読んでいると今すぐプレゼンしたくなる、元気の出る1冊!
本著は、ジョブズが好んで行う3幕構成。
1幕は「ストーリーを作る」
ワクワクするようなストーリーの作り方を具体的に検討。
2幕は「体験を提供する」
ビジュアルとして魅力があり「買わなきゃ」と思ってしまう体験のヒント。
3幕は「仕上げと練習」
体の使い方、しゃべり方、服装などの検討。
構想はアナログでまとめる
スティーブ・ジョブズはデジタル世界で有名になった人だが、ストーリーを組み立てるときは紙と鉛筆という昔ながらの方法を使う。
ジョブズのプレゼンテーションは劇場型で、注目を集めて人々のうわさになり、多くの人に感動を与えるように考えられている。
ジョブズは、細かなところまで気をくばる。
説明に使うキャッチフレーズを書く。
スライドを作る、デモの練習をするなどはもちろん、照明のあて方まで。
適当にすませるものなどない。
そのジョブズが、まず、紙と鉛筆からスタートする。
これは、トップクラスのプレゼンテーションデザイナーが口をそろえて言うことである。
・・・・
アップルのプレゼンテーションを作っている人を含め、デザインの専門家はみな、プレゼンターは考えること、スケッチすること、筋書きを作ることに時間の大半を投入すべきだと言う。
・・・
くり返す。聞き手に訴えるのはストーリーである。
スライドではない。
・・・
アイデアを伝えるには絵がいい。
コンピューターではなく、ナプキンを使おう。
紙ナプキンの裏にスケッチしたアイデアが大成功につながったりするのだ。
救世主的な目的意識を持つ
宇宙に衝撃を与えることが僕らの仕事だ。 スティーブ・ジョブズ
人々をよりよい未来へといざなう
リーダーとは未来というものを明確にイメージしているものである。
ジョブズも、自分が描いたビジョンに突き動かされ、いてもたってもいられず、前へ前へと進んだのだろう。
伝道者と言うものは、世の中を救いたいという熱意によって新しい体験を生み出す。
「スティーブの話し方は、いつも、躍動的で圧倒的だった」という。
「僕らはコンピューターの使い方を変えたいんだ。
コンピューターの使い方を一新するようなすっごいアイデアをたくさん持っている。
アップルは世界一重要なコンピューター会社になるんだ。
IBMなんか比べ物にならない重要に」
ジョブズはコンピューターが作りたかったわけではない。
人の可能性を束縛から解放するツールを作ること
それが、ジョブズの胸で燃えつづける欲求である。
「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う
「びっくりするほどキレがいい」
ジョブズはいつも、単純明快で、直接的な物言いをする。
ジャーゴンをまぎれ込ませない
ジャーゴンとは業界の特殊用語であり、幅広い人々と自由に意見を交換する妨げとなる。
ジョブズのしゃべりにジャーゴンが登場することはほとんどない。
ジョブズはいつもやさしくくだけた言葉を使う。
「相乗効果」「原則中心」「ベスト・オブ・リード」など、意味があいまいなジャーゴンはジョブズの口からはめったに出ないが、社訓やモットーには山のように出てくる。
いずれもナンセンスな表現なのだが。
「うっそー!」な瞬間を演出する
事務所で仕事をして大判の茶封筒を見たことがない人はいないだろう。
普通なら書類の配布に使うと思うその茶封筒を見て、スティーブ・ジョブズは、聴衆を感動させられる瞬間が作れると思った。
そして2008年1月、「これがマックブック・エアだ」と話し始める。
「とても薄いので、事務所にころがっている茶封筒にはいってしまう」。
そういうと、ステージの袖へ行き、封筒をひとつ取りあげて、中からノートパソコンを取りだす。
過剰は歓声に包まれ、カメラのシャッター音とフラッシュの閃光でいっぱいになった。
生まれたばかりの赤ん坊を誇らしげに見せる親のように、ジョブズはコンピューターを掲げた。
1テーマに絞る
記憶に残る瞬間を演出するコツは、部屋を出た後も聴衆に覚えておいてほしいことをひとつだけ、ひとつのテーマだけに絞ること。
メモやスライド、記録を見返さなくても、そのひとつは聞き手が思いだせなければならない。
細かいことは忘れられてしまうが、感じたことは忘れられないものだ。
存在感の出し方を身につける
ジョブズが一番生き生きするのはステージ上。
無限のエネルギーを持っているのかと思うほどだそう。
このときジョブズが行うことは3つ。
アイコンタクト
ジョブズをはじめとする優れたコミュニケーターは、聴衆と視線を合わせることがとても多い。
スライドやメモを読むこともめったにない。
ジョブズもメモを使わないわけではなく、でものときには見えないところにメモを用意していることが多い。
・・・・
ジョブズがしっかりアイコンタクトを取れるのは、何週間も前からプレゼンテーションの練習をするからだ。
だから、各スライドに何が描かれているのか、スライドごとに何を言ったらいいのか、すべてを把握している。
ジョブズがしっかりしたアイコンタクトを取れる理由がもうひとつある。
スライドがとてもビジュアルだからだ。
言葉が書かれておらず、写真だけのことが多い。
スライド1枚に単語がひとつだけだったりする。
スライドをビジュアルにすると、情報はスピーカーが聴衆に伝えなければならなくなるのだ。
開いた姿勢
ジョブズはめったに腕組みをしないし、演台の後ろに立つこともない。
姿勢がいつも「開いて」いるのだ。
姿勢が開いているというのは、自分と聴衆の間に何もないことを意味する。
手ぶり
ジョブズはさまざまなしぐさでしゃべりを補強する。
昔は両手は体の両脇にたらすべきだとされていたし、今もそう教える人がいる。
なぜそう言われるようになったのかよくわからないのだが、ともかく、聴衆をがっちりとつかみたければ絶対にやってはならないことなのである。
・・・
ジョブズのようなすばらしいコミュニケーターはじっとしておらず、身ぶり手ぶりもよく使う。
これには理由があるとの研究もある。
・・・・
大事なポイントは手の動きで強調する。
ただし、ロボットのような動きになったりやりすぎになったりしないように注意する。
ジョブズの動きやクセをマネしないこと。
まがい物ではなく、自分らしくすること。
今日も1日お疲れさまでした。
夜くらいは、ゆっくり休んでくださいね。
では、また。