雑草はこの猛暑にも、たくましく育っていますね。
誰にも水をもらえず、台風になってもぐっと耐えている。
でも、温室で育つ植物よりもずっと猛烈なスピードで増えますし。
道端や公園の端、田の畦道にじゃんじゃん育ちますよね。
この逆境の社会環境の中で、私たちができることは何なのでしょうか?
私たちの身近にある雑草。
生命の逞しく生き延びていく様を教えてくれます。
もとから資源のない日本という国にある私たちは、常に他の国との競争の中で今の地位を得ました。
上品にしとやかに温室の蘭のように生きているのは、所詮先代からそうしたポジションを持っていたり、生まれつきすばらしい才能を持って生まれた一部の人でしょう。
私たちは、そんな生き方では厳しいビジネス社会で思うところに花を咲かせることはできません。
では、どう生きるのか?
ビジネス書よりももっとシビアで命を懸けた戦略を雑草が教えてくれます。
雑草は踏みつけに強いですよね。
踏みつけの場所に映える代表的な雑草にクサイやハマスゲがあります。
クサイ
ハマスゲ
これらの茎の表面は固くなかなか切れません。
しかし、茎の内側は柔らかいスポンジ状の髄がつまっていて、とてもしなやかです。
つまり、肩さの中に柔らかさがあるから、その頑強な茎はしなやかで折れにくい。
人通りの多い道に映えるオオバコは、大きな葉を持っています。
その葉は見た目には柔らかいのですが、丈夫なすじがしっかり通っています。
だから、オオバコの葉は踏みにじられてもなかなかちぎれない。
ここのところよくビジネス書に書かれている「レジリエンス」、つまりはしなやかさ。
道端の雑草の生き方そのものだと言えます。
オオバコは踏まれることで繁栄する
踏まれて生きる雑草の代表であるオオバコは、自ら踏まれやすいところを選んで映えています。
オオバコの学名にあるプランタゴは「足の裏で運ぶ」という意味です。
実は、オオバコの種子は水にぬれるとゼリー状の粘着液を出します。
そうして人や動物の足にくっつきやすくなる仕組みを持っているのです。
道に沿ってオオバコがどこまでも生えているのは、種子が車のタイヤなどについて広がっていくからです。
こうして、踏まれることによって種子を散布するオオバコは、再び踏まれやすいところに芽生え、自らの分布を広げます。
舗装されていない山道では、道に沿ってどこまでもオオバコの群生が列をなしていきます。
「オオバコの山登り」と言われるように、登山道や山小屋周辺などかなりの高地までオオバコが見られることがあります。
おおよそ人や車が通るところ、さらには動物が頻繁に歩くけもの道によくみられるのです。
オオバコは「踏まれること」に耐えているとは思えないのです。
「踏まれること」を巧みに利用し、「踏まれること」で繁栄しているのです。
「力がすべて」ではない自然界~成功戦略のパターン
雑草の生活を語るときに「戦略」と「成功」という用語が頻繁に使われます。
雑草は自らの生存をかけた「成功」のためにあらゆる「戦略」を発揮します。
植物の成功の戦略を示すものとして、「C-S-R戦略」と呼ばれるものがあります。
植物の戦略タイプがCタイプ、Sタイプ、Rタイプという3つに分類されるからです。
Cタイプは「競争型」。他の植物との競争に強く、打ち勝って成功します。
だからCタイプの典型は大木となり、少しでも背の高いものが勝っていきます。
「強腕タイプ」と言えるでしょう。
競争社会で最も力を発揮するのがCタイプです。
しかし地球上がCタイプで埋め尽くされるというわけではありません。
強力な力を持つCタイプですが、そこには競争相手が居なければなりませんし、公平な競争が約束されていなければなりません。
忍耐タイプと臨機応変タイプ
植物の世界は公平な競争が約束される環境ばかりではありません。
それが約束されないパターンは2つ。
ひとつは生存が困難な極限状態。
そしてもうひとつは、一寸先もわからない予測不能な状況です。
これらは生存に適していないし、競争が起こらないというよりは、競争する余裕すらない環境です。
そうした過酷な環境を克服する勝利者がSタイプとRタイプ。
Sタイプは「ストレス・トラレンス」タイプで、「ストレス耐性型」と呼ばれています。
ストレスは人間社会だけのものではなく、植物の世界でもストレスという言葉はよく使われています。
感想や日照不足、低温など極端なストレスに耐える力をもっているSタイプ。
例えば砂漠に映えるサボテンや氷雪に耐える高山植物などがSタイプの典型です。
Rタイプは「ルデラル」タイプ。
「攪乱耐性型」と呼ばれています。このタイプは家理代わりの激しい環境下で有利。
柔軟性を備えた「臨機応変タイプ」と言えるでしょう。実はこのRタイプが渡したタイの身の回りで最も成功を収めている雑草に特徴的な戦略です。
予測不能な変化は一般に「攪乱」と表現されます。
平穏な安定した植物の生息環境が、洪水や山火事、土砂崩れなどの天変地異に遭ったり。
もっと身近には草刈りや除草剤の散布だって、植物にとっては天変地異に等しい攪乱です。
車が通って踏みにじられることも九死に一生の事件ですし、田んぼや畑に生息する植物もいきなり耕されたら一大事です。
しかし、Rタイプの雑草にはそれらの条件を好む性質とあるのですが、一体どういうことでしょう?
