猫のメメとモエ

生命線があと10年分しかない!どうせなら、やりたいことに(あまりお金をかけずに)ちょっかいを出すことにした猫好きのブログ。メンタルトレーニング、自己啓発、一人旅、猫めぐり、山歩き、真剣な子育て、ジョギング、写真。その他いろいろ。

あなたがやりたいことを集中して考える~『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』グレッグ・マキューン

この休みを、ビル・ゲイツのように「本を読み、自分と向き合う日々」にしてみませんか?

あなたの「本質目標」を見直して、エッセンシャル思考で余計なものを断捨離して、あなたの人生そのものである大切な時間を、本当にあなたが使いたいことに注力しましょう。

もう、つまらない瑣末なことに時間を食いつぶされるのではなく、本当にあなたがやりたかったことに時間とエネルギーを投下し、やりたいことをやる人生を手に入れましょう。

 

今回ご紹介しる『エッセンシャル思考』。

読み込んでいくうちに、これは時間術でありエネルギーの使い方であり、やりたかったことに本気で向き合う覚悟の仕方や人との付き合い方を示した本だと感じました。

ワタシがいちばん今後の人生で役立てていきたい本書からのエッセンスとしては、大きく以下のふたつです。

 

①頼まれごとをしても相手に媚びてなんでもイエスと言わないこと

②自分の人生における「本質の目標」をいつも意識し、エネルギーをそれに注ぐこと

 

エッセンシャル思考では、あなたが「人生の中で本当に成し遂げたいこと」に、もっとフォーカスする具体的な方策を提示しています。

そのためには「断る」という、ときにタフな判断も正直たくさん必要になります。

しかし、あなたが毎日へとへとになるまで振り回される出来事。

それらについて、細かく振り返ってみましょう。

そうした瑣末な出来事は、本当にあなたにとって重要なことなのかどうか、今一度思い返してほしいのです。

 

そして、それらはどんなことなのか、自分の中で整理してみましょう。

誰がそれをやるように言ったのでしょうか?周りや職場、家庭、世間でしょうか。

実は私たちが日常で「やらなくちゃ」と時間をしていることの池畔は自分が本質的に求めていることとは違うことです。

 

あなたは、こんなブログをご覧になっているので、あれもしたいこれもしたい、と強い意欲と向上心をもっていると思います。

でも、せっかくの向上心を「世の中の多くの人がやっているから」とか「家族が求めているから」とか「仕事で必要だから」とか「世間の人はやるべきだと言っているから」などと、自分が勝手に思い込んでいることにすり減らさないでください。

あなたの素直な真面目さが、「頼まれたんだし、全部やらなきゃ」とあなたの心に悪魔のようにささやきます。

その瞬間、今日という日が中途半端に。

そして人生さえも中途半端に終わったまま、、、終了を迎えてしまいます。

 

あなたは周りの人のことを思って、多くの仕事を抱え込んでしまいます。

そしてあまりの仕事量に、心の中で思っていたやりたいことを実現できずにくたくたに疲れ果ててしまうこともあると思います。

時間が足りないばかりにクオリティが当然下がります。

すると、頼ってきたはずの相手にも失望されたりすることさえ起きてしまいます。

 

著者は、人生をそうした無駄な時間に費やしてはいけない!と繰り返し言っているのです。

 

本書はそんなあなたにとって本質的要素を見つけ、それを選び取る力をつけ、重要な仕事に集中して十分な成果を上げる手助けになります。

本当に成し遂げるべきものは、もっと本質的なことです。

どうでもいい雑事で終わる1日は卒業しましょう。

あなたはもっと元気で生き生きとした顔をして、胸を張って、自分がやりたいことに集中して生きることができるはずなのです。

 

あなたの人生を舵取り戻しましょう。

本当にやるべきことだけをやるために、「ノー」と言えるようになりましょう。

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エッセンシャル思考とは

仕事とは、やる気のあって能力がある人間のところに集まってくる生き物です。

だから今日もあなたは忙しいのです。

 

例えば、あなたが心をこめてひとつの仕事を立派にやり遂げたとき。

すると次の瞬間、「そのクオリティで次もよろしく!」と同様の仕事や用事、もしくはさらにグレードアップしたものごとが、しかも複数になって任されます。

しかし、初めのクオリティは「ひとつだけ任された」からこそ、できたこと。

 始めに提出したような群を抜くクオリティを「たくさんの仕事を抱えた状態」でできるのでしょうか?

