昨日は、ストレスに対する反応というのは、「逃走・逃走反応」もありますが、「思いやり・絆」を深める反応を引き起こすときもある、ということを読みました。
「社会的つながり」を求める気持ちは、「闘争」「逃走」と同じくらいサバイバル反応と同じくらいのサバイバル本能だということです。
ストレスに対する考え方を自分の中で変えることにより、体に表れるストレス反応は大きく変わります。
「”自分よりも大きな目標”に”取り組む」「周りの人を支える」「ストレスや苦しみは人間ならだれでも経験するものだと考える」など、思いやりときずなを強めるマインドセットははぐくむことができるので、一緒に読んでいきませんか?
他者をいたわると「恐怖」が弱まり「希望」が強まる
進化論的な観点からみると、何種類もあるストレス反応の一つとして、「思いやり・絆反応」が備わっているのは、なによりも確実に子孫を残すために必要です。
小グマたちかを敵から守ろうとしているハイイログマの母親。
炎上する車体の中から息子の体を引っ張って助け出そうとしている人間の父親。
それらを想像してみてください。
こんなときにもっとも重要なのは、我が身の危険も顧みずに子供の命を守ろうとする強い意志です。
愛する者を守るために勇気を出すのは、危険を避けようとする基本的なサバイバル本能を、「思いやり・絆反応」によって抑え込む必要があります。
いざとなったらひるまずに、「絶対に何とかして見せる」という強い自信をもって、行動を起こさなければなりません。
自分の手には負えないなどと思ってしまったら、あきらめるしかありません。
恐怖で身動きができなくなったら、愛する者は命を落とします。
要するに、「思いやり・絆反応」は、恐怖を弱め、希望を強めるために生物学的状態のことです。
どうしてそのようなことが可能なのかを理解するには、「思いやり・反応」が脳にどのような影響を与えるかを注目するのがいちばんです。
これまで見てきたように、ストレスを感じると向社会性を活性化させる神経ホルモンのオキシトシンが大量に分泌されます。
しかし、それはあくまでも「思いやり・絆反応」の一部です。
「思いやり・絆反応」は、脳の3つのシステムを活性化します。
・社会的交流ケアシステム
オキシトシンによって調整されます。
活性化すると、思いやりが強まり、ひととのつながりを求め、相手を信頼する気持ちが強まります。
また、絆を強めたくなり、親しい人の近くにいたくなります。
さらに、このシステムは脳の恐怖中枢の働きを抑え、勇気を強めます。
・報酬システム(報酬系)
これが活性化すると、やる気が強まり、いっぽうで恐怖が弱まります。
ストレス反応が起こったときにドーパミンが大量に分泌されると、重要なことをやり遂げる自信を持つことができます。
さらに、ドーパミンは体の行動を促進し、プレッシャーのせいで動けなくなるのを防ぐ働きがあります。
・調律システム
このシステムが活性化すると、知覚や直感や自制心が強くなります。
そのため、なにをすべきかを瞬時に理解し、最大限の効果をもたらす行動がとれるようになります。
言い換えれば、「思いやり・絆反応」が起こると、あなたは思いやりが強まり、勇気が湧き、頭の回転が速くなるのです。
勇気と希望が湧いて、思い切って行動できます。
さらに、状況認識能力が高くなるので、懸命に対処できるようになります。
さて、ここからが面白くなります!
「思いやり・絆反応」は、子孫を守るために発達したものですが、体がこの状態になれば、どんな状況でも勇気を出すことができるのです。
そして、ここが最も重要なことですが、あなたが周りの人を助けようと決心するとき、体はいつでもこの状態になります。
誰かをいたわろうとすると、体は勇気が出る状態になり、希望が生まれるのです。
わたしたちも、今までの人生の経験として、「誰かを助けようとした瞬間、すごい力を発揮することができた」瞬間を感じたことがあるのではないでしょうか?
ワタシも、「ほかの人のため」である場面で、やけにスーパーマンみたいないつもの自分ではない力が出た覚えがあります。
自分のためのここ一番の場面ではなく、誰かのため、でした。
そんなに根本的に思いやりのある人間ではないことを自負しているので、なんとなく不思議でした。
が、そういう本能が社会生活を送るようにできている人間の本能として備わっているんですね~。
今日もお疲れさまでした。
ゆっくり休んで素敵な夢を。
では、また。