草取りは雑草を助けている
植物学の立場から言うと、雑草は決して強い植物ではないそうです。
むしろ弱い方であるとされています。
抜いても抜いても生えてくる雑草ですが、完全になくす方法が1つだけあります。
それは、「雑草をとらないこと」。
草取りをしないと灌木が繁るなど、Cタイプがどんどん生えてきて、そこはついに森になります。いわゆる「遷移(せんい)」と呼ばれる現象が起きてきます。すると雑草は茂らず、灌木が生えてきます。
しかしこれでは、現実的には私たちが雑草をなくす方法としては現実的ではありませんよね?
よって、私たちは雑草抜きをするわけです。
こう考えると、私たちが雑草を絶やすために草取りや除草することが攪乱となり、雑草の生存を助け、雑草は草取りによって自らの生存基盤を保っていると言えるのです。
雑草が生き抜くために身につけた5つの力
適応力~不利な環境でも諦めない
農家もお手上げ!タイヌビエの模倣戦略
タイヌビエ
田んぼの主要な雑草にタイヌビエがあります。
茎や葉が作物のイネいそっくりです。農家の人でも一見して区別することはできません。
イネの姿に身をやつしたタイヌビエは、田んぼの肥料をいっぱい吸って、ちゃくちゃくと準備を進めます。
そして来る時が来れば、一気にイネよりも頭1つ高く茎をのばし、あっという間に穂を出し、花を咲かせ、あっという間に田んぼ一面に種子を落としてしまうのです。
農家の人がヒエの存在に気づいたときは、もう遅い。
田んぼにはタイヌビエの種子がびっしりとまかれています。
雑草は環境によって自在にその姿を変えます。
これが雑草の強さです。
中江丑吉という思想家はよくこんな言葉を口にしたと言います。
「人間はそれぞれ守るべき原則をひとつかふたつ持てばいい。
他のことはさっさと妥協してしまえ」
タイヌビエにとって守るべき原則は何か。
それは、花を咲かせ、種子を落とすことです。
その目的のために、タイヌビエは目の前の小事にはとらわれず、自らを変えてきたのです。
成功している多くの雑草には、このように環境に敏感に反応して変化する能力を持っているのです。
帰化雑草のトロイの木馬作戦
外国から日本に侵入し、定着した雑草を「帰化雑草」と言います。
まずは外国から輸入される品物と一緒に種子が運ばれ、空港や港の近くで生活を始めます。これを「一次帰化」といいます。ここから段々と周囲に広がっていきます。
しかし最近になって、短期間のうちに全国制覇する雑草が現れました。
しかも雑草防除の本丸ともいえる畑のど真ん中にいきなり見慣れない帰化雑草が出現したのです。
その雑草たちは、外国から輸入されるトウモロコシや大豆に混じって日本に運ばれます。
家畜の餌として利用され、種子も一緒に食べられます。
しかし、消化はされずに、ふんと一緒に体外に出され、堆肥となって畑にまかれるのです。
さらに、これらの種子は家畜の体内で消化されないばかりか、消化管を通ることによって発芽しやすくなる性質さえ持っています。
こうして家畜の餌に混じって運ばれた雑草の種子が、全国の畑で同時発生するのです。
まさに、トロイの木馬作戦を見事に収めたようです。
ヒメムカシヨモギは環境を読む
動物のサイズは大小があってもだいたい決まっています。
栄養状態がいくらよくても、ネズミはゾウより大きくならないし、栄養がとれなくても、ゾウがネズミより小さくなることはありません。
しかし、雑草の個体のサイズの変化は大きく、環境に合わせてフレキシブルに変化できます。
明治時代に鉄道の普及とともに広がったことから「鉄道草」の異名があるヒメムカシヨモギは、どこでも見られるキク科の雑草です。
ヒメムカシヨモギ
ヒメムカシヨモギは、土の肥沃さを敏感に察知し、高さ1mの大きな個体を群生したり、逆に痩せた土地では、背の低い個体がまばらに生える群落を形成します。
草の特性として、栄養分の多い土を好む性質がありますが、雑草は栄養分の高い畑で大きく成長を示します。
逆に栄養条件の少ないところでは、小さく生育できます。
小さく成長できるため、成長が劣っても必ず花を咲かせ、実を結ぶことができます。