いえ、それは難しい。だって、人間だもの。

しかし真面目なあなたは睡眠や休憩をちょっとずつ、やがて大半を削りながら頑張るようになります。 

そして、「たくさんの仕事を任された状態」をずっと続けていたことで、あなたは疲れ果ててしまいます。

睡眠時間も足りなくなる中で、集中力ももたなくなるのです。

限りあるエネルギーはさまざまなことに分散され、本当はあなたが一番重要だと思っていることに十分な時間も労力もかけられなくなるのです。

 

そこでエッセンシャル思考が大切です。

エッセンシャル思考は、あなたの選択をあなたの手に取り戻すための道のりです。

エッセンシャル思考の考え方

今までの考え方(本書では「非エッセンシャル思考」と呼ばれます)では、任された仕事は「みんな・すべて」やろうとしていました。

・やらなくては

・どれも大事なんだ

・全部をこなすにはどうしたらいいだろう?

そんな考えに囚われ、時間術などを使ってやっきになっている状態です。

 

それをエッセンシャル思考では、「より少なく、しかしより良く」と考えていきます。

・これをやろう

・大事なことは少ない

・何を捨てるべきか?

そうした視点でものごとを考えていきます。

エッセンシャル思考に基づく行動

今までは、やることをでたらめに増やしていました。

・たくさんのリスト

・差し迫ったものからやろう

・頼まれれば反射的に「やります」と返事

・期限が迫ってしまったら根性でやり抜く

というやり方です。

 

しかし、本当はやるべきことはそんなにたくさんありません。

エッセンシャル思考では、やることを計画的に減らしていくことが必要です。

・本当に重要なことを見定め

・大事なこと以外は断り

・あらかじめ障害になることは取り除く

こうしたやり方を手に入れたら、あなたはもっと自由に楽しく日々を活動できますね。

 

エッセンシャル思考の結果

今までのやりかたでは、結局仕事量が自分のキャパシティーをオーバーしていますから、結果何もかもが中途半端になります。

だから、

・振り回されている感じ

・何かがおかしいと感じ

・疲れ切っている状態

 にありました。

 

しかし、エッセンシャル思考に基づいて行うことで、質の高い仕事ができます。

・自分が自分をコントロールしていることを感じ

・判断力を取り戻して正しいことがでる充実感

・毎日を楽しんでいく感覚

これらを取り戻すことができます。

 

エッセンシャル思考とは

これらのエッセンシャル思考には、まず基礎となる考えが3つあります。

①私たちは、時間とエネルギーの使い道を自分で選ぶことができる

②世の中の大半のものはよく見るとノイズである。

 ※本当に重要なものはほとんどないので、よく見極めなければならない

③すべてを手に入れることは不可能だ

これらを常に頭に置いて考えていきましょう。

見きわめる技術

では、どの活動をあなたは人生の中心に考えるべきなのでしょうか?

あなたが十分な時間を当てるべきことを見つけるために、次の3つの問いをあなた自身に聞いてみてください。

①「自分は何が大好きか?」

②「自分は何がいちばん得意か?」

③「世の中の大きなニーズに貢献できるのは何か?」

 これら3つを輪にして描いたとき、3つが重なる場所にあるものは、何でしょう?

これらを見きわめるには、実はたっぷり時間が必要です。焦りはとにかく禁物なのです。

エッセンシャル思考の人はここで、時間をさいて、意見を聞き、話し合い、熟考します。 

大量のどうでもいいことのなかから、少数の本質的なことを見きわめていくためには、時間が必要です。

すぐに反応したりせず、ひとりでじっくりと考えるためには、時間をとるための勇気が必要です。

 

捨てる技術

周囲の人に認められたくて、何でも引き受けてしまうことがワタシはしょっちゅうあります!

でも、これはまさに「非エッセンシャル思考」と本書で指摘されるもの。

「できる人は『ノー』と言う」とピーター・ドラッカーは言っています。

うまく断るには、勇気と思いやりが不可欠です。

しかし、すべてを手に入れることは不可能なので、何かを捨てるしかないのです。

どれを捨てるのか?それを決めるのは誰なのか??

