたは高校生で、甲子園を目指している野球部の選手である。
①練習でバッターボックスに立つ
②試合でバッターボックスに立つ
どちらが「緊張する」だろうか?
Q2試合では
①練習試合
②公式試合
どちらが「緊張する」だろうか?
Q3公式戦では、
①1回戦
②決勝戦
どちらが「緊張する」だろうか?
Q4決勝戦では
①地区大会の決勝戦
②甲子園の決勝戦
どちらが「緊張する」だろうか?
では、今の質問の「緊張する」の部分を全て「面白い」(または「楽しい」)に置き換えて、質問しなおしてください。
気づきポイント
「緊張すること」のほうが、ず~っと面白くて楽しそう!
つまり
「緊張することがたくさんある」というのは、
「楽しいことがたくさんある」ということ。
だったら、目指すのは
「緊張しなくなること」ではなくて、
「緊張を心から楽しめるようになること」。
「緊張は楽しい」
「もっと緊張すること、ないかな?」
こんなふうに思えるようになったら、緊張する場面でも、
「緊張してきた、くぅ~、楽しい。今が見せ場だ。ワクワク」と思えるはず。
そして、脳も自然にリラックスするから、頭の中が真っ白になることもなくなります。
決勝戦に出られない人生よりも、決勝戦の緊張を楽しめる人生のほうが、わくわくいっぱいの人生であることは間違いありませんよね。
すぐ緊張しちゃう人の人生は、毎日が決勝戦!イコール楽しみがいっぱいなのです!
「筋書きのあるドラマです!」の法則
プロ野球の試合のテレビ中継で、9回裏、ツーアウト満塁。
アナウンサは絶叫します。
「こうなることを誰が予想できたでしょうか?
野球は筋書きのないドラマです!」
こういわれると、とても盛り上がりますが、これはウソ。
視聴者にとってはドラマティックな展開ですが、これはどちらかのチーム監督が書いた筋書きのひとつにすぎません。
たとえば、「9回裏満塁のツーアウト。点差は1点」という場面で、いくら筋書きが無くても、石川遼君がバッターボックスに立って、ドライバーを振り回すことはありません。
たとえば攻撃側の監督ならば、考える筋書きは次のようなものです。
①代打で一打逆転を狙う
②次の打者が、三振で倒れて、試合終了
③ファウルで粘ったら、相手ピッチャーが乱れて、なんとフォアボールが2人続いて、押し出しで逆転サヨナラ。
ワクワクするドラマティックな展開も、野球ファンがしびれるような試合運びも、がっかりするエラーによる決着も、すべてはそれぞれの監督が描いた筋書きの1つでしかありませんね。
そして、野球だけでなく、日常生活も、人生も、そう。
気づきポイント
まったくの「筋書きのないドラマ」はこの世に存在しない
政権与党の国会議員でもないあなたが、
明日からいきなり総理大臣に任命されることはない。
残業中でボロボロのあなたを迎えに、
白馬に乗った王子様が、職場にやってくることはない。
元帰宅部の32歳のあなたのもとに、
プロ野球のスカウトがやってきて、契約金1億円をくれることもない。
助けたカメが自宅にやってきて、
竜宮城に連れて行ってくれることは、もちろんない!
あなたの人生は「筋書きのあるドラマ!」です。
将来を不安に感じてクヨクヨしている時間があるならば、あなた自身が、自分の人生の筋書きを作ってしまえばいいのです。
脚本家は、あなた自身です。
そして、うれしいことに、間違って書いてしまった筋書きも、書き直しは可能です。
人生はやり直しも可能ですからね。
有効期限は「諦めるまで」。
あなたの人生も、わたしの人生も、あの人の人生も・・・。
み~んな「筋書きのあるドラマです!」。
今日もお疲れさまでした。
眠る前には、楽しいことをいっぱい思い描いて、最高の夢を!
では、また。