花を咲かせることができる開花の「臨界サイズ」が、雑草は極端に小さいのです。
さらにヒメムカシヨモギは、環境に応じて生活のサイクルまで見事に変化させます。
ふつう花壇の苗は「一年草」や「越年草」という分類があります。
ヒメムカシヨモギは、一般には春から夏に成長し、大型の個体になります。
しかし、攪乱の強い予測不能な場所では、春から夏に発芽し、早ければ2、3週間という短い期間で花を咲かせて種子を作ってしまいます。
短いサイクルなので当然個体も大きくなりません。
定まった型を持つことは非常に重要です。
しかし、そのスタイルが環境に適合するとは限りません。
環境に応じて変化できることもまた、大きな力なのです。
再生力~ばらばらになっても諦めない
わざとちぎれて分布を広げる
バラバラに切断された植物体が、根を出してもとの植物にもどる力を「再生力」と言います。
きれいに草むしりしたつもりでも、根まで抜かないとダメだと言われるゆえんです。
可愛らしいタンポポも強い再生力で知られる雑草です。
タンポポの根をほり上げて切り刻んでも、その根の断面の1つ1つかがすべて根を出し、やがて植物に再生します。
ハマスゲもはびこるとやっかいな雑草の代表格ですが、地下茎を横に伸ばし、先端に芽をつけて増えていきます。
ハマスゲ
耕されるとちぎれて、その断片の1つ1つから再生します。
耕すことによって、雑草が増殖してしまう仕組みになっているのです。
トラクターのロータリーに地下茎を絡ませて、畑から畑へと分布を巧みに広げています。
切り刻まれたことで増殖するのです。
地下で活躍するスギナの根
「つくし誰の子、すぎなの子」と歌われるツクシはスギナの「胞子茎(ほうしけい)」で、地下茎でつながっていることはよく知られています。
スギナは1m以上も地下深くまで地下茎をのばすため、「ジゴクグサ」の異名があるほど。
原爆が投下され、数十年は草一本も生えないだろうと言われた広島の町で、真っ先に緑を取り戻したのはスギナだったといいます。
その生命力が、どれだけ人々を驚かせ、勇気づけたことでしょう。
反骨力~雑草は干されても諦めない
アスファルトを突き破る力
この内容に感動して、今回のブログにこの本を取り上げました。
アスファルトをよくスギナやハマスゲが突き破る姿を見せています。
スギナとツクシ
地下茎を巡らせた彼らは、地上部を削り取られアスファルトを敷かれても、地面の下に蓄えたエネルギーが復活の力となります。
ここでの秘密は「集中力」。
地面の下の雑草の芽は、目の先端布巾ん細胞の圧力を集中的に高めます。
その圧力は10気圧。これはプロボクサーのパンチの破壊力に相当します。
しかしどんな強い力でも、瞬間的な力だけではアスファルトを破れません。
「集中力」と合わせて重要なのは「持続力」。
雑草の芽は休むことなく、押し続けます。
こうして力をかけ続けることで、ついにはアスファルトを突き破ります。
いったんアスファルトを打ち破って芽をだした雑草ほど、防除のむずかしいものはありません。
オモダカは干されたときに根を伸ばす
植物の成長にとって水は不可欠。
でも、水が豊富にあればよいというわけではありません。
植物を水耕栽培すると、根はあまり発達しません。
簡単に水が吸えるからです。
鉢植えに水をやりすぎて枯らせてしまうこともあります。
水が多すぎで呼吸できず、根が腐ってしまうからです。
逆に水が不足したときに植物の根は著しく成長します。
根ばかりではないです。干された時をチャンスとばかりに増殖する雑草がいます。
田んぼに生えるオモダカです。
田んぼでは中干しと言って、イネの成育途中に水を抜き、土にヒビが入るくらいまで乾かします。
そのときオモダカは、一転して土の中の塊茎(かいけい)を充実させ、増殖します。
管理から抜け出しして雑草化~エスケープ雑草
園芸植物は肥料も水もたっぷり与えられ、1年中春の陽気のような温室の中で、何不自由なく生きています。
一方、雑草は誰も助けてくれません。でも、その生き方は自分次第、限りなく自由。
あなたはどちらの生き方に魅力を感じますか?