 

あなたです。

この選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになります。

細かくはあとで詳しく述べられています。

しくみ化する

仕事のプロジェクトを終わらせるにも、友達との集まりを企画するにも、がんばらなければできないと考えられがちですが、エッセンシャル思考のアプローチは違います。

努力と根性ではなく、すんなり実現できるしくみは作ることができます。

無駄な作業に費やす時間を減らした分、じっくり計画を立てて、事前に障害を取り除くいて、しくみ化していきましょう。

 

では、ここからエッセンシャル思考を手に入れるために必要なことを細かく読んでいきます。

見きわめる

エッセンシャル思考は、ここまで書いた通り実にタフな判断を迫られる考え方です。

まず、あなた自身が周りから大きな評価を得たり、充実感を強く感じて何かをやりとげた時のことを思い出してください。

きっと、あなたはその何かの課題にかなりの時間とエネルギーを投下したんだと思います。

その時のフロー状態を常に保つ、それがエッセンシャル思考。

それができるならば、あなたの人生はどんなにすばらしいものになるでしょう?

成功者たちというのは、そのフロー状態に自分でもっていった人たちです。

 

しかし、あなたは今、きっとたくさんの雑事や押し付けられ仕事などで目いっぱいになっているのではないでしょうか。

ワタシは仕事中心で、家族を後回しにしてきた人生でした。

しかし、本当にやりたかったことも、得意なことも、大好きな子どもたちと過ごす時間でした。

もっと早くエッセンシャル思考を知っていれば!と後悔するばかりです。

 

本書には、子どもをエリート校に入学させた夫婦が登場しています。

自分の子どもが小さい時にその子の本質を両親はを見きわめました。

そしてぜひ学ばせたい場所が見つかったのです。

しかし、ぼんやりと過ごしていたのでは、そこまで到達させてあげることはできません。

そこで両親二人は、「自分たちの趣味のサークルから退会し、子どもとの有意義な時間にあてた」の選択をしたのです。

その子との充実した時間は、趣味のクラブに所属する時間よりもずっと大切な濃密な時間として過ごせたと言います。

本当に必要な選択をしたことで、いちばん必要なものを手に入れることができたのです。

集中せざるを得ない時間を確保する

私は往々にして、「これ、頼んでもいいかな?」と上司に言われようものなら「はい、喜んで!」と居酒屋さながらに返事をしてしまいます。

しかし、この思考ゼロで反応しては本当に自分がやりたかった仕事に注力するなんてことは、日本人ならばなお難しい。

 

しかしそこでまず最初に大事なのが、「あなたが考える時間を取り戻す」ことです。

 

アイザック・ニュートン万有引力を主著の研究書の執筆に際して、2年間ほとんどひとりきりで引きこもっていたそうです。

ニュートンは集中するためのスペースを確保し、そこで孤独になって宇宙の本質を追究しつづけたのです。

著者も平日は朝の5時から午後1時まで絶対人に会わずに8時間ほんの執筆にあてているそうです。

完全に行うのはなかなか難しいそうですが、それでも効果は抜群。

想像以上の自由を確保できたそうです。

そして、仕事が早く進んだことはもちろん、生活のあらゆる面に余裕が生まれました。

本を読む時間を作る

マイクロソフト社創設者のビル・ゲイツも、1週間の「考える週」を定期的にとっていたことで知られています。

じっくりものを考え、本を読むための時間です。

マイクロソフト社が時代の寵児になり忙しさのピークにあったときも、ゲイツは年に2回ほど時間を作って、1週間仕事を離れていました。

ひとりきりで大量の本や記事を読み、最新の技術について学び、これからのことに思いをはせたそうです。

洞察。情報の本質をつかみ取る

ビル・ゲイツも本質と向き合う時間を作っていたように、あなたにも時間を作って洞察を深める時間が必要です。

あらゆる事実には、本質が隠されています。

しかし、長い話を聞いていて、ポイントを見失ったりすることは、よくありませんか?

情報に圧倒され、何をどうしたらよいかわからなくなる、ということはよくあることです。

 

ものごとを見きわめるのに大事なのは、

①大局を見るよう意識すること

②膨大な情報の中の大事なシグナルに意識を向けること

③洞察力を手に入れること

 ※洞察力のある目を持つには、

 ・日記意を書いて2~3か月ごとに読み返し、流れをつかむ訓練をすること

 ・現場に足を運ぶことを忘れないこと

 ・その出来事に対する知識を深めること

 ・問題を明確にするよう意識していること

  などで鍛えられます。

選抜、もっとも厳しい基準で決める

あなたのクローゼットを思い出してください。

クローゼットに「いつか着るかもしれない」というゆるい基準で服を置いていたら?

めったに着ない服であなたのクローゼットはあっというまにいっぱいになってしまいますよね?

これを「この服が本当に大好きか?」という基準に変えると、どうでしょう。

中途半端な服が消えるので、あなたはもっといい服を入れるスペースを手に入れます。

 

やるか、やらないかの決断も同じことです。

 

人はいつも消極的な基準でものごとを選んでしまうものです。

「上司に言われたからやる」「誰かに頼まれたからやる」、あるいは「みんながやっているからやる」。

ソーシャルメディアで多くの人がつながっている現在、「みんながやっているからやる」は、かなり危険です。

世界中の他人の行動が見えてしまう状況では、そんな基準を使っていたら、あらゆる瑣末なものごとに手を出す羽目になります。

絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである。

この基準を自分の仕事のスタッフに言い切れる自信がワタシ自身に今一歩ないのですが、これで仕事ができたら、本当にすごい。

今年、意識したいことです。

 

実は、選択の基準を厳しくすると、脳のサーチエンジンが精度を増します。

グーグル検索で「ニューヨークの美味しいレストラン」で検索すれば、広い範囲の検索結果が出ますよね。

しかし一方「ニューヨークのブルックリンで最高のピザ屋」と検索すれば、結果はかなり絞られます。

同じように「いい転職先」だと、脳のサーチエンジンは数えきれない検索結果を返してきます。

一方、もっと詳細に設定して「自分は何が大好きか?」「自分は何に向いているか?」「どうやって世の中に役立てるのか?」の3つで検索すると、答えは絞られます。

 

探検家のエンリック・サラも、そうやって自分のやるべきことを見つけました。

彼はもともとカリフォルニアの有名なスクリップス海洋研究所で教授を勤めていました。

しかし、自分のやるべきことはほかにあるべきだという気持ちを拭えずにいました。

そこで教授の地位を捨て、ナショナルジオグラフィックで働くことに決めました。

ところが、まだ違うと感じていました。

海洋学者ジャック=イウ”・クストーの驚異的な改定世界の映像を見て以来、「世界でいちばん美しい海にもぐりたい」と彼は夢見ていました。

ナショナルジョオグラフィック社で、チャンスが巡ってきたとき、本社を離れて探検家のポジションへと飛び込んだのです。

現在の彼の主要な仕事は、世界各地の知られざる海に潜ることです。

そうして彼は世界的に有名な探検家となりました。

それまでの彼のキャリアで得た膨大な知識や経験は、冒険するうえでの貴重な財産となり、コミュニケーション能力として役立ちました。

 

彼はこの仕事にたどり着くために、多くのチャンスをふいにしました。かなり心惹かれる話も我慢して、完璧なチャンスを手に入れたのです。

捨てる技術

本質目標を決める

捨てるためには、何が大事なのかわかっていることが必要です。

そこには、あなたの「本質目標」がクリアになっているかどうかが本当はいちばん大事なのです。

 

ふつうの人が持つ目標は、具体的ではあってもイマイチ人の心を動かさないような感じのいわば「四半期目標」。

しかし、あなたが人生を本当に充実させていくならば、いちばんに考えるべきは「本質目標」。

会社なら四半期目標に「昨年比5%の増益」の上に掲げられますね。

ワタシなどならば、「あと3キロ痩せたい」とか「来年までに〇万円貯金したい」など。

でも、あなたの人生における本質目標は何でしょう?

 

これを正しく決められると、その後の無数の決断が無用となりオートメーション化します。

本質目標に従って生きること、こうなる!