快適なだけの園芸植物の生き方に満足しない、人間の管理下から逃げ出してあえて雑草化しているものも実はおおくいます。「エスケープ雑草」と呼ばれています。
道端雑草の代表選手であるハルジオンも、もともと園芸用に日本に取り入れたものでした。
ハルジオン
マツヨイグサやベンケイソウも園芸植物出身とは思えない堂々とした雑草ぶり。
フランスギクやヒルザキツキミソウも園芸植物としての地位を吸って、狭い花壇を抜け出し、わざわざ道端や空き地で花を咲かせています。
フランスギク
忍耐力~「冬の時代」でも諦めない
「ロゼット」で冬を越す
冬の土の上には、まるでバラの花びらのように雑草たちが放射状に広げた葉を地面にぴったり貼り付けています。
実はこのスタイルこそが雑草の代表的な冬の過ごし方。
ドレスにつけるバラの花のような胸飾りをロゼットと言いますが、それと形状が似ているので「ロゼット」と呼ばれています。
外気に当たる面積は最低限にして、寒風をやりすごします。
ロゼットの下にエネルギーを蓄える
真冬の葉の下のロゼットをちょっとかわいそうですが引っこ抜いてみると、これがなかなか難しいことです。
根元が大地にしっかりとくっついていて離れないのです。
そこには想像もできないような太い根っこが伸びています。
可愛らしく見えるタンポポの花も、ゴボウのような太い根っこがあります。
力いっぱい広げた葉に太陽エネルギーを受け、それをせっせと自分の根っこに蓄えています。
傍目には地上の寒風にひれ伏してじっと耐えているように見える小さなロゼットの株が、地下では春に備えて着実に準備を進めているのです。
そして、冬が終わりを告げた時、ロゼットの株たちは蓄えたエネルギーを一気に爆発させます。
少しずつストレス耐性をつける
寒風の中、緑の葉を維持するのは簡単ではありません。
植物は「ハードニング」と呼ばれる作用があります。
これは、ストレスを受けることにより耐性がつくことを示します。
強い一撃を一気に受けると耐えることはできませんが、弱い一撃を少しずつ受けることで、厳しい環境に対する耐性を獲得していくのです。
雑草の生きる世界にストレスがまったくない環境はあり得ません。
多かれ少なかれその原因は存在しているのです。
ストレスから逃げるばかりでは決して強くなれません。トレーニングされた雑草だからこそ、極寒の中、緑の葉を保つことができるのです。
そして春になったとき、冬を越した雑草たちはいち早く花を咲かせます。
春になってから芽を出していたのでは間に合いません。
早春に咲いて、私たちに春の訪れを感じさせてくれる雑草たちは、どれも寒風に耐えながら葉を広げていたものたちなのです。
多様力~みんなと違ってても諦めない
アイルランドで飢饉が起こったわけ
1845年、アイランドではジャガイモの疫病が突如として大流行し、記録的な飢饉となりました。
200万人もの人間が餓死し、国外へ脱出する人が後を絶ちませんでした。
そのときアメリカに移住した人々が、のちのアメリカの繁栄を支えることになった歴史的事件です。
この飢饉の原因はアイルランドで栽培されていたジャガイモが1種類だけだったことが原因です。
ひとつの環境にだけ適応した超エリートだけが選りすぐられて存在する集団は、個性が弱いため環境の変化に極端に弱いのです。
多様性のある雑草の集団では、病気に強い株、乾燥に強い株、寒さに強い株、踏みつけに強い株、と多様です。
異能集団は、環境の変化に対して力を発揮します。
すぐれたものが勝ち残るのは、自然の掟。