ネルソン・マンデラは27年間の獄中生活を通じて、人生の本質を見つめ続けた人物でした。

1962年に投獄されたとき、彼はすべてを奪われました。

家も評判も自尊心も、そしてもちろん自由も。

それからというもの、彼は本質だけを見つめ、そのほかのあらゆるものを切り捨てました。

自分の怒りや恨みさえ忘れました。

彼の選んだ本質目標は、南アフリカにおけるアパルトヘイトの撤廃だったのです。

その後あなたもご存知の通り、マンデラの人生は、私たちの世界に大きな遺産を残してくれました。

 

人生の本質目標を決めることは、容易ではありません。

勇気と洞察力を持ち、あなたの力を最高に発揮できる行動を見定めなくてはなりません。

そのためには、タフな問いに答えることが必要です。

トレードオフ(何かを手に入れたら、何かを失うこと)を直視し、本質から逸れたものごとを断固として切り捨てなければなりません。

厳しいけれど、やるだけの価値がありますね。

本当に明確な目標だけが、あなたや組織の力を最大限に引き出し、真にすぐれた成果を可能にしてくれます。

拒否する

さあ、ここからが大事ですよ?

あなたが時間と労力を確保するために、実生活でまずやることは、やるべきでないことに対して、頼んできた相手にノーと言うこと。

上手に断る方法は、著者はさすがの欧米人、いろんなバリエーションを具体的に知っています。

大切なことを知っていれば、自然とやわらかくすぐに拒否することができる

シンシアと言う女性が著者に印象的なエピソードを教えてくれました。

12歳の時彼女は父親との「デート」を約束していました。

しかしその当日、シンシアと父は父親の仕事仲間にばったり出くわしました。

数年ぶりの再会。

仕事仲間のその紳士は娘も一緒にと食事に誘ってきました。

シンシアはせっかくの時間が無くなることに、がっかりしました。

しかし、父親は娘にウインクして、娘との時間を優先させ、仕事仲間の誘いを断りました。

その出来事から、シンシアは父との間に永遠に切れない絆が生まれたのでした。

 

そのシンシアの父親は『7つの習慣』で有名なスティーブン・コーウ”ィーです。

この話はコーウ”ィー氏が亡くなって数週間後に著者がシンシアから聞いたそうです。

 

こんな急な決断を迫られたとき、ワタシなら、仕事仲間を優先してしまいそうです。

しかし、本当に重要なことを明確にしていない限り、私たちは葛藤に対して無力なままです。

タフな選択から私たちを守ってくれるのは、「自分にとって本当に重要なのはこれだ」という確信であると著者は言います。

上手に「ノー」と言う技術を身につける

現代マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーも、ノーと言う達人だったそうです。

彼は「ノーと言える人は仕事ができる」と考えていました。

周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスをひとは言ってしまいます。

相手を喜ばせるためだけに仕事を引き受けてしまう。

単にそのほうが気分がいいからです。

しかし、エッセンシャル思考ができている人は、そうした気分の良さは長続きしないことを知っています。

後悔するし、相手を恨んでしまうし、自分を責めてしまいます。

何かが犠牲になったことに気づき、ショックを受けます。

 

すべての依頼を断れと言っているわけではなく、本当に重要なことをやるために、本質的でない依頼を断る必要があります。

そのためには、上手なノーの言い方があります。

 

では、いくつかのコツと実例の紹介です。

判断を関係性から切り離す

断るときに、私たちはそれを頼ってきた相手との関係性の問題だと考えてしまいがちです。

しかし、お断りすることは、相手を拒絶することではありません。

この2つを分けて考えましょう。

関係性を切り離して考えた時、それを伝える勇気と思いやりが生まれてきます。

直接的でない表現を使う

「ノー」という言葉を使わなくても、ノーを言うことは可能です。

やんわりと断ることも、ときに必要ですね。

「声をかけてくれてうれしいのですが、あいにく手がいっぱいで・・・」

「生きたいのは山々ですが、時間があるかどうか・・・」

こうしたやんわりとした言葉のバリエーションを日ごろから持ち合わせていくことも大事ですね。

トレードオフに目を向ける

ここでイエスと言ったら、あなたは何を失うのか。

そのトレードオフに目を向けると、中途半端なイエスは言えなくなります。

我が子の塾のお迎えに行って貴重な子どもとのおしゃべりをするための時間が消えるのかもしれない。

家族や自分と向き合う貴重な時間を失うのかもしれない。

もっと別の価値あることに使う時間が無くなってしまうのかもしれない。

 

ガッツと根性で全部やってみよう、というのは「非エッセンシャル思考」です。

タイムマシンもどこでもドアも持っているわけではないのだから、すべてをやるのは無理なこと。

失うものを冷静に計算しましょう。

好印象よりも敬意を手に入れよう

断ったら確かにの場ではがっかりされます。

でも、短期的きまずさと引き換えに、相手の敬意を手に入れることができます。

うまく依頼を断ることは、「自分の時間を安売りしない」というメッセージになります。これはプロフェッショナルの証です。

 

有名なグラフィックデザイナーのポール・ランドスティーブ・ジョブズの依頼にノーを言ったことがあります。

1985年に立ち上げたNeXT社のロゴを探していたジョブズは、数々の有名企業のロゴを手掛けていたランドに連絡。

「いくつかロゴの候補を出してほしい」と依頼しました。

 

けれどもランドは、いくつも候補など出さない、とジョブズに告げました。

 

「仕事はしますよ。

それでも気に入らなければ、使わなくてもかまいません。

候補がいくつも欲しいなら、ほかを当たればいい。

私は、自分の知る限り思考の答えをひとつだけ出します。

使うかどうかの判断は、そちらでしてください」

 

そしてランドは「これしかない」という答えを出し、ジョブズを感動させました。

一瞬ジョブズも苛立ったらしいです。

しかしのちにジョブズはランドについて、これ以上のプロフェッショナルはいない、と絶賛しています。

自分の時間を安売りしないことは、プロフェッショナルの証です。

断り方のレパートリーを増やす

エッセンシャル思考を実践すると、とにかく断ることが多くなります。

上手な断り方は、ここでも紹介されています。

とりあえず黙る

気まずい沈黙を怖がらず、沈黙を味方につけます。

ゆっくり3つ数えて、それからあなたの意見を言う。

もう少しなれたら、相手が気まずくなって何か言うまでじっと待ってみましょう。

代替案を出す

先日著者はメールでお茶に誘われたとき、こう答えました。

「今は本の執筆で手一杯なんです。でも書き終わったらぜひご一緒させてください。

夏の終わりごろでどうでしょう?」

予定を確認して折り返します

ある著者の知り合いの女性は、有能であるがゆえに誰からも便利に使われていました。

非エッセンシャル思考の典型のような人で、能力があるものだから何でも引き受けてしまいました。

周囲の人もそれを知っているので、何かあると彼女に頼ろうとしました。

ストレスばかりが彼女に増えてきました。

そんな彼女の生活を変えたのは、「予定を確認して折り返します」。

いったん時間をおいて考えることで、断ることが容易になります。

その場でつい引き受けてしまうことがなくなり、彼女は自分のペースで仕事ができるようになりました。

どの仕事を後まわしにしますか?

上司からの依頼は断りづらいものです。

機嫌を損ねたら、どうなるかわかりません。

でも、無理な状況で仕事を引き受けると、結果はよけいに悪いことになります。

単にノーと言うのは難しいなら、上司にトレードオフを意識してもらいましょう。

「今かなり仕事を抱えているので、これを無理やり差し込むと品質が落ちてしまいます」

著者の知り合いも、部下にそうやって断られたと言っていたそうです。

筋の通った断り方に納得し、その人はその仕事は何でも引き受ける部下に回したそうです(!?)

冗談めかして断る

親しい間柄なら、冗談めかして。

友達にマラソン大会に誘われた著者は「絶対無理!」と断ったそうです。

友達は笑ってくれたとか。

肯定を使って否定する

喜んで引き受けるふりをして、実は断るという高等テクニック。

たとえば「どうぞ僕の車を使ってください。キーは置いておきますね」

と言って、運転は引き受けない意志をきっぱり表現する等。

別の人を紹介する

「私は無理ですが、彼は興味を示すんじゃないかな」と言う。

自分を見込んで特別に頼んでくれたと思いたくなるのですが、実際は誰がやっても構わない場合がほとんどです。

 

そのほか、エッセンシャル思考を持つために大事なエッセンスとしては、

遊びを大事にすること

睡眠を通して自分という資産を守ること

途中でもダメだと思ったら過去の損失は忘れて勇気をもって中断すること

 

などが示されています。

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せっかくおこもりの日々を過ごしている私たちです。

そんな毎日をせっかくだから一緒に「エッセンシャル思考」の「本質目標」とか、「読書の1週間」に使っていくのも良いなぁと思います。

 

家で家族と一緒だとかえって煮詰まっちゃいそう。

しかし、ネルソン・マンデラ元大統領も「牢獄であっても思考は自由」だったといいますね。

 一緒に精神の自由を手に入れましょう。

では、また。

 

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