しかし雑草は単一な評価基準で優劣を判断する価値観は持ちませんでした。
多様性に価値観を見出してきました。
先の読めない攪乱の世界を生き抜いてきたからこその価値観がそこにはあります。
長所だけでなく短所も含めてさまざまなタイプがいることが重要なのです。
のんびり屋の種子をわざと作るカラスムギ
雑草のばらばらさを示す顕著な例は発芽性です。
発芽に最適な条件がすべて整っても、まだその眠りを覚まさない種子がいま集団の中に必ず存在します。
これには実は重要な意味があります。
条件がこれ以上ないくらい整っていて、芽が出た後のユートピアのような世界が約束されたとしても、その環境が続く保証はありません。
もし、その環境に誘われてすべての種子が発芽してしまったら、その環境に終焉がきたときどうでしょう。
その集団は全滅です。
快適な条件でも眠ったままのひねくれものや、後から芽を出すのんびり屋が
いるからこそ、先発隊にもしものことがあっても、次々に芽を出し続けるのです。人間からすると、せっかく草取りを完全にやったつもりでも、雑草の芽は後から後から出てきます。
イネ科のカラスムギやタイヌビエは、穂の位置で種子の大きさや休眠の程度が違います。
カラスムギ
ひっつき虫の別名で知られるオナモミは1つの果実の中に、休眠性の異なる2つの種子がついになって入っています。
雑草は自力と他力を使い分ける
植物の生殖の方法には、自分の花粉を自分の雌しべにつけて種子をつくる「自殖」と、他の花の花粉をつけて種子を作る「他殖」があります。
他の個体と交わって子孫を残すのが、動植物の進化の上で獲得したシステムです。
植物も昆虫や風を利用して花粉を受け取ります。
しかし他殖は自分の花粉が雌しべにつかないよう注意を払わなければならないし、昆虫に花粉を運んでもらうためのコストもかかります。
風に運んでもらうには不確かだから、花粉をたくさん作らなければなりません。
雑草の生えている過酷な環境を考えると、仲間もなくたった1個体で映えることも決して珍しくないし、過酷な環境下で余分なコストをかける余裕がない時も多々あります。
そのため、雑草は自分の雌しべに自分の花粉をつけて受精できる自殖を発達させています。
不要なコストはカットして、本当に生き残るための選択をしているのが雑草の生き方であり、繁殖の仕方であると言えるでしょう。
冬の寒さを経験しない雑草に春は来ない、と著者は続づけています。
春に芽を出す夏雑草は、秋の温かい日を勘違いして芽を出さないよう「低温要求性」というものがあります。
ごく観の低い気温をしっかり経験しないと、本当の春がこないことを知っているのです。
そして春先の成長も一番早いのが雑草です。
「走ってから考えるタイプ」と「考えてから走るタイプ」で分けるならば、まさに「走ってから考える」タイプ。
冬はじっとこらえていますが、早春になればいち早く後悔せずに、躊躇なく他の植物に負けないスピードで成長していくのです。
雑草の生きざまは、まさに今の世の中を生き抜くわたしたちの生き方のお手本になるのではないでしょうか?
それでも、あんまり茂ると抜いちゃいますけどね。
でも、それでもかえって増えちゃうから大丈夫!
今週もお疲れさまでした。
細かいミスがいろいろあったとしても、気にしなくていいんです。
最終的にあなたがやり遂げたいこと以外は、瑣末なことです。
世の中いろいろバリエーションが豊富であることが、その社会の強みになります。
一緒に日本のバリエーションになりましょう。
ゆっくり休んでくださいね。
では、また。